福厳寺
京急「新逗子駅」の南口改札口から1番バス乗り場へ。
衣笠駅行きのバスに乗り、2つ目の「長柄交差点」で下車する。

護岸された森戸川を覗くと、黒っぽい鯉に混じって、大きな錦鯉?が泳いでいる。少し肌寒いが、風はもう春だ。車の往来の激しい逗葉新道を川沿いに15分ほど歩くと長柄大山の山里の風景に出会える。

「福厳寺」の山門が森戸川わきに建っている。
鎌倉武士だった長柄義景の菩提寺である。ここから、阿部倉山がよく眺められ、どっしりと安定感のある山が、大山の風景になじんで見える。
福厳寺の山門の前に観音像?が浮き彫りされた大きな石碑が建っている。以前、仙元山から下りて、この寺の前を通ったときは、工事中で境内に入れなかった。散策がてら入ってみると、よく整っていて敷石もま新しい。

ル│ト
  前編
  [ 京急新逗子駅 ]
 → ( バス停「長柄交差点」 ) → [ 1 福厳寺 ]  → 
  [ 長柄大山の里 ]  → [ 2 大山林道/森戸川 ]  → [ 2 南尾根への沢登り ] →
  [ 3 南尾根@ ]
  後編
  [ 4 南尾根A ]  → [ 森戸川へ降りる分岐 ]  → [ 鉄塔 ]  →
  [ 上山口小へ降りる分岐 ]  → ( バス停「上山口小学校前」) →  [ 京急汐入駅 ]
      
5 森戸川南尾根/大山林道から三浦アルプス縦走〜上山口へ(前編)
  三浦半島 
 10低山彷徨 
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▲三浦半島に残る貴重な山域が日常生活を離れたちょっぴり贅沢な時間をくれる。▲沼田さんのホームページ「山野紀行」に“森戸川散策”という文章がある。山のたたずまいを感じさせる山男らしい文体に引かれて、一度歩いてみたいと思った。▲森戸川源流を遡りながら続く大山林道は、深山幽谷の雰囲気が残る森の中の小径。▲葉山、逗子、横須賀にまたがる標高200m前後の山陵が森戸川源流域の谷を守り、細流に沿って木漏れ陽の小径が続く。▲森戸川の北側に、二子山(208m)を主峰とする北尾根が三浦半島の背骨のように東西に横断し、南側に、乳頭山(211m)を主峰とする入り組んだ山ひだが続く。南北の山に挟まれた谷を森戸川渓谷と呼びたくなる山域である。▲地形図の等高線が蛇がのたうち回るように描かれ、複雑な起伏が続く森戸川南尾根。▲長柄から大山林道に入り、渓谷沿いに散策してから、急遽南尾根へ。冬枯れた沢すじを登ると、急斜面の崩壊跡に路が消えている。▲大山林道から三浦アルプスと呼ばれる森戸川南尾根を上山口まで歩く。アップダウンの激しい尾根路が延々と続き縦走登山の様相に・・予想以上に体力を消耗して自分の甘さを思い知ることになる。

森戸川源流/大山林道
森戸川に沿って歩くと、阿部倉山が近づいてくる。
最初の橋を渡り、阿部倉山を左に、仙元山東端の斜面との間にできた山あいを歩く。2つ目の橋を渡るとまもなく人家が途絶える。山の香りが混じる空気を深く吸い込みながら歩くと、やがて、大山林道の入り口に設けられたゲートが現れる。痩せた人だけが通れる狭いゲートをなんとか越えて行くと、いよいよ護岸されていない森戸川の天然の姿に出会える。

林道から流れに降りる。
適当な石を見つけて川面のそばで腰を降ろす。冬枯れて水量は少ない。杉の枯れ枝が河原にたい積して、余計に細流も流れにくそうだ。川面に陽が射して微妙に反射している。何も考えないでボーと見入っていると、ときどき林道を通る元気な集団の声が。森戸川散策を目的にして、この秘境に入ってくる人がけっこういるのだ。賑やかな一団が通り過ぎると、また、せせらぎの音が戻ってくる。

低山彷徨 後半へ

2004.3.14
地形図を見る。
森戸川は入り組んだ等高線の隙間を縫うように流れる。大昔に深海にあった地層が隆起して三浦半島が生まれたという。気の遠くなるような話だ。

等高線は、森戸川渓谷をはさんで、関東平野(北尾根側)に隆起してきた三浦半島(南尾根側)がぶつかってできた地層のしわのようにも見える。ここを掘れば温泉が湧き出てくるかもしれないとか考えてしまった。ときどき森戸川に降りて遊んだり、空を見上げて渓谷にいることを実感したり・・谷をなぞりながら林道を往く。
南尾根へ(沢登りの枝路)
林道を30分ほど歩く。
右側に立っている山火事注意の看板に南尾根の枝路を示す記載がある。
私が気付かないだけかもしれないが、林道を歩いて最初に見る枝路だ。右は直登の尾根路、左にシダの茂る沢すじの枝路。

急な尾根路を避けて沢すじに入る。
流れがない枯れた沢すじと今にも崩れそうなやせた小径、シダの群生に足元がおぼつかない。見上げると傾斜角60度はありそうな急斜面の谷底に杉の倒木がある。下をくぐり、上をまたいだりしながら登って往く。15分くらい登っただろうか。右の急斜面が崩壊して谷に大木が倒れ込んでいる、この先に路はなく、沢すじもはっきりしない。引き返すか、右側の急斜面を登るか・・倒木の間を抜けて急斜面を登り始める。斜面を20m登れば尾根路に出会いそうな気がする。
急斜面に落ち葉が堆積して崩れやすく足をとられる。
倒木の上に乗ったり、枝につかまったりして悪戦苦闘・・ようやく尾根路に出た。見下ろすと、登ってきた沢すじが谷の中に隠れている。転げ落ちたら谷まで止まらない急斜面との格闘で体力を消耗して、尾根路に出るとへたり込んでしまった。ルートも読めないのに無事に尾根に出られたことを幸運だったと感じる。

桜山方面の住宅地と貯水タンクが見える。
自分の位置を相対的に確認しようと地形図を広げてみるがわからない。尾根路を右往左往しても複雑な山の形を読めず、右か左かもわからない、
お手上げ状態だ。
南尾根
沢すじから急斜面を登ってきて方向感覚を失ったのだろうか。
複雑に入り組んだ山容のため、尾根に登るなら磁石は必携だが・・持ってこなかった。南尾根に出たことはわかっているが、ここから田浦まで歩こうか決めかねている。
左方面は仙元山へ続く尾根のような気がして、はっきり行き先を決めないまま右へ向かう。南尾根をどこまで往けるかわからない。しばらくして尾根を下っていくと、森戸川の林道を散策する少年たちの声が聞こえてきた。林道は見えないが、どうやら林道から入った直登の尾根路を逆に下っているらしい。引き返して、ロープにつかまりながら急登を登る。
山の春はここにも・・シダの新芽
西の仙元山へ向かう南尾根ルートがある。
東の田浦方面へ向かうためには、南尾根をいったん西に向かい、仙元山ルートを辿ってから、分岐で東へ向かうのでわかりにくい。視界が少し開けて、渓谷を挟んで対峙する北尾根が見えてくる。阿部倉山と二子山の上と下の相似形を眺めて、向かう方角を確認する。

二子山・下(208m)を正面に眺める。
北尾根の主峰・二子山に向かう方角を案内してもらいながら、東の田浦方面にルートをとる。南尾根の高度は、200mを超える二子山より30〜50mくらい低く見える。
【上左】
阿部倉山(156m)と仙元山東端の斜面の谷間を森戸川が桜山方面へ流れる。
【上右】
双子山・上(207m)

幅1mたらずの狭いピークがあった。両側が切り立って谷底が見えない。単独行で尾根路を転落して動けなくなったら遭難するだろう。誰とも行き会わない南尾根・仙元山ルート。狭いピークに立って下を見ると少し恐怖を感じる。
落葉樹の間から逗子桜山方面
冬場しか視界はきかないだろう。
歩き始めて1時間半くらいたっている。
ルート捜しと予想外の上り下りの連続に体力を消耗したが、このときはまだ大丈夫だと思っていた。