新人教育
おまえが新人か。

それじゃ、あいつが帰ってくるまで話しでもしようか。そう、あの女の話さ。

あいつは俺のために生きてるんだ。どんな無愛想な恋人だって、笑顔の一つくらい見せてやるものだが、俺は違う。何も与えない。

あいつは俺のためにかいがいしく働き、俺の前で笑い、俺の前で泣く。それでも俺は、笑いかけさえしない。

当然の行為だからだ。

俺と関わっていることが、ヤツの幸せであり、ヤツへの報酬なのだ。全てヤツが勝手にしていることだ。

俺に関わらせてやってるだけで、感謝されこそすれ、文句を言われる筋合いなんぞ欠片もない。

どんな関係であれ、平等というものはありえない。ならば、下ったほうが負けであり、勝った方の言うことを聞くのは当たり前だ。そうだろう?

それが嫌なら、離れていけばいいんだ。誰も強制しないんだから。

そう、惚れた方が負けなのさ。

がちゃり。

おや?ドアの開く音がしたな。

どうやら帰ってきたようだ。新人、おまえも女に舐められないように、しっかりやれよな?

とりあえず、俺の隣に並んどけ。

 

「ただいまぁ……あれ?お人形が増えてる……」

index