生きものこぼれ話

スイカズラ

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6月頃にどこからともなく甘い香りがしてきたら、スイカズラの花の香りかも知れない。

 スイカズラは漢字では「忍冬」と書くが、これは冬にも常緑のまま堪え忍ぶことからきていると言う。

 また、スイカズラは「金銀花」とも呼ばれる。
これは白く咲いた花は翌日には黄色に変わり、新しく咲いた白(銀)と古い黄色(金)の花が一緒に咲いているように見えるからである。

 多くの花は受粉すればしおれたり散ったりする。
花を元気に保つためにはそれなりのコストがかかるので、無駄をなくすためには当然のことである。

 では、スイカズラは、なぜ、古い花を活かし続けるのだろうか。

 スイカズラに新しい白い花だけが咲いている状態を思い浮かべて欲しい。
スイカズラの花は細長くてあまり大きくもなく、それほどは目立たない。
しかし、古い黄色い花が一緒に残っていれば、より目立ち、花粉を媒介してくれる昆虫たちにアピールできるのではないだろうか。
つまり、コストは多少かかっても、昆虫を多く集める方が得策なのであろうというのが専門家の意見である。

 では、なぜ古い花は色を変えるのだろうか。それは、集まってきた昆虫たちに、古くて蜜のなくなっている花と蜜のある新しい花を、色によって区別しやすくしているのだという。
 さて、スイカズラは「吸い葛」の名前のごとく、蔓性の植物である。蔓で何かに巻き付くわけだが、どうやっているかというと、蔓のどこかが何かに触れると、触れた側の成長を止め、同時に、反対側の成長を増し、それを繰り返して巻き付いていく。

 巻きつく時、スイカズラは、非常にゆっくりとではあるが、蔓の先端を揺すって巻き付くものを探っているという。おもしろいことに、このとき、日米のスイカズラで蔓の揺すり方が違うというのだ。

 日本のスイカズラは蔓の先端が上を向いている時だけ先端を回し、米国のスイカズラの仲間は横を向いている時も先端を回すという。

 このことに関しては、日本のスイカズラの方が無駄がない。
蔓性の植物は、他のものに巻き付いて、日の十分当たるところまで早く伸びることができるのが利点であり、上と横に広がるよりも、上にだけ伸びる方が有利だからだ。

  魅せまする香りと蜜と金銀で


参考文献
「植物の心」 塚本裕一、岩波新書

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植物

スイカズラ
オギ(荻)

ノリウツギ
サンショウ
アーモンド
ハナイカダ
ヒイラギ
モミジバフウ


動物

カモシカ・羚羊
寒さに強いマルハナバチ
飛びの職人達
イチジクとイチジクコバチの仲


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