2003.07.14更新

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 (参考)UPDRS ;パーキンソン病統一スケール

UPDRS:パーキンソン病統一スケールは、Unified Parkinoson's Disease Rating Scaleの略で、1987年に作られました。
パーキンソン病を総合的に評価する基準として、世界中の研究者や医師に広く利用されており、ヤールの重症度分類に比べてはるかに細かく評価することができます。

1.精神機能、行動、および気分に関する部分
2.日常生活動作に関する部分
3.運動能力検査に関する部分
4.治療の合併症に関する部分

に分けられており、全体で42の項目を基本的に5段階に分けて点数で評価するので、パーキンソン病の重症度を点数で表すことができますが、それぞれの項目をすべて調べて点数を計算すると時間がかかるのが難点です。
薬の治験の際の効果の評価、手術成績の評価の際などにその前後の症状の程度を点数で表して比べることができるので良く用いられます。
例えば、このホームページの医学情報に収められている「補酵素Q10の効果」をごらんください。」
(参考)UPDRS ;パーキンソン病統一スケール
UPDRS その1 精神機能,行動および気分
1.知的機能の障害
 0 なし
 1 軽度.健忘が一貫してみられるが,部分的に思い出す.他の障害はない.
 2 中等度の記銘力障害と見当識障害あり.複雑な問題への対処に中等度の障害.
      家庭内でも軽度ながら明らかに障害あり,ときに介助を必要とする.
 3 重篤な記憶障害と時間と,ときに場所に対する見当識障害.問題の対処に重篤な障害.
 4 重篤な記憶障害と見当識は人に対してのみ保たれている.判断や問題解決は不可能.身の回りのことにもかなりの介助が必要で,ひとりにしておけない.
2.思考の障害(痴呆または薬物の中毒による)
 0 なし
 1 生々しい夢をみる.
 2 たちの良い幻覚.幻覚であることはわかっている.
 3 時々あるいはしばしば幻覚・妄想があるが病識がない.日常生活に支障をきたすことあり.
 4 持続的に幻覚・妄想あるいは病勢盛んな精神病がある.自分でケアをできない.
3.抑うつ
 0 なし
 1 ときに正常以上の悲しみや罪悪感に悩まされる.数日や数週続くことはない.
 2 うつが1週間以上続く
 3 不眠,食欲不振,体重減少,興味の消失をともなう抑うつ状態.
 4 上記の症状に自殺念慮あるいは自殺企図をともなう.
4.意欲・自発性
 0 正常
 1 通常より受動的.より消極的.
 2 選択的活動(ルーチンでない)を進んでおこなわない.興味の喪失.
 3 日々の活動(ルーチン)を進んでおこなわない.興味の喪失.
 4 引きこもり,意欲の完全な消失.

UPDRS その2 日常生活動作(on/off時に分けて評価)
5.会話
 0 正常
 1 軽度の障害.理解するのに障害なし.
 2 中等度の障害.ときどきもう一度くり返すように頼まれる.
 3 高度の障害.しばしばもう一度くり返すように頼まれる.
 4 ほとんどの時間,聞き取り不能.
6.唾液
 0 正常
 1 口中の唾液が軽度ながら明らかに増加.夜間の流涎をみることあり.
 2 中等度に唾液が増加.軽度の流涎があることもある.
 3 著明に唾液が増加.ときに流涎.
 4 著明に流涎,ティッシューやハンカチをつねに必要とする.
7.嚥下
 0 正常
 1 まれにむせる.
 2 ときどきむせる.
 3 柔らかい食事にしないとむせる.
 4 鼻管や胃瘻でチューブフィーディング.
8.書字
 0 正常
 1 軽度書字が遅いか字が小さい.
 2 中等度に遅いか字が小さい.すべての語は読める.
 3 高度に障害.すべての語が読めるわけではない.
 4 語の大多数は読めない.
9.食べ物のカット,食器の取り扱い
 0 正常
 1 いくらか遅くぎこちないが,助けはいらない.
 2 遅くぎこちないが,たいていの食餌はカットできる.部分的に介助.
 3 食べ物は他の人に切ってもらわないといけないが,ゆっくりと食べられる.
 4 他人に食べさせられる.
10.着衣
 0 正常
 1 いくらか遅いが,介助は要しない.
 2 ボタンを留める,そでに腕を通すなどで時に介助を要する.
 3 いくらか自分でできることもあるが,かなり介助が必要.
 4 自分では何もできない.
11.衛生(入浴・トイレ)
 0 正常
 1 やや遅いが介助は要しない.
 2 シャワーや入浴に介助を要する.とても遅い.
 3 洗顔・歯磨き・くし・風呂に行くなど介助を要する.
 4 膀胱カテーテル.
12.寝返りおよびシーツをなおす
 0 正常
 1 すこし遅く,不器用だが,介助は必要ない.
 2 ひとりで寝返りをうったりシーツを直せるが,たいへんな努力を要する.
 3 寝返りやシーツをなおす動作は始められる.しかし完結できない.
 4 自分ではまったくできない.
13.転倒(すくみ現象とは関係なしに)
 0 なし
 1 まれに転倒
 2 時々転倒.平均して一日に一回はない.
 3 平均して一日一回転倒.
 4 一日数回転倒.
14.歩行中のすくみ
 0 なし
 1 歩行中にまれにすくみ.歩き始めにすくむことがある.
 2 時々歩行中にすくむ.
 3 しばしばすくむ.これにより時に転倒する.
 4 しばしばすくみ足により転倒する.
15.歩行
 0 なし
 1 軽度障害.腕の振りが無かったり,足を引きずることがある.
 2 中等度障害.しかし介助はほとんどいらないか不要.
 3 高度障害.介助を要する.
 4 介助をもってしても歩行不能.
16.振戦
 0 ない
 1 軽度そしてまれにある.患者にとっては煩わしくない.
 2 中等度.患者は気になる.
 3 高度.多くの日常生活動作ができない.
 4 著明.ほとんどの日常生活動作が妨げられる.
17.パーキンソン症候群に関連した感覚障害
 0 なし
 1 時々感覚鈍麻,ちくちく,または痛みを感じる.
 2 しばしば 感覚鈍麻,ちくちく,または痛みを感じる.苦痛ではない.
 3 しばしば痛みを感じる.
 4 耐え難い痛み.

UPDRS 3 運動機能検査(on時に検査する)
18.言語
 0 正常
 1 表現,用語,and/or 声量の軽度の障害がある.
 2 中等度の障害.単調で不明瞭だが理解できる.
 3 著しい障害.理解が困難.
 4 理解不能
19.顔の表情
 0 正常
 1 わずかに表情が乏しい.ポーカーフェース.
 2 軽度だがあきらかな表情の減少.
 3 中等度の表情の乏しさ.口を閉じていないときがある.
 4 仮面様で,ひどくあるいは完全に表情がない.口は0.6cm以上開いている.
20.安静時の振戦
・顔面
 0 なし
 1 わずかの振戦が,時に見られる程度.
 2 軽度の振幅の振戦が常にある.または中等度の振幅の振戦がときどきある.
 3 中等度の振戦がほとんどの時間ある.
 4 高度の振戦がほとんどの時間ある.
・左手
 0 なし
 1 わずかの振戦が,時に見られる程度.
 2 軽度の振幅の振戦が常にある.または中等度の振幅の振戦がときどきある.
 3 中等度の振戦がほとんどの時間ある.
 4 高度の振戦がほとんどの時間ある.
・右手
 0 なし
 1 わずかの振戦が,時に見られる程度.
 2 軽度の振幅の振戦が常にある.または中等度の振幅の振戦がときどきある.
 3 中等度の振戦がほとんどの時間ある.
 4 高度の振戦がほとんどの時間ある.
・左足
 0 なし
 1 わずかの振戦が,時に見られる程度.
 2 軽度の振幅の振戦が常にある.または中等度の振幅の振戦がときどきある.
 3 中等度の振戦がほとんどの時間ある.
 4 高度の振戦がほとんどの時間ある.
・右足
 0 なし
 1 わずかの振戦が,時に見られる程度.
 2 軽度の振幅の振戦が常にある.または中等度の振幅の振戦がときどきある.
 3 中等度の振戦がほとんどの時間ある.
 4 高度の振戦がほとんどの時間ある.
21.手の動作時または姿勢時振戦
・左
 0 ない
 1 軽度;動作にともなっておこる.
 2 中等度の振幅;動作にともなっておこる.
 3 中等度の振幅;動作時,姿勢時におこる.
 4 著明な振幅.食事が妨げられる.
・右
 0 ない
 1 軽度;動作にともなっておこる.
 2 中等度の振幅;動作にともなっておこる.
 3 中等度の振幅;動作時,姿勢時におこる.
 4 著明な振幅.食事が妨げられる.
22.固縮(患者は座位で安静にしている.主要な関節で判断する.歯車現象は無視.)
・頚部
 0 ない
 1 軽微またはミラームーブメントないし他の運動で誘発できる程度.
 2 軽度ないし中等度の固縮.
 3 高度の固縮.しかし関節可動域は正常.
 4 著明な固縮.関節可動域に制限あり.
・左上肢
 0 ない
 1 軽微またはミラームーブメントないし他の運動で誘発できる程度.
 2 軽度ないし中等度の固縮.
 3 高度の固縮.しかし関節可動域は正常.
 4 著明な固縮.関節可動域に制限あり.
・右上肢
 0 ない
 1 軽微またはミラームーブメントないし他の運動で誘発できる程度.
 2 軽度ないし中等度の固縮.
 3 高度の固縮.しかし関節可動域は正常.
 4 著明な固縮.関節可動域に制限あり.
・左下肢
 0 ない
 1 軽微またはミラームーブメントないし他の運動で誘発できる程度.
 2 軽度ないし中等度の固縮.
 3 高度の固縮.しかし関節可動域は正常.
 4 著明な固縮.関節可動域に制限あり.
・右下肢
 0 ない
 1 軽微またはミラームーブメントないし他の運動で誘発できる程度.
 2 軽度ないし中等度の固縮.
 3 高度の固縮.しかし関節可動域は正常.
 4 著明な固縮.関節可動域に制限あり.
23.指タップ(親指と示指をなるべく大きく早くタップする.左右は別々に)
・左
 0 正常(>=15/5秒)
 1 すこしおそいか,振幅が減少している.(11−14/5秒)
 2 中等度の障害.疲れやすい.ときどき運動が止まることがある.(7−10/5秒)
 3 著明な障害.はじめにしばしばすくむ.または運動中にとまる.(3−6/5秒)
 4 ほとんどできない.(0−2/5秒)
・右
 0 正常(>=15/5秒)
 1 すこしおそいか,振幅が減少している.(11−14/5秒)
 2 中等度の障害.疲れやすい.ときどき運動が止まることがある.(7−10/5秒)
 3 著明な障害.はじめにしばしばすくむ.または運動中にとまる.(3−6/5秒)
 4 ほとんどできない.(0−2/5秒
24.手の動作(できるだけ大きく,すばやく手の開閉をくり返す.左右は別々に)
・左
 0 正常
 1 すこし遅いか,振幅が小さい.
 2 中等度の障害.すぐ疲れてしまう.ときに運動が止まることがあっても良い.
 3 著明な障害.しばしば開始時にすくみ,運動がとまる.
 4 ほとんどできない.
・右
 0 正常
 1 すこし遅いか,振幅が小さい.
 2 中等度の障害.すぐ疲れてしまう.ときに運動が止まることがあっても良い.
 3 著明な障害.しばしば開始時にすくみ,運動がとまる.
 4 ほとんどできない.
25.手の回内回外運動.垂直や水平の位置で,できるだけ大きく.左右は別々に.
・左
 0 正常
 1 すこし遅いか,振幅が小さい.
 2 中等度の障害.すぐ疲れてしまう.時に止まっても良い.
 3 著明な障害.しばしば開始時にすくむ.あるいは途中で止まる.
 4 ほとんどできない.
・右
 0 正常
 1 すこし遅いか,振幅が小さい.
 2 中等度の障害.すぐ疲れてしまう.時に止まっても良い.
 3 著明な障害.しばしば開始時にすくむ.あるいは途中で止まる.
 4 ほとんどできない.
26.下肢の敏捷性.下肢をあげてかかとで床をタップする.かかとは7.5cmあげる.
・左
 0 正常
 1 すこし遅いか,振幅が小さい.
 2 中等度の障害.すぐ疲れてしまう.時に止まっても良い.
 3 著明な障害.しばしば開始時にすくむか運動が止まる.
 4 ほとんどできない.
・右
 0 正常
 1 すこし遅いか,振幅が小さい.
 2 中等度の障害.すぐ疲れてしまう.時に止まっても良い.
 3 著明な障害.しばしば開始時にすくむか運動が止まる.
 4 ほとんどできない.
27.イスから立ち上がる.(まっすぐの背もたれの木か金属のイス.腕を組んだまま立ち上がる)
 0 正常
 1 遅い.または1度でうまく行かないことあり.
 2 肘掛けに腕をついて立ち上がる.
 3 イスにふたたび倒れ込む.一度ではうまく行かないことあり.介助なしで立ち上がれる.
 4 介助なしでは立ち上がれない.
28.姿勢
 0 正常
 1 軽度の前屈姿勢.高齢者では正常な程度.
 2 中等度に前屈姿勢.明らかに異常.すこし左右一方に偏っていても良い.
 3 高度に前屈姿勢で,脊柱後彎(亀背)をともなう.中等度に左右一方に偏っていてよい.
 4 高度の前屈姿勢.姿勢は極端に異常である.
29.歩行
 0 正常
 1 歩行は緩慢.数歩はひきずり足になる.加速歩行や前方突進はない.
 2 歩行は困難をともなう.介助は要しない.加速歩行や数歩の前方突進あり.
 3 いちじるしく障害.介助を要する.
 4 介助があっても歩行不能.
30.姿勢の安定性.(患者はまっすぐに立ち,開眼し,足はすこし開いて準備する.肩を後方に勢いよく引いて後方突進現象をみる)
 0 正常
 1 後方突進あり.自分で立ち直れる.
 2 姿勢反射がおきない.検者が支えなければ倒れてしまう.
 3 きわめて不安定.自然にバランスを失う.
 4 介助なしでは立てない.
31.からだの動作緩慢.(動作緩慢,ちゅうちょ,腕の振りの減少,運動の振幅の減少と運動全体の少なさを総合的に評価する)
 0 なし
 1 わずかに緩慢.ゆっくりとした動作.人によっては正常のこともある.運動の振幅がやや小さいこともある.
 2 軽度に動作が緩慢.運動量があきらかに低下している.運動の大きさがやや低下.
 3 中等度に動作が緩慢.運動量が低下し,または運動の大きさが低下している.
 4 著明に動作が緩慢.運動量の低下.または運動の大きさが低下している.

UPDRS 4 治療の合併症
A. ジスキネジア
32.持続時間(起きている時間の何%か)
 0 なし
 1 1−25%
 2 26−50%
 3 51−75%
 4 76−100%
33.ジスキネジアによる障害.
 0 なし
 1 軽度障害
 2 中等度障害
 3 重度に障害
 4 完全な障害(なにもできない)
34.痛みをともなうジスキネジア.どのくらい痛いか.
 0 なし
 1 軽度
 2 中等度
 3 重度
 4 著明な障害
35.早朝のジストニア
 0 なし
 1 あり
B.症状の日内変動
36.服薬時間から予測可能なオフ期間はあるか.
 0 なし
 1 あり
37.服薬時間から予測不可能なオフ期間はあるか.
 0 なし
 1 あり
38.とつぜん(数秒以内など)おこるオフ期間はあるか
 0 なし
 1 あり
39.起きている時間の何%が平均してオフ期間か.
 0 なし
 1 1−25%
 2 26−50%
 3 51−75%
 4 76−100%
C. その他の合併症状
40.患者は食欲低下,嘔気,嘔吐をともなっているか.
 0 なし
 1 あり
41.不眠や眠気があるか.
 0 なし
 1 あり
42.起立性低血圧症状はあるか.
 0 なし
 1 あり
2003.06.21●原稿作成:はとぽっぽ●

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