アレックス=ガンダム4号機説の解釈

はじめに
 RX-78NT-1"アレックス"は、一般にガンダム4号機であると思われている。確かに、「0080」スタッフ諸氏はアレックスを4号機として設定し、それが当時のアニメ誌や模型誌から広まったと言う事実がある。
 しかし、RX-78-4ガンダム4号機(以下G04)という機体があることも事実である。このMSはMSV時代から設定が存在していたのだが、あまりにもマイナーなので多く知られることはなく、当時はガンダム4号機といえばまずアレックスのことを指していた。
 だがG04が外伝「宇宙、閃光の果てに…」に登場し、MG化までされたことで、その知名度は一気にあがり、同時に「おいおい、アレックスが4号機だろ?」という発言がネット上で多々見られるようになった。
 そこで、この項では、アレックスとG04の両方がガンダム4号機と呼ばれた事実について、考察してみることにする。

1.「アレックス≠ガンダム4号機」とする解釈
 実際、「0080」がリリースされた少し後に、「やっぱりアレックスは4号機じゃないよ」という設定が作られてもいた。機体にある"4"の文字は「G-4部隊所属機」の意味であり、アレックスはガンダム○号機の枠とは別の、「ニュータイプ対応型ガンダム試作1号機」でしかない、という設定である。
 深く考えないならば、これが一つの答えである。ガンダム4号機はG04であり、アレックスではないのだ。しかし、そう解釈するにはあまりにも、「アレックス=4号機」説が広まりすぎ、メジャー度の関係から(デザイン上の問題もあるが)「G04なんて認めない、アレックスこそ唯一の4号機だ」と言い張る人も多くなってしまったのである。

2.「8体のガンダムのうち詳細不明の1機がアレックスである」とする解釈
 さて、G04の設定の初出である1/144プロトタイプガンダム解説書には、「ガンダムは8機作られた」と書かれている。しかし、後にG04のデザインが設定されたM−MSVでは、7号機までしか設定が作られることがなかった。では残りの1機はどこへ行ったのか?それが、アレックスなのである、と解釈する方法もある。
 サンライズの公式年表では、アレックスの開発はTV版第1話よりも前に始まっていたことになっている。しかし、一般に「アムロのために開発された」と言われるアレックスが、アムロのガンダム搭乗以前に作られたとは言い難く、少なくともこの時点ではアレックスはニュータイプ用に開発されたわけではない、と解釈できる。MGのインストにも「"ALEX"は"Armor Layered EXamination(装甲積層実験)"の略でもある」と書かれており、まるでチョバムアーマーのための機体であってニュータイプ対応とかは無関係であるようにさえ思える。つまり、アレックスは初めはNT−1ではなく、ただのガンダムに過ぎなかったのだ。
 そう考えれば、8機のガンダムのうち1機がニュータイプ用に改修され、NT-1となったのではないかと解釈することも可能となってくる。
 でもそれじゃ4号機じゃないじゃん、というツッコミに対しては、アレックスが4号機だよ、と答える。じゃあG04は?という疑問が当然浮かぶが、それについてはMS−Xでおなじみの「空き番」の発想を使えば万事解決である。
 つまり、アレックスは当初装甲積層実験機RX-78-4ガンダム4号機であったが、改修されてRX-78NT-1となった。そして、空き番になったRX-78-4の番号にメガビームランチャー仕様(G04)が充てられたと考えれば良いのである。そして、アレックスが欠番になった時点で機番は繰り上げられたため、ガンダム8号機と呼ばれる機体は消滅したのだ。つまり一般に知られている4〜7号機は、実は5〜8号機だった、という解釈である。
 やや苦しいと言うかトンデモ解釈には違いないが、M−MSVにおいて、4号機以降というマイナーな設定を拾っておきながら、見落としていたとは思えない8号機を設定しなかったことが、アレックスを意識してのことなのではないか、と考えられずにはいられないのである。
 ただし、この解釈では、アレックスがNT-1の状態でも"4"のマーキングが施されていることまでは説明できない(もちろんG−4部隊機でいいのだが)。

3.「先行生産の4号機と真の4号機」という解釈
 「カトキハジメデザインアンドプロダクツ アプルーブド ガンダム」という書籍のインタビューにおいて、サンライズの堀口氏が『(前略)ゼロ戦の開発記録を見直してみたんですが、試作3号機をチェックした段階で「これでいいから至急8機作って、それを激戦地へ送れ」ということが本当にあったんですよ。それで試作3号機で出た問題を全部直したリテイク版を試作4号機として作ってまた別の中隊でテストさせたりと。(後略)』と発言している。これがそのままG04とアレックスに適用されるのではないか、という解釈方法もある。実際、MSVの設定は現実にあった戦争の兵器開発背景を元に作られている節があるので、ガンダム8機設定もそこから作られた可能性は高いといえる。
 そう考えれば、アレックスが早くから開発が始められていたのも3号機までのデータを反映させた機体として作られていたからだと説明できる。G04は先行生産型の急造4号機、アレックスはリテイク版の真4号機である、と。この解釈で、全ての矛盾は解決できる。

4.「ジャブロー製4号機とオーガスタ製4号機」という解釈
 ここからは非公式の領域。アレックスは初期設定ではガンダム3号機であり、実際ニュータイプ誌にRX−79GIIIと書かれたアレックスの初期稿が、モデルグラフィックス誌に"3"のマーキングが施されてNT-1プロトの設定画が掲載されたことがあるのだ。さすがに、これが真の3号機であるとは解釈し辛い。確かに3号機は1,2号機に遅れて完成したという設定もあるのだが、やはり1〜3号機はセットであるとみなすのが普通だからだ。
 だとすれば、NT-1プロトとG-3ガンダムは新旧関係でもないまったくの別機と考える他ないのである。ここで、RX−79GIIIの型番にスポットを当てる。元々、オーガスタで開発されたアレックス系の機体は、「RX−79」の型番で開発されていたのだという解釈をしてみてはどうだろうか。つまりNT1プロトはRX−79の3号機であり、アレックスはRX−79の4号機だったのだ。オーガスタで開発された理由は、ジャブローはGMの開発・量産で手一杯だったといった感じか。
 何を馬鹿な、と言われそうだが、元々アレックスがRX-78の稼動データを反映させた、よりクリアランスの高い機体だったとすれば、ガンダムより一歩進んだ新鋭機種と考えてもおかしくない。実際、アレックスの外観はRX−78系とは異なる点も多い(笑)。そう考えれば、型番は78ではなく79に移行していても不自然ではないのだ。これで、BクラブのオリジナルであるNT−2や"6"のマーキングを持つNT−3も肯定できる。
 それが何故RX−78に移行したかといえば、それはアレックスがアムロ用のニュータイプ対応型MSに変更されたからだろう。アムロの機体は先のガンダム2号機の活躍を踏まえて、宣伝効果的にRX−78でなければならないのだ。
 そんな捏造設定が納得できなければ、RX−79の型番は置いておいて、単純にジャブロー製ガンダムとは別のカテゴリーであるオーガスタ製のガンダムが存在したと思っても良い。
 さて、G04〜06の外観があまりにも1〜3号機と違いすぎ、アレックスと共通点が多いのは、NT1プロト及びNT2、NT3のパーツを大幅に流用したからだと解釈しておく。急造量産試作機と新鋭量産試作機の2個イチというやつだ。これはすぐに実戦投入するための措置だろう。マドロックの"6"のマーキングは、NT-3のものをそのまま受け継いだ(マーキング部分がまったく同じパーツ)とでも解釈しておこう。
 なお、RX−79(G)との関係は、それこそ空き番を与えただけとしてもいいし、1号機もしくは2号機がそれであったとしてもいいだろう。元々RGM-79(G)と制式のRGM-79からして外観がまったく違うのだから、同じ型番でも直接的な関わりはない(技術的なつながりのみ)可能性だってあるだろう。

おまけ.G−4計画
 連邦軍内部で、宇宙軍(アレックス)・空軍(GT-FOUR)・陸軍・海軍それぞれで独自にガンダム4号機を開発するG−4計画があったという設定もあるが、これはG04のことを完全に無視しているので肯定するのは難しい。仮に、3の案の「真の4号機」を開発する計画だったとしてもいいが、そもそも「4号機」のくせにGT-FOURは複数機存在していたりするのでその解釈も難しい。
 むしろアレックス開発以前の「RX-78-4」の仕様を決める計画(例えば陸軍機はRX-78-4(G)というような)というものだったと解釈した方が自然であろう。設定自体が非現実的であるため割とどうでもいいことだったりするのだが、この設定がないとガンダムピクシーの扱いに困ってしまったりもする(苦笑)


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