The Exploits of Fidelity Dove

「フィデリティ・ダヴの大仕事」


ロイ・ヴィカーズ

1924

★★★★
国書刊行会
平山雄一編

顔が命
-A Face and a Fortune-

不法なダイヤモンドの買取で巨万な富を築いたハロウビー・ヘインズという男が、二万ポンドもする真珠のネックレスをアイラ・デマインという一流モデルにプレゼントしようとしていました。ヘインズが女性に真珠を贈ると、別の男が真珠を抵当にお金を貸すと申し出て、金に困っていた女性は高利貸しに合うという悪行が為されていたのです。それを知ったフィデリティ・ダヴはアイラ・デマインを救うため、自分の手下をヘインズに変装させ、警察も巻き込んだ大芝居を打つことにします。

宙吊り
-Suspense-

少女ハワードはラザルス・バイカー夫人のメイドをしていましたが、ある日夫人からブローチを盗んだとして告発されます。裁判の結果、ハワードは無実が証明されますが、その後の就職口が見つけることができず、バイカー夫人の嫌がらせも続いていました。ハワードから相談を受けたフィデリティ・ダヴは、バイカー夫人が持つオリッサのエメラルドを利用してバイカー夫人を懲らしめようとします。

本物の名作
-The Genuine Old Master-

サー・ルーファス・ブラッチはフィデリティ・ダヴが持つ名画『修道女』を一万ポンドで買おうとしていました。ところがダヴが所有する『修道女』は複製画であることをブラッチは知り、ダヴに『修道女』が本物であることの誓約書を書かせることにします。しかしダヴは平然としてその誓約書にサインをするのでした。

偽造の定番
-A Classic Forgery-

フィデリティ・ダヴは田舎の邸宅がある街スワローズバスの家や土地がストラナックという男によって買い占められ、そこに鉄道を引く計画があることを知ります。フィデリティ・ダヴは住民にスワローズバスの街を守ると約束し、ストラナックと交渉の場につきます。そこでフィデリティ・ダヴは一万ポンドの価値がある自身の家と土地を三千ポンドでストラナックに譲ると申し出たのです。

ガルヴァーバリー侯爵のダイヤモンド
-The Gulverbury Diamonds-

ガルヴァーバリー侯爵の息子は父親のダイヤモンドを盗み、ある女性に与えてしまいます。息子は女性に弄ばれていたことを知り、その後自殺を遂げるのですが、女性は平然としてダイヤモンドを離すことはありませんでした。この話を侯爵から聞いたフィデリティ・ダヴは、その女性からダイヤモンドを盗む決意をします。

貴顕淑商
-The Merchant Princess-

大手食料品会社ブロント社は多額の利益を上げながら、働く女子従業員には週給一ポンドしか払っていませんでした。同社で働く女性が週給一ポンドで病弱な母親の面倒を見ていることを知ったフィデリティ・ダヴは、社長に賃上げの依頼をしますが、社長はそれを頑として断ります。そこでフィデリティ・ダヴは同社を自分の手に入れようとします。

一四〇〇パーセント
-Fourteen Hundred Per Cent-

フィデリティ・ダヴは身投げをしようとした女性を間一髪で救います。その女性はストルードという男から百ポンドの借金をしたのですが、金利で借金が八百ポンドまで膨れ上がり、自身にかけられた保険金で母親だけでも救おうとしたのでした。その女性を哀れむフィデリティ・ダヴはストルードから金を騙し取る計画を立てます。

評判第一
-A Deal in Reputations-

フィデリティ・ダヴは会社経営者のベンジャミン・バーガスを自宅に呼び、バーガスが同社に勤めていた女性ステラ・ペイジと結婚の約束をしていたにもかかわらず反故にしたことを責め、彼女と結婚するまで帰らせないと告げます。そしてバーガスが自宅に軟禁している間に、バーガスの評判を下げる出来事を手下に行わせるのでした。

笑う妖精
-The Laughing Nymph-

フィデリティ・ダヴは購入した有名な彫刻が偽物だったことを知り、売った相手に購入金額の一万ポンドを返却するよう訴訟を起こしたのですが、簡単に敗訴してしまいます。するとフィデリティ・ダヴは多数の美術商を自宅に呼び、偽物だがその彫刻を買わないかと持ち掛けるのです。

ことわざと利潤
-Proverbs and Profits-

いびきをかいて眠り込んでいたミッセンデン卿はガラスが割れる音ときな臭い匂いで目覚めます。「火事だ!」という叫び声を聞き、外に飛び出すと一台の消防車が立ち去ろうとしていました。屋敷を見上げると<八角形の間>から煙が立ち上るのが見え、そこに美術品のタペストリーが飾られていることを思い出して、部屋へと急ぎます。そしてミッセンデン卿は<八角形の間>からタペストリーが盗まれたことを知るのでした。

ヨーロッパで一番ケチな男
-The Meanest Man in Europe-

金貸しのジェイベズ・クリュードは二十万ポンド近い財産を保有しながら、盲腸炎にかかった診療費を値切るようなケチな男でした。フィデリティ・ダヴはクリュードを懲らしめるため、五万ポンドの真珠を担保にして、利息六〇パーセントで五千ポンドを借りたのでした。

グレート・カブール・ダイヤモンド
-The Great Kabul-

アメリカに住むセオドア・ジェルクス夫人は自分のティアラに装着するため<グレート・カブール・ダイヤモンド>を手に入れようとしていました。しかし、そのダイヤモンドを所有するヘンリー・サートルは盗み出したも同然の方法でダイヤモンドを入手しており、ジェルクス夫人はフィデリティ・ダヴの行動を期待していました。その期待に応えるべく、フィデリティ・ダヴはサートルから<グレート・カブール・ダイヤモンド>を盗み出す計画をします。

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