>>編集後記<<
(果たして打鐘は鳴ったか?)

競輪競走の難しさ
オッズとの対話
ラインが示すもの
並びが示すもの
明日なき結論
捲りの価値体系
逃げと捲りの連対
捲りが死んでも番手が生きる!
捲り選手の逃げ
スピードかパワーか
2車だから生きるカマシ
勝ち上がりと選手の格
今日もどこかで3連単
3連単のシナリオ
燃えつきた客
残り目の運動学
どっちが競り勝つ?
三番手選手の連絡み
自転車選手の体
地元は何割増??
競輪場を旅打ちする
戦闘誘導員
スタートの合意
脚の違う選手がいる
車券が変わってくる
中団はどの選手か
穴車券は誰が出す?
はまりこみ1
はまりこみ2
我らが太田真一
捌きとは何か
漠然とした自在戦
分断へのアプローチ
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スピードかパワーか
あまり考え過ぎるとややこしくなってくるのだが、近年競走スタイルが大きく変わってきたために どの展開でどの脚質の選手が有利になるのかが分かりにくくなっていると思う。 昔は誘導員のスピードがもっと速かったらしい。つまりスタートを取って競走するのが最も有利 であった。いまオリンピックの予選が各地で行われてるんだけど、皆バイクの真後ろにつきますよ。 いい選手は。だから滝沢正光の様な怪物が勝ちまくっていた時代は競輪が消耗戦の様なレースであ ったのではないか。だからこそ体力的に滝沢に劣る多くの選手はどうやっても差し交わす事が難しくなって きてしまうのである。競馬と違って競輪は持久戦であろうが早期決戦であろうが2025メートルで 行われる。その中で誰が主導権を取るかでレースの質が大きく変わって来てしまうのだと考える。
ところで「AAが逃げればBBでは捲れない」「CCの逃げならBBで捲れる」こういった事を 先日競輪場で耳にした、それはどういう意味なのかと考えてみた。単純に力や格がA>B>Cという 事なら話は早いのだが、言わずもがな力の劣る選手が何度も穴をあけるのが競輪で、それはオッズ板 を見れば重々承知。レースが始まった。Aを捲れないと頭ごなしに言われたBはそれを知ってか聞いて か、残り2周でAを抑えにいった。しかしこの動きは早過ぎた。打鐘で先行態勢を取るが後ろの動き を見ている。Aを外に浮かせた状態で併せて踏もうということなのか。だが、その巻き返しにすら 敗れてしまうのである。あっさりホームで叩かれたBは7番手に置かれ9着。Aは逃げ切って優勝した。 そして、このBこそがパワータイプの選手なのである。誘導員のペースが遅く、現代の競輪はパワー 型の選手はとても不利だと思う。一周のタイムに秀でているパワー型と半周のタイムに優れているスピ ード型であっても、パワー型選手の逃げは苦しい。なぜかと言うと今の誘導員のペースでは殆ど静止 状態からの一周(もしくは一周半)であり、前半のタイムの掛かりに致命的な差が出るからだ。 叩かれないように逃げるには先に述べたBのように長く助走を取らなければならず、少なくとも一着を取る には現在の競輪においては一番不利なタイプの選手に属してしまう。 捲りに構えたとしても完全に掛かる前にブロックされたり中団の競りをしてしまうと、またローギアから やり直しになる。通例であるがパワー型の選手は500バンクで最後外を豪快に伸びてくるイメージし かなく、当然取りこぼしが多い。ただ展開さえはまればどえらい勝ち方をするのも事実で、またパワー 型の選手は後ろになし崩しに脚を使わせるためにゴール前差される可能性は低い。 勝率と連対率があまり変わらない自力選手はパワー型である可能性が高い。やはり色々と情報を集める ことが大事だと思う。「Aの逃げではBは捲れない」と言われてもBは逃げると9着になってしまう 可能性が高いのです。分かっててもそうできない事情があるんですよ、きっと

2車だから生きるカマシ
カマシ先行は本線でないラインが意表をついて逃げをしかける事で、意表というのは どういう場面か。本線にない別線とは、つまり捲りか番手戦を挑むであろうラインの 事で、これがもし3車で編成されていれば十分逃げを打つメリットが生まれてしまう。 もちろん人気のラインがカマシを打ってもカマシはカマシなわけだが、それを言い出すと 結局カマシは逃げなのか捲りなのか?という話になってしまう。
カマシ先行という言葉があればカマシ捲りという言葉もある。競輪データプラザにおいては 叩いたというか出切ったポイントがホーム線の前か後かというところにコードを置いてるようだが、 本来の先行選手を叩いたカマシであれば捲り、本来の先行選手を後方に置いてのカマシであれば 逃げと考えるのが道理ではないだろうか。 人気のラインの場合はカマシでなく叩き先行と考えるべきだし、厳密に言うカマシ先行とは2車 のラインにのみ権利があると思われ。カマシ先行のタイミングとして考えられるのが
(1)極度の牽制状態に入った場合
(2)一本棒の状態が長く続いた場合
の2つに大きく分類される。(1)の際には2車のラインはスタートで前を取っている。残り2周の赤板で1つの ラインが前を抑えて2車のラインを引かせる。打鐘となって抑えたラインが後ろのもう 1つの本線のラインが仕掛けたと同時に突っ張る構えを見せる。こうなるとどっちが先行 しても2車のラインが切り替えるために、下げるとホームで地獄の7、8番手となってし まい下げられない。簡単に言うとお互いがお互いの番手戦に入ってしまうのである。 この時は両者とも2車ラインの動きに目がいかないために。そのアウトから一気にふかされ る動きに瞬時に対応できず、車間が開いてしまう
いっぽう(2)は(1)の赤板での状態がスタートから続いている状況で2車のラインが前を取った ラインの直後を追走している。打鐘となって彼らが動いても「イン切り」か「番手」と決め つけてしまい、反応しない。そこにスキが生まれ一気に前を叩ききるとこれまた車間が 開いてしまうのである
車間が開くと、第二先行の如く追走に脚を使ってしまい、本来絶好の展開である先行3番手 が「地獄の中団」となる。カマシきった2車ラインの先頭選手は本来逃げ屋でないので、 ゴール前では番手の選手に差され、この時2着には中団ラインの番手か、後方から捲り上げて きた選手が伸びてくる事が多い。カマシ先行を期待しての車券であれば俗に言う「番手=番手」という 車券が外せない。
カマシ先行は圧倒的なスピードのある若い選手しかできない戦術で、勝負が1周なので あるていど逃げ切れる公算も立つ。力のある選手がカマシを打つ時は最初からスタートを取らず に7番手で前との車間を切って飛び出す事がある。これだと同時に2つのラインを叩く感じにな るので、自分がややスピードが落ちても後続も脚を使い出られなくなる。松岡や荒井などが準決 で多用する

勝ち上がりと選手の格
新制度(平成14年度春から旧SABの3階層制が廃止されSAの2階層制度に移行し S級選手の数も400人近く増えた。それに伴い前後期の200名強制入替とRC におけるファイナリスト9名のS級特進が認められる様になった)の発足によって競走得点 が大きく見直され、S級選手が増えたためにS級選手の競走得点が全体的に減り、対して A級選手の得点が全体的に高くなった。しかしA級選手の下位には級B級選手がそのまま 混在していることから初日選抜や準決勝で何と得点差がおよそ10〜15点も違う様な逃げ屋 が一緒にレースに出走するケースがある。そもそもこういった取り組み(新制度がレース 体系を一新しよりエキサイティングなものにしようという建前)であれば少なくとも選抜 競走においては旧A級選手のみで編成されていなければおかしいのである。ところがどっこい S級選手の増加に伴ってF1競走が濫発される様になってから賞金の安いヒラ開催を敬遠 する選手が後を絶たなくなった。であるからしてA級の普通競輪は人手不足に陥り一週間前に 当所を走った選手が最終日補充に回りおまけに7車立てなどという田舎の競輪場がある
前後節でもって行われたシリーズ競輪も事実上廃止になり、場合によっては弱い選手も遠い 現場へ島流しにあう。事情はどうあれ番組というのはパッケージであり商品でもある。 その番組が補充選手ばかりだったり得点に絶望的な開きがある様なものを、よく棚に並べ られるなと思う。博打は数あれこういう試みをしているのは競輪だけなんだから。 この夏(平成16年)から始まったA級のツイントーナメントはその批判に向き合った懐柔策 なのだろうか。通常の開催ではそういった欠陥番組が午前中に集中するために客足が遠のいて いるのだろう。午後からまた予選が始まるのだから来場したファンはそれを買わざるをえない。 問題はその選抜戦だ。競輪の場合最終日にもっとも売上げが伸びる様に、最終日の特選競走つ まり順位決定の前のレースは午後一番手で始まり、その番組に力の互角な選手が集まる様に 計算されていると思う。そもそも開催の半分以上が負け戦なのだから、力の拮抗したレースが そこに集中した方が売上げが期待できる
つまり主催者にとっては最終日により面白い番組を提供できるだろう という考えに基づき現在の3日制の普通競輪が運営されている。初日の選抜が前述した様に力 差のあるメンバーだとしても、弱い選手が4着に入ってしまう事は多く、準決勝ではさらに 得点差が開く。勝ち上がれば勝ち上がるほど得点差が開いていき、その選手が逃げ屋であっても ラインを固めざるをえない。逆に選抜スタートで本命に背き勝ち上がりに失敗した選手は 2日目以降の特選で予選2位3位といった選手と走り、ここが既に旧B級選手と旧A級の 中堅選手との交流戦状態。だから主催者が競走参加各車の力を見極めた上で初日の 番組を編成していて、その初日が波乱になった場合はそのしわ寄せで2日目以降は午後から のレースがガチガチの本命サイドになってしまう事が多い。全く知らない競輪場に行く 時は2日目以降の場合、必ず前日の結果を手がかりにすべきである。

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