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★元市民課職員の危ない話★
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誰も教えてくれない住民票の話
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<<<<<<<<< 世帯とは? >>>>>>>>>

 そもそも、ここでいう「世帯」や「世帯主」とは、住民票上の言葉のことで、世間一般に使われているような、たとえば、「世帯をかまえる」「世帯じみる」「世帯道具」「世帯持ち」「世帯やつれ」などの「世帯」とは、少し意味が違うところもあります。また、戸籍にはまったく関係ないということを頭に入れてください。

 さて世帯とは、「居住と生計をともにする社会生活上の単位である」とされています。「居住」と「生計」の2つの要件がありますので、夫婦でも別居していれば、別世帯になりますし、赤の他人でも一緒に住んでいて生計も一緒なら同じ世帯といえます。寮、下宿等で数人が同じ所に住んでいる場合、通常は生計は別なので、それぞれ別な世帯となります。
 また、おじいちゃん、おばあちゃん、父、母、子供の5人家族の場合は、5人で1世帯という家族もありますし、おじいちゃん、おばあちゃんの2人で1世帯、父、母、子供の3人で1世帯というように、2つの世帯に分かれている家族もあります。2世帯住宅(キッチンも風呂も2つずつあるような、そして玄関まで)なら後者になっていることでしょう。

 というように、同じ1件の家(あるいは同じ部屋)に住んでいるから、必ずしも全員が全員、同じ1つの世帯になるとは限りません。実際に生計が別々なら別世帯として登録することは可能です。同じ1件の家(あるいは同じ部屋)に世帯が2つある状態です。

  

<<<<<<<<< 世帯主とは? >>>>>>>>>

 世帯には、必ず1人、世帯主を定めなければなりません。1人世帯ならその人本人が世帯主になります。2人以上の世帯は誰が世帯主になるのかというと、「主としてその世帯の生計を維持している者、及びその世帯を代表する者として社会通念上妥当と認められる者」という2つが要件になります。こう書くととても難しい感じがしますが、1人世帯だったら、その本人が世帯主になるというのと同じように、2人世帯なら、2人のうちどちらかが世帯主にならなければいけないので、よりこの要件に該当する人のほうが世帯主です。

 さて、世帯主を一言でいうと「その世帯を主宰する者」となります。ようするにその世帯の名実共に代表者ということでしょうか。

 どうして、世帯主を決めないといけないかというと、まず、住民票は世帯ごとに編成されているので、その検索機能の役割があるということと、市区町村の役所から住民への連絡事務を合理的、能動的に行うことができるということ、そして、わかりやすい続柄を表記するためです。住民票の続柄は、すべて世帯主からみた続柄が記載されます。
 戸籍の「筆頭者」というのは、インデックスの役割を担っている部分が大きいのですが、住民票の「世帯主」は、このように、それよりさらに実質的な理由があるわけです。
 現在では効率的な手続き、事務処理を行うため、国民健康保険などをはじめ、この住民票の「世帯主」を利用しているものが多岐にわたっていると思います。それを考えても「世帯主」を決める重要性がわかるでしょう。

 というようなわけで、戸籍の筆頭者だから世帯主になるというわけではありませんし(「筆頭者」というのは何の権限もありません。少なくとも「世帯主」よりは。)、世帯主になるには、年齢的にもある程度の年齢以上ということがいえます。

 「1人暮らし」をしているのなら、その世帯は1人なので、その人、本人が必ず世帯主になります。まだ20歳未満だからとか、学生だからとか、そんなことには関係なく、本人が世帯主です。世帯主のいない世帯はないのです。
 たとえば、ある夫婦で、夫が単身赴任により夫婦の住所が別々になっている場合は、夫は1人暮らしなので、そこの住所では夫が世帯主ですし、残った妻
(妻以外に世帯主にふさわしい人がいればその人)は、残った住所で世帯主になります。さらに妻と一緒に住んでいた子供が、1人暮らしをするため家を出たら、子供はその1人暮らしをしているところで世帯主になります。このように、親子3人が3人とも世帯主という可能性も充分考えられます。

ああ

 もし、3人が一緒に住んでいて1つの世帯(3人世帯)なら、世帯主は3人のうち1人だけなのはいうまでもありませんね。

 アパートや寮に住む場合、世帯主は「アパートの大家さん、あるいは管理人、寮の寮長、あるいは寮の管理人」なのでは? と勘違いしている人が多いのですが、そんなことはありません。いくらアパートや寮に住むといっても、そこの管理人と衣食住を共にしているわけではありませんから、それらの人と同じ世帯にはなれません。
 管理人さんにも、管理人さんの世帯があるでしょう。それは、1人世帯かもしれませんし、夫婦2人世帯かもしれませんし、子供がいて、3人、4人世帯か、人それぞれですが、それプラス、アパートや寮の住人がすべて管理人さんの世帯に入っていたら大変です。いったい何人家族になるのか・・・・。そして、その1人暮らしをしている人が、自分の世帯全員の住民票を取ったら20人家族だったなんてことになってしまいます。となりの部屋に住んでいる新婚さんも、その隣りにすんでいる浪人生も、またその隣の老夫婦も、その他、全部全員で1つの世帯(世帯主は管理人)なんて。そんなことはあり得ません。

 転出届のときに、「転出先の世帯主氏名」を記入する欄があります(ない場合もあります)。そこに、寮の名称や、アパートの名称を記入してしまう人がとても多いのです。寮やアパートは住む所です。住む所とは一言で言えば「住所」です。この欄は、「住所」を記入する欄ではなくて、その転出先での住所での世帯主は誰になりますか」という欄なのですが・・・。
 1人世帯だったら必ずその人が世帯主になります。だれかと一緒の世帯になって、世帯主は、その「だれか」だということなら、その「だれか」の氏名を記入しましょう。どちらにしても、氏名を記入してください。人間のです。世帯主は必ず人間です。

 すでにお話ししたとおり、実際に生計が別々なら同じ1件の家(あるいは同じ部屋)に住んでいても、別世帯として登録することは可能なので、同じ1件の家に世帯が2つあるという状態になります。それぞれの世帯に世帯主が1人いますので、結果的に、同じ1件の家に世帯主が2人いることになります。
 でも、夫婦の場合は、同じ1件の家(あるいは同じ部屋)に住んでいるのなら、夫婦別々な世帯として、夫も妻も2人とも世帯主になることはできません。夫婦は民法上の夫婦間の協力扶助義務が生じることから、同居している限り世帯を分離することできないとなっています。
 会社などでは、世帯主だけに支給される手当(住居手当とか)があることもあります。それは1つの世帯に対して支給されるものだと思われますので、夫も妻も世帯主となって2重に支給を受けることはできないということですね。

  

<<<<<<<<< 世帯主と筆頭者 >>>>>>>>>

 戸籍は夫婦(とその子供)で1つの単位で、その戸籍の最初に書かれている人を筆頭者といいます。住民票は1人で1つの単位ですが、それを世帯ごとに管理しています。その世帯員の中で、主に生計を立てている人のことを世帯主といいます。本籍と住所がまったく違うものと同じように、この「筆頭者」と「世帯主」も意味がまったく違います。

筆 頭 者
戸籍の最初に記載されている人

世 帯 主
主に生計を立てていてその
世帯を代表する人

 

 現実問題として、自分の本籍地がわからない人もたくさんいます。そして、それよりも更に、自分の戸籍の筆頭者がわからない人はかなりの数になると思います。

 「筆頭者というところは、世帯主名を記入すればいいのですか?」

 これは、よくある質問で、こう聞かれると少し困ったのですが、その場、その時、その人に合わせて説明するようにしていました。
 極端な例かもしれませんが、3人世帯で、その3人がそれぞれ筆頭者という場合も充分に考えられるのです。世帯主は3人の中の誰か1人だけですが。

 極端な例のついでに、こんな人もいました。
 自分の住民票を取りに来たんですが、その人は自分の住所がわからないのです。住民票を取るには交付して欲しい人の住所と氏名がわからないと交付できません。ただ、生まれてからずっと住所が変わってないのに、自分の住所がわからないという人は、通常いませんから、その時は事情をお聞ききして対処していました。

  

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