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ええっ!? ジェットとアルおじさんでママン・フラン泣かせたの?

パパ・ジョー! なにしてたのよ!?

ソレイユの追求と、ルナの思わぬ方向へのツッコミがほぼ同時に声となり、みんなの爆笑を誘った。 2人はますます渋顔だ。

ふふふ・・・私、泣いてたっけ?

忘れたわけじゃないだろ? それこそ、号泣だったじゃない?

話題の回避をアッサリ諦めたのか? ジョーの発言は双子をますますヒートアップさせる。 ジェット! ルナがいきなり詰め寄る。 ここでアルベルトでなく躊躇なくジェットに詰め寄ったのは・・・なぜか?(おそらく2人を無意識に比べて、どちらがより「悪い」のか判断したのだと推測されるが・・・真意は不明)

僕、理由が聞きたいんだけど? 誰に向けられた言葉なのか? ソレイユの子供とは思えない重く冷たい台詞が響いた。 誰もがぞくっと一瞬、背中に冷たいモノを感じる。 さすが、最強の戦士ジョーの血を引いた息子・・・と言うべきなのか?


わかったわかった・・・そう、恐い瞳で睨むな。 あれは俺が悪かったよ・・・。

アルおじさんが? てっきりジェットが何かやらかして、それが元でアルおじさんとケンカにでもなって、ママン・フランに迷惑かけたんじゃないかって思ったのに・・・。

ルナ? いくらなんでもそれは酷すぎねぇか? ジェットの表情が一気に情け無くなったが、ルナの方は、そんなジェットはあっさり無視して、アルベルトに視線を合わせる。

だからさ・・・あの時は正月のほら? なんてったっけか? あれ・・・?

門松だよ、アルベルト。

そうだ、門松・・・アレを作ろうってんで、今日みたいにあちこちから材料を集めたんだったな。

そう、僕が「土佐の松」イワンが「出雲の藁」ジェットは「丹波の竹」って具合にね。 で、アルベルトが竹を切り出した・・・んだよね?

ああ、これでな、と、アルベルトの「告白」にジョーがフォローを入れている。 アルベルトは左手をかざしてみせた。

1本綺麗に仕上がったとき、フランソワーズが声をかけてきたんだ。 門松に使う松は、左右合わせて全部で6本。 材料集めをしなかった残りのメンバーで、1本ずつ切らないかってね。 そうすると全員参加だろ?

うん。で?

・・・それに俺がケチ付けちまったんだよ。 俺がさっさとやっちまえばその方が早いだろってね。 元々、俺のような西洋の国じゃ、クリスマスは祝っても正月を祝うって習慣はないもんだ。 同じ西洋出身にフランソワーズに日本かぶれしたのか? ッテ感じでな。

アルおじさん? それ、酷くない?

・・・睨むな、ソレイユ・・・今じゃ悪かったと思ってる・・・


で、ジェットはなんでママン・フランを泣かせたの?

だから・・・コイツを止めるつもりで・・・ケンカ売っちまったんだよ・・・。

あっそ・・・やっぱりそんなとこ?

ルナが妙にアッサリと納得する。 が、アルベルトがわずかに反論した。

ルナ、それは違うな。 コイツが売ってきたんじゃない。 俺が勝手にコイツにも難癖つけたんだ。 


ええっ? ・・・信じられない!

・・・ルナ? お前ってそんなに俺のこと信用できねぇのか?

・・・まあね・・・

ジェットは、長い長い溜息を吐くしかなかった。

2人のやり取り見てたら、私、悲しくなったのね。 だって、言い出したのは私よ? 私の一言で目の前で2人がケンカ始めちゃうんだもの。 

で、泣いちゃったの?

そう。


だから、俺が悪かったんだよ。 勝手に場の雰囲気をぶち壊して、勝手にこの家を飛び出しちまった。 そう、大晦日の日にね。

何処に行ったの?

どこにも・・・。

どこにも?

ああ、大晦日だぜ? ホテルも飛行機のチケットも何処も満室、満席。 途方に暮れたよ。

じゃあ、戻ってきたの?

結局はな・・・。

その場面が思い出されたのだろう。 アルベルトは自嘲気味に口元をゆがめて、ルナの顔をちらっと見た。


そこは、我が輩が一肌脱いだんじゃよ、と、チェアーにゆったりと腰掛けたままだったグレートが、煙草を美味しそうにふかしながら、話しに入ってくる。


おじさまが? なんでここでグレートおじさんが出てくるの?

・・・失礼なヤツだな・・・ソレイユ?

あ、ごめん、ついね・・・と、言い訳するソレイユだが、あまり反省しているようには見えない。

ふーっ・・・長い溜息を吐きながら、アルベルトが言葉を繋ぐ。

ふふ・・・コイツはね、俺に対してはジェットに化けて殴り合いをし、ジェットに対しては俺に化けて乾杯試合(トースト)をしてしこたま酔わせ、俺達を仲直りさせてくれたんだよ。 まさか、グレートが化けてるなんて考えてもみなかった俺は、偽物ジェットをぼこぼこにしてやっと目が覚めて、のこのこ帰ってきたってわけだ、と、アルベルトが告白すれば、

俺は、そのぼこぼこにされた偽物アルベルトが、酒持って謝りに来てくれたってんで、嬉しくなって、トースト受けて立って、偽物、まあ、グレートを酔い潰しちまったのよ・・・。 照れくさいのか、ばつが悪いのか・・・アルベルトもジェットも視線を泳がせながら、誰とも目を合わせないように話している


・・・グレートおじさまって、凄いのか格好悪いのかわかんない・・・は、ルナの言葉。


おいおい・・・我が輩の世紀の大演技だったのだぞ? なにせ、この2人は本当に全く気付いておらんかったのだからな、と、自画自賛なグレート。

そうだよ。 グレートが僕達のほころび欠けた絆をつなぎ止めてくれたんだよ。 そんな言い方しちゃ、いけないよ? と、ここはジョーのチェックが入る。 確かにあの時はグレートに誰もが感謝したのは、事実だったのだから。 そして、当の2人も、事が解決するまで、本当にグレートが演技していると気付かなかったのだから。

そうね・・・おじさま、凄いのね?

・・・まだ半信半疑のようじゃが・・・まあよかろ。

ルナがにっこり笑ってみせるが、どうも・・・心から賞賛しているのか? と言われたら甚だ疑わしい。 が、グレートはそれ以上はこだわらなかった。

結局は、俺の独り相撲にみんなを巻き込んだんだよ・・・あれは俺も反省した。 頼む・・・もう勘弁してくれ・・・恥ずかしくてたまらん・・・

本気で恥ずかしいのだろう、珍しく顔を赤らめているアルベルトをみて、2人は許してやることにした。


今回は、ちゃんと全員で協力できたわ。 しかも誰もが自主的によ? なんだかワクワクしたわよ? と、フランソワーズがミンナヲ見渡しながら語りかける。

アタシ達、1人じゃないわ。 たとえつかの間でも、この静かな時間を大切に出来るようになったのよ。 ええ、みんなと一緒に・・ね。 だから、あれはもう忘れましょ。

にこやかにフランソワーズが締めくくると、ジェットとアルベルトが同時にありがとう・・・ぽそりと呟いた。


誰もがこの過去の事件を懐かしむように思い起こしただろう。

ソレイユもルナも、みんなの表情が凄く軟らかいのを見てほっとする。

そんなこともあったんだ・・・今はみんな大丈夫だよね? 仲いいよね? ケンカなんてしないわよね? との、ルナの控えめな問いかけに、誰もが笑顔で頷いた。


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あの時の怒りの矛先・・・それは、目の前にあった平和が見せかけじゃないのか? 偽りの平和なんじゃないか? という疑念に対してのものだった。 その裏にあったのは、自身が並の人間じゃないこと、闘う機械なんだという悲しい現実。 人並みのふりをしているのに過ぎないのじゃないのか・・・そう思ったときのいらだちと悲しさ、そして虚しさ。それらに対しての腹立たしさが諍いとなった。

が、自分達は並の人間じゃないからこそ、たとえ偽りであったとしても、この一時の平和が大事なこと、大切にしなくてはならないこと、1人では生きていけないこと・・・を、知ったのだ。


そして、今は・・・これを護りたい、必ず平和を手に入れると心に誓うことが出来る。

それは揺るぎない力強さを秘めて。

目の前にいるその象徴でもある2人の成長を見守りながら・・・。


月が漸く、頭上にかかる。

見上げた満月も優しく微笑んでいる・・・そんな気がした。




〜 FIN 〜









お月見版「サイボーグ戦士 誰がために闘う編」(^^ゞ

あはは・・・古傷をえぐってごめんよ>お兄様&ジェット君(笑)

先日、電車乗り越しながらネタを携帯にカキカキしていたのは、これです(・・・馬鹿)

平和を慈しむ彼等・・・多少は穏やかに暮らせてるのかな?

今年の十五夜はちょっぴり切なく見えそうです(^_^;)

って、お天気はどうなのでしょ???


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