12月25日


 「ジェット?お願い!助けて!今すぐにお金持って○○駅まで来て!」


 ジェットの携帯電話に残っていた伝言。

 着信時刻は、ホンの10分前だろうか?

 自分の部屋に携帯を置き去りにしていたことに気付いて、モニターを覗き込むと、着信アリの表示。

 留守電を確認すると、ルナからのモノで・・・残っていたメッセージは・・・。

 何事がおこったのかと、あわてて、ジェットは、リダイヤルボタンを押していた。


 トウルルル〜〜〜カチャ!


 たった1回のコールで、待ち兼ねたようにルナの声が聞こえてくる。

 「ジェット?よかった!やっとつかまった!」

 「何があった?どうかしたか?」

 動揺を隠さないジェットの声が、受話器越しの大音響となって、ルナの耳に伝わってくる。

 「そんなに大声出さなくても聞こえているわよ?」

 ルナは、思わず耳から携帯を遠ざけて、大声に対して反論した。

 「だから?何があったんだって!?」

 「ジェット?今、カードか現金、それと「オトナ」の身分証明書もってる?」

 「へっ???」

 ジェットは、自分の杞憂が、どうやら見当違いだったことを、落ち着き払ったルナの声から、やっと感じ取った。


 「・・・何言ってるんだ?」

 「だから、少しお金が必要なの。それと、「大人」も必要なの。」

 「・・・よくわかんねえけど・・・両方一応もっているぜ?もっとも現金は・・・3万くらいだぞ?」

 「十分よ。ジェット?「オトナ」よね?」

 「ああ・・・いつもちゃんと財布にはいってらあ。」

 「よかったあ〜。所で今どこ?」

 「俺の部屋。」

 「お願い!今すぐに、○○駅まできてくんない?」

 「別に構わないが・・・今、暇だし。」

 「やった!ねえ?『足』は何?」

 「そこだったら、自前で・・・電車と徒歩だな?」

 「ビックリした!ジェットの自前って言ったら、飛ぶしかないじゃない?・・・ドキッとしたわ!」


 少々声をとがらせるルナ。

 それも、もっともだ。

 ジェットの自前の足といえば・・・誰もが『飛んできた』事を意味するのだと、認識しているのだから・・・。

 <町中でどうやって飛ぶ気なの?・・・あっ・・・ジェットならやりかねないわ!>・・・等と、ルナの脳裏には、瞬時に考えが巡ったのであった・・・。


 「必要なら?今から、そこまで「自前」を使ってみてもいいんだぜ?」

 「いいわよ!お願い!大人しく電車できて!あたし達、改札を出たところにいるから。」

 ジェットが、先程のお返し〜とばかりにイジワルをする。

 「くくっ!」と軽く笑って、ジェットは通話を終了すると、言われたとおり、大人しく電車に乗り込むために、研究所を出た。


 ルナに言われた駅で降りて、改札を出ると、その駅の目の前は、バスターミナルとなっていてた。

 正面のガードレールに、器用に腰掛けたルナとソレイユが、ジェットに向かって手を振っている。

 「早かったわね?ジェット。まさか・・・それ、使ったんじゃないよね?」

 ルナは視線をジェットの足下に落とす。

 「あのなあ・・・こんな町中で使えるモンなら・・・使い方をおしえてもらいたいもんだぜ?」

 「あらっ?パパ・ジョーは、張大人のお使いで使っていたんでしょ?・・・町中でも?」

 「そりゃ、一体何時の話だ?」

 「さあ?・・・昔のこと?この前グレートおじさんが、そんなこと言っていたわ。」

 「確かに・・・大人のパシリに使われていたようだぜ?アイツは・・・。 まあ、いっか・・・ところで?俺を呼びつけた用件は?」

 ・・・やっと本題に入るジェットだった・・・。


 「そうそう!来てくれてありがとね!」

 ガードレールからヒョイッと降りると、ルナは、とびきりの笑顔でまずは素直に礼を言った。

 ソレイユもジェットの前まで歩いてくると、いきさつを説明するために口を開く。

 「僕達だけじゃ『買えなかった』んだよ。」

 「買えなかった?何が・・・だ?」


 「「刃物!」」


 ・・・いつもながら、見事な唱和だ・・・


 「ハモノだあ???」

 思いもつかなかった単語を聞いて、素っ頓狂な返事を返してしまったジェット・・・。

 道行く人の視線が集まる。

 しばし・・・大衆の注目の的を化した。

 ・・・本人は一向にお構いなしだったが・・・。


 「もう・・・恥ずかしいなあ。そんな大きな声だして!」

 「おっ、お前達がとんでもないこと言うからじゃねえか?!」

 周りの視線に負けないジェットの迫力・・・ついついソレイユが他人になろうと引き加減だ。

 ・・・それでも、とりあえず一言だけ反論してみる。

 「・・・ジェット・・・落ち着いてよ・・・。ボク、恥ずかしいよおー。」


 「あっ・・・?」


 自分が目立っていたことに、やっと気付くジェット。

 なにやら周りでは、若い女の子達がこちらを見て、クスクス笑いをしている。

 「・・・やべえ・・・」

 「全く・・・こっちよ。歩きながら話すから。」

 ルナが、ジェットの腕をぐいっと引っ張った。

 3人はそそくさと、とりあえず、その場を離れるために歩き出した。


 「ジェット?安心して。何も物騒な事に使おうって言うんじゃないから。」

 「あったりまえだろっ?そんなこと!」

 ソレイユは、真剣なジェットの視線に気付いて、小さな声で、ゴメンと恐縮している。

 問題な発言をしたのは・・・確かルナだったはずだが?当の彼女は・・・至って涼しい表情だった・・・。

 「で?ちゃんと説明してくれ?」

 「勿論よ!あのね・・・。」


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12月25日・・・今日は何の日?

本当は主人公の彼は・・・登場しないかも? (^▽^ケケケ

25日までに全部UPできると・・・いいなあ・・・爆