次の締切は、18日(金曜日)で来年度の駒場の授業(学部用、冬学期、金曜日5限「科学史特論V」。3限は廣野氏の「科学社会学」、4限は古川さんの「科学史特論 I 」。続けて受講してもらうとちょうどよいのではないでしょうか)です。案を記します。「ロンドン王立協会・パリ科学アカデミー再訪:科学革命の見直しにむけて」
ロンドン王立協会とパリの王立科学アカデミーの研究の最前線を展望し、さらにクーンの見方に修正を迫りたいと思います。新たな研究を進める展望台のような位置を確保できればよいかと思っています。
個人的には、知識社会学的観点と技術史(実験道具や技術の伝統)との関連を重視しますが、学部の授業ですから、先行研究の正しいサーベイができればよいでしょう。文献ですが、王立協会に関しては、何と言ってもマイケル・ハンターの仕事が基本です。日本語で読めるものとしては、大野誠氏が訳されたものがあります。
マイケル・ハンター『イギリス科学革命:王政復古期の科学と社会』大野誠訳、 南窓社、1999
もともとは、Science and Society in Restoration England, 1981, 1992 です。出版社の意向かもしれませんが、メインタイトルを「イギリス科学革命」とするのはミスリーディングだと思われます。さて、パリの王立科学アカデミーに関しては、何が基本でしょうか。
→専門家の隠岐さんに聞いていました。
隠岐さや香『科学アカデミーと「有用な科学」:フォントネルの夢からコンドルセのユートピアへ』名古屋大学出版会、2011年2月21日
Roger Hahn, The anatomy of a scientific institution : the Paris Academy of Sciences, 1666-1803, University of California Press, 1971
Alice Stroup, A company of scientists : botany, patronage, and community at the Seve nteenth-century Parisian Royal Academy of Sciences, . University of California Press, 1990
→あやうくもう一冊注文するところでした。この本は、2001年8月にアマゾンから購入しています。David J. Sturdy, Science and social status : the members of the Academie des sciences, 1666-1750, . Boydell Press, 1995
古いものとしては、1980年朝倉からでた村上陽一郎編『知の革命史1 科学史の哲学』に収録(93-171)された吉田忠氏の「科学と社会―科学の専門職業化と制度化―」でしょうか。
本としてわかりやすく書かれているのは、古川安『科学の社会史 [増補版]』南窓社、1989、2000どういうテーマがありえるか、順不同に記してみましょう。
・ハートリッブ・サークルとメルセンヌ・サークル
相馬伸一『教育思想とデカルト哲学:ハートリッブ・サークル 知の連関』ミネルヴァ書房、2001
この本の私による書評:『化学史研究』第29巻第3号(2002), pp.201-204.
Mark Greengrass, Michael Leslie and Timothy Raylor (eds.), Samuel Hartlib & Universal Reformation: Studies in Intellectual Communication, Cambridge: Cambridge University Press,1994.
Charles Webster, The Great Instauration: Science , Medicine and Reform 1626-60, London, 1975.
John T.Young, Faith, Medical Alchemy and the Natural Philosophy: Johann Moriaen, reformed inteligencer and the Hartlib Circle, Ashgate,1998.
芳賀守『イギリス革命期の農業思想 S.ハートリブの関わった農書研究』八朔社、1992
R. Lenoble, Mersenne ou la naissance du mécanisme, Paris, 1943.
V. Boria, Marin Mersenne : Educator of Scientists, PhD Thesis, The American University, 1989
A. Beaulieu, "Le groupe de Mersenne," in Geometry and atomism in the Galilean school (Florence, 1992), 17-34.
D. Garber, "On the frontlines of the scientific revolution : how Mersenne learned to love Galileo," Perspect. Sci. 12 (2) (2004), 135-163.・王立協会初代事務局長(Secretary)オルデンバーグの仕事
文献:金子務『オルデンバーグ―17世紀科学・情報革命の演出者』中央公論新社、2005・ボイル研究<BR> マイケル・ハンターの仕事を中心に、私のものも。
・フック研究
日本語としては、中島秀人氏の研究を中心に、英語ではシェイピンの仕事を中心に、フックの科学史的な位置を検討する。
文献:
Steven Shapin, "Who was Robert Hooke?," in Michael Hunter and Simon Schaffer (eds.), Robert Hooke: New Studies, Woodbridge: The Boyldell Press, 1989, pp.253-286
Shapin, S. "The invisible technician," American Scientist 7(1989) : 554-563
Rob Illiffe, "Technicians", Notes Rec. R. Soc.62(2008): 3-16
Steven Shapin, ""A Sholar and Gentleman": The Problematic Identity of the Scientific Practitioners in Early Modern England," Hist. Sci., xxix(1991): 279-327
中島秀人『ロバート・フック:ニュートンに消された男』朝日新聞社、1996
中島秀人『ロバート・フック』朝倉書店、1997
マーガレット・エスピナース『ロバート・フック』横家恭介訳、国文社、1999
ロバート・フック『ミクログラフィア:微小世界図説』板倉聖宣・永田英治訳 仮説社 1984年(抄訳)
Rostenberg, Leona, The Library of Robert Hooke, Santa Monica, California :Modoc Pr.,1989.
Michael Hunter (ed.), Robert Hooke: New Studies , Woodbridge: The Boydell Pr., 1989.・実験室と実験研究
化学のラボラトリーの実態に迫る。・望遠鏡と顕微鏡
エンゲルハルト・ヴァイグル『近代の小道具たち』(三島憲一訳、青土社、1990)の論点を確認した上で、その先の望遠鏡研究史と顕微鏡研究史を可能な限り押さえる。・ベイコン主義の実相
フランスと英国におけるベイコンの受容とベイコン主義の成立を見る。・王立協会の敵ホッブズ
シェイピンとシェーファーの仕事を中心に。あるいは、ミンツの『リヴァイアサン狩り』。
Shapin,Steven and Simon Schaffer, Leviathan and the Air-Pump: Hobbes,Boyle and Experimental Life, Princeton: Princeton U.Pr., 1985.・パリの王立科学アカデミーのメンバー
誰がいて、何をしたのか? どうして選ばれたのか?
ホイヘンスの仕事の全貌。
ライプニッツの仕事の全貌。・ネットワークの中の科学
ネットワーク内存在としての科学。・職人の知との比較
ギルド的知との比較における科学者共同体内知としての科学。ほんとうのところ何が違うのか、相同と相違。
山本義隆氏の仕事の検討。とくに、『磁力と重力の発見』ならびに『16世紀文化革命』
英語ではとくにロングとエイモンの仕事。
William Eamon, Science and the Secrets of Nature: Books of Secrets in Medieval and Early Modern Culture, Princeton University Press, 1994
Pamela Long, Openness, Secrecy, Authorship: Technical Arts and the Culture of Knowledge from Antiquity to the Renaissance, The Johns Hopkins University Press, 2001→東大の事務(東京大学教養学部教務課後期課程係)からもらった書類を引っぱり出しました。
・授業の目標・概要
・授業の方法
・成績評価方法以上の3点を記入せよとあります。シラバス(詳細な授業計画)は「授業計画欄」(公開対象外)に入力せよ、とあります。公開する箇所には必要ないという意味でしょう。
成績評価方法ですが、「全出席が前提となりますので、なるべく平常点や出席点という表記はさけてください」とあります。指摘されてしまえば、これはそうです。私の担当する授業については、次のようになるでしょうか。
・授業の目標・概要
「ロンドン王立協会・パリ科学アカデミー再訪:科学革命の見直しにむけて」
目標:「科学革命期に創設されたロンドン王立協会とパリの王立科学アカデミーの科学史上の意味を再検討したいと思います。クーンの改訂を目指します。」
概要:「重要な先行研究をサーベイした上で、新しい研究のための「展望台」を築きたい。」・授業の方法
「基本的には演習方式で行う。学生諸君に一回一回の分担分を発表してもらう。必要に応じて、私の講義も含める。」・成績評価方法
「発表による。発表の内容と発表の方法を評価する。」授業開始日 10月7日(金曜日)
最終授業日 1月27日(金曜日)まだ案内は来ていませんが、大学のサイトで見ると、冬学期は10月6日スタートとあります。2月1日が冬学期に終了日で、2月2日から2月14日が試験期間とあります。また1月10日(火曜日)の午後は、火曜日の授業を行わず、金曜日の授業を行うとあります。
10月7日
10月14日
10月21日
10月28日
11月4日
11月11日
11月18日
11月25日 駒場際で休講か
12月2日
12月9日
12月16日
1月13日 午後はセンター試験で休講?
1月20日
1月27日
こういう感じになります。次の場所に公式のシラバスがあります。
東大駒場2011年冬学期「科学史特論 V」公式シラバス追加情報:実際の授業では取り扱うことができないかもしれませんが、できればよいなと考えていることを追補していきます。(あまり整理はできていません。頭陀袋に放り込むような形です。)
薔薇十字運動との関連
他に、可能なテーマとしては、種村季弘「ヴァレンティン・アンドレーエと薔薇十字団」『化学の結婚』(紀伊国屋書店、1993)pp.293-343 に記述されているような、実際の学者共同体ではなく、ユートピアとしての学者共同体の思想史もあると思います。(王立協会やパリ科学アカデミーの思想的背景。)
フランシス・ベイコン『ニュー・アトランティス』;トマス・モア『ユートピア』;カンパネッラ『太陽の都』;アンドレアーエ『クリスティアノポリス』等々を比較する作業です。
歴史における薔薇十字運動
このサイトは、自分のための覚え書きの方にウェイトを置いているので、親切ではない部分は親切ではありません。
薔薇十字運動に関心をもった学生諸君のために、簡単に手引きを記しておきます。
最初は、ヨーハン・ヴァレンティン・アンドレーエ『化学の結婚:付・薔薇十字基本書』種村季弘訳・解説(紀伊国屋書店、1993)をきちんと読んでもらうのがよいと思います。
この書は、『化学の結婚』のテキストを日本語で紹介することを主眼としていますが、他に薔薇十字基本書として、Fama『薔薇十字の名声』、Confessio『薔薇十字の信条告白』、『全世界の普遍的かつ総体的改革』を訳出しています。
さらに訳者の種村さんによる、1)「『化学の結婚』解題(付・図版)、2)「ヴァレンティン・アンドレーエと薔薇十字団」が付されています。
1)解題には、基本的な研究書と日本語の参考文献が挙げられています。2)には力ある文人による解説があります。
ここから研究文献に進んでもらえれば、歴史における薔薇十字運動に迫っていくことができるでしょう。Robert A. Hatch, "Correspondence Network," in Encyclopedia of the Scientific Revolution, pp.168-170 を読みました。駒場の授業の準備作業です。ハッチさんはまったく知らない方ですが、この記事は勉強になりました。参考文献は5点挙げています。うち2点は自身の論文です。
Robert A. Hatch, "Between Erudition and Science: The Archive and Correspondence Network of Ismaël Boulliau," in Michael Hunter ed., Archives of the Scientific Revolution: The Formation and Exchange of Ideas in Seventeenth-Century Europe, Woodbridge: Boydell Press, 1998, chap.4
Robert A. Hatch, "Peiresc as Correspondent: The Republic of Letters and the Geography of Ideas," Science Unbound: Geography, Space, Discipline, ed. BrianP.Dolan., Sweden, 1998, chap. 1
最初のものは手元にあります。2番目のものは存在を知りませんでした。取り寄せて読んでみます。→取り寄せるには、存在していないといけません。ワールドキャットで検索すると、もっとも近い所蔵として、ケンブリッジ大学が出てきました。相当の稀書です。(日本の図書館が所蔵しないのはもちろん、アマゾンでもAddALL used books でも見つかりません。)
→最初のハッチ「博識と科学:イスマール・ブーリョのアーカイブと交信網」には、有用な地図がついています。
地図1:ペレスクの交信地図:Nicolas-Claude Fabri de Peiresc (1580-1637) はおよそ1万から1万4千通の手紙を死去に際して残した。おそらくその半分が残存している。地図はほぼ3200通の出版された手紙(1598-1637)をマッピングしている。
地図2:メルセンヌの交信地図:『マラン・メルセンヌ書簡集』(全17巻)は1871項目を含む。そのうち半分よりすこしだけ多い手紙がメルセンヌ宛て&メルセンヌMarin Mersenne, 1588-1648) の受け取ったものである。地図は、1,099通(1617-48)をマッピングしている。
地図3:コレクション・ブーリョの書簡:Ismaël Boulliau (1605-94) は、死に際し、約1万通の手紙を残した。その約半分が残存している。地図は4200通(1632-92)をマッピングしている。
地図4:オルデンバーグの交信書簡:『ヘンリー・オルデンバーグ書簡集』(全13巻)。地図は3170通(1641-78)をマッピングしている。
[Robert Hatch]
一昨日私の知らないハッチさんと記しましたが、自分のサイトで検索をかけると、忘れていただけでした。2007年5月18日に次の論文を紹介しています。
Robert Alan Hatch, "Clio Electric: Primary Texts and Digital Research in Pre-1750 History of Science", ISIS, Volume 98, Number 1, March 2007, pp.150-160今年の3月5日に次のものを挙げています。
Robert A. Hatch, "The Republic of Letters: Boulliau, Leopoldo and the Accademia del Cimento," in Marco Beretta, Antonio Clericuzio and Lawrence M. Principe (eds.), The Accademia Del Cimento and Its European Context (Sagamore Beach. Mass.; Science History Publications, 2009), Chap.11.目次がないようなので、『科学革命のアーカイブ:17世紀ヨーロッパにおける思想の形成と交換』を作っておきます。
Michael Hunter ed., Archives of the Scientific Revolution: The Formation and Exchange of Ideas in Seventeenth-Century Europe, Woodbridge: Boydell Press, 1998Michael Hunter, chap.1, "Introduction"
Massimo Bucciantini, "Celebration and conservation: the Galileian Collection of the National Library of Florence, "
Mark Greengrass, "Archive Refractions: Hartlib's papers and the workings of an intelligencer,"
Robert A. Hatch, "Between Erudition and Science - the archive and correspondence network of Ismael Bouillau,"
Frances Harris, "Ireland as a laboratory : the archive of Sir William Petty,"
Joella Yoder, "The archives of Christiaan Huygens and his editors,"
Domenico Bertoloni Meli, "The archive and Consulti of Marcello Malphighi :some preliminary reflections, "
Michael Hunter, "Mapping the Mind of Robert Boyle: the evidence of the Boyle Papers,"
Rob Iliffe, "A 'connected system'? : the snare of a beautiful hand and the unity of Newton's archive,"
James G. O'Hara, "A' chaos of jottings that I do not have the leisure to arrange and mark with headings' : Leibniz's manuscript papers and their repository, "
Mordechai Feingold, "Of records and grandeur - the archive of the Royal Society,"
Christiane Demeulenaere-Douyere and David Sturdy, "Image versus Reality : the archives of the French Academie des Sciences, "
調べていくうちに、結局、アン・ブレアの論文を2点ダウンロードすることになりました。
Ann Blair, "An Early Modernist's Perspective," ISIS 95(2004): 420-430
Ann Blair, "The Rise of Note-Taking in Early Modern Europe," Intellectual History Review 20(2010): 303-16
ともにDigital Access to Scholarship at Harvard からです。
→両方をさっと読み通しました。面白い。私に面白いのは当たり前と言えば当たり前です。もともと関心を共有します。提示される事例も科学史に関わるものであれば、相当割合で私の頭のなかにあるものです。昨日読んだアン・ブレアの論文は、アイシス誌の焦点 (Focus in ISIS)に掲載されたものです。このテーマであれば、どうして私が読んでいないのか疑問になり、調べてみました。
"Focus: Scientific Readers" は、2004年号の特集です。ちょうど私が「ボイルの読書/引用/執筆」論文を執筆したときに出版されています。気付けば読んでいたと思いますが、ISIS2004年号が届いたときに(自分のテーマに深く関係しているにも関わらず)見過ごしてしまったのでしょう。
3点の短い特集です。
Ann Blair, "An Early Modernist's Perspective," ISIS 95(2004): 420-430
Jonathan R. Topham, "A View from the Industrial Age," ISIS 95(2004): 431-442
Loraine Daston, "Taking Note(s)", ISIS 95(2004): 443-448
ウェブで3点とも入手できます。ダストンのものは、レビューです。今からすればちょっともの足りない特集です。→さらに調査を継続すると、BJHS(イギリス科学史学会誌)も2000年の号で同様の特集を組んでいることに気付きました。
special section: book history and the sciences
「特集:本の歴史と科学」JONATHAN R. TOPHAM, "Introduction to BJHS special section: book history and the sciences," The British Journal for the History of Science 33(2000) : 155 - 158
ADRIAN JOHNS, "Miscellaneous methods: authors, societies and journals in early modern England," The British Journal for the History of Science 33(2000) : 159 - 186
LESLIE HOWSAM, "An experiment with science for the nineteenth- century book trade: the International Scientific Series," The British Journal for the History of Science 33(2000) : 187 - 207
NICOLAAS RUPKE, "Translation studies in the history of science: the example of Vestiges, " The British Journal for the History of Science 33(2000) : 209 - 222
これは探せば、この部屋か研究室にあるかも知れません。
トッパム氏のイントロはウェブにあります。ダウンロードしてさっと読みました。Book History という雑誌が創刊されたとあります。この種の特集は日本でも必要だと考えます。関心を共有する方、いませんか?
夕食の前に次の本が届きました。
Ann M. Blair
Too Much to Know: Managing Scholarly Information before the Modern Age
New Haven and London: Yale University Press, 2010
バックカバーには、ウィリアム・シャーマン、ナンシー・シライシ、アンソニー・グラフトンの推薦文が掲載されています。
- 2011.2.19(土)
[2011年度授業準備]
2010年度の成績評価が終了すると、次は、2011年度の授業準備です。まずは、2月15日に記した冬の駒場の授業の準備から始めました。15日の部分に、追加する形で、内容をつめています。17世紀に出現した科学学会に関しては、 History: Nature & Artifice, Lecture 12. Mechanism, "Scientific Societies" によいまとめがあります。
メルセンヌ・サークルからいくと、そのメンバーは次のようになります。
メルセンヌ (Marin Mersenne, 1588-1648)
ファン・ヘルモント (Jan Baptist van Helmont, 1577-1644)
ペレスク (Fabri de Peiresc, 1580-1637)
ホッブズ (Thomas Hobbes, 1588-1679)
ベークマン(Isaac Beeckman, 1588-1637)
パスカル(父)(Etienne Pascal, 1588-1651)
ガッサンディ(Pierre Gassendi, 1592-1655)
デカルト (René Descartes, 1596-1650)
フェルマー (Pierre Fermat, 1601-1665)
ロベルヴァル (Gilles Personne de Roberval, 1602-1675)
パスカル (Blaise Pascal, 1623-1662)
メルセンヌが1648年に亡くなると、このメンバーはモンモール・アカデミーに引き継がれる。モンモール (Habert de Montmor ,1600-1679)。
デカルトは、1650年、すなわち17世紀のほぼ真ん中で死没しています。残ったのが、ガッサンディ、フェルマー、パスカル、ロベルヴァルです。モンモールのサークルには、他にクレルセリエ (Claude Clerselier, 1614-1686?) 、パタン (Guy Patin ,1601-1672)、プティ (Pierre Petit , 1594?-1677)等が加わります。
- 2011.2.20(日)
[パリ王立科学アカデミー]
部屋を見回していると、『科学革命の百科辞典』が目に止まりました。最初に読むにはちょうどよい辞書です。おっと、最初の項目でした。pp.1-5。アリス・ストループが執筆しています。当たり前かもしれませんが、パリの王立科学アカデミーの成立と活動は、科学史の非常に重要なターニングポイントです。アリスの記事を読むと、アカデミーの活動に焦点をあわせた研究が必ずしも十分にはなされていないようです。ポイントの一つは、国家との関係、別のポイントは研究の組織性、もうひとつのポイントは産業技術・職人の技術との関係です。ともあれ、アリス・ストループの本を買っていることは昨日判明しましたから、本を探すことにしました。弱い記憶があり、本はすぐに見つかりました。青いカバーに見覚えがありました。
→アリス・ストループの本をきちんと読むのが一番てっとりばやいことに気付き、読み始めました。
- 2011.2.21(月)
[パリ王立科学アカデミー ii ]
アリス・ストループ(1990) : Alice Stroup, A company of scientists : botany, patronage, and community at the Seventeenth-century Parisian Royal Academy of Sciences, . University of California Press, 1990 より、情報をピックアップしていきます。p.18: クロード・ペロー Claude Perrault, 1613-1688
p.18: マリオット Edme Mariotte, c. 1620-1684
p.19: ドダール Denis Dodart, 1634-1717
p.19: Claude Bourdelin, 1621-1699
p.19: Nicolas Marchant, ?-1678
p.19: Jean Marchant, ?-1738
p.20: ホンベルク Guillaume Homberg, ?-1715
p.20: トゥルンフォール Joseph Pitton de Tournefort, ?-1708
p.20: Jacques Borelly, ?-1689
p.20: Moyse Charas, 1619-1698
p.21: Joseph Guichard Du Verney, 1648-1730
p.21: Daniel Tauvry, 1669-1701
p.21: Morin, ?-1707
p.21: ホイヘンス Christian Huygens, 1629-1695
p.21: ラ・イール Philippe de La Hire, 1640-1718 1678年会員に選出される。 Encyc, p.353.
p.22: ラ・イール息 Gabriel Philippe de LA Hire, 1677-1719
p.22: Sédeleau, ?-1693
p.22: カッシーニ Jean Dominique Cassini, 1625-1712
p.22: ガロワ Jean Gallois, 1632-1707
p.22: デュアメル Jean Baptiste Du Hamel, 1623-1706
p.22: フォントネル Bernard Le Bovier de Fontenelle, 1657-1757
入ってもおかしくなかったのに、アカデミー会員に選ばれなかった人物。
プティ Pierre Petit, ca. 1598-1677 軍事技師。優れた実験家。トリチェリの真空の追試をフランスでは最初に行う。→科学アカデミーの初期の歴史に関しては、多くの研究があるに違いないと思っていたのですが、むしろ、非常に薄いことがわかりました。研究史の空白と言っても言い過ぎではないかもしれません。