Strangulation Blues (1980)『銃殺のブルース』
BOY MEETS GIRL (1985)『ボーイ・ミーツ・ガール』
Cast: Denis Lavant / Mireille Perrier ...
痛い別れを経験した見知らぬ二人の運命的かつ仕組まれた出逢い。
「成功」を夢見る失恋したばかりの孤独な青年と、「愛」の迷宮に迷い込んだ女性。
若さ故の饒舌さ、率直さ、情熱が意図せざる結果を生む。
誰も、人を傷つけようとして傷つけるのではない。
余りに真ともに人と向き合おうとするから傷つけるのか。
自らを全てさらけ出すことが真摯な姿勢と信じ込む青年に、
残酷な現実が牙を剥く。
静止画像(実際は役者によるストップ・モーション)が印象的。
Mauvais Sang:『汚れた血』 (1986)
Cast: Denis Lavant / Juliette Binoche / Michele Piccoli / Julie Dolhy
ハレー彗星が近づき、熱波や寒波に襲われるパリ。
賭け手品師のアレックスには、16歳の美しい恋人リーズがいる。
しかし、マフィアの父が殺され、その仲間に仇討ちを兼ねた大金儲けの話を持ちかけられることで、人生が一変する。
それは、手先の器用さを活かし、「愛のないセックスで感染する」STBOという伝染病のウィルスを盗みだし、製薬会社に売りつけること。
「人生を整え直す」ため、恋人や友人を捨て、危険な賭けに乗り出すアレックス。
そして、街で一目惚れした年上の女性アンナに、父の仲間マルクの家で出逢う。
彼女はマルクの愛人だった・・・。
報われることのない愛に命を賭けるアレックス。
そして、捨てられたと知りつつも彼を追いかけるリーズ。
35ミリの美しい光溢れる映像に16ミリや8ミリの映像が織り込まれ、まるで情感溢れるヌーベル・バーグ風SFの現代版。
Les Amants Du Pont-Neuf:『ポンヌフの恋人』 (1991)
Cast: Denis Lavant / Juliette Binoche / Klaus-Michael Gruber
400年の歴史を持つ修復中の古い橋、ポンヌフ(Pont-Neuf="新しい橋")。
そこに住む浮浪者で大道芸人のアレックス。
そして、同じく浮浪者で失明寸前の女性、ミシェル。
すさんだ生活とすさんだ心を持つ二人は、なぜか心のコアの部分で惹かれ合う。
しかし、かつてミシェルは良家の出身で、忘れられない恋人を持つ画学生だった。
一方アレックスは天涯孤独で、恋心を告白する言葉も持たないほどの純粋な男。
ある日、眼が治ることをミシェルに告げる人捜しのポスターを見たアレックスは、
ポスターを焼きつくしてまでしてミシェルを留めて置こうとするが・・・
地下道や町中、橋の上を疾走するアレックスの姿、拒絶された痛みに酒瓶を振り回し転げ回る姿、革命200年祭のパリの夜空に打ち上げられる花火、撃ち鳴らされるピストル、歓喜、歓声、大道芸でアレックスの吹く炎、失明前にせめて名画を眼に焼き付けようと美術館に忍び込むミシェル、失意の底で自らの指を撃ち抜いてしまうアレックス・・・。
全てのシーンが激しく美しい。
Pola X:『ポーラX』 (1999)
cast: Gillaume Depardieu / Katerina Golubeva / Delphine Chuillot / Catherine Deneuve ...
母と二人、亡き外交官の父の残したノルマンディーの城館に住み、
婚約者(従妹)もいる裕福な青年ピエール。
順風満帆の生活の中で、なぜか彼は夢の中に現れる女性に心を乱されている。
そんな中、ユーゴからの難民女性イザベルと森の闇の中で出逢い、彼女の数奇な運命の物語を聞かされる。
なんと、黒い髪と黒い瞳を持つ彼女は、彼の異母「姉」だと言う。
イザベルを運命の女性を確信したピエールは、
光の世界から闇の世界へ、「真実」を求めて彼女と共に堕ちてゆくことを選ぶ。
そして、その結末は・・・
タイトル「ポーラX」は、原作のメルヴィル著「Pierre ou les ambiguites:ピエール、あるいは諸々の曖昧さ」イニシャルに謎を表す「X」を組み合わせたもの。
暗黒プログレ風のスコット・ウオーカーの音楽が、闇の世界の狂気を彩っている。
[PolaX日本版公式サイト]
[PolaXフランス版サイト]