|
|
 |
並びが示すもの
競輪のラインは殆どが地区で決まり、たまに交友関係や同期で連携します。地区の中でも練習仲間
や師弟関係の連携だとより結束は固くなりますが、問題はどのような意味で結束を固くするかだと
思います。力のないラインが結束しても1文にもなりませんが、力のあるラインであれば、そのラ
インの中から優勝者を出そうという結論になります
まぁ南関と中部、東北地区ですね。地元であ
れば二段駆けでふかしてしまえばいい話ですが、競輪場によっては当然ラインを分断してくる事も
考えられます。佐々木−岡部−佐藤で福島が並べばこれは岡部が番手捲って勝つレースです。しか
し競りの弱い岡部ですからこの位置は狙われます。では佐々木−佐藤−岡部としたら粘られる心配
はないにせよ佐々木の比重が大きくなる
こんな高いレベルの話でなくとも、並びの重要性は本当
に考えさせられます。逃げ選手と追込み選手の間には様々な貸し借りの契約があって、競走は競走で
必ず返ってきます。だから結束の固いラインによってはその日最もチャンスのある展開を特定の選手
にのみ与えています。それが位置を譲る貸し借りでもあれば、マーク屋の仕事をする貸し借りでもあり
ます。あるいは残そうとしないで目一杯外を踏めば三番手の選手もこれに続けます。先にあげた南関・
中部・東北ラインの様に力のある地区は選手のさじ加減一つでどうにでもゴール前の態勢を決める事が
できると言っていいでしょう。ですから私は特選で自力ある選手が3番手を固める様であれば必
ずそのラインの逃げ切りから買います。3番手を固めた選手はそうやって過去の借りを精算している
物なのです。
レースは9人が走るのですが、現実に並びや並びでないものが混じってもペースや展開に際して
もっとも恵まれる位置というか、脚が残る位置があります。ある車券が売れたとして、その予想展開
通りにならなくても、その車券で決まってしまう様なケースがあるのは、これが並びの重要性だったりします。
518の並びで5が逃げての18という売れ方をしたのですが、大方の予想に反して5が捲りになって
張られて不発になったのに18で決まってしまった。こういう事が起きた時には間違いなくそのライン
の力が抜けていたという事になります。その理由は5を逃がさない様に別線が叩いて逃げるからオーバー
ペースになり、結局は力をもったラインにはそのまま展開が向くという理屈になり、そう言った意味でも
ラインが強く、その中で健全な並び方をしていたという証拠にもなるのです。
明日なき結論
ギャンブルは公正に行われるものではありますが公平に行われるものではありません。
その証拠に公営競技は25%を主催者にゲーム料として払っています。現実に公平な
ギャンブルとはジャンケンだけでそこには力を背景にした有利不利がありません
しかしそれでは勝つための材料が余りにも少ないために人々はわざわざ
ゲーム代を払ってまで競輪や競馬をやるわけです。もっともそれは勝負の世界に身を委ねている
選手にとっても同じです。客は適当に車券を買えば当たる事もありますが選手は練習しなければ
やはり負けます。S級にももう一年近く一着を取ってないという選手が大勢います。
そんな弱い選手がなぜS級なのか。そこを考えてみると随分ひどい話が
転がっているものです。例えば平成16年の3月に行われた日本選手権の2次予選競走。
これは3着権利ではありますが3着のうち準決に進めるのは7人中4人、一次予選が3着
の選手は2着権利なんです。ところが東京の佐久間仙行は神山の番手を後閑信一に
譲って平気でその後ろを固めてるんです。過去の実績では後閑が上ですが得点はその時点で
佐久間が上
おまけに後閑は事故点でピーピーしてるのだから嘘でも行くと言えばいいのに
レースでも動きなし。この佐久間はその2週間後国際競輪でも地元の京王閣でフレンチの番
手を兵藤一也に明け渡しています。こうやって捲り選手の後位を簡単に譲って最後は流れ
込む。これなら789という大きな着を取らないで済むし安定して競走得点を維持できると
言うわけです。選手は全員が全員一着を考えて走るわけでなく、9人いたら大きく目的が異な
ってきます。多くの弱い選手はレースを小銭拾いぐらいにしか考えていないので、節ごとに必ず
目標金額や目標得点を設定しています。目標を達成したら残りは失格や落車しない様に安全第一
でやり過ごし、目標に達していない場合、敗者戦で勝負をかけてくるという事です。逃げ選手
にしてもそうです。ある程度目標に達したら最終日は気風よく逃げるか、最後に捲るかで確実
に今の点数を維持し始めます。新制度によってS級選手数が大幅に増えてからは、こういった
事なかれ主義の選手が平気でS級などという看板をしょって走っています。ですから選手は今
金が欲しいのか点数が欲しいのか、それほどでもないのか。そういった腹の内を探ることが大変
重要になってくるのです。今節ここまで9着8着で最終日位置もないとしたら、手ぶらでは帰れな
いだろう。必ず競りにいくはずだ。あるいは初日の特選でもそうです。先場所で全く稼げてない
から初日から一発狙いの競走をしかけてくるはずだ。この選手は特選で流れ込んで3着してるか
ら今日は仕掛けを遅らせて4,5着狙いだろう。そうすれば明日また特選だ・・
書いてて情けなくなりますが、本当にそういう物なんですって。ただ、純粋に展開や
力関係を重要視しすぎて、選手にどれだけのモチベーションがあるかを見失いがちになってしま
いますが、現実に選手は全てのレースで一生懸命には走らないという事です。当たり前ですがこうい
った選手に大事な金を託すことなどできません。その選手が発揮できる力が限られている場合、
どこでそれを振り分けるか?は選手の自由であり、これは不公正ではないという事なのです。
まくりの価値体系
どういうわけか全てのギャンブルに捲りという戦法がある。麻雀や囲碁にもあるわけで
これまたどういうわけかギャンブル以外のスポーツにはない。大体ケツを捲るとかスカート
を捲るとか、いい意味で使われていない言葉だけに競輪においても「先行」より立場が
弱く新人が多用すれば勝ってもヤジが飛んでくる事がある。逃げる事が若さの象徴であり
、捲りという戦法は仮にそれを得意としていても消極的なイメージを植え付けられる。この
理由は明らかで、捲りになった場合、その直後の選手が付いてこれないケースがあり、
自分だけ届く様な競走になってしまうからだ。競輪場に溢れているお年寄りはスジ車券の
猛者ですから、捲りに回る選手は「番手や客のことを考えない自分勝手なヤツ」という印象
が定着してしまったわけです。
しかし逃げるラインがいれば他方は捲るか叩きあうかインで粘るしか無いわけで、効率が
一番良さそうなのはやはり捲りしかない。5年ほど競輪を見ていて思うのは調子のいい選手ほど
捲りの戦法を取りたがっている気がします。だからそこに油断が生まれ隙ができてくるという
理屈にもなるのだが、それでも調子のいい選手ほど捲り勝負になる。特選で逃げて2,3着の
選手が2日目に捲って快勝した場合、私が知ってるケースでは7割方決勝も捲りで勝負してく
る。これは初日に脚をはかって乗れてると思ったら今度はスピードを試すからです。よほど力が
上の新人という事でなければ初日2日の動きに自信が持てれば迷わず頭勝負をしてきますよ。
中堅の選手だと自分の調子が良いと逆に疑心暗鬼になってくるんです。後ろが離れないかどうか
、ブロックをアテにできるかどうか。引いて即座に叩いたら後ろがアカの他人だった、そういう
経験がジレンマを生むんですね。
新人にしてもやはり捲りの選手が年々増えてます。学校ですら
ほとんど逃げてない選手がいる。これはハロンはいいけど独走が弱くあるいは踏み直しができ
ない選手なんですよ。こういう新人の場合仕掛けは早く行くわけですが、ホームで巻き返される
とそれに反応ができないタイプで、だいたい学校時代にその適性が分かります。もちろん教官に
「捲りでいったほうがいい」とハッキリ言われてるんです。で、実際学校で毎日の様に模擬レース
が行われるのですが全員逃げ屋なので捲った奴が勝つに決まってる。学校順位は悪くても逃げ回数を
重ねていれば、デビュー後の成績は全く逆転してしまう。とどのつまり学校1位なんて買わない方が
いいって事です。捲り屋なんだから
単純に先行できないだけなら捲り屋で話は早いのですが、そういった中にスプリント
をやってきた選手がいると、これが実に厄介だったりするんです。どーいう事かと言うとカマシ
か捲りと大雑把に決め込んでる選手。前を取って引いた際に切り替えてくるのか、その外を一気
にふかしてくるのか。出方が分からない捲り屋がいます。本来隊列が短くなった所をきれいに
捲ってくるのがスプリンタータイプで、これは3人が3人そのまま出切る事が多い。その替わり
に少しでも余分に脚を使うと抵抗できなくなる。そーいう選手はペースが遅くなると不利なので
少しでも前が牽制状態になったらおあと1周ぐらいの逃げを打ってくるのです。こういったタイプ
の選手を捲りと決め付けるとレースが崩壊してくる事があるのです
もっとも理屈では捲りは先行よりも不利です。それは風やブロックなどの影響を受けるし何に
も増して先行するよりも長い距離を走らなくてはならない。そういった不利を克服できるだけの力
が有ると読んだ時に山田や吉岡の車券が売れるわけだ。でも歳を取れば誰だって先行できなくなる
のですよ。そこを間違えないように
|
|
|
 |
|
 |
|
|