ミ ナ ミ マ グ ロ ( ごうしゅうまぐろ、いんどまぐろ、まぐろ)

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ミナミマグロ(Collette and Nauen, 1983)


 名称
 本種は南半球にのみ生息しているため、ミナミマグロ、英名ではSouthern bluefin tuna(サザン ブルーフィン ツナ)である。
 日本においては、昭和20年代後半、始めてインド洋ジャワ沖で漁獲され、以後、フリーマントル沖方面に漁場が広がっていった。そのため、当初はいんどまぐろ、ごうしゅうまぐろなどと呼ばれていた。その後、和名として、現在名となったが、市場関係者の間では今でもこれらの名前が使われている。

ミナミまぐろの肝臓(Collette他,1983)


 今では、クロマグロ同様 高級魚
 肉質がクロマグロに似ており、同種とほとんど同じかそれに次ぐ高級魚である。そのため、まぐろとも呼ばれる。体型も似ているが、尾部の隆起が黄色なので区別がつく。最大体長約2.3m。体長2mで体重180kgに達するが、近年では100kgを越える漁獲物はほとんどない。
 
 漁場開拓当時、昭和20年代後半、日本はまだ貧乏で、まぐろ漁獲もアメリカ輸出向けの缶詰用のビンナガ、キハダを主対象魚としていた。脂の多い本種は缶詰には不向きであったため、また、冷凍技術が発達していなかった当時、凍結しても褐変するため、人気はなかった。魚艙が一杯に近づき、帰港間近になった時など、同種より価値の高いビンナガなど他の魚を確保するため、捨てていた船もあった。 

 日本栽培協会・奄美大島・加計呂麻島のまぐろ養殖場(上段)と養殖用いけす(下段)(1997)


 現在では、1尾100万円を越えるものも多くあり、また、資源的にも少なくなっているため、今から考えれば勿体ない話である。刺身用として人気が出て来たのは、日本が高度成長し、裕福になり、また冷凍技術が発達し、刺身用として長期保存が可能となった昭和40年代中頃からである。

 分布・回遊等
 主分布域は30〜50°S間をアルゼンチン沖からケープタウン沖、南部インド洋、オーストラリア沖、ニュージーランドまで東西に地球を取り巻くように広がっている。産卵場はジャワ南のオーストラリア北西域で、時期は10〜3月、南半球の夏の間である。産卵後の子供は1年ほど産卵場周辺海域で過ごし、その後3〜4歳迄、南オーストラリア沿岸域で過ごす。5歳位から上記30〜50°Sの海域へ移動して行く。

 蓄養
 ミナミマグロの蓄養はオーストラリアから日本の海外漁業協力財団に蓄養可能性の調査要請があり、1992年から始められた。上記南オーストラリア沿岸に移動して来た小型の同魚を12月〜1月にまき網で漁獲、生け簀に入れ、それをポートリンカーンまでで曳航し、直径約40m、深さ20mの養殖用生け簀に入れ替え、飼育する。取り上げは4〜9月、最低3ヶ月、平均6ヶ月である。体長1m強、体重20〜40kgに成長したものをダイバーが潜り、1尾づつ尻尾の方から抱きかかえ、船上に揚げ、生け締めし、内蔵を取り出し、氷蔵する。1尾づつ抱きかかえるのは、まぐろは暴れると体温が上昇し、肉質が落ちるので、それを防ぐためである。
 
 地中海におけるクロマグロの蓄養では、取り上げ時、鉄砲で射殺したり、電気銛で感電させたりしているが、ミナミマグロはおとなしいため、生きたまま抱き上げることが可能だという。地中海のクロマグロ蓄養については、クロマグロの項に記載している。
                                           (2002年10月)

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