■ 1. 1979年という時代1.html

 現在では、パソコンがあり、携帯電話があり、当たり前のようにインターネットを利用する日々を過ごしている。それと同じように、多くの音楽には違和感なくシンセサイザーが使われており、そこにMIDIという規格があることに気がつかなくとも、簡単にシーケンサーでシンセサイザーをドライブさせることができる。今から約25年前、1980年代の初頭には、こうした未来を想像していなかった人も多いかもしれない。MIDI規格はまだなかったし、シンセサイザーやシーケンサーを使った音楽はまだ特殊なものだと思われていた。しかし、こうした電子楽器が爆発的な進化を遂げる萌芽はこの段階ですでに芽生えていたのだ。

 以来25年間にわたり、音楽専門雑誌編集者として電子楽器を見守ってきた僕にとっても、最初の10年間、つまり1980年代は実に刺激的で、面白かった。とにかく最新の楽器が1年後には古くさくなってしまう時代だったし、予想もできないような新製品が現れたりする。それは現在では決して味わえない感覚だった。当時どのようなトピックがあり、それを僕がどのように見ていたか、また感じていたのか、記憶の糸をたぐり寄せつつ本ブログで綴っていこうと思う。シンセサイザーやMIDIをテーマとしたWebサイトは数多いと思うが、当時の僕の立ち位置はけっこう特殊だったので、興味のある人には楽しんでいただける内容になるのではないだろうか。あくまで僕の記憶と、当時の取材メモが頼りなので、多少の記憶違いはご容赦を。

■ 2. シンセサイザーとMTRを入手!2.html
■ 3. アナログ時代の終焉3.html
■ 4. コンピューターと音楽が急接近していく4.html
■ 5. MIDI前夜5.html
■ 6. ついにMIDI規格が発表される6.html
■ 7. 国産初のMIDIシンセ、JX-3PとPoly-8007.html
■ 8. 1983年のゴールデン・ウィークにDX7が発表される8.html
■ 9. 音が止まらない!9.html
■ 10. 初期のMIDIはトラブルの嵐10.html
■ 11. コンピューターを楽器として使う試み11.html
■ 12. コンピューターにも規格統一の機運が……12.html
■ 13. 初の国産ミュージック・システムがヤマハから登場13.html
■ 14. シンセサイザー・メーカーの変遷14.html
■ 15. イタリア製シンセサイザーの全盛時代15.html
■ 16. ヴァン・ヘイレン「ジャンプ」から歴史が始まった16.html
■ 17. MIDIシーケンサー登場で広がった自動演奏の可能性17.html
■ 18. シンセサイザーの音源部と鍵盤部が切り離される18.html
■ 19. 過渡期の名機、ローランドJuno-10619.html
■ 20. 統一規格なのに互換性がない!?20.html
■ 21. なんだかんだとは言いつつも、時代の最先端だったMIDI21.html
■ 22. サンプラーの夜明け22.html
■ 23. オーディオ・メーカーのアカイがシンセ業界に参入23.html
■ 24. レコーディングにもデジタル化の波が……24.html
■ 25. 倍音合成方式を実用化したDW-6000が登場25.html
■ 26. 進化の嵐も一段落26.html
■ 27. デジタル機材が音楽を作る27.html
■ 28. DX7IIが発売され、FMシンセサイザーが再び注目を集める28.html
■ 29. 当時のシンセサイザー遍歴29.html
■ 30. 満を持してD-50が登場30.html

MIDIとシンセサイザーの歴史