少女と教師
校則は拘束 門扉に女子高校生がはさまれて死んだ事件のころ

序論

 学校の門扉に女子高校生がはさまれて死んだ事件のあったころのことです。
 毎朝、校門の前に風紀委員生徒が立っていて、登校する生徒の服装をチェックして先生に報告するのです。その責任担当の女の先生は、校則を楯にして違反している生徒をスカートの丈を物差しで計ったりして、厳しい検査をするのです。生徒はスカートをウエストで巻き上げ誤魔化そうとし、先生は校則を楯に違反を取り締まろうとするのです。厳しく任務を遂行すればするだけ学校のためになる…とドップリと漬かり、先生自身がその校則に批判的な眼で見る余地がすでになくなっているのでした。

 パーマは勿論禁止。この禁止は当然かもしれませんが、髪の毛が天然にカールした生徒は、『髪の毛をパーマしていないという証明書』を持ち歩かなければならないという規則は、人権を無視したものではないでしょうか。しかし、この校則も大した批判もなかったのです。

 西の愛知県、東の千葉県と言われる程、千葉は管理教育の厳しい所なのです。そういう土地柄ですので、私立の学校はその風潮に抗して自由を校風にしてはやっていかれないのです。学校経営は成り立たないのです。
 『生活の乱れは、精神の乱れである…』
 『全体の調和を乱してはいけない。それが、学校の美風である』と、
 校長はことあるたびに、職員に向かって指導していました。

 私立の女子高にとって、よい学校と言う評判と言われることは至上命令なのです。そのため、生徒の生活や学校の規律を細かく校則に決め、厳しくを守らせ、従順な生徒に育て、スポーツに勤しむというイメージを植えつけようとするのです。
 これは、K府台女子学院に実際にあった話です。

承論

 考えてみれば、もうそれは、非人間的な扱いでしかありません。しかし、常識的な感覚が既に通らなくなっていました。天然のカールした髪の英子は入学した時から、校則の厳しさに違和感を感じていたのです。非人間的な『髪の毛をパーマしていないという証明書』を持ち歩 あるくことに、極めて抵抗を感じていたのです。

 A子の反抗的行動が担任の若いK先生には、勘に触るものだったのです。この態度を見せしめのためにも、抑えておかないと…と言う気持ちがあったのです。普段は天然カールを目立たせないようにしているのを、英子はわざとカールさせて校則違反の挑発的な態度を取って、K先生の前を通り掛かったのです。

 『パーマだろ!』と言う担任の一喝に、『そうだったら、どうなんです』と言い返してしまったのです。『天然パーマ証明書をみせろ』『そんなもの、持ち歩いていません!』 『校則を知っているのか!』と、以前からの態度に抑えていた感情的なものが爆発してしまい、そして、他の生徒の見ている前で『パーマは禁止なんだ』バケツの水をA子の頭から掛けてしまったのです。

結論

 少女英子が天然パーマだったことが判明して、K先生は翌年担任を外されたのです。K先生は、生徒の規律に監視の眼を光らせ、学校の方針を忠実に守って生徒に接していたのです。しかし、今その結果、教育の世界の生け贄になった…と言う挫折感に悩まされています。A子もますます学校の締めつけに絶望して、中学卒業と共に別の学校に転校していったのです。よい生徒に育てたいと言う願いと現状を打開したいと言う希望は、校則という呪文の下で粉々に散ってしまったのです。

 『校則? 他者に寛容の気持ちを持つこと。あとは、最小限の社会的ルールを守ればいい。タバコは喫煙室で』これが、オランダの学校の規則。
規則は?と聞かれたから、答えただけで本当は規則なんてないのだろう。
『オランダ人は、自由を愛している。ただそれだけ』規則で縛り付けないと、安心出来ない日本との差が歴然として、興味がある。

 きょうも京成電車の中には、緑色の制服に身を包んだしとやかなお嬢さまが、良妻賢母を目指して、学校へ向かって行きます。自分の意見を決していわない、従順な女子を育てる学校として、ますます評判が立ち、人気のある学校として信頼されているのです。

 どんな校則があったのか、紹介してみましょう。
 ・鞄をペッチャンコにしない。
 ・髪は肩までの長さ。パーマ禁止。髪を染めない。
 ・外泊禁止。門限厳守。
 ・アルバイト禁止。
 ・白のソックスで折り曲げないこと。
 ・スカートは膝下○・まで。
                                                        
 規則できちんと育てる…『箱庭』的な人間教育なんだ…と、理解しましょうか。
一人ひとりの自主性は、どこにあるのだろう。いつも、上から為政者の都合のよい人間をそだてる教育を受け過ぎて、空の飛べないにわとりに満足しているような気がしてならないのです。




 
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