尺八雑話 (98)尺八三万五千年の夢

最近、新聞などが太古の笛発見の記事を報じていました。
その中で時事ドットコムというページに以下のような記事と写真が紹介されていました。

「ドイツ南西部ウルム郊外にある洞穴の約3万5000年前の地層から、シロエリハゲワシの骨やマンモスの牙
で作った笛を発見したと、独テュービンゲン大研究チームが25日、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
約20万年前にアフリカで出現した現生人類が欧州に進出してドナウ川上流域に定着し、音楽のある豊かな
社会・文化を築いていたことを示すという。

 骨の笛は、破片をつなぎ合わせると、直径8ミリ、長さ21.8センチ。一方の端に口を付ける切れ込みがあり
、指で押さえる穴が五つある。末端は五つ目の穴から先の部分が見つかっていない。穴付近には細い筋があり、
石器で穴を開ける位置の目印を付けたようだ。牙の笛は、長さ1〜2センチの破片だけ、洞穴や近くの遺跡から
3個見つかった。」

 ―以下略―

この記事を読んだ後、写真を見てさらにびっくり。歌口?がVの字に切れ込んでいる。
写真で見る限り、リードのようなものは見えない。いかにも尺八のそれのようにも見える。
しかも孔の数が5つだという(記事から推測するともっと多孔だったのかもしれないが。)写真でははっきり
しないがそれにしても穴の配列もなんとなく尺八のそれを連想させる。

ただ反り返りが現在の尺八とは反対で裏側に反り返っている。

尺八の起源としてはこれまでもいろいろな説があり「数千年前、エジプトの王国が栄えた頃、ナイル河畔に繁茂
する葦を切り取り、孔を開けて「セピ又はセビ」と呼ばれる笛が作られ、それが西に流れて欧州に入り、長い期間を
経て「オーボエ」となった。東に向いては、印度・中国を経て日本に入り、材料の葦が竹に代わって「尺八」になった」
との説も伝えられているー尺八専科中尺八の歴史から引用―

 今回発見された笛と尺八との関連の有無についてはどの記事にも触れられていなかったが、この笛が3万五千年の時
を経て現在の尺八につながっているとするなら尺八の歴史は数千年前から一挙に3万五千年前に遡ることになる。
考えただけで胸がわくわくするのである。

           

                                     蛙