森を吹き抜けてくる、むせ返るような緑の匂いとは違い、
少し潮気を含んだ海からの風が、ぼんやりと水面を見つめるサーラの金髪を撫でていく。
特に何をしているということもないのだが、こうして静かに時を過ごすことが日課になりつつある。
そうして、とりとめのない思いに身を浸すのは、嫌ではなかった。
最近良く頭に浮かぶのは、悲しい瞳をした巨人のこと。優しい瞳をした幼友達のこと。
そして、あの冒険のこと――――
「オーディン・・・・」
今から思えば、全ては彼が運んできたと言えるだろう。
旅立ちの時を。冒険の日々を。そしてこの感情を。
百年、それがどれ程の孤独と後悔の月日であったのか、サーラには解らない。
そして、自分がどうしたかったのかも。
自分を責め続けてきた彼を、例え一時でも慰めたかったのかもしれない。
それとも、言葉に出して言ったように、その行く末を確かめたかっただけかもしれない。
そのどちらでもない。彼女は、唐突に浮かんできた考えに、小さく身じろぎした。
そう、ただ見てみたかっただけなのだ。
過去の思いと、果たされることのない約束に縛られ、身動きすらできずにいた彼の眠りを覚まして、
新しい一歩を踏み出すのを、その背に輝く翼を乗せて、再び彼自身の人生へと羽ばたいて行くのを見たかったのだ。
そうすることで、自分も新たに一歩を踏み出せるような気がしたから・・・・
エルフの一生は長い。
だから、心に迷いがあっても、探し続けてさえいれば、
それがどれだけ緩やかな動きであっても、いつか必ず真実に辿り着ける、
必ずどこかで答えに出会えるものだと信じていた。
しかしその一方で、そうではないのではないか、という疑問が次第に大きくなってきてもいた。
この疑問は、時間をかければ解けるようなものではないのではないか、
オーディンがエルフの里を襲ったのは、サーラがそう考え始めていた頃のことだった。
彼の話を聞くうちに、少しずつ、少しずつ解ってきたのは、
彼が自分と同じように、出せるはずのない答えを探してさ迷っているということ。
いや、そうではなかったのかもしれない。
彼も自分も、もうとっくに解っていた答えを出すのを恐れていただけなのかもしれない。
長い長い時間をかけながら、その答えに向かって踏み出す勇気を求めて,
その為の、計り知れない大いなる力をください、と・・・・
うーん、何だか意図したものとは違うものに・・・・
某所の書き込みに影響されて、ちょいとエル×サラ風味?
てゆーか、完全にサーラの独白ですが。
この後エルも出てくる予定だったのが煮詰まってしまいました。
ちょい仕込みが過ぎましたね。
何が仕込まれてるのかは判る人にはバレバレでしょうけど・・・・
誰か2番書いてー(爆