誰のおかげでここまで育ってきたと思っているんや!」「お前のためを思って 言ってやってるんや!」反抗する私に父はこの言葉で私の考えや思いを封じ込め てきました。
まだ生活力を持たない私には、どんなに親の言い分に納得できなくても、この言 葉を出されてしまっては反論なんてできません。その悔しさから、子どもを生ん だら、この言葉だけは言わないと心に誓いました。
親は「子どものため」を思っていろいろなことを考え、そして行動を起こしま す。私も子どもを思って色々なことに悩み、喜び、試み、後悔し、落胆し、楽し んで、毎日を過ごしています。
この本の著者は父親から暴力を受けて育ちました。これは彼女がいわゆる教育評 論家という立場から書いた「子育て論」ではなく、青木さん自身の子育てを赤裸 々に綴っている本です。
評 論というのはどこか他人事に人を評している書かれていることが多い中、彼女 はあくまで当事者としての立場を忘れていません。『「子どものために」という 前に』という題も、自分自身が母親から「お前たちのために父親と別れない」と 言われた事実を基にしてつけられています。
「こどもために」と言いつつ“子どものせいにする”のではなく、自分の責任とし て子育てを引き受けようとする著者の姿勢に共感しました。私が幼い頃に心に 誓ったことが実行できている自信は無いけれど、青木さんの、間違いも含めて自分を正面から見つめる姿に勇気をもらいました。 |