鉛中毒から鳥たちを守りましょう。

鉛中毒について
 近年、水辺域の底泥中の鉛散弾を小石と間違えて飲み込んだ水鳥が、 鉛中毒で死亡すると言う事故が相次いでいます。これは、水鳥が食物を消化する為に小石などを飲み込み、 砂嚢にため込むと言う習性があるからです。
また、北海道では、猛禽類が鉛ライフル弾で撃たれたエゾシカを食べ、鉛中毒で死亡すると言う事故が 年々増えています。これは、エゾシカの体内に飛散したライフル弾の鉛を、猛禽類が肉と一緒に 食べてしまう為起こってしまう事故です。

水鳥の鉛中毒を防ぐには
 水鳥の鉛中毒の被害を防止する唯一の方法は、鉛散弾の代わりに、無毒性の素材を使用した散弾に切り替えることです。 水鳥の鉛中毒の防止は、狩猟鳥の保護繁殖(持続的な資源の利用)に役立つとともに、 捕ったゲームを安全な食材として安心して利用できることにもつながります。
諸外国でも無毒性散弾への切り替えが順次進められています。 例えば、アメリカでは1991年から、カナダでは1997年から鉛散弾の使用が禁止され始めています。 ヨーロッパ諸国においても、鉛散弾の禁止措置や、ハンターによる自主規制が行われております。
鉛散弾に替わる散弾は、大きく分けると鉛より硬い鉄系散弾と鉛とほぼ同じ硬さの非鉄系散弾に分けることができます。 鉄系散弾には、鉄散弾(スチール弾)と軟鉄散弾(ソフトスチール弾)があり、軟鉄散弾は日本でも生産されています。 一方、非鉄系散弾には、ビスマス弾、スズ弾、タングステン・マトリック弾があり、いずれも輸入製品となっています。

各種散弾の諸特性
  散弾の種類 毒性 生産状況 硬さ(鉛との比較) 比重(鉛との比較)
鉛散弾 有毒 国産・輸入 1倍 1倍
鉄系 鉄散弾(スチール散弾) 無毒 輸入 約5〜8倍 約0.7倍
軟鉄散弾(ソフトスチール散弾) 無毒 国産 約3〜5倍 約0.7倍
非鉄系 ビスマス散弾 無毒 輸入 約1〜2倍 約0.9倍
タングステン・マトリック散弾 無毒 輸入 約2倍 約0.9倍
スズ散弾 無毒 輸入 約0.5倍 約0.7倍
*非鉄系散弾については、表中の3種類以外にも色々な製品が開発されています。 中には硬さが鉄と同等以上のものもあります。 詳しくは、最寄りの銃砲店、装弾メーカー、輸入代理店にお問い合わせ下さい。

どんな銃でどんな弾が撃てるの?
 無毒性散弾には、これまでの鉛散弾と比べて、弾の硬度の高いものが多くあります。 このため、銃の種類等に応じて、適切な無毒性散弾を選ぶ必要があります。
鉛に近い硬さの素材を使用している非鉄系散弾については、鉛散弾と同様に ほぼ全ての銃で使用することができます。
しかし、鉛より数倍硬い素材を使用している鉄系散弾については、メーカーが保証する 「スチール弾対応銃(銃口部分等の強度を高めてある銃)」を使用することが基本ですが、 スチール弾対応銃でない場合でも、銃口部分の 絞り(チョーク) の緩い銃であれば使用可能であるとされています。
また、無毒性散弾では、弾の比重が鉛散弾より小さい為、ゲームに対する殺傷力(威力)が多少落ちます。 このため、散弾粒の大きいものを使用すると、鉛散弾とほぼ同様の感覚で使用できると言われています。

無毒性散弾の安全な使い方
 無毒性散弾は、これまでの鉛散弾と比べて、硬いものが多いだけでなく、威力や散弾の粒数も異なります。 このため,銃の種類に応じた適切な無毒性散弾を選ぶことはもちろんですが、安全な弾の使用方法についても 知っておく必要があります。
 鉛に近い硬さの素材を使用している非鉄系散弾については,鉛散弾とほぼ同様の使用方法で問題ありません。 弾のパッケージに書いてある使用上の注意をよく読んでご使用下さい。
しかし、鉛より数倍硬くて比重の小さい「鉄」を使用している鉄系散弾については、次のことに注意して 安全狩猟を心がけて下さい。
 なお、無毒性散弾では、弾の比重が鉛散弾より低い為、ゲームに対する殺傷力(威力)が多少落ちます。 このため、弾の号数を非鉄系散弾では1号から2号程度上げて、散弾粒の大きいものを使用すると、 ほぼ同様の感覚で使用できると言われています。 なお、無毒性散弾の散弾粒の数は、鉛散弾より数割多く入っています。 このため、号数を上げても弾幕の密度は薄くならないので、命中精度が低下する心配はありません。

鉄系散弾は鉛弾に比べ、反発力が高いので、兆弾や跳ね返りの危険も大きくなります。 硬い岩石・地面・竹林・氷・水面等への発砲は絶対避けるなど、細心の注意が必要です。
鉄系散弾は特別な火薬・薬莢・カップ・ワッズが使われています。異常腔圧等による 鉄の損傷や人身事故の原因になる恐れがあるので、 装弾の改造・リローディングは絶対にしてはなりません。
鉄系散弾は硬いので噛むと歯を痛める恐れがあります。ゲームを料理したり食べる時は、 十分注意することが必要です。
軟鉄散弾(ソフトスチール弾)は表面メッキの防錆加工をしてありますが、水分が付着したまま 長期保存をすると錆びて団塊状になり、使用上危険です。 吸湿品や保管の場所と期間等に十分注意して下さい。


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