四葉でも分かるパレスティナ紛争



第四章(後編)





【登場人物】

毒虫(毒)

 本企画の解説役。怒れる美少女ゲーマー。お乳大好き。おぱんつ大好き。
 この文を書いてる人間とはたぶん別人。
 教師でもないのに、何故か“センセ”と呼ばれている。


アンドロイドM(M)

 毒虫くんの助手。見た目はお乳がハンドボール大の美女。
 その正体は巨根のオカマ。ジャックハンマー剛力無双のハードパンチャー。
 自称“みかりん”。毒虫くんのことが大好き。




CHAPTER.4   さまよえるパレスティナ人

毒「さてさて、ベングリオン達シオニストが英米との関係を深めている一方で、
  パレスティナから亡命したアラブ期待の星こと、
  ハジ・アミン・アル・フセイニはどうしてたのかというと・・・・・・」

M「『パレスティナ解放運動? やってるさ。やってるって・・・・・・』
  とかブツブツ言いながら、深夜ビール片手に
  『それは舞い散る桜のように』をえんえんプレイしてたり・・・・・・」

毒「小町最高ォゥッッ!だからそれはオレだ。
  ・・・・・・フセイニはまずレバノンのベイルートに逃れ、
  レバノンの支配者・フランスに政治難民として認定される。
  そして、最初はイギリスへのフセイニ引渡しを拒否していたけど、
  イギリスからの圧力が強まり、つらくなってきたフランスは、フセイニに
 『一緒にドイツと戦ってイギリス様のハートをゲッチュウ☆しちゃお♪』
  という提案を出すが、フセイニは拒否。ベイルートを出奔」

M「センセの表現もいいかげんアレだと思いますけど・・・・・・次はどちらへ?」

毒「次にフセイニが向かったのはイラク。
  フセイニはアラブの英雄としてイラクで大歓待を受け、
  首相のラシード・アリや―――
  親独派の国防相、ドイツ・イタリアのバグダッド駐在領事らと親交を深める」

M「つまり、フセイニさんはイラクで、
  すっかり枢軸国萌えになってしまったのですのね☆」

毒「そう―――つまり、期せずしてフセイニは
  負け馬に賭けてしまったわけだ。
  で、イラクのラシード・アリ内閣はイギリスの圧力で潰されるけど、
  フセイニは親独派のイラク軍人らと協力してクーデターを決行、
  再びラシード・アリ内閣を発足させる」

M「ついにイラクをドイツ色に染め上げてしまったわけですわね♪
  調教完了ってとこカシラ?」

毒「もちろん、そんな事態をイギリスは看過できない。
  イラクには重要な油田があるし、
  イラクを親枢軸・アラブ民族主義の拠点にされたら、
  中東におけるイギリスの権益そのものが危険にさらされることになる」

M「つまり、イギリス的には寝取られは不可、と」

毒「・・・・・・少しはマジメにやれ。
  イギリスは新内閣が発足するや、インド・ヨルダン軍をイラクに送りこむ。
  イラクは当時親アラブの声明を出していたドイツに支援を要請するも、
  独ソ戦の準備で忙しかったドイツは、援助の手をさしのべなかった。
  イギリスはゆうゆう、ラシード・アリ親独政権を叩き潰す」

M「イラクの方々もお気の毒ですわ〜。
  ドイツ機甲師団の勇姿が見られなかったなんて♪
  で、我らがフセイニたんは、戦火の中で華々しく散ってしまったんですの?」

毒「いや、勝手に殺すなよ。
  フセイニはからくもイギリスの手を逃れ、
  ラシード・アリとともにイランへ逃亡。
  イラン国王のレザー・シャーの歓待を受け、
  また政治難民として認定してもらう」

M「どこに行っても人気者ですわね、フセイニたん」

毒「それもつかのま、今度はイランが英ソの分割占領を受け、
  イギリス軍が進駐してきたために、またも逃亡するフセイニ。
  アフガニスタン・日本の大使館に身を寄せたり、
  ヒゲをそり落としたり、イタリア外交官のメイドさんに変装したりして
  逃亡を続け、トルコ→ブルガリア→ルーマニア→ハンガリーを経て、
  イタリアへ―――そして最終的にはドイツにたどりつく

M「波乱万丈あーんど楽しげな逃亡生活ですわねえ。
  みかりんも次回はメイド姿で登場しようカナ?」

毒「キミはどうしてもワタクシを窓からダイヴさせたいみたいね。
  ・・・・・・ドイツに着いたフセイニはヒトラーと会談し、
  アラブの独立と反シオニズムの強化を約束してもらうとともに、
  多額の資金援助も受ける」
  
M「さっすが総統閣下、太っ腹☆」

毒「フセイニはドイツから、アラビア語のラジオ放送を通じて
  アラブへの枢軸国の宣伝につとめたりしたけど・・・・・・
  東部戦線が苦境に陥ってくると、ドイツは中東どころじゃなくなり、
  フセイニへの態度もだんだん冷たいものになっていく。
  さらには、ここまで一緒に逃げてきたラシード・アリとも、
  路線の対立から仲違いしてしまう」

M「あらあら。“パレスティナのフーテンの寅”の異名をとるフセイニさん、
  またまた旅に出たくなっちゃいそうですわね☆」

毒「・・・・・・まあ、実際にはタコ社長のヒトラーに追い出される前に、
  第三帝国が崩壊しちゃうんだけどね」

M「そしてまた『フセイニ旅日記』が再開、と。
  ほんとに残念ですわ〜。みかりん的には、
  ドイツとアラブの人民が手に手を取り合って、
  悪の枢軸こと米英ソに立ち向かうのが見たかったのに〜」

毒「・・・・・・あんまりシャレになってないな。
  実際のところ、フセイニやイラクだけでなく―――
  中東世界には親枢軸派が多かった。
  ・・・・・・まあ、ドイツが好き、ちゅーより、
  イギリスが嫌いだっただけなんだけどね。
  つまり、親枢軸派が反英主義者の受け皿になってたわけ」

M「もう、センセのばかばかばか!
  どうしてそんなつまんないコトおっしゃるんですの?
  おめめにキラキラ星を輝かせたアラブの皆様が、
  我らがドイツにメロメロだったからに決まってるでしょ!?」

毒「バカは貴様だ。
  さておき、イギリスがドイツに押されていくとともに、
  中東でのドイツブームは加速し、
  軍神ロンメル率いるDAK(ドイツ・アフリカ軍団)が
  北アフリカで破竹の快進撃を続け、エジプトの奥深くまで侵攻した頃、
  それは最高潮に達する」

M「きゃ〜っ! ロンメル様ステキぃ〜〜ッ!」

毒「・・・・・・とまあ、そんな調子だった中東のドイツ熱も、
  ロンメルがエルアラメインで敗れ、東部戦線でも
  モスクワ攻略の失敗により連合軍が勢いを盛り返すと、
  ひっそりとしぼんでいくんだけどね。
  パレスティナでも、親枢軸だったイスティクラル党が、
  42年を境に親連合軍に鞍替えする、なんてことも」

M「ムキーッ! 恩知らずの(差別的発言)どもが!」

毒「ともあれ、パレスティナ解放運動の中心だったフセイニが、
  ナチス・ドイツに味方していた、というのは、
  パレスティナ−アラブ人にはとても不幸だったね。
  実際には、ほとんどのパレスティナ人は、
  中立を保っていたわけだから」

M「勝った連合国が、『英米に協力したユダヤ人』と、
  『ドイツに協力した(とみなされた)パレスティナ人』
  どっちをひいきにするか、火を見るより明らかですものね・・・・・・」

毒「そういうこと。その立場の差が、
  戦後パレスティナの処遇を決める国連の会議で、
  イスラエルというユダヤ人の民族国家の成立を許した一因となったわけだ」

M「・・・・・・なんか湾岸戦争とまるっきり同じパターンですわ〜」

毒「ほんとにね。
  湾岸戦争の時、父ブッシュが必死こいて周辺の中東諸国に呼びかけ、
 『国際社会vsイラク』という構図を作り出そうとする中で、
  アラファトはイラク支持を表明した。
  空気を読めなかったアラファト君のおかげで、
  サウジをはじめとする湾岸諸国からの援助を失い、PLOは弱体化。
  オスロ合意という、和平の名を借りた降伏文書に調印せざるをえなくなる」

M「それに反して、イスラエルはイラクに、
  何十発とスカッドミサイルを打ち込まれても、ぢっと我慢してましたものね。
  ちゃんとアメリカ様の言うことを聞いて、よい子ちゃんでいましたもの」

毒「だから戦後、イスラエルはアメリカパパから
  たっぷりごほうびをもらえたわけ。
  まあ、一番ウハウハだったのはシリアだけどな」

M「あン・・・・・・みかりんも、センセのスカッドミサイルで激しく爆撃されたい☆
  そしてそれに耐え抜いて、いっぱいごほうびを・・・・・・って、
  それだと“爆撃(おしおき)”も“ごほうび”も同じ内容になっちゃうわ♪
  きゃあ☆ センセったらえっちぃ♪」

毒「・・・・・・あー、もしもし。イスラエル大使館ですか?
  駐在武官の方をお願いしたいのですが」(←電話中)

M「んもう、センセのテレ屋さん☆(←ネリョチャギで電話機粉砕)
  それはそうと、なしてわざわざ駐在武官を?」

毒「ここで豆知識。大使館の駐在武官ちゅーのは、
  ほとんどの場合、軍情報部の人間がつくポストね。
  何年か前に、海自の三佐がロシアの駐在武官に
  機密情報を流してた事件があったでしょ?
  そのロシアの駐在武官は、GRU(軍情報部)の人間だったし」

M「じゃ、イスラエル大使館の駐在武官は、
  アマン(イスラエル軍情報部)の機関員ってことに
  なりますわねえ」

毒「たぶんね。
  さておきあの事件、すんげー古典的な“取り込み”の手法で笑った。
  あー、未だにこういうやり方でエージェント作ってるんだなーって」

M「つまり・・・・・・センセったらアマンの殺人マシンに、
  みかりんの言動をチクろうとしやがりましたのね♪
  センセのおちゃめさん☆ 今日の夜楽しみにしてらっしゃい♪」

毒「ひぃー、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

M「うふふ。まあダイスキなセンセのおイタですから、
  笑って許しちゃいましょ。でも次やったらホテル行きですわよ♪」

毒「うあ〜〜〜んっ!(←だよもん哭き)
  それはさておき・・・・・・戦時下のパレスティナの話もしとこう。
  この頃のパレスティナは、イギリス軍の兵站基地として機能し、
  たま〜にイタリア空軍の爆撃を受けたりもしたけど、
  ユダヤ・アラブは休戦状態となり、戦争経済の恩恵を受けて発展した

M「朝鮮戦争時の日本の戦争特需みたいなもんですの?」

毒「そんなカンジ。戦争とは一大消費市場―――
  当事者以外にとっては、大きなビジネスチャンスだからね。
  特にユダヤ側は、経済面の発展ばかりでなく、
  海外からの資金援助をもとにインフラ整備や政治機構づくりに励み、
  ちゃくちゃくと国家成立の準備にいそしむ」

M「相変わらず、やることにソツがありませんわね、
  ユダヤの方々ったら」

毒「ところが・・・・・・
  1944年、英国の閣僚ウォルター・モインが、
  エジプトで“シュテルン”のテロリストに暗殺される

M「どどどーしてそんなことを?」

毒「その事件をさかのぼる数年前、
  ルーマニアからパレスティナに向かっていた、
  多数のユダヤ人を乗せた難民船が、
  そのモインに入港を拒否されて、最終的には沈没したって事件があったの。
  だから、モインはユダヤ人たちに恨まれていた」

M「それでちょっとおつむのトリッガーの軽い先走り野郎どもが、
  モインさんをハジいてしまったんですのね?」

毒「ちなみにこのモインは、当時の首相チャーチルのマブダチ。
  元は親シオニズムだったチャーチルはこの事件に憤激し、
  内閣で審議しようとしていたパレスティナ分割案をボツにして、
  以後はシオニズムに対して否定的な態度をとるようになる」

M「思いっきり逆効果になってるじゃありませんか」

毒「“シュテルン”はシオニスト諸派の中でも最過激派で、
  資金調達のために銀行強盗するようなムチャな集団だったからねえ」

M「あたくしが言うもナンですけど―――
  だいたい過激な主張をとるヒトたちって、
  根本的におつむ弱めな萌えキャラが多い気がするんですけど。
  さておき、これで“約束の地”への夢が、
  はかなく散ってしまいましたのね・・・・・・」

毒「ところがどっこい。
  1945年にはアメリカで民主党のトルーマン、
  イギリスでは労働党のアトリーという、
  どちらもシオニズムに対して好意的な政権が誕生する」

M「うわお♪ タイミングよすぎ☆」

毒「トルーマンは大物だったルーズベルトの後任として、
  あまり強い支持勢力を持たなかったんで、
  積極的にユダヤ系住民の力を借りようとしていたし、
  アトリーの労働党は第一次世界大戦の頃から、
  野党という気楽な立場も手伝って―――
  熱心にシオニズム支持を表明していた

M「・・・・・・そりゃ政権についてなかったら言い放題でしょうよ。
  中東の権益保持とかアラブのご機嫌取りなんか気にせず、
  シオニズムをマンセーしてればそれですむんですから」

毒「そういう面もあるが・・・・・・もともとイギリスにはユダヤ系議員が多くてね。
  保守党はシオニズムに否定的な同化ユダヤ人との関係が深く、
  ディスレリのような同化ユダヤ人の首相まで存在した。
  チャーチルみたいにシオニズムを支持する方がむしろ例外だったの。
  それに対して、労働党はイデオロギー的に近いシオニズムを支持してきた」

M「あ、なるほど。アカつながりってことですわね。
  ・・・・・・でも、どうして同化ユダヤ人は、
  シオニズムがイヤンイヤンでしたの?」

毒「せっかくその国にとけこんで、まわりとうまくやってるのに、
  シオニストがムチャをやらかして、それをきっかけに
  反ユダヤ運動とかが盛り上がったら、とばっちりを受けかねないでしょ」

M「よけいな波風を立ててほしくなかった、と」

毒「そういう歴史的経緯もあって、
  アトリーとしてはシオニズムを支持したいところだったけど・・・・・・
  いざ政権についてみると、今まで批判してきた、
  保守党の親アラブ政策をとらざるをえない現実に気づく」

M「アレですわね、自衛隊の存在自体認めなかった
  どこかのドリーミイ政党が、何かの間違いで政権についたとたん、
  自衛隊容認に走るようなもんですわね・・・・・・」

毒「あそこまでひどくはないと思うが。
  まあ、どこの国でも左派政党はそんなもんだけど。
  ・・・・・・話をイギリスに戻すと、
  特に外務省や軍は、アラブの反発をまねく、
  ユダヤ移民枠の拡大や、パレスティナ分割には反対していた」

M「結局、労働党も保守党と同じように、
  ユダヤにもアラブにもイイ顔しなきゃならなくなった、と」

毒「んで、1945年8月、
  『堪へ難きを堪へ〜、忍び難きを忍び〜』と、
  アジアの片隅でとても景気の悪いラヂヲ放送が流れてから
  しばらくたったある日―――」

M「・・・・・・センセ、素直に第二次世界大戦が終わった、
  とゆってくださいよう」

毒「ん〜、それだとヒネリがないし。
  ちゅーか言い忘れてた。
  8月15日の時点ではまだ戦争は終わってないぞ

M「はれれ? 終戦記念日なのに」

毒「8月15日は無条件降伏の決定を発表した日。
  で、9月2日に降伏文書に調印したの。
  国際法上、正式に戦争が終わったことになったのは、
  1952年のサンフランシスコ講和条約の時

M「やン☆ じゃあ、まだこの時点では、
  海中に沈んだドイツ軍の萌え萌え超兵器を引っ張り出して、
  露助どもに一発喰らわしても全然OKだったのね♪」

毒「某ローレライかよ。まだ読み終わってないんでヤメれ。
  ・・・・・・まあ、キリいいしここでいったん終わるか」

M「ああ、パンツァーマイヤーのネタも出さないうちに、
  第二次世界大戦が終わってしまいましたわ・・・・・・しくしく」



CHAPTER.5    ジョンとサム 仲良くケンカしな♪

毒「ほんでもって、1945年8月末、
  シオニストから強烈に要請を受けた米大統領トルーマンが、
  英首相アトリーに向け、
  大戦で発生した10万人のユダヤ難民のパレスティナへの受け入れを要求する」 

M「・・・・・・火に油そそいでますわね、だばだばと。
  当然、そんな案はイギリスは受け入れられないでしょ。
  OKしたら内戦状態になるのは目に見えてるし」

毒「そうなると、今度こそイギリスは、
  パレスティナの覇権を失ってしまうし、ね。
  そういうわけで、イギリスはこれを拒否。
  とはいえ・・・・・・」

M「あっ、その先はみかりんにも分かりますわ☆
  昔は気が強くて弟分のアメリカをリードしていたイギリスたんも、
  戦争で身も心もボロボロになって地位逆転、
  今やツンデレを通り越して肉奴隷モード一歩手前、と」

毒「いやオマエ何にも分かってねえだろ。
  ・・・・・・大戦で大きく疲弊し、弱体化したイギリスは、
  自国内にはユダヤ難民を受け入れようともせず
  パレスティナに押しつけてくるアメリカに反発しつつも、
  その助力なしにはパレスティナの運営が不可能な状態だった」

M「ほら、みかりんの言った通りじゃない♪」

毒「断じて違う。そういうわけで、
  イギリスはパレスティナ問題にアメリカをひきずりこむことを画策。
  結果として、英米合同調査団が発足し、
  パレスティナの現状を調査することになる」

M「また調査団ですか。
  その先のパターンもミエミエですわ〜。
 『調査→報告&解決案→実現はムリっぽいのでスルー→お蔵入り』
  ってことになったんざんしょ、どーせ?」

毒「・・・・・・まあ、そうなんだが。
  さて、英米合同調査団は調査の結果、
  翌1946年に、以下の内容の勧告を英米に対して出す。  

(1)10万人のユダヤ難民のパレスティナ入国許可
(2)ユダヤ・アラブの生活水準の格差改善
(3)パレスティナ国家については保留」


M「う〜ん、(2)(3)はともかく、
  10万人の難民受け入れはイギリスたんにはツラいですわね。
 『いやあッ! そんなに大きいの入らないぃ〜ッ!!』ってカンジで☆」

毒「ああ頭が痛い。(←官渡の戦いの時の太祖のように)
  ・・・・・・まあその通りで、この勧告にアメリカは喜んだものの、
  イギリスはすっかりブチキレ。
  アメリカに対して、勧告の実施のために
  軍の派遣と財政負担をするよう問いただす」

M「『責任とりなさいよ!』ってコトですわね。
  修羅場ですわ〜♪」

毒「それに対しアメリカは
 『目のハイライトが消えかかってるクセに生意気な』と怒り、
  議会の一部では対英借款の停止も取り沙汰された」

M「あん、アメリカなしでは生きていけないイギリスたんに、
  それは酷なおはなしですぅ〜」

毒「結局、英米は合同調査団の勧告に対して
  モリソン・グレイディ案という対案を出すけど、
  パレスティナの覇権をあくまで維持したい
  イギリスの意図が丸見えの内容で、おまけに
 『アメリカが金出すんならユダヤ移民受け入れてもいいデス〜』
  なんて項目もあったんで、
  アメリカ、ユダヤ、アラブの反対でボツになる

M「・・・・・・あかん、マジでやる気ねえわ、こいつら」

毒「その頃、冷たい英米にちょっぴりヘコみ気味のシオニストは、
 『もうパレスティナの一部しかもらえなくていいや』という
  妥協モードに入っていたので、それに乗じてイギリスは調停努力を続ける。
  ユダヤ・アラブ・イギリスの三者で円卓会議を行ったり、
  公式/非公式の場でシオニストと話し合いを続けたが・・・・・・」

M「またイギリスたんの恋路におジャマ虫が入ってきたんですのね・・・・・・」

毒「一方アメリカでは、来たる議会選挙でのユダヤ票獲得をもくろんで、
  トルーマンがユダヤ国家の建設とユダヤ難民受け入れを支持する声明―――
  通称“ヨム・キプール声明”を発表する」

M「うわお☆ イギリスたんの努力台無しぃ〜♪」

毒「これにはシオニストも大喜びして・・・・・・喜びすぎたあまり、
  イギリスのシオニストに対するコントロール能力が力いっぱい喪失する。
  全てを無に帰したアメリカの手前勝手な事情によるこの声明には、
  イギリスも激怒したが、まだまだ調停への努力は棄てなかった」

M「がんばれ、がんばれイギリスたん!
  めげないアタックであの人のハートをキャッチ&リリースよ☆」

毒「しかし、遅々として進まない事態にいらだった、
 “イルグン”“シュテルン”のシオニスト過激派は、
  パレスティナでテロ行為を激化させる。
  銀行、鉄道、警察署、軍の基地・・・・・・
  イギリスの持つあらゆるものに襲撃をしかけまくる」

M「ああ、また事態がやっかいな方向に・・・・・・」

毒「そのテロは同じくイギリスの対応に不満を持っていた
  パレスティナやアメリカのシオニストの支持を集め、
  それまで親英だった“ハガナー”も、穏健派のワイツマンから
  強硬派のベングリオンに勢力が移ったこともあって、
  対英テロに走らざるをえなくなる」

M「あらはー☆ もうデタラメですわ。
  パレスティナではハガナー/イルグン/シュテルン主催の
 『夏だ一番! 爆破テロまつり♪』が大盛況☆」
 
毒「業を煮やしたイギリスは、『ブロードサイド作戦』を敢行。
  ユダヤ機関の家宅捜査と幹部の一斉検挙に踏み切るも―――
  即座にものすごい逆襲にあう。
  エルサレムのキング・デービッド・ホテル
  ベギン率いる“イルグン”によって爆破され、
  91人の死者を出す大惨事になる」

M「・・・・・・ッ」(←こめかみをおさえつつ)

毒「さすがに万策尽き果てたイギリスは、
  ついにパレスティナ問題を国連に委託。
  1947年、アメリカ・ニューヨーク州レークサクセスで、
  国際連合の特別総会が開催され、
  そこで『国連パレスティナ特別委員会(UNSCOP)』が発足する」

M「報われぬ想いがかなわず、ついに泣きが入ったイギリスたんが、
  残ったゴタゴタを家庭裁判所に丸投げした、ちゅーことですのね?」

毒「どーにかならんのかね、その例えは。
  さて、この会議の焦点は、
  パレスティナを分割して、ユダヤ、アラブ双方の国家を作るか否か―――
  ということなんだけども・・・・・・」

M「ユダヤ人のケツをなめる旨味を知ってしまったアメリカは、
  ここは当然、分割案支持ですわね」

毒「その通りで、アメリカは会議で票を握るフランスや中南米諸国に、
  経済援助をタテにした脅しをかけまくり、
  パレスティナ分割賛成に票を投じさせようとする」

M「うわーお☆ ロコツぅー!
 『しゃぶれ。でなきゃ殺す』並にダイレクトなプッシュプッシュ♪」

毒「(美汐たん、美汐たん、ボクを助けて―――)」
  ・・・・・・で、それは予想の範囲内だったんだけど、
  そこで意外なことが起こる。
  WWU終戦間際から冷戦モードに入ってて、
  アメリカに同調したくないはずのソ連(及び傘下の東欧諸国)が、
  パレスティナ分割案に賛意を表してくる

M「ん〜? アメリカのユダヤたん独り占めに、
  ちょっぴりジェラシーしちゃったのカシラ?」

毒「本日はいつにもまして電波ゆんゆんですね、みかりんさんッ!
  さて、ソ連のパレスティナ分割案支持には、
  以下のような事情が関係していた。

・シオニストの対ソ工作の影響
・シオニズムの社会主義的性格
・中東への進出の足がかりにするとともに、英国の勢力を駆逐するため
・分割案に反対するアラブ諸国は親英が多かったため
・自国内の大量のユダヤ難民の受け入れ先が欲しいポーランド・チェコの要請
・この問題で対立してる米英間の不信を深めるため


  などいろいろあるけど―――
  ようは『分割案反対=アラブ支持』より、
 『分割案賛成=ユダヤ支持』の方が、ずっとメリットがあったってこと」

M「結局、自分の都合最優先はみんな同じですのね・・・・・・」

毒「当然でしょ? それが外交というもの。
  もうひとつつけくわえると・・・・・・
  シオニストとソ連の橋渡し役をつとめた、
  イギリスのロスチャイルド家当主・ヴィクターの存在も見逃せない」

M「ロスチャイルドってーと、ユダヤ系のお金持ちさんですわよね・・・・・・」

毒「そう、ロスチャイルド家は資金援助等によって、
  初期からシオニズムに深く関わっていたんだけど・・・・・・
  戦時中、防諜活動を担当するMI5(軍情報部五課。現在のSS)に
  所属していたヴィクターは、ソ連の上層部に強力なコネがあった。
  そのコネを利用して分割案への支持や、
  東欧からパレスティナへの移民制限の緩和などをソ連に要請したわけ」

M「お金の力って偉大☆」

毒「ちなみに、第一次中東戦争時に、
  イスラエルがチェコからWWUの余剰兵器を購入できたのも、
  このヴィクターからソ連への口利きのおかげ」

M「やん☆ ヴィクターさんのおかげで、
  メッサーシュミットが第一次中東戦争で大活躍できたのですわね♪」

毒「正確にはメッサーベースのアヴィアS199だけどね。
  つーかスピットファイアの方が活躍したし。
  ・・・・・・余談だがこのヴィクター君、ソ連と親しくしてたせいで、
  フィルビー事件の時にはKGBのスパイ疑惑をかけられてたり」

M「フィルビー事件ちゅーと、SIS(英国秘密情報部)の大物だった
  キム・フィルビーが、KGBの二重スパイだった、って事件ですわね」

毒「解説ありがとう。どーでもいいけど
  “キム”はキプリングの小説から取られたニックネーム。
  本名はハロルド・ラッセル・フィルビー。
  で、このフィルビーがドナルド・マクリーン、
  ガイ・バージェスらとともに“ケンブリッジ・ファイブ”を・・・・・・」

M「・・・・・・センセ、スパイ小説ヲタ丸出しの脱線は、
  そのへんにしといてくださいな」

毒「ごめん。パレスティナ分割決議にハナシを戻すと、
  これにはヴァチカンも関与していた。
  もともとヴァチカン―――ローマ法王庁はシオニズムを嫌っていたけど、  
  状況がここまで来た以上、とにかく聖地エルサレムを
  シオニストに独占させることだけは避ける、という方向に転換した」

M「確か、このパレスティナ分割決議では、例によって
  エルサレムは国連の管理下に置かれることになってたんでしたっけ」

毒「その通り。そゆわけで、エルサレムを国際都市化するためには、
  現状ではこのパレスティナ分割案を受け入れざるをえない
  そういう経緯があって、ヴァチカンはこの分割決議案には反対しない、
  という態度をとることで、無言の賛意を示した。
  これによってカトリックの多い中南米諸国は、決議賛成に傾く

M「ど〜かしらね〜。アメリカの脅迫の方が効いてたんじゃありませんの?」
  
毒「どちらにせよ、影響を与えたことは事実でしょう。
  もちろん、今まで挙げた勢力―――米ソその他に対する、
  シオニストの猛烈なロビー活動があったことは言うまでもない」

M「きっと札束がシベリアブリザードのように乱れ飛んだんですわね♪」

毒「こうして、米ソの協調に先導された
  パレスティナ分割決議案―――正確には国連決議第一八一号は、
  規定ギリギリの票数で可決された

M「・・・・・・あそこまでやっといて、それでもギリギリでしたの?」

毒「それだけ、この国連決議を疑問視する国が多かったってことだね。
  さておき、この決議案のおおまかな内容だけど、
  パレスティナをユダヤ人居住区とアラブ人居住区に分けて、
  エルサレムとその周辺は国連の管理地とする、というもの」




黄緑色:ユダヤ居住地    黄色:アラブ居住地
緑色:第一次中東戦争でイスラエルが占領した部分
黄色緑色のしましま:国連の管理地


M「・・・・・・なんか、今まで出てきた案の、焼き直しという気が」

毒「いや、これまでの分割案と決定的に違うことは、
  ユダヤ側の土地の取り分がパレスティナ全体の半分以上を占めていた、
  ということ。当時は、人口でも所有地の面積でも、
  ユダヤ側の方がずっと少なかったので、この分割案はユダヤ超有利。
  ユダヤ人はこの勝利を“レークサクセスの奇跡”と呼んで狂喜した」

M「あー、ヘラヘラ笑いながら、ばしばしハイキック打っちゃうアレですわね」

毒「そりゃラジャダムナンの奇跡だ。懐かしいなオイ。
  ・・・・・・当然、アラブはこの結果に怒り狂い、
  対ユダヤ闘争の開始、イスラエル建国を経て
  中東戦争へと発展していくんだけど・・・・・今日はここまでにするね」

M「は〜いですう。今回は長かったですわ〜。
  センセ、へとへとのみかりんをマッサージして♪
  ・・・・・・あン、そんなトコもみゅもみゅしちゃダメ☆

毒「いや、オレ何もしてないんだけど。(←直立不動の姿勢で)
  ともあれ、ここまで書いて、まあだイスラエル建国にさえ到ってない、
  ってのが何ともアレ。次回からは、もうちょいはしょるか?」

M「まあまあ、みかりんと気長にやっていきましょうよ♪
  ともに白髪がはえるまで・・・・・・なぁ〜んちゃって☆
  照れりこ照れりこ

毒「・・・・・・そこのオカマ。
  次そのゾンミしゃべりやったら、絶対に許さんぞ。
  あらゆる手段を用いてキサマを黙らす」

M「ありえない。(キッパリ)
  アハハン☆ 黙らす、なんてゆっても、センセに何ができて?
  言っとくけど力ずくはムダですわよ〜。
  ま、(検閲)とか(検閲)とか(検閲)していただけるなら、
  みかりんもちょ〜っと考えてもいいケド♪」

毒「あまり調子に乗らない方がいいですよ加納源治郎三尉

M「ひぎぐぅッ!

毒「ああ、営舎で破廉恥な事件を起こしたから、
  今はもと三尉だっけ。ごめんごめん。ひゃっひゃっ」

M「む、む、む、昔のごどを持ち出すのは反則でずわ〜〜」(ガクガク)

毒「そういうわけで、年齢とかその他プロフィールを秘密にしたかったら、
  次回からはマジメにやってね☆」

M「は、はい・・・・・・ぐむむむ・・・・・・」

毒「それでは次回は、イスラエル建国の経緯と、
  第一次中東戦争を解説しま〜す!
  みなさんさよ〜なら〜」

M「さ、さよならですぅ。しょぼん・・・・・・」