2003.07.01更新

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私が転ぶ時 by Almond

 5年くらい前からよく転ぶようになった。それまでの薬をのみだしてからの25年近くは、今から考えると殆ど進行しない平和なときだったと思う。
 薬が効いていないときに転ぶのは仕方がない。問題は薬が効いていて普通に歩いているとき転ぶこと。
私が転ぶのは結局瞬間的にすくみを起こし(freezeして)転倒しているのだと思う。
「パーキンソン病における歩行困難」に出てくる 「歩き始めることができないすくみ」 と 「歩き続けることができないすくみ」のうち 後者に当たる。

 どういうときに転ぶか

1.予期しないことが起きて転ぶ。
暗闇に人がいるのに気がついたとき、エレベーターに乗っていてドアの前に人がいるのに突然気づいたときなど。
慌ててもびっくりしても転ぶか、転びそうになる
予想外のことを尋ねられても、体が後ろに硬直して倒れそうになる。
突然友だちに声をかけられて転んだこともあった。
夫が急に話しかけてもだめ。
後ろから自転車がベルを鳴らしたり、わきをさーっと通り過ぎていくときも危ない。

2.違う状態に入っていくときに転ぶ。
タクシー・電車に乗るとき降りるときも転びやすい。違った状態に入っていくときに瞬間的に緊張するのだと思う。
玄関のドアに近づくときなど狭いところに入るのも危ない。
人の横を通過するのもだめ。
車椅子から立ち上がろうとして転んだこともあった。
同じ姿勢を長く続けた後、急に動くと転ぶか転びそうになる。
急な方向転換にも対応できない。
目的地点を意識した途端、転ぶこともある。
 あるとき、1人で歩いていて前方に人影を認め、道から狭い柵の間を通って右手の公園に入ろうとして転んだ。
このときは「突然人の姿が眼に入る」「方向転換」「狭い所を入って行く」という3つの条件が重なった。
慌てて立ち上がろうとして7、8回も失敗してしまう。慌てれば慌てるほど失敗する。
いったん転んでしまったら充分リラックスしてからでないと立ち上がれない。
人が手を貸して立ち上がらせようとするときも、本人が深呼吸して気持ちを落ち着かせ体の緊張がとれてからでないと立ち上がれないのだ。

3.ほんのわずかな物理的な力が加わり転ぶ
昨年、駅のホームで腕を組んでくれていた友達が、時計を見ようと、ほんのわずか私の腕を引っ張った。
それだけで転んだ。
 ヘルパーと腕を組んで歩いていたとき、右手のドアからホールに入っていこうとして微かにヘルパーの靴に私のつま先がぶつかったことがある。
どうして転んだのかヘルパーは不思議がっていたが私も驚いた。
この場合は「方向転換」して「ドアに入って行った」ときに「靴がぶつかって」転んだ。

4.もちろん、ただバランスが回復できなくて転ぶことも多い。
 予期しないことに驚いて転ぶのはデパス(精神安定剤)を前もってのんでおくことで避けられるのじゃないかと友だちが言う。
10月のある日、試してみた。
夫と私の母の誕生日が10月なので、食事をしに吉祥寺に出かけた。うちには車がないから夫と一緒に電車に乗って行く。
外出するときは必ず人の腕につかまって歩くことにしている。デパスのおかげか驚いて転びはしなかったけど、夫が私と腕を組んだまま急に方向転換したせいで2度転んでしまう。
さっきも書いたように、急な方向転換にも対応できない。側面からほんのわずか押されても引っ張られても、すぐに反応できなくて転ぶことがある。
 でも人と腕を組んでいれば、たとえ転んでもダメージは殆どない。転ぶスピードがゆっくりなので、やわらかく着地できるからだ。
 バランスを自分でたて直すことができない症状を「姿勢保持障害」あるいは「姿勢反射障害」という。
びっくりして硬直し転倒する。そしてすぐには筋肉がリラックスできなくて立ち上がれないのを、私の主治医は「一種のON-OFF症状」だと言った。「ふつうは原因がなくておきるけど(私の場合は)原因があるのでしょう」と。
 健康な人も驚くと心はハッとする、だけど体にまで反応は出ない。それが私の場合、体にまで「ハッと」が出てしまう。内心の動揺を全く隠せない。かっこ悪いなと思う。

 私のすくみ=転倒
『脳に突然新しい情報が、眼から耳から、外側から(物理的に)内側から(心理的に)インプットされると、すくんで転倒する』といえる。
すくみは体だけでなく精神的にも言葉にも起きる。 

 『こうすればすくまない、転倒しない』 という完全な対処法はないが、できるだけそれを避ける方法は
(1)体の反応(硬直・転倒)を少しでも遅らせ
(2)転倒する場合は衝撃を和らげ
(3)転倒してしまった場合はできるだけリラックスする。

 具体的な対処法は、危なそうな場所・ケースが分かっているので
A.慌てずゆっくり慎重に
B.外出前にはデパスを飲む
C.外出時は介助者と腕を組んで歩く。
D.理学療法士の指導で機能訓練(バランスをとる(柔軟性)をしている。
だが、『外側・内側(心)からの刺激で脳の回路がフリーズする』 ことは 今のところ防ぎようがない。
2003.03.25 初稿 2003.04.02 第2稿 Almond


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