部族?
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1970前後、「部族」(ロックハウス・トライブ)は横須賀基地ゲートの先、本町3丁目国道16号線に面したところにあった。ちょっと前までは米兵たちの出入りする外人バーだ。入り口の扉をはさむ左右の壁に木材を組んで大きく「部」「族」とあり、その上の壁面には直径3メートルほどの巨大なピースマークが描かれていた。「部族」はロックを聴かせるためだけの場所ではなく、長髪のヒッピーフリークやドロップ・アウトの溜まり場、カウンター・カルチャー(反体制運動)のフリー・スペースとしても様々なグループに「開放」されていた。前衛劇団、ベトナム反戦を訴える外国人僧侶、マルコムXを精神支柱とする黒人解放運動組織「ブラックパンサー」の映写会、学生運動の活動家、マリファナ、LSD.....まるでサンフランシスコのフラワームーヴメントがそのまま花開いたような解放的空間。そこにはヒッピーという名のマスコット犬さえいた。 「部族」で人気のあったロック・バンドは、フリーやフリートウッドマックのカバーが抜群だった「ジュリエット」、カクタスやジェフ・ベック・グループのナンバーを得意としていた「ディープ・トラディション」、ハードブルースにこだわっていた「シェイム」、、CSN&Yばりのコーラスを売りにしていた「キンダーブック」等々。 |
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当時のライブチャージはコカコーラ付きで400円だった。「部族」で行われたF.T.B.(フラワー トラヴェリン バンド)のライブはそれをきっかけに若者たちの熱烈な支持を得、伝説の「F.T.B. 嵐の横須賀文化会館ライブ」での名盤「Make Up」へと発展した。レコード棚にはブルース、ハード・ロック、ウェストコースト系ロック、ザッパ、プログレ、フォーク、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン等あらゆる種類のアルバムが揃っており、米軍基地の兵隊やミュージシャンたちからの評判もすこぶる良かった。横須賀独特のバタ臭いソウルフルなロックはそんな環境のもとに育まれたものである。それまでの価値観支配から脱却しようとしていた若者たち。「部族」はまさに世界中の仲間たちから発信されてくる「連帯」のメッセージに応えて立ち上がった横須賀若者文化の「拠点」であり「出発点」だった。 |
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