足音響かせて


トテトテトテトテ・・・・・・

パタパタパタパタ・・・・・・


小さな足音が細くて長い廊下に響き渡る

この廊下には窓は一つもない

両側には沢山のドア

ドアにはコードネームのついた部屋もある

すべて自動開閉式


でもアタシにはそのボタンまで手が届かないの。


最近ソレイユに『うま』になってもらって乗っかったら、やっと届くようになったわ・・・ソレイユはとっても嫌がるけど。

まあ、たいていはトントンてノックすると誰かが開けてくれるわ。

だって沢山いるんだもの、おじちゃま達が。


あっ、おじちゃまって言うと怒るのがいたっけ?

ジェットはおじちゃまって言うと必ず、『お兄ちゃまって言え』って。

わがままなんだから・・・

言いにくいからこの頃は『ジェット』って呼んでるの。


 それにしてもこの廊下って長いのよねえ。

このドルフィン号の廊下!

 私の名前はルナ。5歳。ソレイユも5歳。

わたしたちのおうちはここ、ドルフィン号っていう大きな艦[ふね]

たいていは海の上に浮かんでいるけど、たまに海の底に潜ったり、お空を飛んだりもするわ。すごいでしょう?


 おじいちゃまの研究所にいる時もあるけど、ママン・フランに聞いたらドルフィン号とおじいちゃまのおうちと半分づつ位住んでいるんだって。

おじいちゃまの名前はギルモア博士って言うの。

おじいちゃまのお部屋には難しい本がいっぱいあるわ。

おじいちゃまはみんながお仕事中の時に一緒にいくれるから大好き。

あとパソコンもあるのよ、いつも何か研究中だっていってるの。


 それをお手伝いしているのがイワン。

あたし達のお友達だけど、おじいちゃまと色々難しい話もいっぱいしているの。

イワンてすっごく頭がいいんですって。

かわいいあかちゃんなんだけどなあ。


でもって、これって『とっぷ・しーくれっと』なんだって。

チョー秘密って事だって。

パパ・ジョ−が教えてくれたわ。

とっても大事な秘密だかよって。

イワンとのお話っていつも楽しいから大好きなの。

色々な事知っているのよ!

でも、寝ている時も多いのよねえ。

寝ているとちょっとつまんない。


 トコトコトコトコ・・・


さてと着いたわ。ここはこの艦の一番大事なお部屋でコクピットって言う所。


 とんとん。

今日のお当番は・・・なんだジェットなの?

ちょっとここで遊んでもいい?


「おおっ、チビども何かようか?俺だけじゃないぜ。ジェロニモもいっしょだ。ちょっとエンジンルームの方に行ってるけど、もう戻ってくるよ。そうそう、いい所へ来た。このマグカップをキッチンへ返しといてくれないか?」

ええ−ッ来たばっかりなのにーっ。

あとで持っていってあげるから、ちょっとみてもいい?


今日はどこにいくの?

「もう少し先に島があるんだ。ほら、そこのスクリーンに写っているやつさ。あそこで暫く停泊だ。」

その島で遊べる?

「ああたぶんな、遊んでやるよ。」


 ここはソレイユが一番好きなお部屋なのよね?


うん、ここでこの艦を動かすんだって。

パパ・ジョ−やピュンマおじちゃまが操縦してるんだけど、僕も早く大きくなってやってみたいんだ。

だってかっこいいんだもん。


『お仕事』でない時には一緒に座らせてもらった事あるけど、この艦を動かしている時はフツーみんな『お仕事』のためだから、その時は僕達は入っちゃいけないんだ。『子供部屋』にいないと危ないんだって。


 皆の『お仕事』は『戦い』なのよね。見た事ないけど。

とっても大変な時は私達も安全ベルトを絞めておとなしくしなきゃいけないの

大抵おじいちゃまが側にいてくれるけど、ちょっと退屈。

この前はすっごく大変だったみたいで、あたし達、『かぷせる』に入ったの。

あれで何回目だったかなあ?

おじいちゃまが、安全でしかも気持ちよくお昼ねできるから安心して入りなさいって言ってくれるわ。

とってもいい夢みちゃったっけ。

でも目が覚めて『かぷせる』から出てみたら、ジェロおじさんとグレートおじさんがお怪我していてとってもかわいそうだったわ。


 だから、あたしたちお側にいてあげたの。

 うん、痛そうだったよね。

そしたら、ありがとうって大きなお手手で頭いいこいいこされちゃった。

早く直るようにお手伝いしてあげたのよね。


今日みたいな日は、あたしたちも『子供部屋』から出ていいって言われているの。


 じゃあ、ジェットおじちゃま、あの島に着いたら遊んでね。

「お兄さまだっていってるだろ!お兄さまって言わなきゃ遊んでやんない。」

ふうっ、はあい、ジェットおにいしゃま!

「よろしい。おいっ!これ!持っていってくれよ。」

しょうがないわね。まあいいか?


ねえ、ソレイユ?おやつもらいに行こ。


トテトテトテトテ・・・・・・

階段を下りてまた長い廊下を走ってやってきたのはキッチン&ダイニングのお部屋の前


トントン、やっぱりいたいた。大人〜おやつ〜

「ほいよ。ちょうどよかったアルヨ。ドーナツできたばっかりアルネ。熱いから気をつけて食べるアル。その前にお手手洗うのコトヨ!」

わ〜い、あっ!これ、ジェットから。


 大人の作る御飯もおやつも大好き。

ママン・フランの御飯も好きだけど。

うわあ、いっぱいある!大人、これみんなに持っていくの?

「ほいよ?置いといていいアルよ。どうせ、お腹空いたらみんな自然に集まってくるアル。」


 あたしはここのお部屋とお隣のリビングが大好き。

だって、みんなが集まってくるお部屋だから。

リビングはあまり広くはないけど、大きな窓があってお外がよおく見えるの。


パクッ、うん、おいしい!

 ねえ?パパ・ジョ−はどこだろう?

僕、パパ・ジョーがお当番だと思っていたのに。


ソレイユ運転席に座らせてもらいたいの?

操縦席って言うんだよ、ルナ。

そう!だから僕、コレ食べたら探してくるね。


「おっとちびすけ。今ジョ−はハインリヒとホーパスの整備しているから、近付いちゃいかんぜ。」

あっ、グレートおじちゃん。何時の間にきたの?そうか、おやつ食べにきたのね。

「そういう訳ではないんだが・・・美味しそうであるのう?この揚げパン。」

えっ、揚げパン?これドーナツじゃないの?


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「ルナ〜?」

なあに大人?おやつおいしいけど?

「違うアル。イワンのミルク持っていってほしいあるよ。フランソワーズに頼まれたアル。」

わかったわ。ママン・フラン、どこにいるの?

「部屋アルネ。」

は〜い!


トテトテトテトテ・・・・・・イワンのミルクを持ってお部屋へ。


 ママン・フランのお部屋は003ってかいてあるドア。

あたしとソレイユのお部屋のお隣。でも中で繋がっているの。 イワンのベットもあるのよ。

研究所ではパパ・ジョ−も一緒なんだけど、ここのお部屋は狭いから別々なんだって

よく遊びにくるけど。


うん、やっぱり一緒がうれしいな。

パパ・ジョ−のお部屋は009なんだ。


そのむこうのお隣は004、アルベルトおじちゃまのお部屋。

僕達このお部屋でよく本を読んでもらうんだ。 色々教えてくれるから、アルベルトおじちゃま大好きだよ。

研究所にいる時はピアノも弾いてくれるし。

うん、最近教えてもくれるし。


そうそう、本を読んでもらう時はベットに座って読んでもらうんだけど、あたし本当はだっこしてもらいたいんだ。でも、ふたりいっしょにはもう大きくなっちゃって乗れなくて、ひとりだけだと『ふこうへい』だからって、最近だっこしてくれないの。つまんないな。


・・・わかったよ。今度は僕がまんするから、ルナがだっこしてもらっていいよ。


ほんとっ?やったあ!後で遊びにいこうね。

そうそう、ジェロおじちゃまならあたしたちのだっこなんて余裕よ。 片手にふたり乗れちゃうし、毎日遊んでくれるから、大好き!


でも、この艦の中で肩車してもらったら天井にぶつかって潰れそうになっちゃうんだ。


そうね、お外だととっても高くて気持ちいいのよね。


あん、ミルクみるく。早く、渡さなきゃ。

トントン、はい!ママン・フラン、イワンのミルク持ってきたわ。

「あら、ありがとう。大人から頼まれたのね。ごくろうさま。キッチンに行っていたの?」

うん。ドーナツ食べてきちゃった。ママン・フランもいる?持ってこようか?

「あらっ?持ってきてくれるの?うれしいわ。頼めて?」

は〜い、まっててね。


トテトテトテトテ・・・・なんだか、僕達ずっと走ってない?

そうね?みんな忙しいからいいんじゃない?


プシューッ

あっピュンマおじちゃまだ!

「おっと、スピードの出し過ぎには気をつけろよ。どこいくんだい?」

あのね、ママン・フランに揚げパン持ってきてあげるの。

「揚げパン?」

そう。あれッドーナツだったっけ?とにかく、大人がおやつ作ってくれたの。

「ふーん、おいしそうだね。」

ピュンマおじちゃまどこいくの?

「コクピット。交代の時間だからね。でも、その前におやつを貰っていこう。」


 今出てきたピュンマおじちゃまのお部屋は008。

うん、いこ、いこ。


おじいちゃまのお部屋と同じ位いっぱいの本とパソコンがあるお部屋。

ピュンマおじちゃまはパソコンで動物さんの事教えてくれるから大好き。 いつかは本物見せてくれるって!楽しみなんだ。

それに海で泳ぎを教えてもらってるのよね。


ドルフィン号はほとんど海のだから暑い国にいったら、教えてくれるんだ。

おじちゃまみたいにイルカさんと泳げたらいいよね。


トントン、ああっ!グレートおじちゃま、まだいる〜。さぼりだ〜!

「なっ何と人聞きの悪い事を言うのじゃあ!我が輩は休憩を取っていただけであるぞ。さてと・・・」

「ブリテンはん、どこいくアル?あんたハン、暇ならワテを手伝うアル。夕食の仕込みアルよ。」

「うへっまたかよ。仕方ない。ところでソレイユ、ルナ?おまえたち、また何しにきたんだ?」

ママン・フランにおやつ持っていくの。

「おっ!偉いな。」


グレートおじちゃま御飯の後、また遊んでね。

「おお、いいぞ。また動物ごっこかい?」

うん。


 近頃ピュンマおじちゃまから教えてもらった動物に、グレートおじちゃまが変身してくれて本物あてごっこするの。

なんだかとっても『あやしい』動物も出てくるのよね。


みんなに違うってよく怒られているいよね。

さあ、早くママン・フランに持っていってあげよう。


トテトテトテトテ・・・・・・

ママン・フラン〜持ってきたよ〜イワン〜ミルク終わった?

『子供部屋』で遊んでいい?


「いいわよ。イワン、頼んでもいいかしら?」

「カマワナイヨ。シバラクハ、眠クナラナイカラ。」

「じゃあ、お願いね。ソレイユ、ルナ、ママンはコクピットにいますからね。」

は〜い。イワンいこ!


ポテポテポテポテ・・・・

「おや?イワン起きたのか?おはよう。あれっ?ちびども一緒か?どちらへ?」

『子供部屋』

アルおじちゃまは?

「休憩だ。ジョ−も来るぞ。」

えっ、ほんと?パパ・ジョ−ッ、ねえねえ、お当番まだ?操縦席座らせて。これから島に行くんでしょ?ぼく、島が見えてくる所がみたいんだ。

「うーん?それじゃあ、今からいこうか?そろそろのはずだから。」

ほんと?

「ルナもくるかい?」

うーん、イワン?あたしも先にこっち、いってもいい?

「イイヨ。ボクモツキアウヨ。」


プシューッ


「よう?どうした?大勢で?」

島みえてきた?あっジェロおじちゃまが戻ってきてる。

「ああ。あれだろ?」

わあっ大きなお陽さまもいっしょだ。

「ちょうど、夕日が見れたね。操縦席に座りたい?」

うん!

「じゃあ少しだけ。ジェット?頼むよ。」

「ほいよ。ソレイユおいで。


どこで停まるの?

「この先の入り江かな?ほら、あそこだよ。」

ねえ?ここで遊べる?

「ウン。タブン、シバラク休メソウダヨ。」

「久しぶりに降りられそうだな。よかったな、お前達。」


「さあ、ドルフィン号を停めなくちゃ。ついでだ、ジェット僕がやるよ。」

あたしもみたいな。ジェロおじちゃま、だっこ!


プシューッ

「あらっ?随分大勢ねえ。ソレイユもルナも子供部屋に言ったんじゃなかったの?」

うん、パパ・ジョ−に会っちゃったから。見て見て!お陽さますごい〜

「ほんと、大きくてきれいね。」


明日はあそこで少し遊べるかな?

ドルフィン号に住んでいる時は『お仕事』の時。

でも、今日みたいにお休みの日もあるし、明日みたいに遊べる日もあるの。

それで、いつもみんなが一緒。

だからこの中が大好き。


みんな、ここでは赤い防護服をきているの。

『お仕事中』だから。

・・・『戦い』が『お仕事』だから・・・


『お仕事』は見せてくれないけど、時々モニターから聴こえてくる声はちょっと恐いんだ。


うん、なんだか、違う人に変身したったみたいよね。

もっと僕達が大きくなったらみんなのお仕事がどんなかわかるかな?

そうね、あたしたちまだ5歳だし。


早く大きくなりたいな

ずっと皆と一緒がいいな

あたしもソレイユもここが大好き

パパ・ジョ−とママン・フランがいるから


みんながいるから


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『護りたい』でドルフィン号に乗せてしまったので、その中での生活って?・・・自分でも妄想しかけていた頃(N.B.G.さんに投稿した直後です)感想を下さった歩様からヒントを頂き、できたお話です。←ありがとうございます〜♪

 今回はルナの視点で艦内案内風味(笑)にしてみました。

 5歳児の視点では、ドルフィン号ってかなり広いだろうなあ〜?


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