ハイブリッド画像

Photo By C.Murotani
Jan.29 2005 更新


冷却CCDによる画像は従来のアマチュアの天体写真の概念をこえたすばらしいものですが、CCDチップが従来の銀塩フィルム面に比べて小さく、十分な写野がとれないという欠点があります。
これを解決するため銀塩や一眼デジカメで撮影した画像にCCD画像を合成し、いわゆる「ハイブリッド」とする手法があります。
ここではその作例をご紹介いたします。

下の各画像はサムネイルになっています。
それぞれをクリックすると大きな画像が見られます。
大きな画像からはブラウザの「戻る」機能でこの画面に戻って下さい。


M106
(おおぐま座)

北斗七星のそばにある大型の銀河で、中央のバルジ部に比べて周辺部が非常に淡い。
そのためこの作品ではハイブリッドの元になるSTー9冷却CCDカメラでの撮像時にL画像の枚数を増やしてS-Nの向上を計っている。
背景画像は下の2作品と同じくS2proデジカメによるもの。

(天文ガイド04年4月号掲載)

M20
(いて座)

南側の赤い星雲が暗黒帯で裂かれたように見えることから三裂星雲と呼ばれている。
このハイブリッド画像もM101と同じ「デジカメ〜冷却CCD」の組合せ。
ST-9の画像処理を強調しすぎて自然さがやや失われてしまったが、青カブリの乗ったS2proの生画像に比べて青と赤の散光星雲の色再現と対照が美しい。

(天文ガイド03年10月号掲載)

M101
(おおぐま座)

回転花火銀河という名前の付いた大型の美しいフェイスオン銀河。
今までのハイブリッド画像は「銀塩〜冷却CCD」の組合せだったが、今回は「デジカメ〜冷却CCD」だ。
ST−9冷却CCDカメラで撮った銀河の画像をデジカメS2proの画像に貼り付けて広視界化を行った。
「特集 S2pro画像」で紹介しているようにS2proは良く写るデジカメだが赤い散光星雲の写りが悪い。
銀河の腕に点々と見える赤い電離水素の星雲を表現するにはハイブリッド画像が必要だ。
(天文ガイド03年5月号掲載)

M65、M66とNGC3628
(しし座)

ハイブリッド画像が有効な代表的な作例。
通常のCCD画像に比べて写野が圧倒的に広いので大きな画像で3つの銀河の比較を楽しんでいただきたい。

M81、M82
(おおぐま座)

銀塩ではよくペアで撮られる明るい2つの銀河だが、CCDの高解像度と写野の広さの両方を見ていただきたい。
ハイブリッドが手間はかかるが有効な手法とお分かりいただけるだろう。

NGC4631とNGC4656
(りょうけん座)

私の使用している31cm反射(f=1800mm)では銀塩フィルムでもギリギリの離角の対象だが、形の対比がおもしろい。
NGC4656は「く」の字に折れたように見えるが、よく見ると伴星雲とくっついているようだ。

NGC253
(ちょうこくしつ座)

秋の南天を代表する明るい大型の銀河。
このような単独の対象の場合も写野の拡大はCCD特有のノイズを目立たなくし、画素数が少ないことを補う効果がある。

惑星状星雲と系外銀河の組み合わせとして有名な対象だが、意外に離れていて私の使用している31cm反射鏡では35mmフィルムで一緒に写せない。
やむなく16cm鏡を使って得た銀塩写真に31cm鏡でのCCD画像を合成した。
星像の大きさ、限界等級などから、合成する際の相性としては同一の光学系の方が良いようだ。