数学用語集

 よく使われると思う基礎程度の知識をまとめてみました。

 

 

 あ い う え お

 

アフィン空間 affine space
 ユークリッド空間から、長さの概念(内積・計量)を取り去ったシンプルなベクトル空間。
 アフィン空間で成り立つことはすべてユークリッド空間で成り立つ。
 長さが存在しないから、角度も存在しない。
 それらはより"根源的な"性質と見られるので、それらを専門的に研究する学問が存在し、それをアフィン幾何学という。 接空間・余接空間はアフィン空間である。
 


 

 か  く け 

 

回転 rotation :rot:*d
 回転というのは、推進方向に対して垂直な方向への加速のことである。高校で習った円運動の説明を思い出せばよい。
 推進方向の成分を消去して作る外積は、これを記述するために存在する。
 余接空間の外積空間を考えると、1次形式の外微分が自動的にrotの定義式になることが、いわゆる1つのルールを導入しただけで起こることが確認できる。


局所的に平坦な構造
 多様体を被覆する局所近傍を十分細かく取れば、P∈Um∩Unなる点Pと座標近傍(Um,φm),(Un,φn)に対して、いつでも局所座標間の変換の行列の成分に対して

が成り立つようにできるとき、局所的に平坦であるという。特殊相対論は時空が平坦な構造を持っていること、すなわち時空が4次元ミンコフスキー空間であることを前提としている。一般相対論では質量が空間を"曲げて"平坦な構造ではなくしてしまうから、 時空を局所的に平坦な構造のパッチワークと見る、接続の概念が必要になる。


曲率 carvature
 曲線の曲率とは、単位距離当たりの接ベクトルの変化の大きさで、次のように定義される。

 sは曲線の長さ。tは接ベクトル。nは法線ベクトル。κが曲率である。実は単純な定義。


勾配 gradient :grad:d
 ベクトルの勾配とは、スカラー値関数の偏微分を成分とするベクトルのこと。
 もっと言えば、スカラー値関数の作る曲面の接ベクトル(電位と電場の関係)。
 しかし、一般にテンソルの勾配とは、ある成分に対して1からnまでの偏微分を計算して新しい添え字成分を作り、和を取って階数を1上げたテンソルのこと。要は、外微分したもの。
 ベクトル解析では、スカラーの勾配なのかベクトルの勾配なのか注意してみてみよう。
 →発散

 

 

 た ち つ て 

 

ダランベール演算子・ダランベルシアン :□
 ラプラシアンをミンコフスキー空間に拡張したもの。
 2階共変テンソルに、計量を掛けることによって作られる4階混合テンソルのはずだが、縮約をとって対角成分のみになるため、スカラー演算子になっている。ローレンツ変換で計量が変化しないので、スカラー。
 何故混合テンソルがスカラーでないのかが垣間見られますね。

動標構
 多様体の各点の接空間に入る正規直交基底のこと。

 

 

 は ひ  へ 

 

ハウスドルフ空間 Hausdorff space
 近さの概念が存在する位相空間。定義としては、
 ハウスドルフ空間に含まれる異なる2点P,Qをとれば、いつでもP,Qの近傍で UP∩UQ = φ となるものが存在すること。
 ハウスドルフ空間でない例としては、数直線上の整数の点全体の集合などがある。


発散 diversion :div:*d*

 ベクトルの発散とは、微小空間から"湧き出す"量の総和のこと。普通は2階テンソル(擬ベクトルに星印作用素を作用させてテンソルに戻す)に対して外微分を行うことによって得られる3階テンソルで、テンソルを知らない人間に対しては擬スカラーとして教えられる。
 テンソルの発散とは、ある添え字に対して1からnまでの偏微分の和を取り、階数を1下げたテンソルのこと。
 ゆえに2階のテンソルには右発散・左発散があり、それぞれベクトル量である。同様に、階数の数だけ発散の種類があることになる。そのため、いわゆるベクトル解析記号divは意味がとりづらい。
 外微分を行って得る場合はそれらの和になる。
 →勾配


フレネ-セレの公式 Frenet-Serret
 動標構のうちの一本を曲線の接ベクトルにとったときの、動標構の基底同士の関係。わかりやすく数式で表すと、e1を接ベクトル、e2を法線ベクトル、e3=e1×e2として、

ということである。κを曲率、τを捩率(れいりつ)という。ちょっと感動する公式。


ホッジ演算子・星印作用素 :*
 →Hodge star operator

 

 

 ら り る  ろ

 

ラプラス演算子・ラプラシアン :△:d*d
 本質的に2階微分を行っている演算子。
 外微分で2階微分を表現するには、1回star operatorでベクトルに戻さなければならないということ。
 →ダランベルシアン


捩率
 曲線の捩率とは、単位長さあたりの陪法線ベクトルの変化の大きさで、次のように定義される。

 これもなんと言うことの無い単純な定義だ。こつは、法線ベクトルをとにかく変化方向にする。

 

 

 


おまけ
 ペーパーバックを読むときに役に立つ英語集。
 通常の頻出単語も含まれています。あとは高校卒業程度の英語力があれば大丈夫??
 気が向いたり思いついたりしたときに追加していきます。トリビア企画。

Axiom of Choice
 選択公理。

Cartesian product
 直積のこと。

Corollary
 系。定理から直接導かれる事実で、特に何度も使うもの。

Differential forms
 微分形式。

Field:
 体のこと。

Figure
 数のことだが、すでに導かれている値や、実験値や、今話題になっている値など。

Homomorphic
 準同型。

Isomorphic
 同型。合同変換のなす群をIsoと書いたりする。

Lemma:
 補題のこと。

Normal:
 直角であること。Normal Vector(法線ベクトル)。Binormal Vector(陪法線ベクトル)。

versus:
 〜と比較して。Think over the advantages of tensors versus differential forms.