「陛下。後継者は誰にしますか?」
「もっとも優れたものに(強いものに)……う……グェッ!!」
「崩御いたしました」
「それで、最も優れたもの、とは誰のことです?」
「さあ?」
「とにかく、候補者を検討しましょう」
「こんな感じだ」
「もう少しましな選択肢はないんですか?」
「仕方ないのよ」
「とにかく、アルクェイド・ブリュンスタッドは人気投票で三十パーセント近い票を獲得する怪物だ。そいつに相応しいのは」
「そういう話ではありません」
「違うの?」
「でしたら、王族の血を引いているこの私が」
「あ、それなら私も」
「おやめなさい。大体、そんなことを言いだしたら、私にもあるということになります。そういうわけで、後継者はロクサネさまのお生みになる子ということにしましょう」
「それはいけません。そんなことをしては、マケドニアの血筋に異民族の血が混入することになります」
「それは確かにそうなんですけど」
「とりあえず、アルヒダエウスを即位させてまずが、ロクサネのお腹の子が男であれば、ともに即位させるということで」
「それなら、構いません」
「それでは、大王死後の人事を決めます。私がバビロンと王を確保しますので、アンティパトロスは本国マケドニアをお願いします」
「露骨なやっかいばらいね」
「ペイトンはメディア太守として、ギリシア人の反乱鎮圧をお願いします」
「分かった」
「エウメネスはカッパドギアの太守にしましょう」
「あそこは帝国の領土じゃないだろ?」
「兵は何とか都合しますから、アンティパトロスの動きを抑えてください」
「それが狙いか」
「プトレマイオスは……エジプトを」
「はい♪」
「クラテロスはアルヒダエウスの後見を頼みますので、一緒にマケドニアに行ってください」
「私も厄介払いですか」
「最後に、メレアグロスは私の次席として、ともにバビロンに留まりましょう」
「仰せのままに」
「これで、私がアルクェイドさんの後継者ですね」
「だから、ポストアルクェイドじゃなくて、アレクサンドロスの後釜を巡ってるんでしょうが」
「ギリシア人が反乱を起こしましたぞ」
「意外とやるわね。こっちもかなりダメージを受けてしまったわ。レオンナトスに救援を」
「任せてください」
「……て、来たはいいけど、あっさり殺されたわね」
「出番はこれだけですか?」
「これだけよ。クラテロスは?」
「敵海軍に阻まれています」
「こうなったら、私がやるしかないか」
「意外と戦いが下手だな」
「だけど、外交のテクニックはいい感じよ。各ポリスそれぞれ個別に和平交渉をする、て伝えて。そうすれば連中のことだから、すぐに仲違いするはずよ」
「分かった」
「大変です。ペルディッカスが王位を狙っています!! その証拠に、二股をかけるつもりです」
「なんですって!!」
「このままでは、アリダイオス陛下の地位が危ないですね」
「(こくこく)」
「全力で止めないとね」
「帝国が真っ二つに割れてしまいました」
「あんたは肝心なところでぽしゃるな」
「五月蝿いですね。ともかく、私はプトレマイオスを片付けますから、貴女はアンティパトロスをお願いします」
「なんでプトレマイオスを?」
「あいつは貴方にカッパドギアを与えようと私が奮闘していた時に、大王の棺を持ち去ったんですよ。とても許しておける相手ではありません。まあ、こちらの監視役を殺した、というのもありますが」
「分かった。気をつけろよ」
「そっちこそ」
「というわけで、ネオプトレモス。エウメネスの指揮下に入ってください」
「いやです」
「どうして? 答えなさい?」
「秘書官なんかの下にはつきたくありません!!」
「いいから、さっさとエウメネスの部下をやれ!!!!」
「ひぃっ!!」
「下手に断ったおかげで殺されそうなので、ここに来ました」
「それは災難だったわね。それで、情報って?」
「ペルディッカスがエジプトに侵攻しています」
「こっちに来ると思っていたけど、あてがはずれたわね」
「どうします?」
「ここは私に任せてください」
「敵はかなりの大軍団だけど、一人で大丈夫?」
「相手は元秘書官です。私の敵ではありません」
「それなら、任せたわよ。ネオプトレモスも手伝え」
「はい」
「頼んだよ」
「任せてください」
「全力で貴方を倒します」
「いくぜクラテロス。両義柔破斬」
「ひでぶ!!」
「それなりに楽しめたぞ」
「ぜ、絶対勝てない!!」
「ついでにお前も死ね。両義神拳奥義残悔積歩拳」
「うわらば!!」
「ええと、クラテロスを殺しちゃって本当によかったんですか?」
「大丈夫だ。ペルディッカスがとりなしてくれる」
「そのペルディッカスが殺されたようですが」
「!!」
「ここを渡って、アレクサンドリアのプトレマイオスを打ちのめします」
「ワニがいるようですが」
「それくらい、根性入れてなんとかしなさい」
「……」
それからほどなく、ペルディッカスはセレウコスの手にかかった。
「おや、そうすると実は最初から裏切るつもりだったと?」
「最初からそのつもりでした」
「本当に最初からですか?」
「本当に最初からです」
「それでは、アンティパトロスさんと合流する前にラオメドンさんを亡き者にしませんと」
「同感ですね。ペルディッカス側についていましたから」
「って、出番はこれだけですか」
「ぶっちゃけその通りです」
「覚悟してください」
「って、せっかく駆けつけたのに話はほとんど終わった後か」
「いえ、まだトリパラデイソスの残存勢力が残っていますから、まだやることはありますよ」
フィリッポス三世の妃はトリパラデイソスに集まった残存勢力を糾合しようとしたが、駆けつけてきたディアドコイたちに身柄を拘束された。
「また変なのが出て来る前に、事後処理を済ませましょう(これで我々の権限拡大を認めざるえないでしょう)」
「同感。まず、我々の側についた太守諸君の地位を保証するわ。これ以降も、帝国のために力を尽くしなさい。新たな人事として、セレウコスをバビロン太守、アンティゴノスを帝国軍最高司令官に任命する」
「ははー!!」
「アンティゴノス。私は本国の安定させるために王をマケドニアに連れて行くから、貴方は残党を討伐して」
「分かりました(今のうちに勢力拡大だね♪)」
「エウメネスは?」
「死刑」
クラテロスを殺したことでエウメネスはマケドニア人の兵から嫌われ、兵力が減少した。一旦、本拠のカッパドギアに戻るが、そこからも逃亡を余儀なくされ、アルメニアの城塞に引きこもった。
紀元前319年
「とりあえず、しばらくは平気だな」
「攻めにくい」
「だけど、相手からも攻められないみたいだから、その間に、他の残党を攻めることにするよ」
「おー!!」
ペルディッカスの弟、アルケタスは残存勢力を糾合して、アンティゴノスに挑もうとしていた。
クレトポリス
「秋葉ちゃんの仇を討つぞ」
「仇は別の相手という気もするが、それより絶対勝てない気がするんだけどな」
「駄目だよ。悪しき敗北主義に取り付かれたら、勝てるものも勝てなくなるよ」
「まあ、そうなんだけどさ……アレを見てもそれが言えるか?」
「固有結界『枯渇庭園』!!」
「絶技雷極・安崩拳!!」
「うぎゃぁぁぁぁぁっ!!!!」
アルケタスは敗れ、逃亡中に自決した。アッタロスは捕虜になったが、その後の消息は不明である。
「それじゃあ、ついでにフリュギアなんかも貰っておくよ」
「え? ちょっとまて、アンティパトロスとの取り決めはどうなった?」
「忘れちゃった♪」
「おい!!」
さらにアンティゴノスはフリュギアも攻撃してその勢力を拡大した。
「エウメネス包囲を続けるよ」
「勝ったも同然」
そのころ、本国マケドニアでアンティパトロスが死んだ。息子のカッサンドロスは自らが後を継ぐものと思っていたが、アンティパトロスは若い息子よりも、長年の同僚であったポリュペルコンを信頼し、彼を死後の摂政に指名した。だが、アンティパトロスは息子を過小評価し、同僚を過大評価していた。
マケドニア
「あ、マスター。今回は私がマスターなんですから。大人しく従ってくださいね」
「なんですと?」
「まずは、人参を一日五十本食べさせてください」
「はあ?」
「勿論、人参ケーキは含めませんよ」
「むむむむむむ」
「アンティゴノス!! 力をかしてください!!」
「分かった。期待してて」
「と、いいながらポリュペルコンと通じてる」
「いいの。これも真のヒロインの座を狙うためにやらなきゃいけないことなんだから。それはともかく、エウメネスとの戦いをなんとか終わらせないと」
「ねえ、エウメネス。これから摂政争奪戦が始まるから、協力しない?」
「うわ!! 正直」
「すまんが、そういうわけにはいかない。俺はもう既に、王家のために戦うと大后陛下に誓ったからな」
「そんなわけで両義羅漢撃!!!」
「突破されたよ!!」
「分かった。腐れ縁だと思ってお前につこう」
「これで一人か……」
「ポリュペルコン閣下の命令で、マケドニア王しか指揮できないヒュパスピスタイ(近衛歩兵)と精鋭部隊アルギュラスピデス(銀盾隊)を連れてきました」
「幸先のいい話だ」
「インドから象隊を連れて駆けつけてきました」
「よくこれだけ集められたな。現地の王はどうなった?」
「聞きたいですか?」
「いや、やめとく」
「意外と人が集まったな」
「だが、まだ不安だ。エウダメスから金を借りよう」
「金をあげるんじゃないのか?」
「貰うだけもらったらおしまいだから借りるんだ」
アンティゴノス陣営
「いいでしょう。エウメネス打倒に協力します」
「私も」
「仲間が増えたよ」
「それでは、この兵力でエウメネス打倒を敢行しましょう」
紀元前317年夏 パラエタケネ
「長年の友よ。今のお前なら、殺してやる」
「邪魔しないでっ……!」
「いいよアンティゴノス。お前は最高だ」
キィンッ
「怒ったんだからっ……!」
「猛ってるな。これ以上ないくらいに猛っているな、アンティゴノス。そうか、それほどまでに俺の中にあるスキタイの血が恐ろしいか」
「!!!!!」
ドッゴーン
「なんという威力、素晴らしい。さすがの俺もこれには畏敬の念を禁じ得んぞ」
「ふざけるな!!!」
「今しばらくお前との舞踏を楽しみたいが味方が裏切りそうなんでそうもいかん」
「って、一気に盛り下がるようなことを」
「痛み分けですね」
「だけど、戦場に最後まで立ってたのは私なんだから、私が勝者なの」
「それはそうなんですけどね」
「報告によると、エウメネス軍はエウメネスの言うことを聞かないでバラバラに配置したあるみたいです」
「ほら、私の勝ちで信頼が揺らいだんだよ。今のうちに片付けないとね」
「それでは、奇襲部隊を編制しましょう」
しかし、奇襲部隊は砂漠が冷え込んだことから焚き火をしてしまい、そのことで見破られてしまった。
「敵の奇襲部隊です」
「な」
「すぐに逃げましょう」
「慌てるな。バラバラになった連中を集めればいいだけだ」
「そ、そういえばそうね」
「敵象隊が孤立してるよ」
「チャンスだよ!! 今のうちに象を」
「分かった」
「アンティゴノスが象を奪おうとしています」
「さっさと騎兵隊を向かわせろ!!」
「エウメネスが全軍を集結させました」
「ええー!!」
「本当に手強い相手みたいですね」
「油断は出来ないわね」
一連のアンティゴノスの策に適切に対応したことから、それまでエウメネスに不信感を抱いていた指揮官たちは彼を信頼し、全軍の指揮を任せることをよしとした。
紀元前316年冬 ガビエネ
「不誠実な者達よ!! 貴様等は父親に対して罪を犯しているぞ!!」
「説得力が凄すぎて、味方の士気が下がりました」
「本当に拙いかも。しかも、こっちのほうが数少ないし」
「敵象隊が突撃してきた!!」
「いい感じに味方が蹴散らされています」
「ねえ、像のたててるあの煙に紛れて、輜重隊をとれないかな? このままだと、確実に負けちゃうよ」
「それはいいアイディアです。すぐにやりましょう」
「輜重隊?」
「補給部隊のことですよ」
「輜重隊が奪われました!!」
「げ!!」
輜重隊を奪ったとはいえ、戦場に残された戦死者はアンティゴノス側のほうが大分多かった。しかし、アンティゴノスから輜重隊にいる家族を返すという条件で部下はあっさりエウメネスを引き渡した。この時の軍勢もエウメネス側がアンティゴノス側を上回っていたという。
「お前らー」
「兄さんが心配で」
「黒桐さんが」
「ていうのは建前で、単に式が後継者になるのが気に食わないだけだろ」
「史実とフィクションを混同するな!!」
「まあ、これでアジアは私のものだね」
「私のもの?」
「で、エウメネスはどうするの?」
「最も獰猛な獅子のように、最も凶暴な象のように扱って……エウメネスと一緒に倒したい相手はまだまだいるし」
「へ? いまのはどういう」
「兵士たちの反応は……」
「無駄そうだね」
「うん」
エウメネス助命を諦めたアンティゴノスは、旧友に暴力をふるうことは出来ないと言う理由からエウメネスを餓死させることにしたが、陣営を引き払う時に何者かに喉を切られて殺された。葬儀は盛大に行われ、その違灰は母と妻子に届けられた。エウメネスを倒したことでアンティゴノスは帝国東部を掌握したのである。
「だから、セレウコスとペイトンは邪魔になっちゃった」
「な!! 私たちを追い出すのですか?」
「横暴」
「真のヒロインを目指すためには、遠野くんを手に入れるためには手段や、方法なんてどうだっていいんだよ」
「友より男ですか!! そういうことなら、容赦はしませんから、そのつもりで」
「私はもう逃げられないわ。このことを早く皆に報せて」
「貴方の犠牲は決して無駄にはしません。て、ペウケスタス、貴女も太守の地位を奪われたのでは?」
「ああ、これからはこいつに付くことにしたから問題ない」
「日和見ですね」
「酷いです。血生臭いです」
「泣き言は聞きませんよ」
「どうしたんですか? セレウコスさん」
「バビロンを追い出されました。帝国東部はインドに至るまで、やつの支配下にあります。そして、やつは恐らく自分の帝国を作るつもりです」
「となると、アンティゴノスが脅威ですね」
「今のうちに、キプロス島にシリア奪還のための基地を作りませんと」
「だけど、狙うのはそこじゃないんだな」
「って、こっちですか!!」
「我々はギリシアの自治と自由を保障します!!」
「ペロポネソス半島はほぼ全域が敵の手に落ちました!!」
「これ以上はやらせません!!」
「これ以上は進めない」
「それじゃあ、一旦引き返して陸海からカッサンドロスを攻めるよ」
「プトレマイオス!! アンティゴノスの妨害を頼みます!!」
「任せてください!!」
「敵が来たぞ」
「無視無視」
「デメトリオスちゃ〜ん、かかってらっしゃい。それとも、足がすくんで出てこれないんですか?」
「むー!」
「やめておけ。今はまだ不利だ。守りに徹しろ」
「後には引けないよ!! 頂心肘」
「若いですね。そんなんじゃあ、勝てませんよ」
「開打靠靭琥珀脚!!」
「うわわわわわわ」
「いわんこっちゃない」
「手当たり次第に戦うのではなく、名誉と支配のために戦うべきですよ」
「絶対に復讐してやる!!」
「本拠地を取られちゃったよ」
「そっちも危ないんですから、そろそろ講和しません?」
「それとも、まだやる気ですか?」
「……」
「残念だけど、ここはバビロンを取り戻しに行くよ」
「頑張ってくださいね」
「ご武運を」
「(こくこく)」
「って、体勢が整うまで引きつけてくれないんですか?」
「そんな約束しましたっけ?」
「私は知りません」
「(ふるふる)」
「な、なんということを」
「今のうちに、自分の領土の心配をしたほうがいいですからね」
「固有結界『枯渇庭園』」
「あとで覚えておきなさい!!」
「アレクサンドロス4世も、ロクサネも不要ですよね? やっちゃいましょう」
「こ、このままですとカッサンドロスの覇権が確定してしまいます。こうなれば未だ生き残っている、ヘラクレスを擁立して」
「ポリュペルコン。そんなことをしなくても、権力の場から追い出したりはしませんからそんなことはおやめなさい」
「ふんだ!! 信用できませんね」
「キャロットケーキはいりませんか?」
「はーい、マスターにつきまーす」
「大王のご一族を殺すなんて不忠の極み。奸臣カッサンドロスを討つべし!!」
「どの口が言ってんだ? お前だってクレオパトラを殺してるじゃないか」
「聞こえないし、知らないし、見てないもん。とりあえず、ギリシア解放!! 」
「どいつもこいつも」
「それじゃあ、デメトリオス。以前を失敗を挽回するんだよ」
「分かりました。父上」
「まったく、以前は父君が相手でしたから不覚を取りましたが、貴方なら楽勝です」
「すっごい究極奥義」
「そんなのありですか!!!」
「プトレマイオス。再び救援を要請します」
「わっかリました」
「懲りずにやられに来たんですか?」
「来たのはそっち」
「細かいことは気にしないで下さいよ」
「まえとは違うんだから」
「おや、それは楽しみですね……こ、この力は!!」
「白虎双掌打!!!」
「なんちゃって八極拳ですか!!」
「十年早いんだよ!!」
「デメトリオス様の大勝利だ。キプロス島全域を制圧したぞ」
「これで、私の権威は圧倒的になったね。真のヒロインの座は近いよ」
「これなら、王を名乗れるな。デメトリオス様にも冠を送ろう」
「って、そんなことされては、」
「困ります」
「(こくこく)」
「無条件降伏」
「え?」
「無条件降伏。いいから、マケドニアを明け渡して」
「ふざけんなごるぁっ!!!!!」
「プトレマイオス、セレウコス、リュシマコス。彼は未だに、全帝国の併合などという不遜な野心を捨てきれずにいるようです」
「しつこいですね」
「ここは、我々全員が力をあわせる必要があるようですね」
「(こくこく)」
「デメトリオスがそちらに向かいました」
「……」
「制海権を握られていているので無理です」
「……」
「勝手に和睦? そんなこと知りません」
「彼の戦術を熟知している私が指揮をとるということで、よろしいですね?」
「……」
「大丈夫です。これまでのことを考えれば、なんとかなります」
「?」
「この戦いの秘密兵器です。インドからの撤退を条件に五百頭ほど譲ってもらいました」
「後方の敵輜重隊を狙って。そうすれば、敵は戦意を喪失するはずだから」
「分かった」
「いくよ」
「デメトリオスが左翼に突撃しました。アンティオコス様が後退して行きます」
「予測どおりです。そこに象を滑り込ませるのです」
「デメトリオス様と分断されました!!」
「ええー!!」
「あとは、彼が我にかえってこっちに戻って来る前に、アンティゴノスを倒すだけです」
「って、分断されてる!!」
「早く戻らないとな」
「突撃!! って、象を突破できない!!」
「まさに動く障害物、というわけか」
「思ったよりも早かったですね。しかし、もう遅いです」
「シチョウタイハ?」
「それは大丈夫です。彼は結構、輜重隊を狙ってくるのは予測済みです」
「……(パチパチパチパチ)」
「前面が圧迫されています!! このままでは全滅です!!」
「きっとデメトリウスが来るから踏みとどまって戦え!!」
「あ、後ろ」
「え?」
「アンティゴノス!!! 貴女の野望もここで終わりです!!!」
「バレルレプリカ・オベリスク」
「吸血鬼のなりそこないなんかに!!!」
「父上!!」
「こうなっては仕方がない。ここは逃げるぞ」
「分かった」
この戦いの後、セレウコス、カッサンドロス、リュシマコス、プトレマイオスはアンティゴノスの領域を分け合った。その席上でセレウコスは自分がアンティゴノスと対峙している時にシリアに侵入したプトレマイオスをなじった。
「って、なに火事場泥棒みたいに領土を増やしてるんです!!」
「……」
「遠いので我々には関係ないことですが」
「……」
「え? 私は途中で抜けたから分け前がない? そんな馬鹿な!!!」
「それで、何をしにシリアに行ったんです」
「援護しに行こうと思っていただけです。他に他意はありません」
「(こいつとはいつか決着をつけなければならないようですね)」
「(さっさと国境を固めませんと)」
「ところで、アルクェイドさんの後継者は誰?」
「そんなもの、ディアドコイ戦争にかっこつけてやったお遊びですよ」
「ていうか、そんなの決まってないですよね。ディアドコイ戦争自体がこういう終わり方ですし」
「そうでもないわ」
「あ、一番最初の退場者」
「それはおいておくけど、ダニエル書によるとアレクサンドロス帝国の後継者はローマらしいのよ」
「それとどう関係があるんです?」
「詳しい話は省くけど、ある宗教団体はローマの後継者を米英世界帝国、て主張してるのよ」
「????」
「ま、まさか」
「気付いた? そう、セイバ―よ。ほら、白いし、商業だし、人気投票でも圧倒的な勝者だし、文句ないんじゃない?」
「照れますね」