Birth

〜プロローグ〜  フランソワーズ・バージョン

今朝、夢を見た


 最近もしかしたら・・・とは思っていたけれど、今朝、なんかとても素敵な夢を見てしまったわ。私の中に天使が降り立つ夢。ふんわりと優しく私のところにやって来た天使。いいえ、あれは天使達。だから、今日、思いきって病院へといってみたの。結果は、10週めにはいったところだといわれた。予定日は3月の下旬。しかも、もしかしたらふたごかもですって!やっぱりあの夢はほんとうだったんだわ。


 私がこどもを産む。普通の身体ではない私が・・・サイボーグの私が。


 改造されたあの日以来、こんな日が来るなんて夢にも思っていなかった。誰かを愛してその人との愛の結晶を残す事ができるなんて。戦いが続いていた頃からはとても考えられなかった事。そう、ずっと前に諦めてしまった事の一つだったはずなのに。

 自分がジョ−を愛しているって自覚した時でさえ、それさえ許される事なのかとどれだけ悩んだ事か。誰にも相談できずに悩んで苦しんで、そんな気持ちが彼と通じ合えただけで十分だと思っていたのに。

 それが、そんな私が子供を授かったなんて。

 自分が子供を宿す事ができるんだと博士から知らされた時、驚き、喜びそして絶望したわ。たとえ、産める身体をもっていたとしても産めるはず無い。いつ戦いがまた始まるかわからないのに。今の平和は永遠ではないのだから。それはいやというほど思い知らされている事だから。

 そんな私の心を見すかしたように、あの時ジョ−が背中を押してくれたんだわ。


「僕は家族が欲しい。僕らに家族ができれば、きっとみんなだって喜んでくれるはず。僕らが人間である部分がちゃんと残っている証拠になるはず。生まれて来てくれる子供は絶対に護るから、幸せにしてみせるから。我が儘をいっているのかもしれないけど、僕は家族が欲しいんだ。僕らがこの世界に存在していてもいいっていう証拠が欲しいのかも知れない。それこそ我が儘なんだろうけど。でも僕は君に僕の子供を産んでもらいたいんだ。」


 いつだったかしら、あなたのその言葉が私の背中を押してくれたんだわ。背中を押されて私の心の中で眠っていた自分の感情が目覚めたの。

 私もジョ−あなたと家族になりたい。愛する人の子供が欲しい。例えそれが私のエゴだとしても。

 子供は絶対に護ってみせるといってくれた。それでも危険は避けられないかもしれない。でも、私はあなたを愛しているから、あなたの子供が欲しいの。不安と喜びと希望とがグルグルと私の中でエンドレスに廻り続ける。自分の心を確認したはずなのに、今日出した決心が明日はまた反対の心に支配される。同じ所をエンドレスに・・・

 そんな中、今日、私の中に新しい命が確かに宿っている事を確認したの。私達という親を選べなかったこの子たち。危険が隣り合わせの生活になってしまうかも知れない。

 それでも絶対に護って、一杯愛してあげる。私達、いいえみんなで愛してあげる。私達の命に換えても護ってあげる。

 みんなでまっているから、7ヶ月後を楽しみにしているからね。


さあ、研究所に帰ってジョ−に教えてあげなくちゃ。

きっと喜んでくれるわね?

どう言おうかしら?

どんな反応してくれるのかしら?

夢の話もしてあげなくちゃ!


「ただいまジョ−?予定日は・・・」


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きんぎょ様から頂いた『ふたりで、地上へ』の続きを書いてしまいました。

『双子』達の誕生です。

『護りたい』を書いた時、1歳以前は絶対に無理!だと思っていたのですが・・・

書いちゃった自分に驚いてます(大汗)


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