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| 著者:佐久川恵一 書名:沖縄望見集 出版:裸足社 |
本文引用(P146〜P147) 私の縁辺に当る青年正人君は今から十年ほど前、那覇の国際大学に在学中だっ たが、思いたって単身東京に出て来た。東京は初めてだから、電車の乗り方もよ く分からない。沖縄では高校野球の審判などを好きでやっていたが、たまたまセ ントラルリーグの審判員を養成するためのテストがあると知り、それを受けるの が唯一の目的だった。 多摩川にある巨人軍のグラウンドでは実技の試験を受け、もちろんルールの細 目や一般の学力も問われたことだろう。彼は一次、二次をパスした段階で私と会 った。この正人君は、先年私が沖縄に行った時、くるまで各地を同行案内してく れた好青年である。数多い経験者の中から二次までに残ったのは三人、まだ最終 の面接試験があり、これが最大の難関です、と彼は言って私と別れた。面接や、 口頭試問ではうじうじした所があってはならないが、結局この年に採用されたの はたった一人で、ぽっと出の正人君がこれを射止めた。彼の勇気と決断力と誠実 さが認められたのであろう。 *この本が書かれたのは1987年。 *プロ野球審判になる倍率は、500倍とも600倍とも言われています。 *面接の時、面接官から「トモヨリさん」と言われた際に、友寄さんは 「トモヨセです」とはっきり喋られたそうです。 |