江川工房実験室

  最近の工房の動向を探る!その2
「ニアフィールドリスニングの勧め」

   (「その1 炎のアナログ・トーンアーム」は、こちら


APPLE社 MAC専用ステレオ・スピーカー

 さて、今日も江川工房の大将、江川三郎のアタマの中では、いつもの通り、
他をリードする、新しい発想がいっぱいにあふれております。

 最近の彼のアタマの中身拝見シリーズ、その2をご紹介しましょう。

 

雑誌「レコード芸術」誌の記事より、要旨抜粋


〜Apple社パソコン専用スピーカーシステム〜
  
「小型スピーカーシステム再考」

 上の写真は、Apple社の、MAC専用付属スピーカーシステムである。
 パソコン専用というと、ステレオ用には向かぬ、と、特にマニアを自称する人々からは、差別的扱いを受けがちだ。

 だが、実際体験してみると、ステレオ用にはない、独自の優れた特性を見出すことが出来る。
 その理由を説明してみよう。

 さて、超小口径スピーカーというと、もちろん本格的なステレオ装置で体感できるような、押し出しの強い低音は望めない。
 だが、あわてずにじっくりと聴きこんでみると、大型のステレオ装置にはない音のよさを感じることができる。

 つまり、超小型システムは録音現場の音場空間構造を上手に再現しているのだ。
 演奏の場の「雰囲気」を出しているともいえる。
 このような「音」は、音楽の旋律のダイナミズムよりも更に微細なレヴェルの信号だ。

 もしリスニングルームに騒音があると、それに負けて聞こえなくなるほどのレヴェル。

 こうした微細な音を聞き分けるためには、環境という要素を考えに入れなければならなくなる。
 部屋でレコードをかけると、当然その音は、音速で部屋中を反射しまくる。

 私たちはそれらの複合した響きの総合を良い音、悪い音などと評価しているのだ。

 だが実は、既にそのときには、レコードに記録されている音場空間情報は、部屋の響きに負けて聞こえなくなっている。
 小さい音が聞こえにくいからといって、ボリュームを上げれば、反射音も大きくなるから、ただうるさくなるだけだ。

 この宿命的な欠陥の問題をできるだけ回避するには、自分の方が出来るだけスピーカーに近寄るしかない。

 そこで、このアップル・プロ・スピーカーである。

 これは、小型の透明球形であることが大きな特長である。
 直前まで近寄って聴いていても、煩わしさを感じることない。

 また、球形であることは、音の反射の偏りを回避する、より澄んだ音のための条件ともなるものだ。
 音は、余分な反射を回避して、滑らかに後方空間に回り、部屋のどこでも同じ条件に近く聴くことが出来る。
 好みによっては、真上にむけて無指向性にすることもできる。

 もちろん、これは、卓上に置くように作ってあるものだが、そうすると、音は机に反射してしまう。
 (壁面に配しても同じことだ。せっかくの、球形の特性は、活かせない。)
 私は、アルミ棒「自由自在」(商品名)を工夫して、卓上空間(30cm)に配置できるようにした。

 こうすると、まるで机で本を読むように、音楽を聴くことが出来る。
 スピーカーが視野からはずれて、うっとうしさもない。

  コンピューター専用プラグを途中で切って、アンプにつなぐ手数が必要となるが、
 手間と努力に充分報いる結果が得られる。
 

 読書のように音楽を楽しむ、ニア・フィールドリスニング、お勧めである。

  

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