フランソワーズのフランス語の授業は作文を書かせて、声を出して読み、発音のチェック。その後で、文法やスペルのチェックをしていくという、単純なもの。
始めは短い文章から始まり、だんだんとテーマを与えて複雑に。
今日のお題はこの家庭教師風景について。
書きあがった文章をフランソワーズがチェックを入れている。
「フ〜ン?、ルナは今ピアノを頑張ろうと思っていて算数がちょっと苦手なのね。」
「うん!算数やっぱり難しいわ、ソレイユったらどんどん問題解いちゃってずるい・・・」
「ズルイっていったって・・・僕は算数おもしろいよ?クイズかパズルみたいなものだし・・・」
ルナはどうやら、算数は苦手のよう・・・いつも先に問題を解いてしまうソレイユに恨めしそうナ視線を送っている。そんなやり取りを横目でみながら、フランソワーズはソレイユの作文に目を落とした。
「アラ?ソレイユ、ここのところのスペルが違うわ。どうやらフランス語はルナの方が得意なようね?最近スペルもほとんど間違えなくなったしね。字も丁寧に書けているわ。」
「ホント?ママン・フラン?ルナの字ってきれい?」
「ええ、とても丁寧な字よ。この字でお手紙もらえたら、相手は嬉しいわね。」
フランソワーズのフォローに頬を膨らませていたルナの機嫌が直っていった。
「えーっと、ソレイユはジェロニモの地学に興味があってジェットの英語が一番・・・楽しいの?」
『英語が楽しい』の表現を不思議に思ってソレイユに訪ねるフランソワーズ。それに対してソレイユの答えはまさしく楽しそうにニコニコと答える。
「うん。ジェット、ちゃんと真面目に教えてくれているよ?みんなあんまり、信用していないみたいだけど・・・実用会話は為になるし♪」
「実用会話?そんなカリキュラムあったかしら?」
フランソワーズは自分の授業の事よりソレイユの一言が気になってしまった。授業そのものは、いたって平穏。順調そのもの。
『実用会話』・・・のちに判明します。
「基本的な公式はわかったみたいだから・・・ソレイユは今の問題を参考に、自分で問題を作って解いて御覧。ルナはもう少し練習問題をやってみようね。」
今日の単元は時間と速度。公式、『距離=時間×速さ』 を使っての演習問題が繰りかえされていた。
「〜〜〜パパ・ジョ−大変!計算したらものすごい数字が!!!」
文章問題を読んで式をたて、計算していたルナが突然叫ぶ。ジョ−がその手許を覗き込むと
「ああ、これは、ほらよく問題を見て。時間の単位は”分”だけど、この速さの単位は?」
「えっと、あっ時速だ。そうか単位を合わせないとね、もう一回やってみるね。え〜っと答えは何分かかりますか?だから、時速を分速に直さなきゃいけないのよね?」
「そう。わかっているじゃないか?ちょっと気がつくのがおそかっただけだね。」
ルナは間違いに気がついてもう1度トライする。ジョ−はそれをただ黙ってみまもっている。
ソレイユは自分で作った問題を自分で計算してジョ−に見せる。
「はい、パパ・ジョー。これでどう?」
「どれどれ・・・ドルフィン号の入口からコクピットまで分速○メートルで歩くと●分かかります。コクピットまでの距離は?・・・うん・・・計算も確かにあってる。単位も合わせてあるね?今ルナが間違えちゃったポイントだけど、よく気がついたね。」
「うん、気をつけたんだ。もう一つあるよ。」
ジョ−に誉められて嬉しそうなソレイユが自慢げにノートを見せる。
「うん?ドルフィン号の廊下50mを○秒で走りました。時速ではどのくらいでしょう?・・・あそこに50mの廊下なんてあったっけ?」
ジョ−は乗り馴れたドルフィン号の内部を頭の中で本気で計測しようとしている。
「僕にはそのくらいあるように感じるけど?」
「・・・まあ計算はあってるし、単位もきちんとあわせてあるし・・・いっかあ・・・」
あまり深く突っ込むのはとりあえず辞めておいた。
「じゃあ、今日の宿題。ルナはここの3問ね。ソレイユは・・・今日やったみたいにもう3問作って答えもだしてごらん。・・・ドルフィン号からは離れてね。」
いつものように宿題が出される。あまりたくさんではないが日課となっていた。
「うんわかったよ。・・・3問・・・3問題・・・3題・・・3台・・・じゃあポーパスとトルドーとモングランにしようっと♪」
ジョ−が演習問題を作っていた。
『ドルフィン号の燃料タンクのサイズは右の図の通りです。タンクの壁の厚みは○○センチメートルです。容量は何キロリットルでしょうか?』
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