2003.09.10up

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ニュースダイジェスト2002年9月号より
DBS(深部脳刺激療法)の効果
米国The National Parkinson FoundationのWebサイトより

あなたはDBSによる治療を受ける事を考えていますか?それは1年以内、それとも5年以内? 絶対に受けないというお考えの方は? DBSって一体何の事とお聞きになりたい方は?

今、アメリカのThe National Parkinson Foundationのサイトhttp://www.parkinson.org/

を訪れるとトップページに上に紹介したとおりの質問についての投票コーナ−があります。9月25日現在の投票結果は以下の通りです。アメリカでは、患者がDBSについて、かなりの関心を示している事が分かります。

一年以内 23.56% 314人
5年以内 20.03% 267人
絶対受けない 20.78% 277人
DBSって何? 35.63% 475人

DBSは比較的新しい手術による治療法で1995年にフランスのリモザンによって開発され、ベナビートによって視床下核を電気刺激すると非常に効果があることがわかりました。日本でもここ1、2年よく行われるようになってきました。患者の脳の中の淡蒼球や視床下核に電極を埋め込み、電気的な刺激を送り過度に流れる情報を遮断するものです。埋め込んだ電極は不要になれば取り除く事ができます。

The National Parkinson Foundationのサイトに「重症のパーキンソン病及び日内変動に悩む患者に対する視床下核両側DBSの効果について(Effects of Bilateral Stimulation of the Subthalamic Nucleus in Patients with Severe PD and Motor Fluctuations)」

http://www.parkinson.org/dbs_severepd.htm

という記事がありましたので骨子をお知らせします。

・ Lドーパによる治療を開始して5〜7年経過すると40〜50パーセントの患者(とりわけ若年性パーキンソン病患者の場合)は日内変動(on-off状態やディスキネジア)を経験する。ミラペックスやレキップのような新しいドーパミンアゴニストによる治療によって日内変動の発現を遅らせることが出来るので、初期のパーキンソン病の場合はドーパミンアゴニストで治療し、病気が進行してもっと強力な治療が必要になるまでLドーパはつかわないのがスタンダードな治療法になってきた。さらに進行すると日内変動が生じディスキネジアを発現させずに体を満足のいくように動かせるという状態は得られなくなる。そのような状況ではDBSが治療手段として選ばれる。

・ 進行したパーキンソン病患者の場合、DBSのターゲットとしては視床下核と淡蒼球内側がある。これらのターゲットのどちらがより効果が高いか比較しようとした者もいたが、現時点では最良のターゲットを選ぶのに十分なデータは得られていない。しかし、視床下核のほうが、淡蒼球に比べて、抗パーキンソン病薬をより減らす事が出来る。視床下核DBSも淡蒼球DBSも両側淡蒼球凝固術と違って、重得な副作用はなく(電極を取り除くことによって)原状回復できる。今回の研究では、視床下核DBSが日内変動や激しい震戦がある進行した患者の治療手段として選択された。

・ 両側の視床下核DBSを受けた26人の患者(女性5人、男性21人)について、手術の効果を評価した。26人の平均年齢は59歳、病歴は15年である。患者たちはLドーパに反応するが重症の日内変動とディスキネジアに悩まされていた。26人全員がLドーパを服用しており、22人はドーパミンアゴニストも併用していた。2人は以前に視床破壊術を受けており、このうちの1人を含む3人は激しい震戦のため、単側の視床DBSを受けていた。

・ 手術結果

○ ディスキネジアの時間は86パーセント減少した。OFFの時間は83パーセント減少した。手術後3ヶ月を経過した時点、及びさらに長い12ヶ月を経過した時点で、OFFの状態で観察すると、固縮、無動、震戦、歩行、椅子からの立ち上がり、姿勢の安定性が著しく改善していた。他方、会話能力には改善が見られなかった。ONの状態では、無動と歩行に著しい改善がみられた。

○ 4.5メートルを歩くのに必要な歩数と時間は、OFFの状態で、3ヵ月後及び12ヵ月後共に著しく改善した。指で叩く(finger taps)事が出来る回数は12ヵ月後にON、OFFを通じて著しく改善した。

○ 12ヵ月後に,Lドーパの服用量は22パーセント減少した。その他の薬の服用量も減少した。

・ 副作用

○ 心臓発作や脳内出血の発症は見られなかった。1人が頭皮の感染症にかかった。そのため導線を除去した後髄膜炎を発症したが抗生物質によって治癒した。1人が手術の翌日にてんかん発作をおこし、3ヶ月間抗てんかん薬による治療を受けた。その後は発作を起こしていない。1人が手術後2日間幻覚を経験し、他の1人が数週間に亘って錯乱状態にあったが、自発的に解消した。2人が手術後数週間に亘って鬱を示したが共に解消した。4人がどもりの悪化を体験した。1人が嚥下困難を訴えた。1人が導線が折れたため10ヵ月後再手術を受けた。他の1人が導線の位置がずれたため、3ヵ月後に再手術を受けた。

・ 論点

○ 視床下核DBSは進行した患者にとっては重要な治療手段だ。この手術によって運動機能と日常の活動につき著しい改善が得られる。最も重大な効果は、ON-OFF現象とディスキネジアの改善だ。

○ Lドーパの服用量は19パーセント減少した。手術後ディスキネジアが軽減するのは抗パーキンソン病薬の服用量が減るためと見られてきたが、薬をそれほど減らさなかった場合でも手術後ディスキネジアを見ることはまれであった。これは、ディスキネジアについてなにかほかのメカニズムが働いている事を示唆している。
2002.09.03作成

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