号外 2008年4月5日
利用者の「安全・サービス」確保のため
ワンマン運転に反対します
利益優先のワンマン運転
東京地下鉄は「TokyoHeart 副都心線 6月14日開業予定」とテレビなどでさかんに宣伝しています。ところが、10両や8両編成でのワンマン運転計画について内容を知らせていません。 東京地下鉄の梅崎社長は今年の新年挨拶で、「これらの輸送サービスの充実改善に当たっては、お客様のニーズを適確に把握することが大切であります」と言っています。 「お客様のニーズを適確に把握」といいながら利用者に計画の全体を明らかにしていません。
ホーム柵の費用は 安全のためのコスト
東京地下鉄は今まで、ワンマン運転導入の理由として、「今後は少子化社会になり、人の採用が難しい」「将来の労働力不足への対応、等を基本方針として可動式ホーム柵設置に関わる経費をワンマン化によって補う」などといってきました。 ところが、労働力不足ための具体marusengougai.html へのリンク的な対策を立て、改善することもしていません。また、「可動式ホーム柵設置に関わる費用をワンマン化によって補う」などと言っていますが、年間400件以上の転落事故や列車接触が起きています(社内報3月号)。むしろ、ホーム柵を設置することによって、利用者を事故から守ることこそが重要です。 JRは山手線ホーム全駅に転落防止のため可動式柵を設ける方針を明らかにしています。 ホーム柵の設置は事故をなくすための安全のコストと考えることが大切なのではないでしょうか。
安全軽視の要員削減
社長は、平成18年度(06年度)決算及び19年度(07年度)9月期決算ではそれぞれ過去最高の成績を挙げることができました」として、「業績が好調だからといって決して効率的な経営に向けての努力を怠ってはなりません」と強調しています。 2001年と2006年を比較しますと、総収入が3196億円から3330億円に134億増えたの対し、当期利益は61億円から521億円に8・5倍にも増やしています。さらに、この5年間に長期債務を1666億円も減らしています。人件費は逆に1202億円から903億円と299億円も減らしました。いかに人べらし「合理化」が進められ、人件費が削減されたかが分かります。 東京メトロの利益追求を優先した経営方針は、大きな列車衝突事故を起こしたJR西日本の安全無視の経営方針と同様であり、公共交通のあり方が問われています。利用者へのサービス提供と安全確保のためには、ワンマン運転化に反対するとともに、労働者の労働条件の向上が必要です
複雑な運転方式で 安全が守れるのか
東京メトロの副都心線のワンマン運転計画は、「可動式ホーム柵他、ワンマン運転に対応する各種設備を導入したことにより、十分に安全性が確保できた」としていますが、提案された運転方法は、図のように複雑な取り扱いとなっており、乗務員にとって負担が大きく、間違いやすくなっています。 また、10両、8両と編成の異なった列車や急行・通勤急行列車なども運転される予定になっています。このような複雑な運転方式で事故がおきないのでしょうか。
東京メトロでは南北線や丸ノ内線・千代田線の分岐線でワンマン運転を実施していますが、副都心線や丸ノ内線のワンマン運転化で多くの車掌を削減しようとしています。 車掌の仕事で最も大事なことは利用者を目的地まで安全・安心に輸送することであり、車内秩序の維持に努めることです。具体的には、@乗降時のドア操作の安全確保、A車内放送などで車内秩序の維持と旅客サービス、B忘れ物・落し物の取り扱い、C事故時や緊急時の停止手配や処置など、さまざまなことを車両の最後部を中心に仕事をしています。しかし、現在でも「ダイヤ通りの運行が求められ、ホームに駅員が常時いる駅が少なくなる中で、安全確認に不安がある」との声があがっています。
重大事故になるドア関係の事故
JR東海・三島駅でドアに挟まれ線路に転落死、神戸電鉄でブレザーがドアに挟まれ転落死、上海地下鉄でホームと車両ドアの間に挟まれ転落死した事故、JR東京駅などのベビーカーを引きづり事故など、これまでも数多くの事故が発生しています。車掌の役割はますます重要です。
問題が多いワンマン運転
サービス面から考えると、車内暴力や急病人の発生時、対応が遅くなり、地理不案内な乗客に対するサービスなどが低下します。運転士が急病になったり、車掌の仕事を兼務することで、本来の運転業務にミスが起きないかなど不安があります。
安全・サービスは十分な駅要員の確保で
副都心線における駅の要員配置は、係員3名と監督者1名の4名体制で行うことを基本にしています。 ホームドアを設置しホーム要員は置かない、改札と事務所を一体型にし、現在、事務所で行っている忘れ物の検索・捜策やパスモの発行・払い戻しなどを改札口で行うとしています。 入金機を試験的に導入し、収入締切り立会いをなくし、締切り時間や保守時間も短縮し、要員を削減しようとしています。要員が少ない分事故時の対応が大変になってきます。特に、駅間に列車が止まったときの旅客誘導が困難になります。つい最近、丸ノ内線の分岐線での停電事故で、事故時対応が出来ず、誘導し終わるまで2時間近くかかりました。 10両編成のワンマン運転では、乗客も増え予想以上の混乱も予想されます。駅務機器の自動化による効率化とコスト削減で、安全とサービスは低下します。利用者と労働者に犠牲を押付けるやり方を改め、必要な人員を確保する必要があります。
具体的な駅業務の問題点
@総合指令所から、事故時に各駅の情報を直接提供できる駅放送設備を計画していますが事故時の対応要員もサービス向上の視点から確保すべきです。
A各駅(雑司ケ谷〜渋谷)にストレッチャー対応型エレベーターとエスカレーターを設置しますが、身体の不自由な人や車椅子の利用者に対応する要員がいません。
Bホーム、改札口に旅客案内装置の設置とともに、ホームでは案内放送を行うことになっていますが、事故情報を流すだけで、振替え案内などの要員はいません。
異常時の対応 運転士一人で出来るのか
東京メトロでは異常時の対応として@隣接線路を走行する列車の停止手配(列車防護)は、乗務員室からの防護発報操作または複線部に設備される線間防護装置による自動防護発報による、A車両故障発生時の車両点検は乗務員室に設けられたモニターにより、故障部位・状況を判断し、故障部位の開放は乗務員室から遠隔操作によりできるようにする、B事故発生時の乗客に対する事故状況の説明及び動揺防止については、メニュー付自動放送装置及び車内表示器を併用して対応するとの説明です。 職場では事故・故障が起きたとき運転士一人で対応できるのかという声があがっています。最近では、丸ノ内線分岐線のワンマン運転で、乗客がドアに挟まれているのが確認できず負傷させる事故がありました。 また、車両故障のため長時間列車を止め、最寄の駅まで線路上を歩かせ、社会的問題になりました。 交通機関が最優先しなければならないのは安全と安心であり、二度と中目黒脱線衝突事故のような大事故を起こさない体制づくりではないでしょうか。
韓国・テグ市地下鉄火災の教訓は
2003年、韓国・テグ市の地下鉄列車火災事故は200名以上の犠牲者をだしました。この大惨事の最大の原因は、車掌が乗務しないワンマン運転がおこなわれていたため、運転士と司令室が情報をつかむことができず対応が混乱し、「せめて車掌がいればこれほどの大惨事にならなかっただろう」と言われていました。この事故の教訓を生かすことが大切です。
安全確認は車掌にJR東日本
JR東日本は、「ラッシュ時の安全確認は車掌に専任させるべきで、運転士の一人二役では、負担が重過ぎる。通勤路線のワンマン化は考えていない」と言っています。
都営を見習って人件費削減?
ワンマン化をすすめた都営三田線では「安全対策の駅改良設備に約20億円かかったが、91人分の車掌廃止で人件費が約5億5千万円が毎年浮く」と言っています(朝日・夕刊2000・11・6)