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 ソレイユ&ルナ  もうすぐ2歳

 片言を話し、トコトコ走り回る

 一時も目が離せない

 ごく普通の赤ん坊から幼児へと移行しようとしている時期だった。

 1年前に、生まれて初めてドルフィン号に乗せた。

 敵が、私と一緒にいた2人を見つけて、攻撃を仕掛けてきた。

 幸いにして子供達は難をのがれたが、双子の存在を敵に知られた可能性が、残ってしまった。

 ギルモア研究所の場所まで敵に割れてしまえば、自分達の安住の地がなくなってしまう。

 見つかる前に、ドルフィン号で速やかに一時の離脱を計った。

 ドルフィン号の『子供部屋』に護られながらのミッション、双子をその手の中で護りながらの戦いが始まった。

 隔離強化された『子供部屋』

 イワンの保護、そして、最悪の時に備えたギルモア博士が用意してくれた『カプセル』。自分達のすぐ側で、確実に安全な懐で。


 それは、護ると同時に隠すように。


 自分達の側にいれば、いずれは素性はばれてしまうだろう。

 それでも、決して2人に間に手が及ばないように。しっかりと懐に抱え込んで。


 そして、数ヶ月間の艦上での生活が続き、なんとか「戦える」事を自覚して・・・できれば、そんなことがもうない方がいいのだが・・・。

 戦局も一段落して、日常の生活が、落ち着きを取り戻した様に感じられた頃、私たちは地上へと戻っていた。

 念のために、「研究所」とは違う借りの住処ではあったけど・・・。




 そして・・・私の心に油断が、隙間が生じていた。




 久しぶりの地上・・・子供達を土の上で遊ばせたくて、気がせいていたのかもしれない。




 季節はまだ春だったはずなのに、その日は雲一つない晴天で・・・子供を遊ばせるには、絶好のお天気で・・・。

 が・・・日差しは想像以上に強かった。

 夢中で走り出す子供達。

 額にかかる髪の毛があっという間に汗で湿ってきていた。

 「これじゃあいけない。日射病になっちゃうよ?」

 ルナの髪の毛をかき上げながらジョーが呟く。

 「ほんと!帽子・・・被ってくれば良かったわね。」

 「取ってこよう。すぐに戻るよ。」

 ジョーは大急ぎで「家」に駆け戻った。


 何処にでもあるような遊具が並ぶ公園。

 双子は、お砂場で砂の感触を確かめ、設置してある木馬によじ登ろうともがき、手がやっと届きそうな鉄棒に両手を伸ばす。

 あちこちに興味が移り、ココにいたかと思うと、次の瞬間には、もう動いている。

 当然、目は次の目標に釘付けとなり、足下への注意はおろそかに。

 走っては転び、転べば、泣いて助けをこう。


 目の前の、当たり前に穏やかな光景に自分の立場を忘れた。


 心に油断が生じた・・・。




 転んで汚れた手足を綺麗に拭いてやろうと、水道の蛇口に向かった一瞬、私は双子から目を離した。

 一体何時からそこにいた?何時の間に、ここに来ていた?

 双子を振り返った私は、目を疑う。

 明らかにBGの隊員だとわかる黒ずくめの男達。すでにひとりはルナの腕をつかみ、もうひとりはソレイユのすぐ側に来ていた。

 「動くな!コイツらは預かるぞ。」

 低い声が響く。その時、私に向かって走り出そうとしたルナの腕を、その男がぐいっと掴む。

 勢いよく引かれた右腕。がくんと引き戻されたルナの身体。弾みで後ろに引き倒された。

 そのとたん、火のついたように泣き出したルナ。

 男も驚いて、思わず掴んだ腕を放した。

 そうとはっきりわかる、垂れ下がった右腕。肘が抜けたのだ。

 つられたようにソレイユも泣き出した。






 そして・・・私は記憶がなくなった。






 次に記憶している光景は、血を流して倒れている男達と、血まみれで泣いている子供達。

 自分の手の中には、スーパーガン。銃口からは白い筋。






 ・・・アタシが撃ったの・・・泣いている・・・ってことは、あの子達に怪我は?






 血は・・・男達の返り血・・・






 「フランソワーズッ!!!」

 ジョーの絶叫で我に返ったらしい。






 「一体、何が・・・。」

 ジョーも言葉を失っている。




 「・・・ルナ?ルナの肘が・・・。」

 私はそれだけ言うのがやっとだったようだ。




 次に私が我に返ったのは、ドルフィン号のメディカルルームで・・・だった。




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