2008年9月 号外

ワンマン運転、複雑な運行形態
       早急なダイヤの見直しを

         副都心線・有楽町線

利用者の不安、不満続出

新聞・テレビなどマスコミで華々しく取り上げられ開業した副都心線、しかしその陰でワンマン運転と複雑な運行形態が引き起こすミスやトラブルが相次ぎ、利用者や掛員に大変な不便と労働強化となっている実態が大きな問題となっています。 このようななかで、7月18日、国土交通省関東運輸局から東京メトロに対し安全・安定輸送への取り組み強化を求める警告文書が出されました。警告は、副都心線において多くの輸送障害を発生させ利用者に多大な影響を与えたことから徹底した原因究明と対策の検討を指示されていました。そのさなかに、7月16日、半蔵門駅構内で車両トラブルにより車両機器から発煙し、約2時間にわたり列車運行に支障をきたしたことにより出されたものです。 東京メトロは、安全・安定輸送の確保のために利益優先の経営姿勢を改めるべきです。

複雑な運行形態  マスコミも警鐘

東京新聞6月17日付朝刊は、「副都心線終日混乱、各駅停車、急行線路に・・ミス次々」という見出しで、トラブルが3日連続で相次いだことを報じています。記事は、乗り入れ電車が遅れた場合の運転調整での指令ミス、各駅停車が急行電車の線路に入り東新宿駅を通過したことや、自動列車運転装置(ATO)に不具合が生じたことをあげています。また、読売新聞6月20日付夕刊は、「副都心線、乱れる理由」「乗り入れまるで迷路、運輸指令も勘違い」という見出しで、乗換駅の小竹向原駅の複雑な乗り入れや案内表示について、「東武、西武両線からの乗り入れ電車が出発した後にポイントで交差するなどして、副都心線と有楽町線に別れるが、遅れが生じるとさらに複雑になり、その運行パターンは6種類にもなる」。乗り入れ電車に遅れが生じると、ホームの行き先表示板から、各電車の出発予定時刻が消え、ホームでの乗客の混乱ぶりを報じています。そのなかで会社側は「不慣れもあり基本的ミスが生じてしまった」「準備不足といわれても仕方がない、問題を洗い出して早急に対応したい」と言っています。

安全を守るため、 乗務員の負担軽減を

職場では、ATO故障やドア連動の不具合が日常的に起こり、乗務員の負担が多く心身ともに疲れて「体が持たない」「これでは安全が守れない」などの声があがっています。ダイヤ自体が過密で、和光市始発から常に1分から2分の遅れが出ている状況で、職制の間からも「このダイヤはガラスのダイヤで、いつ乱れが発生するかわからない」という声が出され、「ダイヤを見直せ」というのが多くの乗務員の声になっています。 また、「渋谷駅での折り返し時間が8両3分、10両4分では少なすぎる」「乗務員の遅延・待機要員が常に公休出勤でやっている。このダイヤでずっとやるなら仕業化して要員を増やせ」「泊まり勤務の出勤時間が早く、夜の仕事のあがりが遅くなった、限りなく全泊(24時間)勤務に近いので体がもたない」などの要望意見が数多く出されています。 

保安装置と車両のシステム検証を

開業後、連日のように過走防護装置が作動し急停車する事態が続いています。また、「出発表示器が表示されなかった」「可動柵の故障」「ATOで運転中可動柵開扉の許容範囲を超えて停車」「ATO表示灯点灯せず手動運転」などのトラブルも起きています。 西武線からの乗り入れ車はATO装置が不具合のため、手動運転で運行し乗務助役が添乗したなど、車両や保安システムなどのより一層の検証が必要であり、システムの変更・見直しも検討すべき事態も起きています。 また、営業線車両故障時の点検は副都心線専門の要員が確保されていません。有楽町線の掛員が兼務しています。そのため車両故障が起きた時迅速に対応することが困難になっています。他の路線では車両故障に対する点検要員が各線別に確保されています。副都心線専門の点検要員の確保が必要です。

                         

労働組合は利用者や職場の声に応えた運動を

開業前の労使の協議で、可動式ホーム柵、ATO、ATC、センサーで感知など、ワンマン運転に対応する各種設備を導入したことにより、十分に安全が確保できた。要員についても、ダイヤに基づく業務量に応じて適切な要員を確保、各駅の状況に応じた要員の確保、車両・技術でも作業量に応じた要員確保などが確認されたとしていました。 しかし、乗務職対協は6月26日、副都心線開業後の問題点及び改善・要望の申し入れをしました。その内容は、@今日までの状況、列車遅延などの要因及び今後の対応、AATOで運転できない場合は営業運転しないとあったが、・・・いつまで手動運転で行うのか、B有楽町線・副都心線乗務管区の乗務員、監督者並びに総合指令所の要員配置について問題はないか、C開業前に設置するとした設備について、未だに設置されていないものがあるがいつ設置されるのか。また、安全・安定輸送のために新設ならびに増設する機器の予定はあるのか、D有楽町線・副都心線のダイヤについて無理な設定をしていないか、など5点です。 申し入れに対する会社側の説明では、「案内・サービスについて、設備及び取り扱いを見直し、改善をはかる」「遅延要因として、取り扱い要員設備などの複合的要因が考えられるため、取り扱いの見直し、応援要員の確保及び増員、設備改善を検討する」「暫定的な要員配置を含め配置人員の変更を検討している」「ダイヤについては作成基準に基づいて適正に設定している」などと説明しています。 労働組合は要望事項や会社側の説明内容を労働者に知らせ、職場の意見や利用者の声に十分耳を傾け、利用者の安全・サービスと労働条件の向上をめざす運動が大切ではないでしょうか

急ぎすぎた開業・・・・・要員増で万全な保守管理体制を

開業後設備の保守現場でもまだ混乱が続いています。自動列車運転等に関わる車両の調整のため臨時の試運転が行われるたびに終夜通電となり、その都度作業予定の変更を余儀なくされています。ホームドアもトラブルが続出し、夜間作業終了後、仮眠時間中に現場に出動することも珍しくありません。 もともと開業日程自体、無理が重ねられてきました。土木工事担当のある労働者が、「通常の工程より1年以上短い」と話すのを聞いたことがあります。有無を言わさず工程短縮を押し付けられ、一方では基本的な設備仕様の決定が遅れ、工事を発注できなかった現場はまさに修羅場でした。新線開業のたびに、それまでの実績より縮めた行程を押し付けてくるのが常だったとはいえ、それでもこれまでの開業は「やりゃできたじゃないか」と言う人達もいたかもしれません。しかし今回は違います。「やはり無理だったか」というのが率直な印象です。有楽町線と副都心線をあわせて担当することになった保守区では本区と2ヶ所の分室に分かれて業務運営はスタートしました。区員同士が何日も顔を合わさないすれ違い状態の中で、FAX連絡と申し送りに頼る今の業務体制が本当に適切なのか疑問を感じます。連絡ミスや誤解による事故を防止するためにも、早期に見直してほしいです。 

東京メトロに寄せられた
利用者の声・・声・・・

副都心線開業に伴い、急行・準急には大変不便を感じる和光市から小竹向原までの4駅通過はやりすぎでは。
急行・準急は都営新宿線のように通勤時間帯はやめて欲しい。小竹向原駅での乗り換えが分かりづらい。
連絡は悪い、渋谷行きばかりで、氷川台駅通過が多い。ダイヤ改正を強く要望する。
副都心線は乗降客が多く、車両も長いのにワンマン運転をするのは不安だ、運転士だけで対応が出来ないのでは。
小竹向原駅の朝8時台1・2番線ホームの現状を見に来て欲しい。渋谷行きばかりで、ガラ空き、新木場行きは激混み。
氷川台駅・平和台駅を含め通過駅の人たちは納得できない。小竹向原駅の混乱、どちらが先かなど情報不足。乗客はいつも右往左往している
新木場方面が少なすぎる。日中15分間隔なんて都内の交通機関ではありえない。
千川駅を利用しているが、以前は6〜7分間隔だったのに、今は14分も間隔が開くこともある
遅延やトラブルにウンザリ。公共交通機関としての責任を果たすことを要望する。現場の社員がいかに頭を下げても納得しない。
急行や準急を走らせる意味はあるのか。14分ぐらい空くときがあり、これなら今までのままでよかった。根本からダイヤを見直して欲しい。地下鉄の急行は必要ない。地下鉄の狭いホームで急行電車が走り抜けるのにヒヤッとしたことがある。
副都心線が開業してから連絡が悪くなり、小竹向原駅のホームにいる時間が増えている。暑くて仕方がない。早く冷房をいれて欲しい。
和光市終点が多いので、直通利用者にはとても不便。渋谷行き利用者に媚びて既存の新木場利用者に迷惑がかかるのは失礼だと思う。

 その他、多数の要望、意見が寄せられています。

安全輸送とサービス向上のために

これらの利用者からの意見・要望に対し、東京メトロは有楽町線の混雑状況、副都心線開業にともなう利用者の流動変更予測などさまざまな状況を考慮したが、結果として、従来の有楽町線利用者に不便をかけることになった、意見を今後のダイヤ作成時の参考にするとしています。 東京メトロは、公共交通機関としての役割を重視し、利益優先の経営方針を改め、利用者の声に応え、安全輸送とサービスの向上につとめるべきです。