「うーん……」
「どうしたの名雪?」
「なんか、カウンターにしたのにゲームの動きがよくない」
「カウンターにしても限界があるわよ。どうしたって、どの国も軍隊作りまくるから、その分だけ重くなるわ」
「なんとかならないかな?」
「そうねえ、こればっかりはPCのスペックを」
「いい手がありますよ」
「え? どんなの?」
「まず、アメリカとソ連に宣戦布告をしてください」
「ど、どういうこと? いくらローマでもそれは大変だよ」
「あー、そういうこと。でも、かなり無茶な方法よね」
「まあ、今となってはこれくらいしかありませんからね」
「本当に宣戦布告していいの?」
「まあ、問題なんじゃない?」
「……したけど、これでどうするの?」
「まず、一週間経過させてください。まず、ソ連と講和です。acceptallを使って」
「そ、それで領土を取るの? いくらなんでもずるいよ」
「いえいえ、武装解除を選んでください。それだけで十分です」
「う、うん……あれ? 心なしか軽くなったような」
「武装解除を選ぶと、その国のほとんどのユニットが消えます。これを大量にユニットを持っているソ連とアメリカに対して行えば……」
「ゲームが軽くなる、てことだね」
「アメリカとの講和も完了。勿論、武装解除で」
「さっきよりはマシだと思いますけど、どうですか?」
「ありがとう。でも、この時点で、暗黒アメリカとの対決はなくなったね」
「さすがにこんなチートしたんじゃね。でも、ゲーム自体は快適でしょ?」
「うん、この様子ならなんとかなりそうだよ」
「それじゃあ、気を取り直して」
「あ、あの〜、お姉ちゃん」
「どうしたの?」
「スペインに核爆弾が落ちました」
「ど、どういうこと?」
「……えーと、アメリカとソ連と講和したんだよね?」
「忘れてました、アメリカには同盟国として、南米連合がいるんでした。そいつら、普通で核爆弾を作ります」
「思わぬ伏兵だね」
「でも、なんで南米から届くのよ」
「わ、分かりませんよ。どうすればいいと思います?」
「これ以上の核攻撃が来る前に、講和、武装解除。それしかないわね。一秒でも早く。acceptallで」
「うーん、結局2発落とされて、不満度が23パーセントになったよ」
「物凄い航続距離よね。戦略爆撃機でも優先して開発してるのかしら?」
「この様子だと、世界中何処にでも核爆弾を落としてくれそうですよね」
「まさか太西洋を挟んでやってくるとは思わなかったわ」
「大変なハンデだよ」
「ともあれ、ゲームも大分軽くなったし、大東亜連合に止めをさしてやらないといけないわね」

「空軍で結構減らしたはずなんですけど、まだまだ敵の数は多いみたいです」
「あの領土なら、人的資源も無尽蔵そうだしね。今のローマも似たようなものだけど」
「ここまで着たからには、もう負けないよね」
「そうですね、思いっきりよく押し切っちゃいましょう」
「でも、たまに出てくる先行者が固くて、ちょっと面倒だね」
「全体的な技術力ではこちらが勝ってるし、どうとでもなるわ。力で押し切ってしまいなさい」
「ちょっと敵が溜まってきても、核爆弾で掃除するから大した問題になりませんよね」
「それにしても敵多いなあ。どれだけいるんだろう?」
「きっと」
「クソー、また核弾頭だ」
「三十個師団は消えちまったぞ!!」
「どうすればいいんだ」
「核爆弾一発で百万人死ぬとして、百発で一億人死ぬ。まだまだ余裕はある」
「いや、その理屈はおかしい」
「こんな会話がかわされているんじゃないですか?」
「恐るべし、中国人民ね」
「まるでゾンビ」
「でも、さすがに、インフラが2パーセントになると、厄介よね。行軍速度的に」
「一応、移動力が10パーセント増える閣僚を使ってるけど、どうしてもままなりませんね」
「なんとか中国の北半分を制圧できたし、ここまで着たからには」
「ねえ、香里。大東亜連合から講和の申し出が着てるよ」
「あら、意外ですね。最後まで粘ると思ったんですけど」
「……AIの設定に不備があるのかしらね? 結構弱気よね、このMOD」
「不思議なものですね」
「このままやっても、勝てる戦いだから受諾しておくよ」
「ちょっと待って」
「なに?」
「どうせだから、acceptall使って、武装解除させてから講和しない? ゲームの重さ的にもいいことよ」
「……悪辣だね」
「相手から講和とか言い出してるんだから、問題ないわよ。これで、心置きなくフランス軍を叩き潰せるわ」
「全部隊をフランス国境に集めたよ」
「それじゃあ、攻撃開始。言っておくけど、フランス軍はイベントその他で強化されてるから、全体的に手強いわよ」
「分かってる。だから……」
「うわあ、それをやるのあんたは?」
「だ、駄目かな?」
「いくらなんでも、まさか核爆弾を四発落としてから攻撃するとは思わなかったわ」
「で、でも楽に勝てたよ。圧倒的な大勝利だよ?」
「核を四発落とした後で、600個師団で攻め入れば、確かに楽勝ですよね」
「核による連続攻撃……立派なプレイヤーチートね」
「ふ、普通じゃないの?」
「さすがにこれは予想できなかったわ」
「ともかく、名雪も立派なゲーマーだったことが分かっただけでも収穫だったわ」
「そ、そうなのかな?」
「そうよ。きっとね」
「ともあれ、さすがに核爆弾の威力は大きく、あっという間にフランス全土を占領。開戦から三ヶ月で勝ちましたね」
「細かい領土が太平洋とかアフリカにあるけど、まあローマ帝国の再建を成し遂げたことを考えれば問題ないわね」
「意外と勝てたね。MODの作者もこんな攻撃が来るなんて思ってなかったのかな?」
「さすがに思ってなかったんでしょうね。一応、デフォルトでは1939年開戦。間違っても核兵器を開発してる、てことはなさそうだし」
「フランスもアメリカみたいに核をもてば、少しは相手になるかもしれませんよね。核による不満度は核攻撃をやり返せば解消されるみたいですし」
「AIの場合はそのICの分を、陸軍に回さないと困ると思うけどね」
「なかなかままならないものですね」
「言ってることがわかんないよー」
「何にしても、カエサルとナポレオンの勝負は、今回のプレイではカエサルの勝ち、てことになるのかしらね?」

「最終的なICは1181/738。暗黒アメリカさえ除けば、世界最強のIC立国ですよ」
「不思議なゲームだったよね。WW2の時代とは思えないような人ばっかり登場してたし」
「ゲームを早く進めるため、という名目であんなことしましたけど、あの核爆弾のことを思うと、普通に戦ってもなかなか勝てそうにない雰囲気ですよね。あんな長距離で核攻撃をしてくるなんて思えませんでした」
「狂ったICを考えると、凄い数の軍隊がいることは間違いないはずよね」
「どうすれば勝てるかな?」
「少なくとも、かなり早い段階でユーラシア大陸を制圧する必要があるわね。あいつらが何時から核を作り始めるかは知らないけど、核が溜まる前に仕掛けるのが一番賢い選択ね」
「イタリアでそれをするのは難しそうですね」
「案外、フランスとは青写真を交換して一年で袂を分かって即行でドイツとオーストリアに挑む、という強引なことをすれば、間に合うかもしれないわ」
「もっと速攻を狙う、てことでドイツとの同盟前に、オーストリアを攻めてしまえば、案外要塞に阻まれないでいけるかもしれませんよ。大した戦力ありませんし」
「何にしても、39年まで兵力増強に努めていたのが失策だったわね」
「色々と反省点の多い内容だったね」
「暗黒アメリカだけをどうにかしたければ、大東亜連合を使うのがよさそうね」
「結構面白いゲームだったよ。もう少しやってみたいかも」
「あら? 名雪がこんなゲームを何度もやるとは思わなかったわ」
「そうかな? それに、絶対見落としてることがあると思うの。核爆弾もあるから、絶対にあるよ」
「何ですか? 毒ガスなら別のゲームですけど」
「この時代のゲームだったら、絶対にホロコ」

「ねーよ」