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テンソル積は色々なベクトル空間を想定して定義したが、何種類もベクトル空間が出てくることなどそうありはしない。これからは、 と のみで議論をしようと思う。
テンソル積同士の和は、基底の係数同士を加えればよい。それでは、テンソル積同士の積はどうなるだろうか。
これは簡単であるし、考えても仕方のないことなので、定義を与えてしまおう。
テンソル積空間 と のテンソル積は、次のように定義される。
( ) ( )
= 
と をそれぞれベクトル空間として考え、単にテンソル積の定義を適用すればいい。ちなみに
テンソル積が非可換であることには注意しておこう。
元の掛け算も同様である。ξ∈ 、μ∈
として、
ξ μ∈
であって、これもξとμをベクトルと見て以前の定義を適用すればいい。
を、直和記号といい、これは集合2つの要素を全て含む新しい集合を作る記号である。∪と何処が違うかというと、∪は同じ要素が複数あればそれらを一つとして数えるが、
の場合は直に和をとり、別々の要素として新しい集合に組み入れるのである。
これを用いて何ができるか。実は次のように定義される空間を、テンソル代数(T(V))という。

ある集合が代数であるとは、簡単に言えばその中の2つの要素をとって和や積をとったときに、その結果が必ず元の集合に含まれている、
つまり演算に関して閉じているということだ。どんなに高い階数のテンソルを掛けたり足したりしても、結果はちゃんとT(V)の中に収まっている。これはT(V)が無限に大きい空間であるためである。
このテンソル代数は、"2つのルール"の章で説明した外積代数に良く似ている。それもそのはず、あの時はダイアディクにルールを加えて外積代数を作ったのだ。ならば、今度は、T(V)にルールを加えてやれば外積代数になるはずだ。
どこかで聞いた話だと思わないかい?
しかし、それはまだ置いておこう。ここで、長い間保留にしておいた問題を、一つ解決しておこうと思うのだ。
すなわち、テンソルの定義だ。ここまでくれば、意外と簡単で、
テンソルとは、テンソル代数T(V)の元である
ということになる。
つまり、基底を残しておいて、テンソル積の一歩手前で止めた状態、というイメージなのだ。
T(V)は当然、無限次元ベクトル空間である。
問い:T(V)に次のルールを設定すると基底が有限個に制限され、n次元の外積代数になることを確認せよ。
"同じベクトルのテンソル積は、0とする" 答え:どのような基底が消えることになるか確認すれば良い。基底の総数は2^nである。 |