私たちは自分の存在を認めてくれる「居場所」を必要としています。小さい 頃は家庭がその役割を担っているのかもしれません。しかし年齢が高くなる につれて、家庭外に居場所を必要とするのが「人間」ではないのでしょうか?
地域力が生きていた頃は、学校に居場所がなくても家に帰ってくると生き生 きする子どもたちがたくさん居ました。しかし現代は学校に居場所の見つけ られない子どもたちは、生きる場を失うことに直結する気がします。
この本は学校という居場所を失った不登校の子どもたちの物語であり、子ど もと大人の関係を問うエッセイであり、人として生きるということを考えさ せてくれるメッセージであります。
子どもが本来持っている力を発揮するには、そこにいる大人の「まなざし」 にかかっていると言っても過言ではないのでしょう。子どもを“導き教える 未熟な存在”として認めるのか、“自らで育て伸ばす一人の人格”として認 めるのか? 大人の姿勢によって違ってくるのだと思います。
私はこの本を読んで、子どもたちの力を信じられる大人になりたいと強く思 いました。それは意思と信念がないと継続することが難しい気がします。そ してその思いを共有する仲間が必要なのです。
大人同士の関係が子ども同士の関係を育てる。「居場所のちから」とは、つ まるところ大人・子どもに関係なく「人として育ち合う・育て合う力を育む 人間関係」が存在する空間ということなのかもしれません。私たち一人一人 はそんな「力をもらえる居場所」を持っているのでしょうか? |