唯一無二の一杯   ★


「ラーメンブーム」が嫌いだ。

正確には、その周辺の諸々が嫌なのだが、
その中に私のホームページも含まれるのかもしれない。
なぜそう感じるのかははっきりしないが、
“ブームに便乗する、一過性の○○主義”をイメージしてしまうからだろう。

いっときのブームははかなくて、それが去った後はさびしいものだ。
さりとて、「流行」に無関心でいることも嫌である。
我流を貫くだけでは、視野が狭くなり自己満足に徐々に傾く気がするからだ。
そうなれば客の存在が少しずつ小さくなっていく。
そう考えるのは、私の中に2つの間を行ったり来たりする
振り子が揺れているからだと思う。

振り子はメジャー指向とマイナー指向の間でも揺れる。
個人でホームページを立ち上げ運営を続けている人は、
自分のコンセプトを持ち、物事にこだわるタイプが多い気がする。
マニアックなテーマを追求している作品も多い。

仕事を離れた分野で個人が趣味でホームページを続けると、
3年目の壁にぶち当たることがある。

自分がイメージしていた、やりたかったものがある程度できてから、
「さあ次ぎはどうしたいのか?」と自分に問う作業だ。
自分でテーマが見えてこないときや
最初の動機がやがてマンネリズムに陥り疲れてくると、
人によっては、休止状態や廃止の決断を迫られることになる。

掲示板を置く場合、この双方向のコミュニケーションはとても有意義なのだが、
顔の見えない匿名性を利用する悪意を持った人が
インターネットの世界にいることも認識しておいた方がいい。
これで嫌になり廃止に追い込まれる個人のホームページは以外に多い。

中には、壁をまったく感じないでマイペースで続けられる方もいるだろう。
そういう方のホームページは内容も泰然としていたりする。
どちらにしても好きでなければ続けられない。

個人のホームページは人も作品内容も多種多様だ。
話をわかりやすくするためにあえて極端なタイプ分けをお許し願いたいが、
メジャー指向の「情報盛りだくさんタイプ」とマニアックな「1点主義タイプ」に分かれる。
前者のトップページデザインは、週刊誌の吊り広告みたいなゴテゴテした感じで、
後者は自分の関心事に限定した狭い範囲で、
興味がない人から見れば、どうでもいいことにやたら熱心だったりする。

一方に振り切れている場合もあるが、大概は一人の中に
双方の傾向を多少なりとも持っているものだ。
なのになぜか水と油の関係にある。
マイナー指向を自認している方は、
メジャー指向を大衆迎合だとか言って嫌いだったり、
逆に、マイナー指向をおたくと馬鹿にしたり。

しかし、どこかにおたく的な凝った部分を持っていないと
続かないのが個人のホームページだと思うがどうだろう。
すでに私はヤマイの域に達していると言われたことがある。
そう言われるとうれしいのはマイナー指向があるからだろうか。

一方、メジャー指向は大変である。
いつも耳をそばだたせて、アンテナを張りつめ、走り続ける。
でなければ脱落してしまう(と思っている)。いつしか重荷になってくる。
そうなれば個人のホームページは続けられない。

やがて、自分のホームページのコンテンツの他に
続けることがもう1つのテーマになってくる。
アクセスカウンターを気にすることをやめた。あれもこれもと欲張らない。
「常に走り続ける」とどこかで勤続疲労も出るだろう。
それに気づかないふりをして頑張ってしまうより、
本当に自分のやりたいことに限定して、続けることを目指してもいい。
方向は明確だが、1点にフォーカスしている人もコワイか・・


ラーメン店にもメジャー指向が強い店がある。
ラーメンはどっちの店の方がうまいだろうか?
当然二者択一はできない。どっちもうまい店があるからだ。
個人的には、メジャー指向のラーメンの味に期待してがっかりするより、
味わいのあるラーメンを出す隠れた名店を見つけるとうれしかったりする。
メジャー指向だけでブームに便乗する店は好きではない。
ブームはやがて終わる。

店の名前が売れると、コンサル会社を付けて駅前の一等地へ
客席の多い支店を出す有名店もなんだか残念である。
店の味が薄まる気がするし、たいていはそうなっていると感じる。
路地裏が好きな私のマイナー指向が出ているからかもしれない。

“メジャー指向”とは本当は地道なものだと思う。
“切磋琢磨”とか“地道な努力”とかいう言葉がふさわしいものなのだと思う。
人より頑張らないといけないのだ。
頂点に立とうとする上昇志向は、才能の他に人一倍の努力が必要だから、
とても困難が伴う選択肢なのだ。
2人の松井もイチローも頑張っているではないか。
いつしかメジャーの頂点に立つことを夢見て、
夢に終わらせないで、人の何倍も努力して、
少しずつ力をつけて夢に向かって着実に近づいてゆく
茨の道こそ本来のメジャー指向である。
ブーム便乗派のメジャー指向とはきっちり分けて考えるべきだ。

だとしたら、私はもう1度原点に立ち返る必要がある。
店が駅前の一等地にあろうと路地裏だろうと、
メジャー指向の店かどうかなど、ほんとうは私にはわからないのだ。
本来のメジャー指向の店主なら、客の見えないところでの努力を惜しまない。

ラーメンブームは店にとっては逆風だと思う。
本物の店と便乗店の区別はラーメンの味で決着をつけるしかないのだから。
切磋琢磨して生き残り、ブームを乗り越えて、さらにうまいラーメンを出す。
移り気な客の嗜好にただ合わせるだけでなく、それを確認しながらも、
奇をてらわずに本物の味を追求することを忘れない。

そんな唯一無二の一杯には、逆風に抗う店主の隠れた頑張りが込められている。
そんなラーメンに出合いたい。・・だから、
私のラーメン店めぐりはまだ当分やめられそうにない。
(やっぱりビョーキだね)


ラーメン食べよう
 ラーメンブームを乗り越えろ!

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拉麺エッセイ