異聞火星物語 〜ドワーフの闇〜 

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●第九話●


『悲しい夢を見た朝は君に逢いたくなる』


一、


「うっ…」
激しい胸の痛みに襲われて僕は目を覚ました。
ここは…どこ…だ…?
首から上だけを動かして見回すと、そこは父さんの宿だった。
僕の寝ているベッドの横では、ポチがうつらうつらと船を漕いでいる。
なぜポチの翼が包帯で巻かれているんだろう…。
朝焼けなのか夕焼けなのか分からない赤い光が窓から差し込んでいた。
…何があったんだ……?
動かない体とは逆に、妙に意識だけはハッキリしている。
もやのかかったような記憶が少しずつ見えてくる。
この痛みは…市場でグランを見つけて、話し掛けて、でもグランの目は僕を見ていなくて、そして…
僕はグランの風に吹き飛ばされたんだ。…黒い風に。
気を失う直前、グランが言っていたこと。

“お前は俺の幸せを壊した。だから俺は今のお前の全てを壊してやる”

またグランが黒い風を撃とうとする。
でも僕の目の前にあったのは白い翼で…僕が覚えているのはそこまでだった。
ポチの翼が僕を守ってくれたのかな…。
ベッドから起き上がれもしない体で、僕は腕を伸ばして眠りこけるポチの鼻先をなでる。
「ううん…」
くすぐったそうに鼻をむずむずさせるポチ。
「…ありがとうね、ポチ」
それからしばらくの間、あの言葉が僕の頭を離れようとしなかった。
グランは『俺の幸せを壊した』のは僕だと言った。
多分、怪我をさせてしまったことだ。
でも、グランのあの変わりようは何なのだろう。
優しくって、一緒にいるといつもこっちが温かくなったあいつが…。
僕が知っているのは、医者の親父さんでも傷を治すことができず、
医療の発達した王都に親子二人で向かったということだけだった。
僕は見送りに行けなかった。
自分のしたことが恐ろしくて、自分の部屋に閉じこもっていた。
部屋から出られるようになっても、結局は一人ぼっちだった。
もう一つの言葉は『お前の全てを壊す』だった。
僕の全て…
父さん、母さん、サンの村人、…シャル…、それにローラルで知り合ったみんな…。
“僕の全てを壊す”…何が起こるのかも分からず、僕はただ怖くてベッドの中で縮こまっていた。

二、


(ガタン…ゴトン…ガタン…)
二、三日して動けるようになった僕は村に帰る列車に乗っていた。
隣には行きと同じようにポチがいる。
父さんは僕がどうして怪我をしたのか追求してこなかった。
ポチから聞いているんだろうけど。
ただ、列車に乗るときに、“グラン君のことはもう忘れろ…”としか言わなかった。
あきらめ…父さんの顔がそんな風に見えたのは気のせいなんだろうか。
「…ねぇ、ポチ」
「ん? この焼きそばはやらないぞ」
「いらないよ。それより…ケガの方は大丈夫なの?」
「ああ、問題無い。まったく…ご主人様も大げさに包帯を巻くんだからな」
「ごめんね…」
もう何度目かも分からない、謝罪の言葉を口にする。
「あのなぁ〜」
手元の焼きそばに向いていたポチの目が僕に向く。
いつもの目じゃなかった。
それは明らかに怒りが見えて…
「オレがお前の中で一番嫌いなのはそれなんだよ!」

(ゴォォッ…)
列車がトンネルに入った瞬間だった。
そうでなければ、ポチの怒鳴り声で周りの席の人が驚いてしまったはず。
そして、僕とポチの間には長い沈黙が続いた。
トンネルを抜けるまでの間、ポチは何の言葉も出さずに、僕から目をそらそうとしない。
そして僕は…ポチの怒りが何なのかも分からずに、ただ黙っているだけで…。
にぶい光が車窓から差し込むのと同時に、列車がトンネルを抜ける。
「お前が今回のことでまいっているのは分かってるよ」
沈黙を破ったのは、ポチの穏やかな声だった。
「だが、もう終わったことなんだ。
グランという奴が何者で、どうしてあんな状態なのかはご主人様に聞いていたんだ。
そして、お前はこの間、謝れるだけ謝ったんだ。それでいいじゃないか。
どんな誠意だって通じない時だってある。もう、奴とは会わないようにして忘れればいいんだ」
ポチの話が一度止まる。
包帯の巻かれた翼を撫でながらまた話し出す。
「まあ、確かにあの黒い風を受けたときは痛かったよ。
でもな、俺はご主人様が作った風の精で、オレがお前を守るのは当然の事なんだ」
「それは…そうだけど…」
確かにポチは風の精だ。
でも、だからと言って僕の身代わりになっていいはずが無いんだ。
ポチは僕にとって使役する対象なんかじゃない。
普段のポチもそんな態度は見せることは無かった。
「僕のせいなのに、ポチを盾になんてできないよ」
「お前が俺を友達のように扱ってくれるのはうれしいし、オレだってお前の召使いのつもりなんて無い。
でもな、オレが、そしてオレの翼が存在しているのは守るべき人を守るためなんだ。
自分のやるべきことをやったのに、いつまでも謝られてちゃ気分が悪いだろ?」
「……うん」
「つまりはそういうことだ。昔のことをうじうじ考える奴は俺は嫌いなんだよ」
そっぽを向いて、いつものようにぶっきらぼうな口調に戻るポチ。
ポチがそうして接してくれるのが僕にはうれしかった。
ちょっとキツめの言葉が僕を慰めてくれていた。
それがいかにもポチらしかった。

昔、父さんが言ってたっけ。

“風の精は召使いじゃない。もちろん風そのものもだ。
私たち、サンのドワーフは、彼らの声を聞き、自分の思いを伝えることで、風使いとしての力を使える。
彼らが自分にとって何者なのか、よく考えてほしい。
ユグノーの血が伝えるのは彼らとの結び付きだけで、
その力を生かすのも殺すのもアルト、お前次第なんだからな”

あの時は分からなかった言葉。今は少し分かる。
僕にとってポチは友達とは違うけれど、それに近いような気がする。
そう考えるとちょっと楽しくなってくる。
「分かったよ。じゃあ、これが最後にしよう。“守ってくれてありがとう、ポチ”」
「なんかまだぎこちないけど…、まあいいか。
よし、ポップキャラメイル3つで手を打とう。それで貸しも無しだ」
「行きのときみたいにならないでよね」
インテリぶった普段のままのポチを見て少しからかってみる。
とっくにあの騒ぎを忘れていたのか、ポチの動きが固まる。
「…こっ、今度は大丈夫だ!」
「胃薬、用意してあるよ」
「うるさいっ」
拗ねたポチの声と僕の笑い声が夕方の光が差し込む客車を通り抜けていた。

三、


…ポチはサン村からずっと僕と一緒にいる。
父さんがそうさせたからなんだろうけど…そして、今回のグランのこと。
“グラン君のことはもう忘れろ…”
“グランという奴が何者で、どうしてあんな状態なのかはご主人様に聞いていたんだ”
父さんとポチの言葉。
父さんはグランと僕が会うとどうなるか、分かっていたんじゃないか?
今のグランのことを知っているんじゃないか?

目の前の席に予想通り食べ過ぎたポチを寝かせて、
夜が更けて暗くなった客車で僕はそんな疑問ばかりを繰り返していた。
誰も答えてはくれないけど。
…シャルに会いたいなぁ。
ふと、そんな思いが僕の頭をよぎる。
ジェノパレスが遠いから仕方ないけれど、この間の満月にはローラルには行けなかった。
何も言ってなかったから怒ってるかな…。
洞窟を抜けるといつも迎えてくれたあの声。
星明かりしかない、新月の夜でもはっきりと分かる明るい笑顔。
たった一ヶ月会ってないだけなのに、今は無性にシャルに会いたかった。

四、


「…以上が、帝国の最近の動きに関する報告です」
(ザワザワザワ……)
私から見て右手の列に立っている書記官の話が終わると同時に
ローラル王国の閣議は騒然となっていた。
「何で今頃になって帝国が進行の準備を…」
「メリーブの採掘はわが国でも止めているではないか」
「いまさら40年前のことを蒸し返そうというのか」
「王があのような状態なのは伝わってないはずじゃが…」
閣僚や審議官の人たちは予想外の事態に戸惑って、口々に疑問をぶつけ合っている。
最後にローラル王国の軍務閣議が開かれたのはいつだったのだろう。
少なくとも、私は知らない。
お父様も戦争のお話はほとんど私になさらなかった。
このローラル王国で戦争の話が出てくるのは、建国際の第一日目だけ。
それも、今私たちのいる王宮の中でだけだった。
「シャルラーク様は驚かれないんですね?」
「………」
「シャルラーク様?」
「えっ? ええ…」
私の後ろに立っていた秘書官の声で我に返る。
いけない、いけない。お父様がいらっしゃらないのに私がこんなことじゃ。
「驚いているわ。でも…なんだか実感がわかないのよ。帝国がローラルに攻めてくるだなんて…。
慰霊祭のおとぎ話にしか聞こえてこないのよ」
正確には、帝国が今攻めてきているわけではない。
でも、報告にはこうあった。

“先々月、帝国より送られてきた文書に際し、当面静観することとした。
また、帝国に内偵者を送り、当王国を通過する商人たちからも情報を収集することとする”

私にはその頃、その文書については知らされなかった。
まだ、起き上がることのできたお父様と、グリフス叔父様、そして何人かの大臣の方々で
秘密裏に対応を決めたことも、その報告に記されていた。
帝国の伝えてきたこと・・・それは国交回復要求。
条件は一つ。メリーブ鉱石の帝国への優先的供給をローラルが行うこと。
さもなければ、王国の存続を保障せず…半ば脅迫でしかない。

“帝国内部で軍備増強の動きあり。帝国領内で内乱の兆しは見えず。
近隣諸国ともフランドル公国を除き関係にさしたる問題も無い模様”

明らかな戦争の準備。それに・・・フランドルはローラルよりも小国。
帝国の狙いがローラルだと解釈するのは当然のことだった。
「問題なのは…」
グリフス叔父様の低い声が閣議のざわついた空気を鎮める。
「わが国では40年前の戦争以来、軍備がほとんど変わっていないこと、
その戦争を経験した軍人がほとんど残っていないこと、そして、兄上…国王が既に長いこと病床にあることである」
叔父様の指摘は厳しかった。暗に聞こえてくるのは降伏すべきだという響き。
静まり返った議場では、叔父様に同意するような顔、困惑する顔、
色々な顔が空席となっている私の右隣の席に向けられていた。
お父様がそこに居て欲しかった。
お父様なら今どうされるだろう。私にはそれを考えるしかなかった。

『この国は35年前にローラルの民と風の民とが力を合わせ、血を流して守った国だ。
いつか、お前にもその血の重さが分かるとよいのだがな…』

12歳のとき、初めて慰霊祭に出席することを許されたときにお父様が一度だけ話してくださった戦いの話。

『もっとも、私もその頃は7歳ぐらいで、ほとんど覚えていないのだがな』

ちょっと悲しそうに笑うお父様の顔はとてもよく覚えていた。
私は慰霊祭の祝詞を思い出していた。
“二度とあなた方の御霊を悲しませるような戦争は起こさせません”
そう、この国で再び人が戦争で死ぬのだけは避けなければいけない。
ならば、叔父様の言うことに従って、要求を呑むべきなのかもしれない。
でも、頭ではそう分かっているのに、この胸の痛みは何なの…?
「何かおっしゃることがありそうですな、シャル様」
グリフス叔父様の言葉が私に向けられる。議場の人々すべての目が私に集まるのを感じる。
「私が…発言してもよろしいのですか…?」
「もちろんです。兄上がここにおられない今、あなたは観客(オブザーバー)などではなく、
この国の最高意思決定者なのですから」
おじ様の皮肉っぽい声が痛かった。いや、そうではないのかもしれない。
私のような小娘が国政に口を出すこと自体が無茶なのだ、と私の心が告げているのだろう。
それでも、今の私の立場は叔父様の言う通りだった。
たとえ私が望まなくても。
「では、ひとつお伺いします。叔父様、それにここにおられる聡明な閣僚の皆様方」
私はただ、この胸の痛みをぶつけるべく口を開いている。
議場の人々にではなく、自分自身とそしてお父様に向かって。
「先ほどの叔父様のお言葉からは、国を血で汚すくらいなら帝国に従うべきだと考えていると思われますが…」
“その通りだ“と言わんばかりの叔父様の顔。
「仮にそうしたとしましょう。しかし現実にはローラルはどうなるでしょうか」
私はできればそうなって欲しくないという願いとは正反対の未来を話していた。
今回の要求は国交を結び直して親しくしようというものにしては、その意思がまったく感じられないこと。
報告の武装強化からは、これが要求などではなく、恫喝であり、もし恭順の姿勢を見せたとしても、
おそらくローラルは属国とされ、国民の隷属化が予想できること。
そして、私はメリーブ鉱石に関してはよく知りませんが、という注釈をつけた上で、
掘り尽くすか、もしくはそれに価値が無くなったとき、この国が捨てられるでしょう、と。
「もちろん、これは最悪の予想に過ぎません」
「シャルラーク様、考えすぎですよ。いくら帝国でもそこまではやらないでしょう」
傍らの大臣が声を上げる。他の大臣たちも「まさか」とか「いくらなんでも」と口々に言い合っている。
私だってそう信じたいのに…。

泣きたい気持ちを抑え、唇を噛んで話を続ける。
「では、それならば何故40年前の戦いが起こってしまったのですか?」
それは…と口をもごもごさせる議場の人たち。
彼らは私よりもはるかに年長で、当然その戦いについても私より知っているはずだった。
時代が変わったって、人間なんてそんなに変わるものじゃない。
当時も、同じような人がいて、同じような判断をしていたのではないのだろうか。
「あの時も、戦争を回避することぐらい考えたはずです。それでも戦いは起きました。
帝国が攻めてくる形で」
議場を包む重苦しい雰囲気。
いっそ叔父様たちに全て委ねてしまえば一番楽なのに…と私の中の誰かが告げる。
ただ、あのお父様の言葉だけが、私を留まらせていた。
「私はお父様から、この国は民が自身の血で守った国だと教えられました。
今回の要求を受け入れることは本当に簡単です。そして先ほど、私が描いた未来が来るとは限らないでしょう。
しかし、私たちの安直な考えで、万一、国民が傷つくようなことがあってはなりません。
ですから、まずこの理不尽な要求と戦いましょう。もちろん、平和的解決でです。
民が守った大地です。今度は私たちが力を尽くしましょう」
以上です、と話を切って座る。
(パチパチパチ…)
予想もしなかった大きな拍手が起こってしまう。
“さすが王女だ”、”よし、やろう”…そんな声が聞こえる。
でも…その中で不機嫌な顔でグリフス叔父様が議場を出て行かれるのが見えた。
後でお言葉を否定するような発言をしたお詫びに伺ってもお会いして頂けなかった。
そして、私のこの発言は結局、私の見たくなかった未来を見せることになる。

五、


(バフッ)
議場から自分の部屋に戻った私は着替えもせずにベッドにつっ伏した。
窓の外には居待ち月。
次の新月までは…13日ね…。
「もう…、どうして来なかったのよ。アルトったら…」
さっきの会議で疲れているせいなのか、行く宛てのない不安をそこに居もしないアルトにぶつけていた。
「来ないなら来ないって言いなさいよ…」
そんなこと、どうやってやるの?って自分に問いかける私がいてちょっとおかしかった。
前の新月にアルトは来てくれなかった。
一晩中、待ったのに。
来たら、あそこ行こう、こんなこと話そう、いっぱい考えたのに。
でも、それは自分のわがままなのかも知れない。
「そうよね。だってアルトは“次の新月も絶対来るよ”、なんて言ってないもの」
それでも、心のどこかで来てくれるものと思っている。新月の度に。
「今度の新月に来なかったら、嫌いになっちゃうからね…」
出来もしないことを宣言しようとして私は苦笑する。
アルトに会ったからって、今のローラルの状況が変わるわけでもないのに。
アルトはこの国の人間じゃないし、この状況を話せば…。
「いや! それだけはいや…」
ベッドから顔を上げて前を見つめる。
そこには壁しか無かったけも、それでも、その一点だけを見つめる。
王女ということを知られたくない…。ノンコさんの言うような勇気は私にはまだ無かった。
いつの間にか、部屋の中から見えていた月は窓枠から外れていた。
窓の近くまで歩いて、すっかり高くなってしまった月を見上げる。
「そっか…、こんな長い時間アルトのことを考えるようになっちゃったのね…」
一ヶ月に一度しか、それもアルトがこっちに来たときしか会えないのは淋しかった。
どうしてこんなに離れちゃってるんだろう。
ただ、アルトの顔が見たい…。また、おしゃべりしたい…。
「ちょっとは遅れてもいいから、次はちゃんと来なさいね」
居もしない相手に向かって話す私。なぜか少しだけ元気が出た。
「おやすみ、アルト」
そう、今はちゃんと寝よう。アルトに会ったときに元気でいられるように。

六、


「風が…騒いでおるのう…」
ローラルの端にある砦で、星を見上げながらロイドは一人つぶやいていた。
正確には一人ではなかった。
「あまり、オレの話を無視しないで聞いてもらえると助かるんだがね、爺さん」
月の照らす砦の屋上で、ロイドの背中に向かってランディが話していた。
…話していた、というのはこれまた正確には違っていた。
ランディが一方的にしゃべるだけだった。
最初はロイドも彼の話を聞いていた。
行商の話、その先で出会った女の話、この間の祭りの話、
そしてアルトのことに話が及んだとき、ロイドはランディから逃げるようにして部屋から出て屋上に上がっていった。
それを追いかけて、しばらく一方的な話を続けたランディだったが、結局あきらめたのか話を切ろうとした。
「まあ、つまりだ。あのアルトっていう子にはあまり関らないでくれ。その方があの子のためだし、それに…あんたのためでもあるしな」
さて…、と土産に持ってきた酒瓶、既に空になっていたが、を持ってランディが立ち去ろうとしたときだった。
「ランディ君…と言ったか。君はわしの過去と風についてどれだけ知っておる?」
「ん? やっと口を開いてくれたか。そうだな、長老様とジル様に少し聞いただけだから大したこと無いと思うぜ」
そうか…、とだけ言うとロイドはまた空を見上げて黙り込んでしまう。
「…オレは風を使うことは出来ないし、あんたのやったことは結局悪いことだったという位しか分からない。
ただ、アルトはあんたと違って、風の束縛から離れることが出来たんだ。
それなのに、あんたがあの子に関わってちゃまた逆戻りしちまうかも知れねぇ」
だから、もう関わらねえでやってくれ、と繰り返してランディは砦を後にした。

一人、同じ場所に留まるロイド。
「風が騒いでおるんじゃよ。多分、あの時と同じ風じゃ」
砦の脇を通る街道を、ローラルの町に向かって歩いていくランディに向かってつぶやく。
「この風はおそらくあの子も巻き込むじゃろう」

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第九話あとがき

 こんにちは、ブタベストです。前話から約2ヶ月…暗い内容の割には思ったより早く書けたと思います。まさか文章部分だけで16KBいくとは思いませんでしたが(汗)
 前半部分は前回の続きという形で、アルトの心情を追ってみましたが、やはりパートナーであるポチの役割が難しいですね。当初は単なるどたばたキャラとして出していたせいで(苦笑) 後半部分が実はメインです。シャルにとってアルトはどんな存在となっているのか。女性…というよりは女の子である彼女の心の揺れをうまく出せていれば良いのですが、いかがでしたでしょうか。
 そんなこんなで、次回のお話でまたお会い出来れば幸いです。(02-3-10)


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●第十話●

お楽しみに!!


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