錣引き



屋島山頂から見た合戦場

屋島の合戦のとき、源氏方の三保谷四郎と平家方の悪七兵衛景清が対決しました。「錣引き」と呼ばれる有名な場面です。

シテ「源氏の方にも続く兵五十騎ばかり、なかにも三保の谷の四郎と名のつて、真先かけて見えしところに、
ツレ「平家の方にも悪七兵衛景清と名のり、三保の谷を目がけ戦ひしに、
シテ「彼の三保の谷はその時に、太刀打ち折つて力なく、すこし汀に引き退きしに、
ツレ「景清追つかけ三保の谷が、
シテ「着たる兜の錣をつかんで、
ツレ「後ろへ引けば三保の谷も、
シテ「身を遁れんと前へ引く、
ツレ「互にえいやと、
シテ「引く力に、
地「鉢付の板より引きちぎつて、左右へくわつとぞ退きにける
〔詞章は、小山弘志・佐藤健一郎校注・訳『謡曲集』1(『新編日本古典文学全集』58、小学館、1997年)による〕


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