|
三十六

サイゴン・モリンと云うホテルにて1泊す。ウェルカムフルーツあり。1つは黄緑色の野球の球程の大きさにて短く枝の残れり。サーブーチェと云う物のよう也。皮の近くの身は渋くてべとべとの液体、手に付きたり。水にて洗えども中々落ちず。中心の辺りをえぐり取りて食すと何かの乳のような柿のような味にて旨し。もう1つは、濃い緑色で同じくらいの大きさの柑橘の類也。甘味の少ないオレンジのような味にて中の房ごと食せり。サイゴン・モリンは一番居心地の良きホテル也。家具など古くて格調あり。ベットの具合も良し。天井高くして、窓からの眺めは旧市街との掛け橋と川沿いの通り也。川はフン川と云う。フンはベトナム語で香り也。エアコン力強し。中庭は天気の良き日は食堂となりて、小鳥のさえずる。放し飼いなりて、家内、パンくずなど与えて喜ぶ。
|
◆注釈:サイゴン・モリン◆
3つのホテルに泊まりましたが、ここが一番良かったです。名前が示すとおり歴史があり、1901年開業なんだとか。天井も高いし家具なんかも落ち着いていて良かったのですが、ただ1人がシャワーを浴びるくらいお湯を使うと、しばらくお湯が止まります。お湯の出が悪いホテルは(特に古いホテルだと)多いらしく、ホアインで泊まったホテルもお湯の出が悪かった。
|