本質
 
 キジ科の鳥であるヤマドリは、深山幽谷の地に暮らしている。
 
 キジ科の鳥の特徴は、翼面積が小さいことだろう。
 
 あの小さい羽根で、トビと同じ体重を支えようとすれば、そのに要する筋力は膨大なものが求められる。
 
 同程度の大きさのカモと比べても、その羽根の小ささは際だっている。
 
 畑や人家近くで見かけるキジとは、同じ仲間でありながらまったくと言って良いほど、その行動様式は異なっている。
 
 キジは、天敵の接近に対して、すくんで隠れようとする。かつて、ポイントしたセッターを飛び込ませたところ、セッターに自らを跨がせたキジがいた。これに対して、ヤマドリはともかくスタコラサッサと軽やかな逃げ足を見せつける。
 
 同じキジ科でありながら、生活する環境の違いが異なる逃避術を身につけたのだろう。
 
 生活する環境の違いは、本質的な違いである。キジとヤマドリは、まったくとは言わないが本質的に異なる性質をもった生物なのだ。
 
 その違いを無視して、ヤマドリ猟やキジ猟を語ることは、無意味な気がする。
 
 確かにヤマドリ猟では、柴犬が最高の犬種だと思う。でもキジ猟では、到底セッターやポインターに敵うものではないと思う。
 
 スタコラサッサと尾根へと向かって逃げていくヤマドリの姿や足跡を何度空しく追いかけたことだろうか。柴犬なら、その逃避の余裕を与えないのだ。
 
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2007.03.26.作成