Pickup! YSGA

特別版

★このコーナーは、過去のYSGAの例会でプレイされたけど、紹介が間に合わなかったゲームを紹介するコーナーです。

●4月22日 GW直前例会

「床に這いつくばって、さぁ大変!」の巻

「JUTLAND」

 かなり古いゲームですが、海戦ゲームファンなら知らぬ人がいないであろう「JUTLAND」です。

 当日は例会場の床に蒼い紙を敷き詰めて、汚れてもいいようにズボンを履き変え、両プレイヤーが床を這いずるようにしてプレイしている姿が印象的でした。なお、上記の写真は開始時点を撮影したものです。

 今回の「JUTLAND」についてはプレイされたDublin氏に簡単な解説とプレイの進行状況について書いていただいているので、そちらをご紹介しましょう。

以下、Dublin氏によるレポートです。


JUTLAND「ドッガーバンクの戦い」バトルレポート

 2001年4月22日、YSGA例会において16年ぶりにこのゲームをプレイする。今回はミニチュアを駒の代わりに使用するプレイということで、戦術ルールのみのドッカーバンクの戦いのシナリオを選択した。

 ここでこの古のゲームを知らない方々のためにAHの「JUTLAND」を簡単に解説しよう。ジュトランド沖海戦全体を扱ったブラインドシステムによる作戦級会戦ゲームであるが、作戦レベルではボードを使用せずに記録用紙に印刷されたマップの上で、両軍とも移動・索敵をし、会敵すれば床のような広い場所に艦隊の艦船を並べて、戦術戦闘を行う。戦術レベルでの配置方法であるが、先ず会敵したヘクスの中心に見立てた場所にヘクスの中心を表示するカードを置き、それからそのへクスの中心からそれぞれが"進入して来る方向へと付属のゲージによる36,000ヤードの距離を設定し、そこに船を並べる。互いに進入してくる方向にもよるが、視界内に入るまではヘクスの中心に向かって直進する。船の移動は、実際にゲージを当てて実行する。砲撃戦時の距離を計るのにも測量用のゲージ(ヤード表示のメモリが書いてある厚紙)を使用する。

 ドッカーバンクのシナリオは、つまり戦術戦闘の部分だけでプレイするゲームである。状況としては、3Wの「SALVO 2」が独海軍を追撃する英海軍の状態で開始するのとは異なり、前述のへクスに進入する場面から始まる。120度に開いた扇の端を単縦陣で接近する両軍の巡洋戦艦隊を想像していただきたい。筆者が指揮するビーティー隊は、ライオンを先頭に、タイガー、プリンセス・ロイヤル、ニュージーランド、インドミタブルの順で、対する大林氏率いるヒッパー偵察隊は、装甲巡洋艦ブリュッヒャー号を先頭に巡戦デアフリンガー、モルトケ、ザイドリッツのオーダーで接近する.開始時の距離は30,000ヤード、視界外である。

 使用したミニチュアは、GHQ社の2,400分の1スケールのメタル製のものである(タイガー号だけは、CinC社)。このスケールだと、駒の2倍の大きさのベースに固定して丁度よい大きさである。使用する各種ゲージ類も2倍に拡大コピーして使用する。

Dublin氏の素晴らしいユニット群 その1

 さて両陣営の戦力であるが、火力は英海軍の合計46火力に対して独海軍は合計38火力と劣勢である。スピードは逆に、英海軍の10に対して独海軍は11と優速である。最低限3隻で行動しなければならないので、足の遅い船を置いて行くことはできない(ただし、速力が9以下に低下した船は見捨ててもいいという特別ルールがあるので、独海軍の弱点であるブリュッヒャーはおそらく史実同様に見殺しにされると思われる)。

Dublin氏の素晴らしいユニット群 その2

では、当日の戦闘の経過を簡単にレポートしよう。

第1ターン: 両軍ともに視界外であるので、へクスの中心に向けて前進するのみである。距離を縮めたい英海軍は全速力で接近を図る。まだ、視界内には入らない。

第2ターン: 再び一直線の前進。このターンに視界内に入る。先頭艦同士の遠距離における砲撃が開始される。互いに1打撃ずつ受ける。

第3ターン: 視認したことによって行動の自由を得た独海軍は、ここで一斉回頭して逃走を図ると思いきや、逆に突撃を敢行し距離を詰める。彼らの作戦は強靭な防御力を生かした一撃離脱であることが判明した。ビーティー隊も接近戦は望むところである。
ヒッパーの意図は当り、集中砲撃によってライオンが瞬く間に撃沈される(1ターンの間に防御力数以上の打撃を受けると沈没する。因みにライオンの防御力は“6”、独巡戦は“12”である)。

第4ターン: 敵の巡戦1隻を沈めるという所定の目的を果たしたヒッパー隊は、退却行動に移る。だが、距離を一気に離せる全艦一斉回頭(独海軍のみに許される各艦がその場でUターンできる機動)ではなく、一転回頭(単縦陣の並んでいる順番で、ある一点でUターンする機動)でターンをする。防御力の弱いブリュッヒャーを守るためと、殿艦に高火力の艦を位置させることができる利点があるが、これは独海軍にある悲劇を生むことになる。復讐に燃えるロイヤル・ネイビーの砲弾の水柱がザイドリッツを包み隠す。水煙の晴れた後にはザイドリッツの姿は無かった。
海神ポセイドンは両軍に等しく捧げ物を要求したのだ。砲塔の天蓋を1弾が貫き、誘爆を引き起こしたものとみられる(特別損害の目が出ると、18分の1の確率で爆沈する)。火災の廻りが早くて誰も防火扉を閉鎖することが適わなかったのだ。

第5ターン以降: ザイドリッツの轟沈により、攻撃力が一挙に低下してしまった独海軍は逃走あるのみであった。先のターンに接近しすぎた代償として、ヒッパ―はなかなか砲撃レンジから逃れることができず、敵から有効な打撃を受け続ける。
追撃に勢いが出てきた英海軍は、敵の退却に足止めを掛けるべく駆逐艦戦隊を解き放つ。
対する独海軍は脱出の捨石とするべく、同じく駆逐艦を差し向けてくる。ビーティーは9ターン辺りでニュージーランド号(4防御力)を集中砲撃で失いはしたが、ヒッパーの方は残った3隻の主力艦も速度が落ちてしまって逃げることも適わず、そして沈黙して砲弾を受け続ける浮かぶスクラップと化してしまった時点で降伏となった。

ゲーム後の感想
 今ルールブックを読み返してみると、30年前のデザインとは思えないしっかりした作りのゲームである。買った当時は、結構勝手な自己解釈でプレイしていたような気もするがそれなりに機能するものであったと記憶している。主力艦を3隻以上の戦隊を組んで行動(単縦陣を組む)させよとか、戦隊が3隻以下になった場合は速やかに3隻以上にまとまるように移動させよというコマンド・コントロール的なルールも見られる。扱っているテーマ(というか艦隊の規模)が大きいため、軍艦に関するデーターはシンプルであるが、両陣営の性能(特に防御力)の差は良く表現されている。ドイツ艦の強靭性を充分に堪能することができる。
 昔、体育館でも借りなければプレイできないと書かれていたが、オーバーである。このシナリオの後に本来のJUTLANDシナリオをオリジナルの駒の方でプレイしてみたのであるが、戦術戦闘は4畳もあればプレイできるであろう。ただしプレイヤーの占める空間等を考慮すると、無理して6畳、理想は10畳位といったところであろうか。

またプレイしてみたい、燃えるゲームである。

Dublin氏の素晴らしいユニット群 その3


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