不定期エッセイ

「百年の孤独」





6月21日
神々の最後の聖戦

【過つは人、赦すは神】

 はいどーも、“神との対話”というフレーズを聞いた瞬間、神奈子さまのハンドボール大のお乳に顔をうずめて自らの汚穢に満ちた人生を告白したあと風の匂いや川のせせらぎのわずかな変化を感じる喜びを優しく教えられて思わず涙を流しながら安らかな眠りにつく幻想にひたってしまった毒虫です。
 ・・・・・・最近、自分があんまりにも神奈子さまを好きすぎることに呆然としております。 自分がしみじみ追いつめられていることについては、驚くことにも疲れました。
 これはもはや、ムジャヒディン聖なる戦士として信仰の為に戦い、その篤信ぶりを示すことで、神奈子さまのご寵愛を得るほかない、と思った瞬間―――
 イカすアゴひげとスカーフ姿で悍馬を駆ってダリー語で叫びながらAKM(ルーマニア製)を乱射する己の姿がテクニカラーで脳内いっぱいに。
 なんでアフガンゲリラなんだよ、などとは訊かないでくださいね。いつものことじゃないですか、何を今さら。
 剽悍なるドスタム派の民兵聖戦士・毒虫くんの前には、おそろいの黒いスカーフでキメたタリバン邪教の狂信者どもが立ちふさがりますが―――それをモノともせず突進していくのです! そう、すべては信仰のため、愛のため!!


アッラァァァフアクバァァァル!!(←カナちゃんへの愛の言葉)


 なんか目の前の丘の中腹にZSU−23がナナメに駐車してあんだけど、アイツら馬鹿じゃねえのHAHAHA! あれじゃ機関砲がこっち向いちまって航空機狙えないじゃんYO! てか玄妙にお姿が似ている神奈子さまへの冒涜のつもりか許さ(直後23mm砲弾でミートソースに変わる毒虫くん)
 ・・・・・・あ〜、毒虫くん、毒虫くん。
 なんでアナタは幻想郷でフラグを立てようとするたびに、名もなき兵士として無為の死をとげるんですか。


 解説いたしますと、ZSU−23“シルカ”はソ連製の自走対空砲であり、本来はその4門の23mm機関砲で航空機を撃墜するための兵器で、そのコストパフォーマンスの高さから各国で採用されているのですが・・・・・・アフガン戦争においては、タリバンは斜面にZSU−23を停め、砲身を地面と平行にすることにより、対地攻撃を行ったそうな。
 23mm機関砲で対人攻撃とかどれだけ大盤振る舞いなんだよというのはさておき、タリバンの中の人たちも、キティGUYなりになかなか考えてますね。【画像】
 そういえば米軍のM16自走対空砲(M3ハーフトラックにM2ブローニング重機4挺を搭載したヴァージョン)も、朝鮮戦争で同様の使い方をしてました。【画像】
 50口径弾を一分間に2200発というルナティック弾幕で、人海戦術で押し寄せる人民解放軍を、かたっぱしからピンクのしぶきと固形物に変えていたそうで。ついたアダ名は“ミートチョッパー”(肉挽き器)
 そら“マ・デュース”4挺つったら、当時でいえば、ちょっとした戦闘機並の火力ですからね。おおオーヴァーキルオーヴァーキル。


 そんなことを言っているうちに、気づけば脳内の早苗さん「奇蹟とは、常に結果に対してではなく、信仰を深めるきっかけとして起こるものなのです」やたらシワ深い顔で穏やかに語り始めました。そしてムザンテ一家命蓮寺お抱えの殺し屋がキャリコM100を(粉塵爆発)
 その他「信仰が──―暴挙を生み───暴挙のみが───奇跡を生む!」と一日30時間トレーニングにはげんだあげく、ラストは大量の白いゲロを吐く早苗とか、そんなえっちな展開次回作ではさらに爆乳化して復活もありましたが・・・・・・毒虫くんは早苗さんがダイスキなんですよ、ハハ。(←セムテックスを身体にくくりつけつつ)
 もう「信仰・暴挙・奇跡」は早苗のキャッチフレーズでいいだろ。


 毎度おなじみ、毒虫くんと病虫さん―――


毒「そういやイスラームの天国(ジャンナ)って、
  最高の美酒が飲み放題、
  ぱっつんぱっつんな永遠の処女たちとファックし放題らしいぞ」

病「えらく即物的な天国っすね」

毒「考えが浅いな、病虫よ・・・・・・
  汲めど尽きせぬ美酒と、爆乳美少女たちとのハーレムエンド―――
  これこそ、我々の求めるかの楽園そのものではないかね?」

病「幻想郷は本当にあったんだ!

毒「つまり、イスラームを信仰することこそ、幻想入りの最短ルートというわけだ。
  そういうことで、オレは早速ムスリムになる。
  善行を積んで、幻想郷(ジャンナ)に入る資格を手に入れるのだ!」(←キリンラガーを飲み干しつつ)

病「アッラーの他に神なし。ムハンマドはアッラーの使徒なり」(←レモンチューハイを呑みつつ信仰告白中)


 閑話休題。
 そんなこんなで、半年以上ご無沙汰の毒虫です。どうもすいません。
 いやまあ、例によって例のごとく、異動の関係もあって忙しくなったのもあるんですが・・・・・・小銃史解説の続編もちゃんと書いてるんですよ、ええ。
 ただ膨大すぎて終わらんだけで。
 ・・・・・・今やっとアフガン侵攻とAK74のところまでたどりつきました。ここから「冷戦構造の崩壊→各国からのAKの流出→終わりなきカオスの始まり」と続くわけですね。PMCネタもばっちり入れるよ!
 ・・・・・・実際に書き出してみると、まだまだ果てしなく先が長いことに絶望感を禁じ得ません。つかAKはマジでネタ多すぎ。ネタ入れるより削る方に労力がかかるという本末転倒。 
 もういっそ、仕事辞めてひたすらサイト更新してようかな、などと破滅願望に身を任せつつ、長くなった通勤時間を有効利用すべく、読書にはげむ毎日です。


 そんなある日、期待のPMCコントラクター大暴れ小説、マット・リン『アフガン、死の特殊部隊』を読んでいたのですが―――作中で、南アフリカの誇る最強殺人部隊“レキ”(RECCE。陸軍の偵察コマンドー)の来歴の解説で、こんな一節が。


 レキの正式名称である南アフリカ国防軍特殊部隊旅団の歴史については、スティーヴはざっくりとしか知らなかった。一九七一年、南アフリカおよびアンゴラとナミビアにおけるその同盟勢力と、ソ連の支援を受けて、アフリカ南部に共産主義の黒人支配を打ち立てようとしていた、南西アフリカ人民解放機構(通称スワポ)とのあいだで激しい紛争が起きていたときに、同旅団は組織された。


 いや、レキって“第一偵察コマンドー”の略称で、“特殊部隊旅団”はアパルトヘイト後の名称のような気が・・・・・・という疑問はさておき。 


スワポって何だ。


 スワポですかすわぽ。漢字で書くと諏訪ぽ。
 期せずして、諏訪ぽこと我らがケロちゃんが、レキやら第32歩兵大隊“バッファロー”やら警察特殊部隊の、屈強なボーア人やズールー族にガリルの銃口を向けられ、女の子座りで尻の下の黄金色の水たまりを拡大させていくさまなど思い浮かべてしまいました。
 ・・・・・・はい、解説します。“南西アフリカ人民解放機構”ことスワポは、通常SWAPOとイニシャル表記することが普通です―――てか組織名の場合ソレ常識だろ。
 どーもこの小説というか訳者、「訳しづらい(?)単語はそのままカタカナ表記」という荒々しい翻訳スタイルをとってらっしゃるようで、このすわぽ(←しつこい)以外にも、“ウェッビング”(←ウェビングベルト付のギア?)とか、“プラスティカフ”(←「プラスチック製の手錠」と註がつけてはあるが・・・・・・)とか、“プロボ”(←「暫定派」の方が組織名だと分かって良くない?)といったタームがところどころ登場し、そのたびに毒虫くんは頭をかかえてしまいました。
 小説としては、本格的なPMCもの、というより、傭兵達が活躍する古典的な冒険小説に近いですね。リアリティという点では疑問の残る部分も多々ありますが、B級アクションとしては、けっこう楽しく読めると思います。
 

 まあ、リアリティを重視しすぎると、ただひたすら地味でつまらない展開になってしまう―――という現実がありますしね。
 この『アフガン、死の特殊部隊』の前に、元SAS隊員、ニック・ストーンが主人公のシリーズ五作目、マクナブ『解放の日』を読んでいただけに、なおさらその思いを強くします。
 本作では、ニックはCIAの依頼で、アル・カーイダの資金ルートを潰す任務を遂行する、というストーリーなのですが・・・・・・
 とにかく恐ろしいほど地味。
 ただひたすら、監視したり追跡したりが繰り返され、その合間合間に、ペットボトルに小便したりサランラップにクソしたりといった、監視任務の切ない現実を分からせてくれるシーンが挿入されます。
 もちろん、マクナブ作品ですから、作戦上のミス防止や不測の事態にそなえるための、さまざまなTipsがちりばめられており、大変勉強になります。
 これを読んでおけば、仮に来週、突然所属のタスクフォースからタリバンの残党の監視を命じられても安心ですね。
 つーかストーリーの八割がずっとこんな調子ですってかそれはもう小説じゃないよアンディ。
 ・・・・・・タイトルは『キミにもできる! 監視任務』にしたらいかがでしょうか。
 そもそも、マクナブの小説自体がみんなこうなんですけどね。
 格闘シーンといえは、小便まみれの便所の床で取っ組み合いといった、糞リアリズムあふれる“アクション”ばっかだし。
 これからもマクナブ先生には、作品を通じて「敵の頚骨のはずし方」(←膝カックンを入れるとGOOD!)とか、「装填状態で長期間隠しておくにはオートマチックよりリボルバー」といった、今後の人生において絶対に役立たないような知識を我々読者に授け続けてほしいものです。
 

 ・・・・・・で、書いてて思ったんですが。
 読んだ方なら同じような感想を抱かれると思いますが―――ニック・ストーンって本当にかわいそうな主人公ですよね。
 幅広いスキルを持つ凄腕のプロフェッショナルで、しかも毎作のように自由世界の危機を救いまくってるヒーローなのに、やっていることといえば、クルマどころかバイクの維持がせいいっぱい、という安月給の“K”(秘密工作員)です。『ブラックライト』では、困窮したあげく、クリシュナ教団の無料配給パンで食いつなぐ生活を送ってました。
 元SAS隊員が主人公の冒険小説なんて腐るほどありますが、その日のメシにも事欠くほど、みじめで哀れなヒーローはなかなかいないでしょう。
 あげくのはてには「ニック・ストーンはまたもや世界を救うが、それでも誰も感謝しない」などという、ミもフタもない寸評まで書かれる始末。
 そういうわけで、いつもお賽銭がないことをボヤいている霊夢さんには、このニック・ストーンの苦労を知ってほしいものです。
 異変とかゆってるけどアナタ、他人どころか自分の命も1ペニー硬貨並みの価値にしか思ってないロシアマフィアやアルカーイダと血みどろの死闘を繰り広げてるワケじゃないでしょ? 仲良しの女の子たちと、楽しく遊んでるだけでしょ?
 通帳と印鑑やるからオレと代われそれでお金までもらおうなんて、ずうずうしいにもほどがありますよ。
 ・・・・・・なんか今、「素直にPMC行けば?」と冷たく吐き捨てる霊夢さんが見えた気がしますが、はてさて。


 東方を騙って語っていたハズなのに、またしてもハナシが地平線の向こう側へ。今日も毒虫くんは平常運転。
 それはおいといて話題を変えますが、ネットで見かける東方ネタの定番で、“最強論争”がありますね。
 誰それが幻想郷最強だとか、○○は××より強い―――とか、あの類い。
 他作品でも複数作品のクロスオーバーでも、ネット上では常に出る論争男はみんな厨二病なんですが・・・・・・そういう論争を目にするたびに、毒虫くんは、なんだかなー、と思ってしまうのです。
 だって、考えてもみてくださいよ。何の意味もないじゃないですか、そんなの。
 たとえ多少の強弱の差があろうとも、米軍の大火力の前では誰もが等しく無力なんですから。
 それよりむしろ、誰のおっぱいがいちばん大きいかとか、誰がどんな下着をはいているか、誰におちんちんがはえているかといった、建設的かつ深遠な議論をすべきだ、と思うのですよ。
 ちんこ生えてる子は基本受け。
 ・・・・・・え、納得イカンと? 超常の能力を持つ妖怪たちが、個々人の能力が低いのをハイテクでごまかしているような連中に、負けるハズがないですと?
 いやいや、アナタは何も分かっていらっしゃらない。
 今から毒虫くんが、米軍の最強たるゆえんがよく分かるエピソードをお教えしますので、それを読んでから、果たして楽園ガールズが、世界最強の合衆国軍に抗しえるか、じっくり考えてみてください。


 時は2004年―――イラク戦争、ナジャフの戦闘での話です。
 ムクタダ・アル・サドル師率いるマフディ軍の民兵を駆逐すべく、米海兵隊はシーア派の聖地、イマーム・アリー廟に隣接する墓地に侵攻し、武装勢力と激戦を繰り広げます。
 迷路のような墓地の中で、思うように動けず、土地勘がある敵に苦戦をしいられる海兵隊―――それにくわえ、墓地を見下ろすホテルから、敵スナイパーがドラグノフ自動小銃で狙撃してきたため、海兵たちは何時間もその場に釘づけにされてしまいます。
 そしてついに、一人の海兵がスナイパーの銃弾を受け、戦死してしまいました。
 絶体絶命のその時、幸運にも礼拝の時間が訪れ、敬虔なムスリムである民兵達は戦闘を中止し、全能なるアッラーに祈りを捧げます。
 ・・・・・・『ブラックホーク・ダウン』でもそんなシーンがありましたが、ホントに戦闘中でも礼拝するんですね。ムスリムすげえ。
 これを好機に、海兵たちは戦死した兵士の遺体を運び出そうとするのですが―――そこで、奇妙なことが起こります。
 遺体の搬送に手間取り、礼拝の時間が過ぎてしまったにもかかわらず、スナイパーは銃撃してこなかったのです。
 そして、ようやく遺体の搬送が終わったとたん、それを見計らったかのように、ホテルからの狙撃が再開されました。
 つまり―――スナイパーは、遺体が戦場から運び出されるのを、ずっと待っていたのです。おそらく彼は、自らが屠った敵の兵士と、その亡骸を運び出そうとする仲間達に敬意を払い、銃撃を控えたのでしょう。
 ファナティックなイメージの強いマフディ軍ですが、己の矜持とルールにそむかない、誇り高きプロフェッショナルも存在するんですね。
 で、その“誇り高きプロフェッショナル”に、海兵隊が結局どう対処したかというと・・・・・・


戦車に砲撃させてホテルごとスナイパー吹っ飛ばした

 
 いいハナシ台無しじゃないですか。
 「米軍最強」を証明するために、このエピソードを紹介してみた結果・・・・・・最強というかただひたすらおとなげないだけなんじゃないか、という気がしてきましたが、戦争とは概してそういうモノです。
 獅子搏兎―――百獣の王・獅子は、兎を捕らえるためにも全力を尽くすように、最初に出くわしたジード団のモヒカンザコに無想転生を叩き込むほどに、100%の勝利を期す覚悟がないと、本物の戦場では生き残れません。 
 ようするに、戦いにおいては、敵が対処しきれないほどの大火力を浴びせれば絶対に勝てると言うことですね。さすがはアメさん、「戦争は糞リアリズム」という鉄則をよく理解しています。
 東方でいえば、ゲーム開始と同時に画面を1ドットもスキマもなく弾幕で埋め尽くすような戦い方。安置だのグレイズだのといった甘えた要素は一切なく、ヨーイドンで瞬殺です。 
 我々のおじいちゃん達は、常時こんな無理ゲーを強いられていたんだなあ・・・・・・と思うと、つい涙がはらはらと。
 誰ですか『コンボイの謎』のハナシをしてるのは。
 狙撃兵ひとりに戦車持ち出すくらいですから、相手が妖怪だった日には、B−52が絨毯爆撃→F/A−18がJDAM投下→MLRSとパラディンで猛爆→草一本残らず焼き尽くされたところでアパッチ・ロングボウ登場という、地獄の業火そのもののコンボを浴びせかけてくることでしょう。本来はさらに艦砲射撃のおまけがつきますが、幻想郷は海がないので省略です。
 ・・・・・・さて、ハゲ山と化した太陽の丘で、迫り来る四機のAH−64Dをまぶしげに見上げながら「アミーめ、ぜいたくな戦争をしやがる」と不敵な笑みを浮かべるゆうかりん(←お洋服60%焼失)は、心の奥の引き出しにそっとしまっておくとして、このへんにしときましょう。


 このように「マジカルパワーより現用兵器の方が強い」という、ゆるぎない信念を持つ毒虫くんですが―――よく考えたら、これって完全にアメリカ人の発想ですよね。映画を観ていると、それを痛切に感じます。
 例えば『インディペンデンスデイ』。「異星人がUFOに乗って攻めてきた!」ってシチュエーションだと、日本ならばアイドルの歌でヤック・デカルチャー!と感動させて追い返すという展開(←それは特定の作品だけです)になりそうですが・・・・・・
 これは純度100%のアメリカ映画です。世界を救うのはアイドルでもロボットでもなく、F/A−18戦闘攻撃機だったりします。微妙なリアリティが泣けますね。【画像】
 他にも『アンダーワールド』では、数百年にわたって対立してきた吸血鬼一族と人狼一族の抗争が描かれますが・・・・・・彼らが使用している武器は、ベレッタM92自動拳銃、H&K USP自動拳銃、H&K MP5K短機関銃、M4カービンといった、実になじみ深い銃器ばかりです。
 オマエら人外なんだからもっとそれらしい戦い方しろよと思わなくもないですが・・・・・・冷静になってみると、ヘンな剣とか手からビーム出したりするより、銃火器の方が明らかに強そうです。『ヘルシング』も基本は銃撃戦だったしね。
 ちなみに作中で、吸血鬼側は硝酸銀弾、人狼側が紫外線弾を使用している、という設定になっているのは、なかなかツボをおさえていて感心しました。吸血鬼は日光が、人狼は銀の弾丸が弱点―――というのは、もはや定番ですからね。
 そんなわけで、ブラウン管の中の、紫外線弾の脅威を目の当たりにして、ソファをぐっしょり濡らしてしまうレミリアお嬢様もまた、ワタクシめの心の引き出しにしまっておきます。


 そして、なんといってもアメリカ人の『現用兵器最強論』を如実に示した作品といえば、映画版『トランスフォーマー』にとどめをさします。
 ロボット物のお約束のひとつとして、悪のロボット軍団が攻めてきた!という展開の場合、既存の軍隊は序盤でなすすべもなく蹴散らされてしまい、そこへ正義のロボットが登場―――というのが普通です。
 ところがこの作品、ハナからケツまで米軍大活躍。悪のロボット・ディセプティコンを相手に、『世界の警察』の名に恥じない奮戦ぶりを見せつけます。
 特に感動したのは、スコルポノック(サソリ型のディセプティコン)が暴れ出した時に、さっそうと駆けつけたのは、正義のロボットであるオートボット・・・・・・・ではなくて、A−10地上攻撃機だったことです。【画像】
 「ディセプティコン? 何ソレ? とにかくオレの30mmを喰らえぇぇぇ!!とばかりに、自慢の30mmガトリング砲をブチかますシーンを見た瞬間、思わず射精しそうになりました。
 さすがは魔王ルーデルの衣鉢を継ぐ名機。地上にある怪しげな物は、戦車でもロボットでも「またイワンの新型か」の一言で吹き飛ばすのがA−10クオリティ。たまに友軍も吹き飛ばしてますが。
 そのあと恐怖の火力特盛ガンシップ、AC−130“スプーキー”【画像】まで加わって、かわいそうなスコルポノックは完全にフルボッコ状態。
 ・・・・・・ロボットだろうがなんだろうが、陸戦兵器は地上攻撃機の前では無力という非情の方程式を、特撮映画で見ることになるとは思いませんでした。
 さらにさらに、航空機ばかりでなく、地上でも軍人さんは大暴れです。
 クライマックスでは、特殊部隊の皆様方が、何故かディセプティコンに有効らしい連発式グレネードランチャー、アームスコーMGLを手に、巨大ロボット相手に真正面から戦闘を挑んでおりました。【画像】
 毒虫くんの目には、どう見ても、主役であるはずのオプティマスらオートボットより、特殊部隊員のMGLの方が役に立っていた気がしてならんのですが。リボルビンググレネードランチャーによって救われる世界というのは、あまりに斬新過ぎて目まいがします。
 てか、「ロボット物で現用兵器と特殊部隊が大活躍」って、毒虫くんの妄想そのまんまじゃないですか。 


 こうして、今日も今日とて絶賛病状悪化中の毒虫くん、病虫さんをつかまえて、「学園モノとかロボット物とかもういいよ! 日本のアニメには軍事要素が足りなすぎる! これからは、もっとミリタリーテイストあふれるアニメが求められるべき!!」と怪気炎をあげます。
 そんなある日、毒虫くんのリクエストに応えるべく、病虫さんは一枚のDVDを借りてきます。
 タイトルは『戦場でワルツを』―――なんと、イスラエル製のアニメです。
 もちろんイスラエルですから、ピンク髪の爆乳美少女のスカートがむやみやたらとめくれたり、厨二設定の世界観でぬるいバトルの連続―――などという展開はカケラもありません。
 テーマはレヴァノン侵攻です。
 ストーリーを解説しますと、かつてレヴァノン内戦に従軍した主人公の映像作家(監督本人)が、失われた戦場の記憶をたどりなおすため、同じくレヴァノンに従軍した元兵士達をたずね、彼らの壮絶な体験をインタビューしていく―――といった、重い、重い内容です。
 いつもどおりの「酒飲みながら萌えアニメ見てバカ話」というノリで見たので、我々は完全に不意をつかれてしまいます。なんか、朝飯食おうとしたらメガ牛丼出されたような気分です。
 本作では実在の従軍兵たちが本人役で多数出演しており、「これ素直にドキュメンタリーで作ればいいってかアニメにする意味あんの?」と最初は思いましたが・・・・・・クールかつスタイリッシュな映像と、ハードな過去とシュールなイメージが交差する演出を見続けていると、やはりこれは実写よりアニメーションの方が表現に適しているな、と思わされます。
 実写にできない大人の事情も多々ありそうですしね。
 従軍経験者が製作にたずさわっているだけあって、戦場の描写はなかなかリアルです。怪しいメルツェデスを蜂の巣にしてみたら、実は乗っていたのは家族連れだったとか、M113装甲車の車上から、敵のいそうな場所を闇雲に銃撃してみたりとか(←イスラエル軍方式)、RPG持った少年兵を射殺したりとか、本当にあった恐いハナシでいっぱいです。
 ちなみに本作のタイトルは、登場するなりパチュリーについて熱くアツク語る武闘派の帰還兵、フレンケル氏が、ベイルートの市街戦で、ワルツを踊るようにぐるぐるまわりながらFN−MAG軽機関銃を乱射したエピソードからつけられています。


「パチュリー・・・・・・どう使うんだい?」



 非想天則のハナシでしょうか作中では「パチュリーを己の生き様にした男」として紹介されるフレンケルさん。さすが戦場帰りだけあって、何の覚悟なく「パチュリーはオレの嫁!」と騒いでいる奴ばらとは風格が違いますね。
 ここで語られているのは、一度むきゅっと言ったばかりにそれが鳴き声だと認識されてしまった、毒虫脳内法規第72条12号に基づきやせっぽちのクセにお乳がマスクメロン大の魔法使いのことではなく、その元ネタのハーブを原料とした香油のことじゃないか、という疑問はさておいて。
 ラストでは、予想にたがわずファランヘ党によるパレスティナ難民の虐殺でフィナーレとなります。
 実にすばらしい作品であり、皆様にもオススメしたいのですが・・・・・・楽しく呑みたい時のご視聴は厳にお控えください。
 映画を観終わった後、ぐったりと肩を落とした毒虫くん、かたわらで暗い顔で酒をすする病虫さんに言います―――


毒「ありがとう。これこそがオレの求めていたアニメだよ。
  ヘヴィかつハードで女子供お断り、ミリタリー成分満載―――
  いやあ、実にすばらしかった」(←うつむき加減で)

病「いや、礼には及びませんよ、ハハ・・・・・・」(←顔をおおいながら)

毒「・・・・・・」

病「・・・・・・」

毒「ところで」

病「はい」

毒「何故だか急になぁんにも考えなくていい萌えアニメを見たくなってきたよ」

病「そうですね。・・・・・・まじぽか見ましょう、まじぽか」


 そんなわけで、『錬金三級まじかる?ぽか〜ん』を全力で視聴開始し、液晶画面の中のパキラさんを見ながら「パキ! パキ! オレの命パキにやる!」と、どっかのモンタニャードのようなことを叫びながら楽しく呑み騒ぐ二人でした、とサ。


 そんなわけで、本日の教訓―――


過ぎたるはなお及ばざるが如し。

 






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