目次
篠原佳年 『絶対モーツァルト法』 マガジンハウス (2000) ★★★★★
篠原佳年 『いつでも、今がいちばん幸福』 竹内書店新社 (2000)★★★★
篠原佳年 『生死同源』 幻冬舎 (2000) ★★★★
篠原佳年 『モーツアルト療法』 マガジンハウス (1998)
篠原佳年 『治癒力創造』 主婦の友社 (1997)
篠原佳年 『絶対成功力』 マガジンハウス (1997)
篠原佳年 『快癒力』 サンマーク出版 (1996)
島博基 『分子と心の働きを知れば本当の健康法がわかる』 パレード (2011) ★★★★
下田治美 『精神科医はいらない』 角川書店 (2001)★★★★
神一行 『「隠れ家」のすすめ』 講談社 (1998)
新谷弘実 『免疫力を高める生き方』 マガジンハウス (2009) ★★★★
新谷弘実 『病気にならない生き方3 若返り編』 サンマーク出版 (2008) ★★★★★
新谷弘実 『病気にならない生き方2 実践編』 サンマーク出版 (2007)★★★★★
新谷弘実 『病気にならない生き方』 サンマーク出版 (2005)★★★★★
スウェーデン住宅研究会 『理想の家づくり』 平凡社 (1998)
曽田しょう子 『自分さがし』 太郎次郎社 (1992)
高田明和 『五〇歳からの元気な脳のつくり方』 角川oneテーマ21(2004)★★★
高田明和 『40歳からの「バカになれる脳」の鍛え方』 講談社+α新書 (2003)★★★★★
高田明和 『40歳をすぎても記憶力は伸ばせる』 講談社α新書 (2001)★★★★★
高塚光 『右脳開発セミナー』 東急エージェンシー (1995)
宝田恭子 『オーラル宝田メソッド』 朝日新聞社 (2007) ★★★
宝田恭子監修 『オーラルケアレシピ』 コナミデジタルエンタテインメント (2007)★★
田口ランディ 『癒しの森』 ダイヤモンド社 (1997)
竹内久米司/稲津教久 『「経皮毒」がまるごとわかる本』 三笠書房 (2006)★★★★★
武村政春 『おへそはなぜ一生消えないか』 新潮新書 (2010) ★★★
千坂諭紀夫 『血液力』 幻冬舎 (2003)★★★★★
土橋重隆 『ガンをつくる心治す心』 主婦と生活社 (2006)★★★★★
天外伺朗 瀬名秀明 『心と脳の正体に迫る』 PHP研究所 (2005)★★★
天外伺朗 『幸福な人生の秘密』 PHP研究所 (2000)★★★
天外伺朗 『宇宙の神秘 誕生の科学』 PHP研究所 (1999)
天外伺朗 『宇宙の根っこにつながる人びと』 サンマーク出版 (1999)
天外伺朗 『意識学の夜明け』 風雲舎 (1997)
苫米地英人 『洗脳力』 アスコム (2010) ★★
苫米地英人 『残り97%の脳の使い方』 フォレスト出版 (2008) ★
中川和宏 『眼の老化は「脳」で止められた!』 青春出版社 (2006)★★★★★
中田憲三 『英語の頭に変わる本』 中経出版 (2002)★★★★
中松義郎 『頭脳革命』 WAVE出版 (1996)
中山栄基 『自分の体は自分で治せる』 風雲舎 (2002)★★★★★
中山康直 『麻ことのはなし』 評言社 (2001)★★★★★
南雲吉則 『ゴボウ茶を飲むと20歳若返る!』 ソフトバンククリエイティブ (2010) ★★★★★
夏井睦 『傷はぜったい消毒するな』 光文社新書 (2009)★★★★★
西野皓三 『西野流「気」・身体知で人生に克つ』 講談社 (1996)
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要約・書評
『生死同源』 篠原佳年 幻冬舎 (2000)
彼の医者としての生き方、哲学が素直に表現されており好感。
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「過去、現在、未来」の全部が今ここに、意識のある部分に別個に凝縮している。すべてが極薄に折り畳まれて、或いは並列して、意識に内在している。そして時間というものは、人がそれを意識したときに初めて時間となる。
・ 「永遠」とは時間のない「今」を指す。
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「あなたができることをやったら悩みがないですよ。たくさんの人は、今できることをしないから悩みが深くなるんです。ひょっとして今日死ぬんでも、あなたが掃除ができるんなら、掃除だけでもやってたらその間は悩みがありませんよ。たくさんの人は、自分ができないことをやろうとしてストレスとをため、病気になった。」
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趣味を持たない仕事一筋の会社人間に胃潰瘍の人が多かったり、そういうタイプの人は、会社を定年退職した途端に病気を発症させてしまったりする。つまり自分にとっての選択権、或いは価値判断まで人に譲り渡してしまった人が、病気になりやすい人といえる。
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東洋医学の養生訓に、感情の度合いが内臓の状態を左右するので要注意、という教えがある。“過ぎたるは、、、、、、”が言われている。
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悲しむと肺を傷める。喜びすぎたり笑いすぎたりすると、心臓を傷める。怒りすぎると肝臓を傷める。
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胃が弱ると甘いものがほしくなる。甘いものは胃を助けるから。けれども、摂り過ぎると胃を壊していくので要注意。
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腎臓が弱ると塩気のものがほしい。塩気のものが腎臓を助けるから。ところが摂りすぎると腎臓を壊していく。
・ 肺が弱ると辛いものがほしくなる。摂りすぎに注意。
・ 心臓が弱ると苦いものがほしくなる。摂りすぎに注意。
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肝臓が弱ると酸っぱいものがほしくなる。摂りすぎに注意。
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東洋医学では、臓器と臓器とはペアで調子を保っており、調子が悪いときには身体の別の部分に信号を出すといわれている。臓器と臓器というのは、必ず内臓が詰まったところと空っぽなところの組み合せ。これが五臓六腑の本来の意味で、五臓と六腑がペアになっている。
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肺と大腸はペア。肺と大腸の状態は、鼻と皮膚にあらわれる。アトピーの子供で鼻炎や喘息を持っている場合が多いのはそのため。
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乾布摩擦をすると風邪をひかないという言い伝えがあるが、あれは皮膚を強くすることによって、肺と大腸を強くしていたわけ。
・ 心臓は小腸とペア。信号は舌に出る。
・ 脾臓(膵臓)は胃とペア。信号は口唇に表れる。薬を飲んで胃を傷めると口唇が荒れるのはそのため。
・ 腎臓(副腎)は膀胱とペア。信号は耳に出る。耳の聞こえが悪くなったら、腎臓の機能が落ちたということになる。例えば生理が止まった、生殖機能がなくなった、腎臓の機能が落ちた、という人は耳も機能が低下している。また腎臓は骨の代謝に関係するから、骨がもろくなる。腎臓は未来を恐れて怖いという感情の表れ。中年女性が加齢への怖れのためよけいに腎臓を壊し、骨をもろくする。
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肝臓は胆嚢とペア。信号は目に出る。老眼がひどい、視力が落ちたという人は、肝臓の気が落ちたのが理由。
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身体の内臓の一番下が肝臓と腎臓、つまりこの二つが最終器官なわけ。他のどの内臓よりも、肝臓と腎臓が悪くなったなら決定的という意味では「肝心かなめ」。肝臓は血を司り、ゴミ焼却所と同じで解毒する場所。腎臓は水を司り、下水処理場と同じで水を浄化しているから。
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トマティス・セラピー聴覚療法のヘッドホンをつけて音楽などを聞くトレーニングでは、人は8000ヘルツ以上の超高音(これが胎児が聞いている音とされる)に触れることで、胎児の耳に戻ることができる。トレーニングでは1日二時間ずつ、三周間ほどで、身体に負担なく簡単にできる。胎児の耳に到達するトレーニングの過程では、言葉ではない不思議なイメージが心に湧き起こる。
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聴覚トレーニングにおけるイメージの胎内回帰が、人の心に直接アクセスできる理想的な「気づき」になり得る。
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聴覚テストの総合的結果からは、その人の社会との関わり、ストレスの度合いはもちろんのこと、疲労度、頭脳の能力、感情表現力、体力、空間認識力、音楽の才能、語学の才能などが幅広く判定される。またその人の性格のタイプもわかる。
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トマティス・メソッドで真なんだなかで、私がもっとも着目した点は、人は何か大きなショックを受ける事態に遭遇すると「これ以上、何も聴きたくない」と、耳にカーテンをかけてしまうということ。心が自閉してしまう。聴覚を自ら遮断してしまう指令を心が出す。社会とのコミュニケーションを遮断するという選択で、誰にも邪魔されない自分の世界に引きこもり、二度とカーテンを開けようとしなくなる。それは外的圧力から自分自身を守ろうとする自衛手段。
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トマティス・リスニングセンターは、難聴の人はもとより、いろいろな病気の補助医療として、また自閉症の治療、老化防止、スポーツ感覚の向上、バランス感覚の養成、音感教育、語学教育などに利用されている。
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アメリカには、オプトメトリストと呼ばれる視覚の機能回復を専門に扱う眼科医がいる。アメリカで眼科医といえば、通常の眼科医(メディカルドクター)とオプトメトリストの両方を指す。視力を治すのがメディカルドクターで、視覚を治すのがオプトメトリスト。
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視覚機能障害とは、両目の連携が悪かったり、脳神経への伝達回路に問題があるなどの理由で、見ているものが網膜で実物と同じ像を結ばない状態をいう。
・ 視覚機能障害を回復する治療“ビジョン・セラピー”では、いろいろなタイプの訓練法で、両目の関連運動を促す。この治療がうまくいくと、それまで「落ち着きがない」と言われたり、「注意散漫」とか「IQが低い」とか「学習障害」などといわれていた子供たちが、みるみる集中力を発揮して学習能力を向上させるそうだ。そうなって初めて親も子供本人も、原因は視覚障害にあったことを実感する場合が多い。視覚障害とは、それほど見つけにくいもの。
・ 虹彩分析学(アイリドロジー)は遺伝情報や体質にも言及した診断法。
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虹彩とは、目の中の瞳孔を取り巻く筋肉部分。日本人でいえば茶目の部分。人それぞれに固有のパターンがあることから、指紋に代わる本人識別法として全世界から注目されているもの。
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虹彩の固有パターンとは、人の全身の胎内組織や臓器、器官の状態をくまなく表している。虹彩の下部にあたる筋肉組織は常に瞳孔を拡張収縮させているが、全身のうちで最も精度の高い神経伝達センサーを備えているため、体内組織の情報が詳しく伝達される場所。
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虹彩分析学とは、そこに浮かび上がった情報を読み取り、虹彩分析図に照らして分析する診断法で、自覚症状が発現する前の体内の異変などごく初期の組織病理や、ストレスの状態や、遺伝的体質にいたるまでも把握できる。
・
臓器や器官の情報は、主にその部分部分に表れた傷や裂け目や穴や色などで表され、さらに時計の文字盤を幾重にも取り巻く輪の形で、健康状態が示される。
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虹彩分析図とは、ハンガリーを発祥地として140年の歴史をもつ虹彩分析学の歴史的研究成果といえる。
・
現在もアメリカ、フランス、ドイツ、ロシアなど欧米各国では、虹彩分析技師(アイドロジスト)の資格を持つ人たちが、分析図をもとに診断を行っている。
・ トマティス・リスニングセンター(語学力や運動能力の向上、リラクゼーションなど):086-420-0176
・ 聴覚情報センター(聴覚を通してより健康を目指す):086-420-0178
・ 健康情報センター(体質や目の虹彩から体内情報を知り健康を目指す):086-428-8529
『治癒力創造』 篠原佳年 主婦の友社 (1997)
内容は『快癒力』と同じ。病気にエネルギーを使うのではなく、好きなことをして病気を忘れてしまえば治る。
・ 人間が生きていく上で大切なことは、
1. 恐れないこと
2. 今を生きること
3. どんなことでもチャレンジすること
4. あなたらしくすること
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なぜ、病気にエネルギーを使うのか。病気をすると、あなた自身が生きていくうえで得をし、病気が治らないのは、あなたが病気を手放さないから。なぜなら、病気をすれば確実にドラマの中のような悲劇の主人公になれるから。
・ 病気が治る人には三つのタイプがある。
1.病気をあきらめた人 2.病気を忘れた人 3.他人のことばかり考えている人。この三タイプに共通するものは、意識が病気のほうへ向かわずに、
他のほうへと向かっていったために、自分の病気のことを忘れてしまっていたということ。
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病気のことを忘れ、あなたがやりたいことを今すぐ実行する。エネルギーを病気に使うのではなく、楽しいと思っていることに注ぐ。これが病気治しの極意。
・
そろそろ人類が無意識にやってきたことを、意識的に気付き、その二つが統合する時代がきたのではないか。
・
人生というものは、なくしたものだけに気が付くゲーム。例えば、左足をなくした人は、なくした左足ばかり見ている人は、苦しい、悲しい人生を送る。まだ残っている右足を見て「よかった、まだこっちがあった」と言いながら、喜びの人生を送る人はとても少ない。
・
ストレスというのは、自分らしくないということ。女の人が一番ストレスを感じる時は結婚式の時。人生最高の時が今までで一番ストレスを感じる時なのだ。逆にいえば、一番ストレスがあるということは、人生最高の時なのだという証明だ。好きと嫌いは表裏一体。好きだけれども、完全に思う通りにならない、本来の姿にならないから、ストレスが逆にたまる。
・
自分になって、やるべきことがあるから、あなたはこの世にいるわけです。ですから、「どのように生きるか」ということを追究していけば、「あなたらしさ」「なぜ生まれてきたか」という問いに対しての答えは見つかる。
・ 医療法人しのはら医院 〒710-01岡山県倉敷市藤戸町藤戸2−10
TEL:086-428-8525 FAX:086-428-8433
・ トマティス・リスニングセンター TEL:086-420-0176
FAX:086-428-8433
『絶対成功力』 篠原佳年 マガジンハウス (1997)
『快癒力』の次回作ということで読んだが、船井幸雄の注目している人たちの主張を単にまとめたという感じでオリジナリティーがなく、失望。今回は読むのにも時間がかかった。
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「自分にとっての自分らしさ」を発見する方法は「あなたは子供の頃から思春期にかけて何かワクワクした経験はありませんか」と自問自答する。そこに答えがある。
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頑張るという行為にはどこかに無理がある。頑張って手に入れたものは本当に手に入れたものではない。いつかは失われていくか、無価値になっていくものだ。価値のあるものとは自然が与えてくれるもの。そして、人間が何の努力もしなくても、自然は与えるべきものはきちんと与えてくれる。北原白秋の詩 「薔薇の木に薔薇の花咲く。何の不思議もなけれども」
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「シャベロウ会」というグループ。資格は50歳以上で、五年間に五ヶ国語をマスターしようという人たちの勉強会。彼らの語学上達のコツは耳から入ってきた音を、イメージを使って頭の中で形として定着させてしまう方法。単語も文章も一つの図形として覚える。
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インドでは、象使いは象が生まれたら、逃げられないようにすぐに鎖で足を繋ぐ。そうすれば子象が逃げようと思っても、鎖が足に食い込んで逃げられない。やがて象は成長して大きくなるが、象を繋いでいる鎖は生まれた時のままの太さでいい。小さな時から象は自分の世界の中でいろいろなことを学んで、今ではすっかりサバイバルモードを身に付け、そこでじっとしている方が安全なのだという常識が発達してしまった。やがて象自身も、その繋がれている状態にたいしてストレスを感じ出す。しかし、もしだれかが鎖をはずしてくれたとしても、鎖の外へ出て行こうとはしない。そして、出来ない理由を自分でいくつも考える。「むこうへは行かないほうがいい。
むこうへ行くとムチで引っぱたかれるぞ」とかいうように。つまり、この場合、象にとって新しい選択というのは恐怖であるわけだ。
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病気にしても、我々の潜在意識をプラスの形で引き出すことができれば、簡単に治すことができる。なぜなら、病気とは潜在意識をマイナスの形で引き出したケースが多いから。
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過去とは過ぎ去った事実ではなく、事実を土台にした現在の心象風景である。
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右脳開発法。朝、出かける前に椅子にリラックスして座る。ゆっくりと腹式呼吸をしながら、その日の予定に沿って一日の行動を頭の中に思い描く。このとき、最初にテレビの画面を想像し、その中に自分のベストだと思われる姿をイメージしていくようにする。たとえ不愉快な出来事や難しい交渉などが予想される日であっても、なるべくそれが楽しく行われているように、さらに自分が大成功しているように思い描く。この五分間のイメージトレーニングで、物事を忘れることが少なくなり、一日を明るい気分でスタートさせられる。また、腹式呼吸により脳にも新鮮な血液が循環するので、頭脳の働きがよくなっていく。
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眠りにつくためにベッドに入った時、朝同様、ゆっくりと腹式呼吸をする。気持ちが落ち着いたところで、その日一日の出来事をなるべく順序通りに頭のテレビ画面に描いていく。その時、面白くない事件や交渉の失敗などは、うまくいった場合のイメージに置き換えて描くようにする。
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イメージがはっきり描けるようになったら、今度は町で目にした看板の中や電車の中で気になる人物を見た時に、その人物の姿をありのままに頭の中で描いてみるようにする。その際、なるべく目を閉じずに見たままの状態で描くようにする。これができたら、次は覚えようとする電話番号を頭の中にそっくりそのまま焼き付ける訓練をする。また、電車の中吊り広告の一部、新聞の見出し、広告の一部などを焼き付ける練習も行う。トレーニングの成果が出ないといって焦らないこと。
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音声学の世界的な権威であるフランスの医学者、トマティス博士に著者は教えを乞い、日本で『トマティス・リスニングセンター』を開設。病気の原因となっている様々なストレスを音や色を使って解決しようという療法。
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人間とは他の人とは異なる「自分」をやるためにこの世に生まれてきたのです。本当の自分を手に入れて人生で行動していくこと、それが神様が私たち一人一人にインプットしてくれた大切な宝だと思う。そして、それが「絶対成功力」というものなのだ。
『快癒力』 篠原佳年 サンマーク出版 (1996)
1950年大分県生まれ。岡山大学医学部卒業後、岡山大学医学部第三内科を経て、現在しのはら医院院長。こう原病、主に慢性リウマチを中心に治療を行っている。
・ 人間は心(生命、気、魂)と肉体からなる存左である.その心とはすなわち気であり、気とういう生命エネルギーが肉体を動かしている.元気で働いたり、病気になったりするのも、この気という生命エネルギーが様々に形を変えて現れたものである。 肉体の変調は歪んだエネルギーが表面化したものであり、不安、ストレスなどで気が落ちているように見えるのは、実は不安、ストレスに気を使っているからなのである.つまり、病気で気が落ちているのではなく、病気になるために気を使っている。
・ 病気はどんな難病も「あきらめる(いくらやっても治らない病気を前にしてもういいや、勝手にしやがれと開き直る一種の潔さ、勇気のようなもの。いわば病気へのこだわりを一切なくすこと。)」「忘れる」「人のために尽くす」の三つを徹底すると、不思議なほどによい結果を生じさせる。病気を作るエネルギーを他のものに転換した結果、自分の気持ちが楽になって世の中が素敵に見えて、毎日わくわく生きられるようになるのでは。
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私達が過去と思っているものは、すべて私たち自身が、「過去思いたいこと」を過去と思っている。その思いを持つのは現在の自分だから、現在の自分の考え方や思いを変えれば、過去は変わってくる。
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過ぎ去った事実ではなく、事実を土台にその人が描いた記憶の風景画である。だから変えられないと思うのはまちがい。例えば過去に受験に失敗したとする。受験失敗は事実であっても、良かったか悪かったかは解釈の問題で、その人がどう色づけするかは自由。実際にわたし達はこうして色づけしたものを過去と思っている。
『絶対モーツァルト法』 篠原佳年 マガジンハウス (2000)
「高周波音が脳を活性化する」という副題で、『モーツァルト療法』の続編でトマティスメソッドの紹介が中心。
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トマティスメソッドでは、どんな職業に向いているか、どんなストレスを抱えているか、どんな社会的なつきあい方をしているか、家族の関係はどうか、どういう人生観を持っているかというようなことを判断することができる。そしてその結果に応じて、矯正プログラムを、聴覚だけで行う。
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トマティスメソッドは言語のパスバンド(民族の言語が優先的に意味を見出すことができる音の周波数帯域のこと)に限らず、ストレスを受けた耳を癒し、老化した聴力を取り戻すことも可能にした。それはこのメソッドに、新生児の耳に限りなく近い聴力・聴覚を復活させるトレーニングが基本にあるから。
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モーツァルトの耳が理想とする耳で、4000ヘルツ(ピアノで一番高い音)をピークに低温のほうにゆっくり下降している曲線。
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トマティスメソッドはモーツァルトのミュージックテープをプログラムにしたがって聞くだけ。
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中耳は、聞こえてくる音をパスバンドやストレスに従い都合の良いものを選択して内耳に伝える自動フィルター機能を持っている。
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トマティスメソッドの素材は、モーツァルトの音楽と、耳が活性化された後に耳の興奮を鎮めるために、グレゴリオ聖歌が用いられる。そして母親の声。主に幼児や子供のために準備される。母親の声は、耳にストレスやトラウマを持ってしまった子どもの聴覚を開放する。特に自閉症に陥った子供には効果がある。
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モーツァルトの音楽は、発育を促すばかりか、創造性、大脳皮質のエネルギー補給、動機付けのためなどに有効。グレゴリオ聖歌を導入したのは、そのリズムが気持ちを落ちつかせるからだが、同時に強壮的な効果もある。
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音楽は神経という単位における準備を組織化する基礎作りそのものに支配的な役割を演じる。つまり、音楽が耳を通して伝わる刺激で脳にもたらすエネルギーにより、体と神経組織のための真の基礎部分を作り上げることができる。
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トマティスメソッドでは、低温に特殊なフィルターをかけ、高音域(8000ヘルツから上)を強調した特殊な音源で、モーツァルトを聞くトレーニングがある。8000ヘルツ超の音は胎内にいた時に聴いていた音だから。やがて高音域に慣れてきたら、徐々に音域を下げていく。
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イルカの声は胎内で聞いていた母親の声に似ている。それが癒し効果につながっているのでは。
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高音域に耳が慣れるとは、胎内にいた時の耳に限りなく近くなるということ。こうすることで生まれて成長する過程で生じた耳のトラウマやストレスなどの聴覚の垢を洗い落とすことができる。
・ トマティス効果は次の三つの法則として知られている。
1.「音声には、耳が聞いたもの以外は含まれない」(耳で聞こえる音しか、声に出すことができない)
2.「損傷を受けた耳が、欠落または劣化した周波数を正しく聞けるように導いてやると、その周波数は発声においても瞬間的かつ無意識的に修復される」つまり、しゃべり方の欠陥が、耳の聞こえを健康に戻すことだけで治すことができるということ。
3.「一定時間、聴覚刺激を与えると、残留現象により被験者の自己聴取姿勢が、またその結果として被験者の発声が変化する」(耳のトレーニング効果は持続する)
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神経回路によって、耳の筋肉と喉から口や唇、舌などの筋肉が連動するようになっているから。
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エレクトロニック・イヤーは、語学が苦手な人も含めて、あらゆる人に各言語に特有の聞き方を身につけさせ、それによって特定の調整下で音を知覚することができるようにするための装置。
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トマティス理論では、聴力検査ができる125ヘルツから8000ヘルツについて、次のとおり三つのゾーンに分け、それぞれが人間の体にどう関係しているかを明らかにしている。
・ 第1ゾーン(125-800ヘルツ)=低周波音域…この音域は、音楽やダンスでのリズム感、スポーツでは身体のイメージ・バランス感覚、学習面では時間的空間的概念に関係している。体では尾てい骨から腹部あたりに対応する。
・ 第2ゾーン(800-3000ヘルツ)=中周波音域…この音域は、音楽やダンスでは音程やメロディー、感情表現、語学では記憶力、言語における説明力、社会生活におけるコミュニケーションに関係している。体では腹部から頚部あたりに対応する。
・ 第3ゾーン(3000-8000ヘルツ)=高周波音域…この音域は、音楽やダンスでは芸術性や積極性、語学では子音の聞き取り、学習面では知力、生活や仕事面では気力に関係している。体では頚部から頭頂に対応する。
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トマティス理論によると、低い音を聞けば足腰が動きやすくなり、高い音を聞けば頭の働きが速くなる。中音は呼吸が安定してコミュニケーションに自信が出てくる。
『いつでも、今がいちばん幸福』 篠原佳年 竹内書店新社 (2000)
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皆さんはどういうときにプラス思考を意識しますか。ここは大事な場面だから、失敗できない、失敗したら困る。あるいは、何かよくないことが起こる、またはすでに起こっている。そういうマイナスイメージや暗い状況を前にして、皆さんも「これはいかん、なんとかプラス思考にしなくては」と思うのではないでしょうか。ごく自然な状態の時には、プラス思考なんかしないものなのです。まず、マイナスの局面があってこそ、プラスに考えようとするものなのです。
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つまり、「プラス思考にしなくては」と意識すること自体が問題であって、これ自体が普通ではなく、意識下で何か特別なことが起きているわけです。そしてそういう変性がなされた意識に対して「プラス」という方向性を与えようとする。そのとき、すでにプラスの原イメージとして、もともとのマイナス思考が強くつくられているのです。
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私たちの意識下において、プラス思考とマイナス思考は、実はウラ・オモテの関係にあるわけです。だから、プラス思考は、一歩間違うと、マイナス思考に早変わりすることになる。
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では、プラス思考を真にプラス思考たらしめるためには、どうすればよいのでしょうか。結論から言えば、プラスとかマイナスとか、ハンコで押したように意識しなければいいと思うのです。子供が遊ぶように無邪気にイメージする。それだけのことです。よいも悪いもない。プラスもマイナスもない。欲しいものは欲しい、望むものは望む、イヤなものはイヤ、それを素直にイメージできれば、そのイメージは必ず実現するでしょう。
・ 「○○せねばならない」状態なのに本心は「したくない」。だからといって、「はい、そうですか」と、本心に従うわけにはいかない。自分はそんな身勝手な人間ではない。逃げるつもりはない。だから、「したくない」という本心も見とめたくない。でも、待てよ。自分が病気ならば、まわりの人は「仕方がない」と許してくれるのではないか。そういう心の働きがほとんどの病気の原因ではないでしょうか。つまりストレスが病気の原因なのです。
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病気になって健康の大切さを知ったとか、自分が本当にやるべきことに気づいた、という話をよく聞きます。こう考えると、病気は「気づき」のためのステップで、もともとあったものを思い知る重要な通過儀礼なのかもしれません。
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水泳の息継ぎのコツは吸おうとせずに勢いよく息を吐くことと水泳選手から聞きました。これをつづめていえば、出すことによって入る、与えることによって得る。ここに深い真理が隠されているように思います。ないものばかり求めようとする。欲しいものも得られない。そして、すでにあるものに気づかない。これが現在の多くの人たちのあり方です。でも、これまでの価値観を逆転させればいいのです。あるものをどんどん使う、人に与える。自分の持てる限りのものを出していく。そうすることによって、より多くのものを、また、より大きなものを得ることができる。
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異端の人類学者カルロス・カスタネダの「道行く人」の話し。
「道行く人とたびたび出会い、何気なく話をしてみると、その人は幽霊だった。次の人も、次の人も、みんな幽霊だった」
「どうして幽霊だとわかったのですか」
「それは、魂をもっていないからだ。彼らの魂は、今、ここにはなく、道の彼方の目的地にあった。彼らは道を通ってはいたものの、そこを歩いてはいなかった」
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「今、ここ」に集中するから、ありのままの人生を送ることができる。
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過去へ向けたこだわりも、未来へ向けたこだわりも、現在における、その人の生き方の問題を暗示しているわけです。そしてこだわることによって、それに関係する記憶が甦り、そのものにとらわれる。その結果をもとに、過去の自分を作り上げるのです。「とらわれる」ことによって、その人は「とらわれた」過去の自分が本当の自分だと思いこんでしまうのです。こういう「とらわれ」から解放されるために、まず、気づくことから出発しなければならないのです。
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もし、何かをやりたいと思ったら、思い立ったが吉日。その時が、やるのにふさわしい瞬間なのです。「今、ここ」なのです。やりたいと思っている瞬間に決意し、実行する。それがやりたいという意味での旬です。それはやっていても楽しいし、実りも大きいはずです。その人が最もその人らしく輝くのです。
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「自分がワクワクできそうなことを心に思い浮かべて、それを今すぐ実行してみましょう」
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自分を完全に忘れた時に、あなたはもっと自分らしく生きられる。
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何のために生きているのか、あるいは、いのちの目的とは何なのかという問いに対して、答えはひとつしかないと思う。それは「今を生きるためである」と。そして、「今がいちばん楽しい時であるためだ」と。いのちの目的は、今をありのままに生きること自体にある。それ以外にはないと思います。もし、他に目的があるとすれば、いのちはその目的のための手段になってしまいます。
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「スリー・イン・ワン・キネシオロジー」:体の各部位ごとに分けて心の状態に対応させ、分析する方法。
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キネシオロジーでは、まず、からだの真中のヘソを原点とします。それは、出生の時から始まり、同時に現在の「今」をも表します。そこから離れるに従って、からだの意味付けが時間的にも心理的にも離れていきます。ここで注意してほしいのは、意味のカテゴリーがヘソを中心とした同心円を描くように変化するということです。
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つまり、腕と足が同じ意味で、ひじと膝が同じになり、手首と足首が同じです。そしてひとつの意味には必ず二面性があり、正反対の解釈を可能にしているのです。
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ヘソの意味するものは「選択の力」で、ここが出発点となります。そのすぐ周囲にある消化器官(腹)は「受容/反感」を意味します。ヘソで選択されたものを受け入れるかどうか。もし、受け入れたくないのであれば、消化器が反抗し、下痢や腹痛を起こします。ストレスに真っ先に反応するのも胃や腸ですが、その一方で腹を割って話すとか、腹のすわった人という表現もあります。
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次に少し離れて、胸や泌尿器に移ります。その意味するものは「意欲/怒り」で、腹で受け入れたものは意欲となって表れ、反感は怒りに発展します。胸を張ったり、胸をたたいたりするのはその表れでしょう。
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さらに離れると、肩やお尻になります。ここの意味するものは「興味/恨み・憤懣」です。受け入れ意欲が湧いてきたら、対象への興味も深まるでしょう。逆に怒りは恨みとか憤懣に発展します。一部の人が肩で風を切って歩くのは、世の中への憤懣を表していることになる。興味のあるものには、つい肩入れをしたくなるのもこの特徴です。
・ 次に首や二の腕、腿(もも)に進みますが、意味するものは「熱意/敵意」となります。もし、あなたが誰かに二の腕の筋肉の盛り上がりを見せつけられたら、その人は、好戦的と考えられます。恋人の名前などを二の腕に刺青をするのは、情熱の表現と見られています。
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ひじと膝は「自信/失うことの恐れ」を意味し、ガッツポーズなどはまさに自信の表現です。リウマチでひじと膝に障害が多いのですが、これは現在の自分に自信が持てないというケースが当てはまります。
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前腕や、ふくらはぎは「対等の力/深い悲しみと罪悪感」を意味します。お葬式の参列者には、たしかに前腕をつかんで立っている人が多いようですが、それも深い悲しみの表れなのでしょう。
・ 手首、足首の意味するものは「調和/無関心」です。
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最後に手足そのものは「一体感/分離感」を意味します。握手や手をつないで輪になることは、不思議な一体感をもたらします。また、指をしゃぶったり噛んだりするのは、人から離された分離感や孤独感が働いているでしょう。手足のしびれを訴える人も、世間や家族からの分離感を抱いていることが原因となっているのかもしれません。
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心とか意識と呼ばれるものは、特定の器官で作り出されるものではなく、からだ全体にはらみ、表現されるものなのです。
『モーツアルト療法』 篠原佳年 マガジンハウス (1998)
音の最先端セラピーという副題。非常に興味のある内容だった。
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アルフレッド・トマティス博士は、独創的な聴力のトレーニング法「トマティスメソッド」を編出した創始者。主に語学のトレーニング法として紹介されているが、広く健康維持を始めとして、心を活性化させる方法、自閉症というような症状を開放させる可能性、老人性の難聴を回復させる力、スポーツ感覚を向上させる力、記憶力を増進させる力などのポテンシャルが秘められている。
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中耳という耳の中には、音にカーテンを掛ける仕組みがあり、特定の音に無意識にカーテンがかかってしまっている場合がある。この状態が、耳のストレスを表している。耳にカーテンがかかっていても、本人には自覚症状はない。病気ではない。ただ、特定の周波数の音が聞こえていても、意味のある音としては聞き取れない。そのため周囲の人とのコミュニケーションの効率が悪くなる。いくら言っても理解できない人はこれが原因の場合がある。
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トマティスメソッド法を使えば、耳をテストしてトレーニングするだけで、現代人の大半のストレスや悩みを解決できるのではないか。
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ハミングを一生懸命していると、次第に背骨のコリもほぐれて軟らかくなって、少しずつ共鳴の度合いが増してくる。背骨のコリやブロックがほぐれるということは、エゴのとんがりがなくなってなんとなく人間が丸くなる。
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モーツアルトの音楽は、あらゆる情報の母体をなす「基本コード」。それは、世界中の人々の神経を刺激し、その活動を促す民族共通の「基本コード」。
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モーツアルトの音楽には、世界中で受け入れられる自律神経組織を覚醒させ、心臓のリズムを速め、呼吸を変化させるような、神経学的インパルスがある。
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自我ができるというのは、自分の関係する社会、つまり周囲の人々と自分の関係性、つきあいかたの基本方針が決定されるということです。もちろんそれは言葉の思考で行われるわけではありません。イメージでそれが行われるのです。つまりこの五歳、六歳に人生のイメージが確立されるのです。そしてこの時期に決めたものが一生人生についてまわるのです。この時に「成功」をイメージした人は、成功の人生が待っているといわれています。「失敗」をイメージした人にはずっと失敗を繰り返す人生が待っているのです。そのように、自我とイメージが確立される重要な時期なのです。
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音楽には、心理的作用とは別に、もうひとつ重大な作用があったのです。それは、脳へのエネルギーの供給です。耳にはダイナモ(発電機)のような働きがあり、脳が必要とするエネルギーの大部分(ほぼ90%)は、聴覚器官のエネルギー発生作用からきているというのです。トマティス博士が発見したこの耳の機能は、今日まだ十分知られていない。
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トマティス博士は、「エネルギー発生は、内耳の蝸牛管の中の感知細胞であるコルティ細胞に関係している」と言っている。コルティ細胞は、低音城、中音域、高音城で、分布が異なっています。その比率は、低音域を100とすれば、中音域では500、そして高音城ではじつにニ万四千も存在するというのです。そうして、数千ヘルツ以上の高音域が入って来た時に、たくさんの感知細胞が刺激され、脳神経を活性化させるわけです。
この場合、大脳皮質の負荷は、大幅にからだの使用エネルギーを上回ります。からだ全体の活力からいうとプラスになるので、充電作用があるというわけです。だから、高音域がたくさん入った音楽を聞くと、なにごとにも積極的に向かう活力が涌いてきて、世の中が楽しくなってくるのです。では、低音はどうかというと、これはエネルギー発生にほとんど寄与しません。特に高い倍音を含まない低音は、その傾向が顕著です。しかも、低音にはからだを疲れさせる作用もあります。
たとえば、中央アフリカには手でたたいて音を出すタムタムという太鼓があります。この太鼓は低音を発し、聴く人をひどく疲労させることで有名です。なぜ、低音だとからだが疲れるのかというと、蝸牛管を使わずに中耳前庭だけで、激しくからだの調整を行うことになるからです。そうすることによって、からだのイメージが消失してしまうからです。そのような状態に陥ることは、麻癖にかかったような状熊であるということもできます。あるいは、高音を聞いている脳の状態が充電状態であるとするならば、放電状態ということもできます。
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モーツァルトの場合は、オーケストラであってもピアノであってもオペラであっても、すべて高音域にその豊かさが集中しています。そのため、低音を絞り込んでも、十分にその音楽のすばらしさを楽しむことができます。しかし、ブラームスやブルックナー、ベートーベンなどは、低音が重要な意味をもっている音楽なので、低音部を絞り込むと、その途端につまらない音楽に聴こえてしまうのです。そのようにモーツァルトの音楽は、高音城の響きが濃密であり、それがトマティス博士がモーツアルトをとくによく使う理由のーつです。
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バリ島のガムランには八万ヘルツに及ぶ高周波成分が含まれている。人間の可聴域の上限は二万ヘルツ。そのような人間には聴くことのできない高周波が、それにもかかわらず脳の活性化を促している。また、特殊なフィルターを使って、二万ヘルツ以上の音をカットしたガムラン演奏を聴くと、なんとなく味気ないということもわかってきた。
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現在のCDの規格には、二万ヘルツ以下の音までしか取込まれていない。そのため、ごく一部のマニアの間には、二万ヘルツ以上の高音域の再生を求めて、アナログレコードへの根強い需要がある。
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もともと音楽、とくにクラシック音楽の魅力は、精神的な高揚をもたらすところにあります。ロック音楽が腰や腹部を刺激し、フュージョンや演歌、フォークソングなどが胸を中心に刺激するのに対して、クラシックは腰や胸とともに首から頭頂部までをも刺激します。これはトマティス博士の理論で明らかになりましたが、クラシック音楽は、低音から超高音までの幅広い音域を必要としています。とくに数千ヘルツという高音域はもっとも大切な音域です。そして、二万ヘルツを超える超高音域もまた、クラシック音楽の重要な要素であることが明らかになったわけです。
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ビブラートのないユーミンの声は、モンゴルのホーミーと同種のもので、それが郷愁の元だった。私たち日本人の深いところにあるアジア的な郷愁にピーンとくるものだったのです。ホーミーと同種のユーミンの声は、余分な音の成分がたくさん聴こえます。それは歪みの一種。西洋のクラシックでは、このような声はピュアではないとして矯正される。あるいは、一時的に急激な感情である情動に訴えるものとして、排斥される可能性もある。
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バリ島のバロンの仮面の内側に鈴がついている。そのため、仮面を動かすたびに鈴が鳴る。その音の中には二万ヘルツをはるかに超えている音が混じっている。彼らはその聞こえない超高音によって、トランス状態に入り、民族の神の声を聞き、神の世界に参入する。
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トマティス博士は、8000ヘルツを超える音域を「精神界の音」と表現している。
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人間は生まれたばかりの時期にはすべての音を聞き分ける完全な耳の能力を持っている。生後六ヶ月をピークに耳は完成し、その後母国語への適応に準じて次第に母国語に特化した耳になっていく。
・ 胎児期から聞いていた母国語に反応する。
・ 母親の声にはさらに敏感に反応する。
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生まれたばかりの音の感度は大人の十分の一程度。つまり未完成
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生後数力月で音の総合的感度は急激に向上し、完全な耳が誕生(天才の耳)
・ このころの耳は、どの国の乳児も平等に微妙な子音(P、b、r、l等)の違いを聞き分ける優れた万能の聞き取り能力を発揮。
・ 六―ハヵ月から母国語への順応を開始し、生後約一年で母国語を聞くのに適した耳に変化。その代わり、一部の子音など母国語で不必要な音声に対する聞き取り能力は減退。
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耳は約十一歳まで成長する。十一歳で、以降の人生で使用する耳の特性や性質が完成し「社会耳」を獲得する。すでに耳だけは十一歳を過ぎると大人になる。
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「社会耳」は、「民族耳」と「保身耳」の二つの耳に分けられる。
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「民族耳」は母国語を聞き取ることに特性を特化した耳。「民族耳」は胎内に宿ったときから準備されてきた言語による「コミュニケーションのための耳」。
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「保身耳」は、これまでの経験で受けたストレスやトラウマから身を守るための耳。自己に都合の悪い音声を遮断する機能を持っている。例えばそれが父親の声であった場合、その音声(声紋)を聞かない仕掛け、バリアーが耳にできる。「保身耳」は個人的な生活環境が背景になって生まれる「サバイバルのための耳」。
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母親と敵対関係にある子供は、意図的に母親の発声域である高音近くを切り捨てることにより、知覚上での母親との関係をうまく開放できる。このとき、母親という存在は子供の右脳で優位に認識されるので、その症状は、右脳に対応する左耳に現れる。中耳炎になる子供は、このような状態を示していることが大変に多い。
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父親とコミュニケーションをしなくなるケースは深刻。他の大人たちとのコミュニケーションにも消極的になってしまうから。するともっとまずいことに、言語上、文章上、読解力上の困難に見舞われ、父親によって象徴される未来に対して夢が持てなくなるケースがある。このとき、父親という存在は子供の左脳で優位に認識されるので、その症状は、左脳に対応する右耳に現れる。右耳は言語をリードする耳なので、右耳のトラブルは人生を深刻にする。
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ストレスが強烈過ぎた場合には、ほとんどの音声にカーテンを引いてしまうことがある。このような耳は、聞こえても聴くことがない。鼓膜が振動して音を内耳に伝えようとしても、中耳が断固、音声を遮断してしまう。中耳には分厚いカーテンが引かれて閉じられている。聞こえたとしても、それは何の意味もない雑音として脳に送られる。このような状態の耳が自閉症となって現れる。
・ 第一期「胎内耳」胎内の期間…羊水の中で外界の音に聞き耳を立てています。痛切では低音主体の音と言われていますが、トマテイス博士は八〇〇〇ヘルツ以上の超高音域だと言っています。母親の話し声等が骨導で伝われば、超高音が羊水にも伝わるはずです。
・ 第二期「原始耳」誕生から生後六カ月前後…耳の器官が急速に発達し完成。鼓膜が空気に触れることによって次第に低音域が聞こえるようになり、全体の感度も急上昇し、あらゆる音が聞き取れる完全な耳に成長。複雑な子音の区別ができる超人の耳です。
・ 第三期「順応耳」六カ月前後から生後一年前後…耳が母国語の聞き取りに適応していき、
基本的な耳のスタンス(民族耳)ができます。それによって、母国語にない複雑な子音は区別ができなくなります。
・ 第四期「イメージ耳」一歳から五歳前後……ニ足歩行をし、言葉をしゃべることを通して、母国語に徐々に習熟した耳(民族耳)となります。おもに言葉をしゃべること、コミュニケーションを訓練し学習する期間です。コミュニケーョンを通じて、自我意識を徐々に形成し、やがてイメージとして確立し、自己保身のサバイバルの方法を習得します(保身耳)。思考回路もイメージ優先で言葉での思考は定着していません。耳にもまだ柔軟性があります。
・ 第五期「言語耳」六歳から九歳前後…母国語が意識に定着していきます。角田信忠博士によると、この時期の母国語が、脳の言語構造を決定するほど重要な時期です。母国語が日本語(民族耳)であれば、日本人特有の左脳優先の日本人の脳となってその人を一生支配することになります。思考回路がイメージから言葉に移行しつつある段階です。幼児語であったしゃべり方が、成人のしゃべり方に変わっていく期間です。
・ 第六期「統合耳」十歳から十一歳前後・…母国語と社会環境に適した耳を最後に調整して完成する期間です。自己が社会に対するスタンスを、耳(民族耳・保身耳)として統合し定着させ、また深い思考や思索に対応する精妙な音域への受け入れ態勢を完了します。こうして統合して成人化した耳は、成長が止まり、耳の柔軟性はなくなります。思考回路はイメージよりも言葉が優先し環境に適応します。成人と変わらないしゃべり方を身につけています。日本の英語教育は、耳が日本語に凝り固まって民族耳ができあがったこの時期以降に行われることが多いのは問題です。
・ 第七期「社会耳」十二歳から壮年期・・…この間、耳は、すでに獲得した「民族耳」と「保身耳」をベースに、原則として変化しません。言葉優先による思考・コミュニケーションを通して、社会への適応を深めていく時期です。
・ 第八期「老化耳」老年期・・…老人性の難聴が出てきて、耳として社会から遠ざかります。高音域がだんだん聞こえなくなり、そのため自分の発声もくぐもって背骨が丸くなり、コミュニケーションができなくなります。耳が閉じていくとともに、自分の中に閉じこもっていきます。
・
日本語は子音については左脳優先。これは、他のすべての言語と同じ。異なっているのは、母音の優先脳。他のすべての言語が右脳であるにもかかわらず、日本語の母音だけは左脳。そればかりか、自然の音である鳥の鳴き声、虫の声、波の音、それに尺八などの東洋の楽器で奏でる音なども、左脳が優先脳となっている。
・ 日本人の右脳が優先脳になる音は主に西洋楽器の音。
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理由は自然環境や遺伝的な問題ではなく、日本語を母国語とする場合に起こる特殊性。そのため、6歳から九歳頃に日本語を習得した子供は、どの国の子供であろうと、日本人の脳になってしまう。
・
「パスバンド」とは、民族の言語が優先的に意味を見出すことができる音の周波数帯域のこと。
・ 六カ月前後から一年前後の「順応耳」の時期…母国語のパスバンドを情報収拾し、「民族耳」を取得するための聞き取り準備(カメラでいえば、被写体の寸法の測定)
・ 一歳から五歳前後の「イメージ耳」の時期…母国語とそのパスバンドによる聞き取りとしゃべり方の相互の練習を通して、「民族耳」の音程やトーン、イントネーションなどを習得(カメラでいえば、撮影イメージ・構図の設定、佳古仙と絞りの調整準備)。
・ 六歳から九歳前後の「言語耳」の時期……左脳言語野へ母国語とそのパスバンド情報の書き込みを行い、言語としての民族耳を確立(カメラでいえば、焦点と絞りの詳細な検証と調整)
・ 十歳から十一歳前後の「統合耳」の時期・・…母国語への適応を確認し、「民族耳」が完成(カメラでいえば、シャッターを押せる状態)。
・
モーツアルトのように、「統合耳」の段階の前に複数の「民族耳」の訓練がなされていると、複数の「民族耳」のフィルターが機能するようになる。これがポリグロッド。ポリグロッドは、条件反射的に瞬時に耳を言語の特徴に合わせて切り替えるチャンネルを持っている。
・
日本語のパスバンドは低音域から1500ヘルツの間になだらかに分布している。英語のパスバンドは、2000ヘルツから16000ヘルツにかけて分布している。日本語は、1500ヘルツから上の音域には意味がないため、日本語の「民族耳」は、英語のパスバンドである2000ヘルツから上の音域を聞き分けることができない。
・ 北米大陸では1000―2000ヘルツの周波数帯域の音がよく通るという自然風土の影響により、大陸に上陸した米語はパスバンドが700―3500ヘルツとなった。
・
北米大陸は、エリアの広さに割には方言による差が少ないのは、テレビ放送の影響。
・
アメリカに半世紀も住んでいると、肉体が変わってくる。イギリス人よりも背が高く、太く、胸の厚みが出てくる。心理構造もまったく変わってしまう。先祖のイギリス人は直観的で形而上的な問題に心を悩ませることが多かったのに、アメリカに移住すると、実務面の知能が発達していて論理的となり、メンタルな面で悩むなどということはほとんどなくなる。
・
土地に似合わないものはなくなる。言語が変わると、精神構造が変わり、しゃべり方が変わり、顔つきが変わり、動作が変わり、身体が変わる。
・
高音域にパスバンドが偏っている耳が、それより低い音域を聞き取ることは容易。低音域にパスバンドが偏重している日本語の「民族耳」は、国際社会では大変孤立しやすい。
・
耳には耳介という集音装置があり、これによってとらえられた音は約三センチほどの外耳を通って奥に達し、そこには鼓膜がある。鼓膜から先は中耳。中耳には鼓室という空気の層があり、そこに三つの小さな骨がある。ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨です。この骨は鼓膜の振動を内耳に伝えるための役割をし、三つをまとめて耳小骨といいます。
耳小骨によって伝えられた鼓膜の音の振動は、蝸牛(かぎゅう)というカタツムリのような大豆大の螺旋形状の器官に伝えられます。ここが内耳です。蝸牛と耳小骨との間には前庭窓と蝸牛窓という接合部分があり、基底膜・蝸牛管を経て蝸牛に通じています。
蝸牛にはリンパ液が満たされていて、基底膜とともに周波数の分析を行います。音をプリズムのように分解するのです。またこの内耳には、基底幕の上に特殊な神経細胞がたくさん並んでいます。分解され音が、それぞれのピアノの鍵盤のように並んだ神経細胞を通じて聴神経へとつながり、脳の聴覚野に情報を送られるのです。このように、耳の三つの回路は、外耳で空気振動を伝え、中耳ではそれを骨の伝導に変換し、内耳では電気的な信号へと変換して脳に送っているのです。
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耳の役割は、脳に信号を送る前に、情報の選択を自ら無意識に行っている。中耳の入り口の、鼓膜から骨に伝わる部分で働いている鼓膜張筋という筋肉と、中耳の出口の、アブミ骨のアブミ骨筋という小さな筋肉が複雑な動作をして音声に焦点を当てたりぼかしたりしながらパスバンドを生み出している。
・
中耳は耳の関所の役割を果たしている。中耳は、入ってくる音声に応じて先ず鼓膜で音域を調整し、さらに中耳の耳小骨によって音量調整を行い、内耳に伝える前にアブミ骨筋によってさらに再調整をしている。
・ 各民族言語のパスバンド:英語(2000-16000)、米語(700-3500)、フランス語(1000‐2000及び125‐400)、イタリア語(2000-4000)、ドイツ語(125-3000)、スペイン語(125-500及び1500-2500)、ロシア語(125-8000)、日本語(125-1500)
・
音の専門家や音楽を愛好する人々は、「民族耳」とは別に、もうひとつの耳を用意している。それをトマティス博士は「音楽耳」と名付けている。
・ 「音楽耳」のポイントは右耳にある。
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人間の脳は、左脳で言葉を、右脳で音楽を優位に扱う。そのため、歌曲を聴くことや歌うことは、右脳と左脳のバランスをとることにとても適している。それに脳は、右脳は左耳に対応し、左脳は右耳に対応しているので、左右の聴覚のバランスをとることにも、効果的。
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人間は可聴音域より低い音はからだ全体で、可聴音域より高い音波は頭の頂で、感じることができる。トマティス博士によると、低い音はびてい骨から始まって、音域が上がるにつれて背骨を上昇し、首に至り、頭蓋骨の頭頂に至る。
・ 仙骨(250ヘルツ)、腰椎(500)、胸(1000-1500)、肩(2000)、首(3000)、顔(4000)、頭頂(8000)
・ 人間の耳が8000ヘルツ超の音域にフォーカスを当てると、頭頂が活性化する。だから、8000ヘルツ以上の音域を聞き分けることができる「宇宙耳」を獲得すると、まったく別次元の音の世界が出現する。
・
モーツアルトはフリーメーソンだった。モーツアルトのフリーメーソンへの入れ込みは激しく、父レオポルドもハイドンも共に入会させているほど。また、音楽においても「フリーメーソンの葬送音楽」や歌曲「結社員の道」、カンタータなどかなりの曲をフリーメーソンのために作曲している。とりわけオペラ「魔笛」は、フリーメーソンの儀式を台本にしたと言われている。
・
音痴の人は、音楽が聞こえていても音程を正確に聞き分ける聴力が欠けているので、自分の声で正確に歌うことができない。
・ トマティスメソッドによるリスニングテスト(聴力・聴覚検査)で、耳のストレス状態がどの程度かがわかる。耳のストレス状態がわかると、からだのストレスがどの程度か、どの部分にストレスを受けているか、背骨のどの部分か、喉に炎症があるか、肩こりが激しいか、腰に痛みがあるか、などが分かる。耳とからだ(背骨)には重要な相関関係がある。
・
耳は左脳に真っ先に情報を送るほうが現実処理能力が高まる。だから利き耳を右耳としたほうがよい。できるだけ右耳で言葉を聞くという意識を持つ。
・
トマティスメソッドは八つの段階を耳として遡り、また蘇る方法。
・ 8000ヘルツ以上の音しか聞こえない世界とは、まさしく胎内にいたときの耳の世界と同じ。
・
トマティスジャパン代表村瀬邦子「トマティス流最強の外国語学習法」(日本実業出版社)
・
トマティスメソッドを試したい人は、著者の倉敷の医院に併設した「トマティス・リスニング・センター」(倉敷市藤戸町藤戸2-10 TEL
086-420-0176)
『分子と心の働きを知れば本当の健康法がわかる』 島博基 パレード (2011)
しま・ひろき:一般財団法人 SHIMA量子医学研究所理事長&所長、兵庫医科大学名誉教授、兵庫医科大学泌尿器科
講座非常勤講師、(社)日本テラヘルツ協会副理事長・医療部会長。大阪大学医学部卒業、兵庫医科大学泌尿器科学講座主任教授。
『テラヘルツ波(量子波)が医学を変える』が副題。
水クラスターを最小化した水を飲むと健康で癌にならない身体になる。その水の作り方の原理や健康法を紹介している。
ちょっと理解しづらいが、面白い視点だ。
・ 量子に着目した理由は、すべての分子の最終形態は粒子と波の性質を持つ量子にあるからだ。ヒトの病気は結果とし
て量子の場の乱れが大きく関与しているのではないかと考えたわけだ。
この観点から身体における量子場の乱れを修復することが病気の治療に直結するのではないかと考え、その乱れを修復する方法を模索した。
・ 長年にわたる独自の研究の結果、「量子場の乱れを修復するためには、3から1000マイクロメーターの波長をもつ
テラヘルツ波が有用である」との結論を得た。
すでにテラヘルツ波領域に入る遠赤外線がヒト前立腺癌の増殖を抑制し、実際にアポトーシス(細胞の計画死)関連遺伝子
群を立ちあげているという科学的証拠を欧米誌に発表した。
・ 身体の中の代謝の基本は酸化と還元だ。これを化学的反応から見ると、酸化と還元とは分子間の電子のやり取りという
ことになる。酸化とは分子から電子を奪うことだ。逆に還元とは分子に電子を与えることだ。
活性酸素やヒドロキシラジカルを代表とするフリーラジカル類は電子が不足しているため、安定しようとして他の分子から
電子を奪う。つまり分子を酸化して壊すわけだ。
また他の分子と電子を共有することにより身体にとって不要な分子を作り安定しようとする。このようにフリーラジカル
は分子の間に入って架橋の役割を果たし、その分子を身体の代謝に不要な不活性化物質にする。
つまりフリーラジカルが多ければ多いほど組織が破壊され、不要な物質が体内に増えるわけだ。フリーラジカルが増えれば
、それだけ組織および細胞膜が壊されるので老化が進む。
更に、フリーラジカルは細胞核の中にあるDNAも壊し、癌の原因を作る。要するに、フリーラジカルがどのくらい生成さ
れるのかが生命の長さを決定していると言っていいだろう。
つまり代謝の回転が多ければ多いほど、言い換えれば過食すればするほどアデノシン三リン酸(ATP)の消費が多くなり
必然的により多くのフリーラジカルが生成される結果、組織が損傷し老化を速め生命を短くするわけだ。
・ 多岐にわたる研究の結果、カロリー制限が寿命を延長させることがわかった。その原因はフリーラジカルを除去する
スーパーオキシド・ディスムターゼ(SOD)やカタラーゼの誘導によることがショウジョウバエについての遺伝子解析から証明された。
・ 最近体温を上げれば免疫力が上がり元気になるという考え方が提唱されている。原理的には正しいが、実はそこに
大きな問題があることが指摘されていない。
体温を上げると身体の酵素活性が上昇し基礎代謝量が上がり、より多くのアデノシン三リン酸が作られる。それだけフ
リーラジカルが多く産生されることになり、短期的には元気にはなるが老化が早まり遺伝子損傷の機会が増えることになる。
・ 日常生活で基礎代謝活動を減らすことがヨーガの基本だ。不要な基礎代謝活動を減らすと体温が下がる。一般的に
適度な運動とバランスのとれた少量の食事を摂り、体温が低い方が健康で長生きされていると言っていいだろう。
・ 絶え間ないストレスが身体を恒常的に興奮させ、体内ではコルチゾール(副腎皮質ホルモン)やカテコールアミン(
アドレナリンやノルアドレナリン)が過剰産生される。
身体の活動が亢進することはミトコンドリアにおける電子伝達系が加速していることを意味し、フリーラジカル生成が
必然的に増えることになる。
このような状態では体内にある抗酸化回路の働きだけでは活性酸素などのフリーラジカルを十分に除くことができない。
・ たんぱく質を食べるとDNAの基になるプリン体がたくさんできる。このプリン体は酵素の働きで分解され、キサ
ンチンから尿酸へ、そしてアラントイン酸になり体外に排出される。
問題はキサンチンから尿酸を作る時に働く酵素(キサンチン酸化酵素)だ。実はこの酵素は電子をやり取りすることが
できる電子供与体であり、周りにある酸素を活性酸素にする。
そうするとヒドロキシラジカルを作り多量の脂質ラジカルを作る。このサイクルは悪循環サイクルだ。脂質ラジカルが
細胞の表面の膜を構成している成分を壊すために細胞膜が傷つき細胞が長生きできないようになる。
つまり脂っこいものを食べれば食べ過ぎるほど、またたんぱく質を過剰に摂れば摂るほど、恒常的なストレスを受け
れば受けるほどフリーラジカルが余分に作られ、早く死ぬように人間は作られているようだ。
・ 癌になる人とならない人の分かれ目は何かと言うと、損傷されたDNAがきちんと修復される人は癌になり難い。
つまり損傷されたDNAを修復する回路が人にあり、これが正しく働いていると癌になりにくいと言える。
・ 老人が認知症になるのはフリーラジカルによる細小動脈血管壁の劣化が重要な要因である。
・ フリーラジカルはその強力な酸化作用により組織を破壊する。フリーラジカルは身体のエネルギー(ATP)を作り出
す時の副産物だし、その他の脂質などの代謝過程で生じる。
しかし、このフリーラジカルは身体の中で作られた不要なもの、あるいは外から入ってくるいろいろな異物の処理に
なくてはならないものだ。
マクロファージは不要な物質や異物を処理するが、そのときにこのフリーラジカルを使ってこれらを破壊し我々の身体
を守っている。
また免疫担当細胞であるナチュラルキラー細胞や細胞障害性T細胞も敵を攻撃して破壊する時にこのフリーラジカルを
使う。とにかくフリーラジカルは身体の維持に必要なのだが、身体の代謝回路で無害なものに処理される以上にあると大きな問題になる。
・ フリーラジカルを効率よく除くにはどうしたらよいのか。この方法は二つの工夫により可能だ。一つは身体の中の
電子の流れを利用する方法(イオン・電子チャンネル)だ。
これは体の中の電子とイオンが流れる大きな仮説の回路と考えてほしい。それでは身体の中で必要な大量の電子は
マクロ的にどのように流れているのだろうか。
テスターでヒトの身体の電位を測定すると肩と足では0.3から0.5ボルトの電位差があるのがわかる。つまり電子の
流れはマクロ的には上半身から下半身に向かって流れている。
それでは足で放電することができれば電子の大きな流れを身体につくることができ、フリーラジカルなどのマイナ
ス電荷を帯びている物質を流すことができるのではないだろうか。
お相撲さんは現役の時に食べ過ぎによる糖尿病と外傷以外にあまり病気をしない。まずお相撲さんは裸足だ。
さらに土俵に上がる時に塩をまく。塩分は電解質であり、よく電気を通す。
土俵に塩をまくと足の皮膚を通じてマイナス電荷を帯びたイオンと電子が常に地球に流れ出すためにお相撲さん
の身体表面は静電気が帯電しにくくなる。昔から疲れた裸足で土の上を歩けと言い伝えられている。
また海水浴に行くと一日中海辺と海の中で過ごしているのに思ったほど疲れが溜まらず夕方になっても元気なことを
経験した人が多いと思う。これは身体表面が帯電せずイオンと電子が地球に流れ出すために起こる現象だ。
それでは日常生活で静電気が身体に帯電しないように、また身体のイオンと電子を円滑に身体の外に流すのはどう
すればよいだろうか。
幸い西宮で薬草園薬局を開業している上野陽久薬剤師を通じて米山省吾氏に会ううことができ、米山氏が持ってい
る導電塗料を使ってイオンと電子を人間の体外に効率よく流し出す装置ができた。
この装置は身体に牛皮を接触させその皮の内側に空中へ放電するための金属版がはめ込まれているものだ。これを足
や身体に付け、歩いたり走ったりすると疲労の溜まり方が少ない。この本が出版される頃には市販されているだろう。
疲れない理由は身体の代謝によりできる不要な電子やフリーラジカルを含めたイオンがこの装置を通して効率的に
体外に放電されるからではないだろうか。
また代謝によって生じる各種老廃物はマイナス電荷を帯びていることが多いため、電子の流れに引っ張られて体外
に出て行きやすくなることも考えられる。
体表面に静電気が溜まり帯電すると、このようなイオンレベルの物質の体外への排出が滞る。この装置を身につけ
ておくと、体表面に静電気が溜まらないようになるので、ある意味では日常的にお相撲さんと同じ体験をすることができることになる。
・ 体表面では毎日多量の静電気が生じている。着ている衣服の材質によりプラスやマイナスに帯電する。体表面
がこのようにいずれかに強く帯電すると、皮膚の汗腺やその他のイオン通路の出入り口が障害される。
つまり体表面がプラスに帯電している時は皮下の絶縁体だる脂肪組織はマイナスに帯電する。その結果マイナス
電荷を帯びたイオンや電子が反発して体外に出難くなる。
脂肪組織がプラスに帯電するとこれらは脂肪組織に引っ張られてやはり体外に出難くなる。体内ではどうだろう。
体内静電気は血球と血管の摩擦により生じる。平均的成人の心臓は一分間に約4.7リットルの血液を送り出している。
この血液は一分間で身体を一周してくる。循環している間に、赤血球は細い血管を通り血管内壁と接触するので、
結果として静電気が生じることになる。
赤血球と血管内壁の表面は電気的に陰性のシアル酸に覆われているので、本来は静電気が生じにくいが、年齢を
経るにつれて血管の内壁が傷みシアル酸が少なくなると血管内壁がプラス電荷を帯び静電気が生じやすくなる。
最も考えられるのは血管壁の脂肪が相対的にプラスに帯電することだ。脳と肝臓、腸管には多くの脂肪がある。
特に脳は脂肪が豊富だ。ちなみに脳の乾燥重量の50%は脂肪だ。
その理由は脳神経の円滑な働きのために神経線維の中を通る電子が漏電しないようにミエリン鞘という脂肪に脳
の神経が囲まれているからだ。
もっとも脳を浮かしている脳脊髄液にはマイナスに負荷しているクロール(塩素)が多く脳では静電気は溜まらない
ようにできている。しかし、脳の活動には多量のグルコースと酸素が必要だ。
脳の細小動脈壁が脂質ラジカルを含めたフリーラジカルにより傷むと脳細胞に栄養が行き渡らずその劣化が進む。
脳の他に肝臓、腎臓、腸管膜にも脂肪が多く、これらが相対的に帯電するとイオン・電子チャンネルの働きが悪
くなったり、脂質ラジカルが活躍する環境を補強することになる。
とにかく脂っこい食事を避け体内と体表面に静電気を貯めないようにすることが大事だ。
・ 釜石鉱山はすでに廃鉱になっているが、トロッコ用の線路が未だまるで新品のようにピカピカだ。この線路
は湧き出してきている水にいつも濡れているが、全く錆びない。
どうしてこのような不思議な現象が生じるのだろうか。この鉱山は磁鉄鉱からできている。湧き出してくる水は何
年もかけてこの磁鉄鉱の中を通過してくる。
電場と磁場の中で力がかかると分子はできるだけ力の受け方を少なくするような形態を取ろうとする。この場合は
水分子に常に力がかかるわけだから、水分子は最小のクラスターを形成するのではないかと考えられる。
最小化した水分子クラスターは線路に接すると、線路を酸化しようとする分子が直接接触できないように水分
子の膜を作ることになる。通常の水ではクラスターに大小があるためにその隙間に酸化物質が入り込み金属錆が生じる。
・ 身体の中の水だが、大小様々なクラスターを瞬時瞬時に形成消滅している。今M個の水のクラスターのうち
、N個がある瞬間に一定方向を取る確率はN/Mだ。
筆者はこのN/Mの確率でいわゆる電子の通り道である水チャンネルが形成され、身体の中で自由電子の通り道が
できるのではないかと考えている。
一般的には自由電子は分子から分子へ飛びながらフェムトセカンド(10¯¹²秒)で移動している。しかし筆者の仮
説が正しければ二つの方法でよい水チャンネルを作ることができる。
一つは水クラスターを最小化した水を飲用することだ。日本の各地で名水と呼ばれている水があるが、これらは
水のクラスターが小さく揃っているのではないかと推察する。
一方我々の日常生活で使われている生活水である水道水を名水に変えることができれば素晴らしい。実はこの二つ
目の方法こそ細胞を活性化させる方法でもあるのだ。
その方法とは、通常の水道水をテラヘルツ波で処理することなのだ。テラヘルツ波とは電磁波の一種だ。
・ 電磁波を波長と振動数から分類すると、波長の長い電波の次に赤外線がある。赤外線領域には遠赤外線と重な
り、サブミリ波と言われているテラヘルツ波が含まれている。
そして中赤外線、近赤外線があり、可視光線、紫外線、X線、γ線と順に波長の短い波になる。テラヘルツ波は
一兆ヘルツ前後の振動数をもち、波長が3から1000マイクロメーターの電磁波で光の直進性と透過性の両方の性質
を持ち、細胞を構成している分子の運動や分子の格子振動に影響を与える。
もちろん全ての物質は固有の振動波を出しているが、水分子は格子振動(水素結合振動)と回転振動により、エネル
ギー吸収体として理想的に働く。特にテラヘルツ波をよく吸収し保存する。
すでに科学的事実として知られているテラヘルツ波の働きは物質の結晶構造を均質化することだ。通常の水道水
を強力なテラヘルツ波で処理するとその平均放射率が黒体に近くなる。
この現象は水がさらにテラヘルツ波放射体として働くことを意味する。なお黒体とは完全放射体と定義され、外
部から入射する光、電磁波などによる熱放射を、あらゆる波長に渡って完全に吸収し、また放出できる物体のことを言う。
テラヘルツ波処理水はテラヘルツ波放射体として周辺の組織を構成している分子と共振する。わかりやすく表現
すると周辺の組織が元気になるわけだ。
また水分子の格子運動が均質化するとその環境下で形成された水分子クラスターが理論的に同じサイズになりや
すく、より多くの8面体あるいは最小クラスターが形成されやすくなると考えられる。
筆者の仮説によれば同じサイズのクラスターが多くなればなるほど、水チャンネルとして電子を運ぶ効率が上が
る。なおここで述べているテラヘルツ波は自然界に最も多く存在するインコーヒーレント(波長と位相が揃ってい
ない)なテラヘルツ波のことだ。
興味深いことに自然界や宇宙界に存在する生命と物質は、すべてテラヘルツ波という存在振動数を放射している。
これらの中で太陽や月、特殊な岩石を除くと最も多くのテラヘルツ波を放射しているのは人体だ。
それも赤ちゃんが最もその放射量が多く、平均放射率も高い。逆に年を経るにつれて生命力が衰えてくると、そ
の人が放射するテラヘルツ波の放射量や平均放射率が低下していく。
・ 病気の内臓器官や体力が落ちた身体もテラヘルツ波の平均放射率や放射量が低下する。健康な植物や動物、
食品は不健康なものに比較してテラヘルツ波の放射量と平均放射率が高くなっている。
その理由は不健康な植物や動物や食品では細胞を構成している有機高分子の格子振動の振幅や振動数が低く、か
つ乱れているためだ。
・ 種々の生物を構成している分子が強力なインコーヒーレントであるテラヘルツ波を照射されるとどのようにな
るだろうか。種々の生物は元気を取り戻す。つまり食物は腐りにくくなり、人は若々しさを取り戻すというわけだ。
・ 水道水のテラヘルツ波処理方法を確立されたのは筆者と共同研究をしている日本技術開発センターの新納清憲
社長だ。新納氏は応用電磁気学と物質変成に有用なテラヘルツ波の大家だ。
この本が出版される時点ではテラヘルツ波処理をした多くの品物が市販されているだろう。現在市販されているも
のでは、テラヘルツ波発振シールがある。
肩や首こりのある人はこのシールを凝っている肩や首に貼りつけると凝りが速やかに軽減する。腰の痛みや関節の
痛みがある人はその部分に貼りつけると痛みが楽になる。
また冷蔵庫の野菜入れや容器のプラスチックの内壁に貼っておくと野菜が長持ちする。さらにバッテリーのプラス及
びマイナス電極にシールを直接貼ると、車のエンジン音と加速性能がよくなり、燃費が向上する。
なおこのテラヘルツ波発振シールはアルミに直接触れさせないことが大事だ。アルミニウムはシールのエネルギーを
減衰させる。
テラヘルツ波は人体を構成している細胞を元気にする働きがあるので、テラヘルツ発振子を組み込んだマットを敷
布団の上に引いて眠れば熟睡でき、寝起きがスッキリ感じる。
テラヘルツ波はイオン化しない分子の格子振動波だから副作用は原理的にない。
・ 頭脳はマインドであって心ではない。マインドの日本語訳は精神力、心、知力だ。英語で述べるマインドは実
は精神力、知力であって心ではない。意識、思考、判断など知性・理性の働きとしてとらえた心がマインドなのだ。
つまりこれらの働きは脳の働きだ。喜怒哀楽の感情、特に愛情の宿る場所をとらえた心には英語ではハートが使
われている。つまり心の正式な英語訳はハートであり、心はハートにある。ハートとは心臓だ。
・ 米国の理論物理学者であるリサ・ランドール博士は余剰次元として5次元を提唱している。博士によると3次
元はシャワーカーテンのような存在として描かれている。この3次元空間で我々と宇宙は存在しているようだ。
そして心が5次元と繋がっているようだ。心の中に、つまり心臓の中に小部屋があり、その場所が5次元と繋がっ
ている。ともかく心に真の世界があり、心が生み出しているのが現象と考えられる。
そして時間軸は心が決めているのであり、心の持ち方を変えるとまわりに比較して相対的に自分の時間がゆっくり流れるわけだ。
・ 息を吸う時には、宇宙にあまねく充満している良いエネルギー(気)を最初は“かかと”から、次に天頂から
流れ込ませ、臍下丹田にもってくる。
実際には鼻から吸うのだが、イメージとして“かかと”と天頂から地球と宇宙の広大な愛のエネルギーを吸い込ん
でいると観想する。なお、観想とはテーマを決めて強く想像することだ。
宇宙から引きこんだエネルギーを臍下丹田に集め、そこから十分身体の隅々に清浄な愛のエネルギーを満ち溢れさ
せることによって身体を浄化した後にゆっくり口から吐き出す。このとき身体の悪い気をすべて吐き出すと考える。
息を吐く経路は“かかと”から地球の中心に向かって吐く。もちろん口から息が出るのだが、観想として身体に溜
まった悪い気が地球の中心に向かうと考えることが大事だ。この呼吸法が全ての基本だ。
腹式呼吸で最初は7秒で吸い、14秒で息を止める。次に7秒で息を吐く。慣れてきたら吸う、止める、吐く割合を
1:4:2にする。このときの心の動きは重要であり、思念を宇宙の存在に同化させる。
この呼吸法を朝夕に30分くらい行う。最低一日1時間くらいは必要だ。一回10分ずつ6回してもいい。
・ 食生活も重要だ。根菜類と豆類などの植物性蛋白を中心にした食生活が必要だ。また、きのこ、海草類(
もずくなど)、果物も重要だ。肉類はあまり必要ない。
時々肉を食べたい人はまず、どんぶり鉢一杯の野菜を食べた後に肉を食べるようにする。一口30回噛み、おな
か5〜6分目が目安だ。たまにおいしいものを食べに行くのは構わない。
・ 適度な運動も必要だ。毎日速足で最低5キロは歩くようにする。中々歩く機会を見つけるのが困難な人は、
会議中や椅子に座っている時に両足の第1指と第2指を1分間に100回を3分間こすり合わせる。
この運動は両足の静脈環流を促進するので3分間行うと3キロ歩くくらいの効果がある。またお風呂上がり
に必ず柔軟体操をするように。特に身体をねじる体操は大事だ。
・ 水も大事だ。水は身体の中の情報を細胞に伝える重要な役目を持っているので、日常の飲用には環境汚染
の少ない自然のミネラル水を使うように。あるいはテラヘルツ波処理した水を飲むように。
・ 筆者はいまから30年ほど前に養蜂業者の発癌率が極端に低いことに注目した。とくに蜂の巣が放射する遠
赤外線に注目した。
蜂の巣を手に持ったらわかるが、暖かくて明らかに大きな木と同じ遠赤外線を放射していることを体感できる。
同じ理由で大きな木に囲まれて暮らし、ログハウスの様に木で作られた家に暮らしている人は癌になりにくいのではないかと考えた。
・ 遠赤外線は、赤外線領域の中で4から25マイクロメーターの波長の電磁波だ。赤外線は目に見える可視
光線(0.38から0.72マイクロメーターの波長)より波長が長く、電波(1000マイクロメーターより大きい波長
)より波長が短い電磁波だ。
つまり赤外線の波長は0.72から1000マイクロメーターになる。この赤外線領域は波長により3つの領域に分け
られる。波長の短い方から近赤外線(0.72から2.5マイクロメーター)、中赤外線(2.5から4マイクロメーター)
、遠赤外線(4から1000マイクロメーター)となる。
なお25から1000マイクロメーターの波長領域は超遠赤外線と呼ばれることが多く、4から25マイクロメーターの
波長を持つ領域の電磁波が遠赤外線と一般的に理解されている。
・ 太陽光から発する赤外線は大気に吸収され、その一部が地上に届いているが、生物を構成している細胞の
代謝により熱エネルギーが生じるので赤外線を必ず放射している。
赤外線は熱線としての性質を持ち、高い温度のものほど多くの赤外線を放射している。人間も基礎代謝活動が
あり体温を持っているので、赤外線を含めたテラヘルツ波を放射している。
科学的に放射率を測定すると、実験に用いた素材は人間の身体から放射された赤外線のうち、遠赤外線を効率
よく反射し放射していることが分かった。
遠赤外線は熱を生みだすので、蜂の巣のように手のひらに暖かく感じるわけだ。赤外線はテラヘルツ波(3から
1000マイクロメーター)と重なった領域の波と粒子性を持った光量子からなる電磁波だ。
・ 今回の我々の実験では細胞免疫をもたないヌードマウスに移植したヒト癌細胞において遠赤外線が移植癌
細胞にアポトーシスを引き起こし、その増殖を抑制していることを科学的に証明した。
また正常細胞では遠赤外線によりその増殖が抑制されていない。実験結果から遠赤外線照射はヒトの癌に効果
があるのが当然の結論になる。
・ 筆者は強力なテラヘルツ波は原理的にすべてのヒト癌細胞を正常化すると考え、現在、テラヘルツ波による
ヒト乳癌細胞やヒト前立腺癌細胞の増殖抑制効果について実験を行っている。
しかし癌細胞を正常化するだけではまた再びDNAが損傷して癌が身体に生じるので、体表面の静電気を除去し、余
分なフリーラジカルを常に取り除くことが重要だ。
そして身体に最も大きな影響を与えるのは心の量子波動だから、この波動を良い振動波に変えていかなくてはならない。
・ SHIMA量子医学研究所のHP http://www.siqm.org
『精神科医はいらない』 下田治美 角川書店 (2001)
1947年東京生まれ。エッセイスト・小説家。
切れ味鋭く、日本の精神科医のレベルの低さ、薬学知識もないのに危険な薬を平気で患者に与えている実態を批判。エッセイとし
ても面白い。
・ 日本の病院の総ベッド数120万床のうち、精神科だけで全体の25%・30万床がうまっている。
・ 日本の医師の総数は25万人なのに、精神科医は8000人しかいない。
・ 外科医・内科医などには「治せたか、どうか」と、点数がつけられる。しかし精神科医にだけは、点数がつかない。なぜだろ
うか。「治す能力のない医師」にとっては、まことに便利な言葉が用意されているのである。「現代の医学では、治らないんですよ」
そう宣告された患者が、他の有能な医師によって改善あるいは治癒をみた事実はいくらでもあるのである。現代医学では治らな
いのではなくて、医師当人に治す能力がないだけのことなのだ。
・ アメリカにおいては、保健会社(医師個人が医療ミスにそなえて加入する)が保険金を支払った(つまり医療ミスをし、被害
者に賠償した)医師名を公表する。これも一つの採点方法である。
・ 悪性症候群とは、抗精神病薬投中に死亡することがまれでないという最も重篤な副作用である。つまり、医者の手がくわわ
って、引き起こされる重篤な病状なのだ。医者がつくりあげる病気、といっていい。もし重篤な状態に陥ったら、「医師の処方
した薬剤の副作用」と認知する必要がある。そして、もし重篤状態から不幸なことに死亡をまねき、「死因は悪性症候群」といわ
れたら、「薬剤の副作用死」と理解しよう。
・ 日本では、精神科における投薬治療の歴史は、たった50年しかない。つまりそれ以前は、病院では精神疾患には何の手立
てもなかったのである。第二次世界大戦が終わって七年も経た1952年になって、ようやくのごとく投薬治療が始まったのだ。
・ 精神科は、医療過誤の訴訟がほとんどない。患者も家族も、世間の偏見をおそれて、医師からどんな仕打ちを受けても泣き
寝入りするせいもあろう。沈黙を守る患者の悲しみのかげに、どれほどの医療過誤がまかり通っていることだろう。超のつく有
名大学病院の、関連病院でも安心できない。
・ 「ボーダーライン」(境界性人格障害)という聞きなれぬ言葉を引っさげて、診療技術が高いという評価があったわけではない
町沢静夫氏は、いち早くマスコミの寵児となった。
・ 診察時間中に患者を待たせてマスコミの取材を優先させる町沢氏の態度は、氏が有名になった佐々木病院勤務時代から始ま
っている。これはマスコミ関係者の間に広く知れ渡っている事実だが、マスコミが氏を多用している理由の一つでもあろう。精
神科医は、他の科より群を抜いて取材拒否が多い。これは私が十年以上、経験しつづけた感触である。
・ 町沢氏の診療は誤診が多い(複数の精神科医と五指をこえる元患者が証言している)。
・ 患者当人が担当医の治療について異議を申し立てる能力を失っている状態であることが考えられる。
・ 精神神経科には、他の科のような学会認定の『専門医制度』がない。
・ この15年間ほどの間に、世界の医療が大きく変化した。特に薬剤については、目覚しい進歩を遂げている。それに日本の
医師は追いついていけない。これは医師の資質の問題だが、背景には日本の保険制度がある。薬剤の種類と量に制約があり、こ
の範囲内ではまともな治療ができない。
摂食障害を例にとると、過食に効く薬剤が欧米では使われているのに日本には一剤もない。だから医師たちは、効くか効かない
か不明な薬をいくつか組み合わせる治療しかできない。かず撃ちゃ当たるとばかりに闇雲にやる。しかも薬学について無知な医
師が多い。
・ 一般の人が読む「薬の本」的なものはあまり正確でない。あのような本は、厚生労働省が定めた適用、保険の適用に該当する
ものしか書かれていない傾向がある。
・ アメリカの診療は、まず治療計画が上質だ。日本のように主治医個人の経験治療などは絶対にやらない。人権侵害になるか
ら。日本でいう主治医、つまりアメリカの治療医は、アドミニストレーター(管理医)の役割だ。治療医を、管理医と精神療法医
の二つに分ける場合もある。そして、チーム医療が行われる。
チーム内の臨床心理士の発言力がとても強い上、ケースワーカーの協力もある。それから心理テストの専門家も必要だ。ペーパ
ーの心理テスト以外の、絵画療法や箱庭療法は何ヶ月もかかる療法だから、その専門家が必要なのだ。そのような療法の結果、
判明することがたくさんある。それに正確に対応することも治療のうちなのだ。
・ 精神疾患は、「脳の故障」によっておきるものである。それでは、故障がなぜ起きるのか。なぜなのかは不明だそうだが、治
療すべき部位は刻々と解明されている。脳の器質の不具合、脳の機能の不調、脳の分子の神経伝達物質の不調和などが、「脳の故
障」である。「精神の病」でも「心の病」でもないのである。治療対象部位は、脳なのだから。
・ 最近マスコミで話題の斎藤環・精神科医はひきこもりは自然治癒がありえないなどと暴論を吐いている。
『「隠れ家」のすすめ』 神一行 講談社 (1998)
1946年長崎県生まれ。早稲田大学在学中よりジャーナリストとして活躍。その間、情報会社、出版社等の顧問、役員を兼務。46歳のとき、これまでの世俗を断ち切り、千葉房総で「半隠遁」の生活に入る。二年前から再度、岬龍一郎の筆名で著述活動を開始。
日常の生活からちょっと離れ、自分の好きな時間、自分を振り返る時間を持つために隠れ家を持つというアイデアは魅力的だ。
・ヘンリー・D・ソロー:1817年米国マサチューセッツ州ボストン生まれ。「森の生活」の著者で、自然主義者、超絶主義者、奴隷解放主義者。意識的に世間から一歩距離を置くことで、わずらわしい世俗にまみれることなく、そのじつ精神の崇高さを保って、積極的な人生を送った。
・橘曙覧(あけみ):1812年福井で生まれ、半隠遁の歌人。至誠にし
て、素直な歌。
たのしみはまれに魚煮て児等皆が
うましうましといひて食ふ時
たのしみは珍しき書(ふみ)人にかり
始め一ひらひろげたる時
たのしみは心おかぬ友どちと
笑ひかたりて腹をよるとき
たのしみはあき米櫃に米いでき
今一月はよしといふとき
・伊達政宗の遺訓《仁に過ぎれば弱くなる。義に過ぎれば固くなる。礼に過ぎれば諂いとなる。智に過ぎれば嘘をつく。信に過ぎれば損をする。気ながく心穏やかにして(中略)、この世に客に来たと思えば何の苦もなし。朝夕の食事は、うまからずとも誉めて食うべし。元来、客の身なれば好き嫌いは申されまい》
・夏目漱石の草枕の冒頭は伊達政宗の遺訓からとったと言われる。
・どっちが得かといった頭(理性)で判断するよりも、好きか嫌いかの性格、すなわち心で見極めるべき。
『免疫力を高める生き方』 新谷弘実 マガジンハウス (2009)
免疫力高めるための方法、腸のデトックス、腸の重要性等について分かりやすく解説。お勧め。
・ たんぱく質は小腸で分解され、複数のアミノ酸が連なった状態になるが、これが細胞内で再び折り畳まれ、
たんぱく質に再合成される。こうして再合成されたたんぱく質がなければ、私たちは生命を維持することができない。
毎日の食事からきちんと接種する必要があるのはもちろんだが、ここで問題となるのは、とりすぎてしまった
場合だ。たんぱく質があまり次々と細胞内に運ばれていくと、折り畳みが不十分になり、できそこないのたん
ぱく質ができていく。
こうしたたんぱく質は不合格品なので使い物にならない。細胞内のゴミになってしまう。ゴミがたまっていけば、
細胞の活動が鈍くなっていく。
そうなれば、細胞に備わった自然免疫の機能も十分には働かなくなってしまう。自然免疫の機能も低下すると
なれば、病気にかかりやすくなってしまう。
・ 細胞に備わった「自然免疫力」を高めるためには、次の三つを常に頭にインプットしておき、自分の生活の中でできる限り実践していく。
1. 腸のデトックスに取り組む:腸には自然免疫の働きを補佐する、多数の免疫細胞が集結している。この免疫
細胞の代表がリンパ球だが、リンパ球は抗体という武器を製造することで、自然免疫の働きをバックアップしている。
お通じの状態をスムーズにし、腸の健康状態を高めることは、単に栄養の吸収力だけでなく、免疫細胞の働きを助けることにもつながる。
2. 酵素・ミネラル・ビタミンをしっかりとる
3. 無理をせず睡眠をしっかりとる
・ 抗生物質は、細菌を殺すための薬だ。そのため、ウイルスには効かない。たとえば、風邪はウイルス性
の感染症だから、抗生物質を処方されても症状を抑えられることはない。
・ 一般には、食事から摂取するカロリーの総量が体内で消費されるカロリーの総量を上回ってしまう状態
が続くと、余分な脂肪が体に蓄積されてしまい、それが肥満の原因になるとされる。
でも、私に言わせれば、これは一種の机上の空論だ。カロリーと呼ばれるものは食品の熱量を数値化したもの
だが、それはあくまで食べる前の数値でしかないからだ。
実際には口に入れた食べ物は、胃や腸で消化吸収されて、そこで初めて栄養素として体内に吸収されていく。
胃や腸の働きは個人差があり、その日の体調やその人の体質、ストレスの度合いなどによっても変わってくる。
また、それ以前に同じカロリーの食品でも、動物性であるか植物性であるかによっても、消化のされ方は変
わってくる。数字と現実の間にはギャップが常につきまとう。
このギャップを埋めるには、もっと確実なものを基準にする必要がある。それが、「おなかの調子」だ。おなかに
調子のいいものを食べる、そうすれば腸が元気に働いてくれる。食べた物の消化吸収、そして排泄がスムーズになる。
これが健康であるということだ。
・ 食べることをおろそかにすると、結果的に病気にかかりやすくなってしまう。なかでも最も問題となるのは
、肉類や牛乳・乳製品などの動物性食品のとりすぎだ。白米や食パン、めん類などの精製した穀類も同様だ。
どちらもたくさん食べ過ぎると腸の働きが鈍る。これらの食品には食物繊維がほとんど含まれていないため、水分
が抜かれて便になってもスムーズには排泄できない。
一方、野菜や果物、海藻などの植物性食品が、腸をきれいにする食べ物の代表だ。主食である穀類も含めれば、
85%を植物食に、残りの15%を魚も含めた動物食に充てるべきだ。やせるためではなく、腸をきれいにするために野菜や果物が必要なのだ。
・ おへそのまわりを触ってチクチクすることは?痛みを感じるようなら腸に相当な負担がかかっている証拠だ。
もちろん、腸が硬くこわばってしまっているということは、蠕動運動が鈍り、便が排泄できないまま停滞している状態と重なる。
こうした人の腸には憩室と呼ばれるポケットがあちこちにでき、潰瘍やポリープ、最悪の場合はガンが発症しやすくなる。
・ ファスティング(断食)というと「何も食べない」ことをイメージするかもしれないが、そんなことはない。
むしろ必要な栄養素はファスティング中でもしっかりとるべきだ。私がお勧めする朝のファスティングはとても簡単だ。
朝起きてから会社などに出かけるまでの間に、次のことを実行しよう。ポイントは「朝は加熱したものを食べない」
ということ。加熱調理した食品は消化を担当する腸に無用な負担をかけてしまうからだ。
1. 常温の良い水を500ミリリットル程度ゆっくり飲む:朝の起きがけにペットボトル1本分の水を、五分程度時間をかけてゆっくり飲む。
2. 季節の果物や野菜を生の状態でいただく:
・ 食材の生命力の差は、その食材に含まれる酵素の差だ。酵素は熱に弱いため、加熱してしまったものにはまった
く含まれていない。忙しい時は、野菜や果物をミキシングした「酵素生ジュース」を飲むようにするだけでかまわない。
市販の野菜ジュースや果物ジュースは、「100%」の表示があっても、工場で一度加熱したものを濃縮還元してい
るものがほとんどだ。こうしたものを飲んでも、本当の意味での栄養補給にはならない。
・ 遅くとも8〜9時までには夕食を終える習慣をつけるように。小腸が空いた5〜6時におにぎりなどを食べ、9時以降
は腸に負担のかからない雑炊やおかゆなどをとるなどして、少しずつ工夫をしていくといいだろう。
9時までに夕食を済ませる習慣が定着すれば、翌朝の果物食を挟んで、翌日の昼までの「15時間断食」が可能になる。
一日の半分を「食べない時間」に充てて、腸を休息させる。
・ たんぱく質摂取に関しては、「肉より魚、魚より豆」を原則にする。できれば血液をサラサラにする不飽和脂肪酸
(オメガ3)が豊富なイワシやサバなどの青魚を食べる機会を増やす。
また、煮干しのような丸ごと食べられる小魚には、鱗の部分に良質のコラーゲンがたっぷりと含まれる。たんぱく質を
原料にするコラーゲンは、体内の全たんぱく質の約30%を占めている。
肉類に含まれるゼラチンよりもはるかに吸収率がいいので、しなやかな体を作り出すには、魚を丸ごと食べるのが一番
のお勧めだ。こうした魚介類よりもさらに腸にやさしいのが、植物性食品である豆類だ。
特に大豆は、発酵食品である納豆や味噌、醤油、豆腐、高野豆腐、豆乳など、さまざまな加工食品が知られている。
少しずつでも構わないので、豆類を食卓に取り入れる工夫をしよう。また、大豆には煮干しと同様、コラーゲンもたっぷり含まれている。
・ 「出す」ことに関しては、腸以外に泌尿器官や皮膚などもそれぞれ役割を担っている。具体的に言えば、@腸→便、
A腎臓・泌尿器→尿、B皮膚→汗となるわけだが。
この中で体内の毒素が最も排出されやすいのは、圧倒的に@の腸→便というルートなのだ。
体内の毒素の75%が便を通じて排出される。汗はわずか3%、尿は20%だ。
・ 果物や野菜、海藻をとることは、ミネラルやビタミン、食物繊維、ファイトケミカルなどの摂取につながるが、
じつはこれらの栄養素はデトックスをうながす成分でもある。
・ デトックスに欠かせない「酵素生ジュース」の作り方:味が整いやすいリンゴとニンジンを基本にして、その日
ごとに季節の野菜、果物を数種類加えるといいだろう。
1. 季節の果物や野菜(リンゴ、ニンジン、キウイ、バナナ、キャベツ、小松菜など)を適量、ざく切りにしてミキサーに入れる
2. 水を100ミリリットルほど加え、10〜15秒ほど撹拌させる
3. そのまま大きめのコップに注いで出来上がり
・ 玄米は優れたデトックス食材だ。事実、玄米ごはんを長年食べている人は、お通じの状態がとてもスムーズだ。
・ 昆布、わかめ、もずく、ヒジキなどの海藻も、ミネラルやビタミン、食物繊維の宝庫。それに加えて、フコイダン
という特有のぬめり成分も豊富だ。昆布やわかめを包丁で細かく刻んでいくとぬめりが出てくるが、これがフコイダンの正体。
じつはこのぬめぬめしたねばりに、体内の有害物質を排出させる優れたデトックス効果がある。最近の研究では、
ほかにもガン細胞を自然死(アポトーシス)させたり、胃粘膜を保護するなど消化を助けたり、免疫力を高めたり、
血糖値や血圧を下げたりするなど、様々な効果も確認されている。
・ デトックス食材としては、キノコ類もおすすめだ。ミネラル、ビタミン、食物繊維が豊富で、日常的に摂取する
ことでデトックス効果を高めることができる。
またガン細胞の増殖や血糖や血圧の上昇を抑えたり、免疫力を活性化させたりする働きも報告されている。
・ 体調が悪い人には、天然のハーブがおすすめ。最近では、ファイトケミカルという呼び方がされているが、
植物にはミネラルやビタミン以外にも様々な活性成分が含まれている。
体のサビをとる抗酸化作用に優れたアントシアニンやイソフラボン、β‐グルカン、ペクチンなどのほか、フコイ
ダンのようにデトックス作用を持ったものも多くある。
・ デトックス作用を持った生薬の中でも注目されるのは、花のつぼみのハーブだ。まだ花びらが開ききっていない、
開花直前の花のつぼみを乾燥させたものが最もデトックス効果が高い。
具体的には五つのハーブだ。桃の花、金銀花、橙花、チベット紅花、西洋人参花。
・ 腸をクリーニングする七つのポイント
1. 朝のファスティング:朝一番に良い水を500ミリリットル程度飲み、そのあと季節の果物、野菜サラダなどをい
ただく。朝は腸を休める時間帯なので、食事は消化しやすい生の食材のみとして、加熱した食品の摂取は控えるのが基本。
2. 食事の時間の改善:夕食は遅くとも8〜9時頃までに済ませるようにし、この時間以降、固形物はなるべくと
らないようにする。お昼までの時間帯に空腹を覚えたら、ナッツ類やドライフルーツなどをつまむようにし、
ガムや飴、菓子類はとらないようにする。
3. 「白いごはんと肉類」の摂取を控える:「植物食85%:動物食15%」が食事の基本。腸の働きに負担をかける
肉類や牛乳・乳製品、精製した穀類の摂取を控え、たんぱく質の摂取に関しては「肉より魚、魚より豆」を心がける。
4. 酵素生ジュース:リンゴとニンジンを基本に季節の果物や野菜をミキサーにかけ、大きめのコップ一杯飲む
ようにする。おなかが空きやすい人はバナナなど腹持ちのいい果物を加えるとよい。
5. 主食を玄米ごはんに切り替える:食物繊維の補給源として軽視できないのが、玄米の存在。主食を白米から玄米
に切り替えるだけでもお通じの状態は改善される。すぐに切り替えられない人は、まず胚芽米にトライするか、白米
に雑穀、豆類などを混ぜるとよい。
6. 海藻・キノコ類の摂取を増やす:
7. 花のつぼみのハーブ&コーヒーエネマの活用:花のつぼみのハーブは優れたデトックス作用があり、食事の改善
をサポート。仕事などで忙しく食事が不規則になりがちな時も、腸の健康をしっかり整えることができる。
腸のクリーニングの仕上げとして、コーヒーエネマも定期的に行う。ひどい便秘症もすみやかに改善できる。
・ 私たちの体の60〜70%は水で占められている。この水は体液と呼ばれ、細胞内液と細胞外液との大きく分けられる。
血液やリンパ液などの細胞外液は体液全体の30%程度。
体内の水分の70%近くは、60兆にも及ぶ細胞一つ一つの内部に収められている。要するに、細胞膜という壁に仕切られ
た細胞の内部は、ほとんど水なのだ。
この細胞内液は、日常生活の中で生じる様々な老廃物によって汚れてしまうことで、細胞内部の諸器官の働きを低下させ
てしまうため、たえず新鮮なものに入れ替えていく必要がある。つまり良い水をとるということは、細胞の内部の水を入れ替えるということ。
1. 良い水を一日当たり1〜1.5リットルほど飲む
2. 水以外の水分を極力とらないようにする
3. 氷の入った冷水はとらず、常温の水の補給を基本にする
4. 還元作用の高い水をとるようにする
・ 私たちの体が一日に必要としている水分量は約2.5リットル。水分は食べ物から1リットルほどは自然に取り入れ
られるため、残りの量を「水を飲む」ことから補給する必要がある。
・ お茶はカフェインの量が非常に多く、苦味成分であるタンニンは胃ガンを増やすというデータもある。また、
お茶以上に問題があるのは、砂糖がたっぷりと入った清涼飲料水、コーラ、スポーツ飲料の類だ。
・ 氷の入った水は、そのまま飲むと腸が冷え、腸内で働く免疫細胞の働きにも支障が出てきてしまう。水は常温で飲むこと。
・ 本当の還元力の高い良い水には細胞を若返らせ、遺伝子の傷を修復させる働きがある。なお、還元力の高い
良い水を飲む手段としては、「良い塩を一つまみ加える」という簡単な方法もある。
・ 酵素は熱に弱く、48度以上に加熱すると変成してしまうため、生きている食材にしか含まれていない。
・ 保存性の高い漬け物のような発酵食品はもっと積極的にとりたい食品のひとつだ。
・ 神経伝達物質の分泌のアンバランスをうまく調整してくれるのが、同じ神経伝達物質の一つ、セロトニンだ。
言ってみれば、情報伝達グループの総まとめ役にあたる。
このまとめ役の分泌そのものがうまくいかなくなると、感情がうまくコントロールできなくなり、不安定な精神状態に陥ってしまう。
・ 体内で生産されるセロトニンの95%は腸で作られている。脳での生産量はわずか3%ほど。腸の働きが安定
すると心も安定するということは、日々の生活の中で誰もが体感しているはずのことだ。
こうした体感とセロトニンの多くが腸で作られているという事実を結びつけると、脳が精神活動の中心である
という捉え方自体、絶対的なものと言えるかわからなくなる。
・ 私たちの直接の祖先であるセキツイ動物は、腸から始まった。ナマコのような生物を思い浮かべるとわかるが、
初期のセキツイ動物は口から肛門へと続く一本の消化管だけで成り立っていた。
この消化管に沿うようにして脊髄の原型となる神経が延びていたが、この神経の先端が脳に進化したのはずっと
後代のことだ。脳が形成されるまで、生物は何も感じず、ただ機械のように活動していただけだったのだろうか?
免疫学の第一人者として知られる医学博士の西原克成は、こうした生物の系統発生を丹念にたどることで「心(感情)
の紀元は腸にある」と論じている。
腸にはこのセロトニンに限らず、自律神経の一つで、消化を司りる副交感神経の働きとも密接なかかわりがある。
この副交感神経はリラックス時に働くが、脳からは独立して機能していることから、腸が「第二の脳」であるという
捉え方もされている。
腸が元気だと心も安定するのは、副交感神経が優位であるからだともいえる。
・ 私たちは食事から栄養素を得るだけでなく、呼吸から酸素を取り入れ、血液を通じて全身の細胞に運搬し
ている。
栄養素と酸素が細胞内のミトコンドリアという器官でATPというエネルギーに変換されることで、こうして元気
に活動することができているわけだ。
言い換えるならば、いくらしっかりと栄養補給ができても、酸素補給が不足していると十分な活動エネルギーを
得ることができない。いつも元気な人というのは、しっかり呼吸ができている人と言うこともできる。
精神的に不安定な人は、知らず知らずのうちに呼吸が浅くなってしまっているものだ。怒ったり、イライラしたり
している時も、自然と呼吸が浅くなる。
心身のバランスが崩れている時は、毎日の食事に気を配るだけでなく、深い呼吸を意識して行うことも心がけるこ
とだ。体の毒素をすべてデトックスするような気持ちで息を吐き出し、そのあとゆっくりと鼻から新鮮な空気を
ゆっくり吸い込むようにする。
こうした腹式呼吸を日に何回か行う習慣をつけるといいだろう。腹式呼吸を続けていくと、副交感神経が優位にな
るため徐々にリラックス効果が得られやすくなる。
また、呼吸の際に肺が上下することで肺と腸との境界にある横隔膜が刺激され、腸の働きも活性化する。呼吸が腸
のクリーニングにもつながっていくのだ。
・ うつの予防という点では、日頃からウォーキングの習慣をつけ、筋肉を動かすことも大切だ。一定のペースで
歩くようにするだけでも体温が上がり、血流が良くなるため、細胞の代謝がさかんになる。
意外に見落とされているものだが、うつに悩まされている人は低体温であることが多い。基礎体温が36度以下という人は、特に要注意だ。
・ 体を動かすのが好きで、何か習い事をしたいという人は、太極拳やヨーガ、フラダンスのような呼吸法を取り
入れたゆったりした運動を定期的に続けるといいだろう。
ゆったりした運動は体のコリをほぐし、呼吸力を高めてくれるほか、適度な体温アップに役立つ。
・ 内臓脂肪がおなかにたまるかどうかはカロリーの問題ではなく、食べているものの内容によるところが大きい。
内臓脂肪が溜まっている人というのは動物性脂肪を多くとっているケースが圧倒的に多い。
食べたものがしっかりと排泄される、そうしたサイクルが続くように食事を工夫すること。食事だけでこのサイクル
がうまく回せないようなら、花のつぼみのハーブやコーヒーエネマなどを取り入れ、腸のデトックスをするといいだろう。
腸の外側に付着した脂肪(内臓脂肪)は腸の内側をクリーニングしていくことで自然と減っていく傾向がある。
・ 自然免疫力とは、体中の細胞一つ一つに備わった「病気から身を守る力」のことを指している。この自然免疫力
が働きやすい状態というのは、細胞そのものが元気である常態であることがわかるだろう。
この時、細胞内では病原体をキャッチするセンサーが作動し、同時に異物や老廃物を解毒分解する酵素=ニュー
ザイムも働いている。
ガンというのは、細胞内の核に収納されている遺伝子の修復ミスによって起こるとされているが、そのおおもとになる
のは細胞そのものの機能低下なのだ。
まずはニューザイムの力を借りて、細胞内にたまっているゴミを取り除き、細胞内の体液(細胞内液)をきれいにするこ
とから始めよう。そのカギを握っているのが、朝のファスティングや腸のクリーニングだ。
『病気にならない生き方3 若返り編』 新谷弘実 サンマーク出版 (2008)
エンザイムを活性化させるためには、水を飲むことが大事であることを繰り返し述べている。
・ 老化とは、エンザイムパワーが衰えることだ。エンザイム(酵素)というのは、生物の細胞内で作られるたんぱく質性
の触媒の総称。
体内における物質の合成や分解、消化、排出、解毒など、およそ生命を維持するために必要な活動には、すべてエンザイムが関与している。
・ なぜ便秘をすると肌のトラブルが生じるのだろう。腸は食べ物を消化吸収する器官だ。腸が健康であれば、
必要な栄養素はきちんと吸収され、不必要な食べ物のカスや腸内で生じた毒素は便として排出される。
しかし、便秘をしていると、こうした毒素の排出がきちんとできなくなってしまう。その結果、腸内にたまった
毒素は出口を求めて腸壁から血管へと流れ、血管を通して全身をめぐることになる。
そして、最終的に皮膚の汗腺から体外へ出るが、その際に、皮膚にダメージを与えてしまう。これが便秘によっ
て生じる様々な肌のトラブルのからくりだ。
アトピー性皮膚炎も、アレルゲンの多くは食べ物であり、腸の免疫機能を高めると皮膚炎が治まることはよく知られている。
・ 現在の医学では、人間の寿命の限界は120歳程度だといわれている。そして、100歳以上の、長生きしてい
る人というのはみな、総体的にきれいな腸をしている。つまり、彼らは、腸がきれいだからこそ、長生きができていたということだ。
・ 老化を進めている最大の要因は「酸化」だ。つまり、酸化によって細胞がダメージを受け、正常な細胞と
して再生できなくなった状態、それが老化だ。
体内に酸化物質が侵入、または発生したとき、それによって細胞がダメージを受けないように守ってくれる
のは、様々な抗酸化物質、とくにSODに代表されるエンザイムだ。
だから、エンザイムの体内保有量が多ければ多いほど、体は酸化しにくい、つまり老化しにくいといえる。
エンザイムの体内保有量を多い状態に維持する最も良い方法が、腸相をきれいに保つ食事と生活習慣を守ることだ。
腸相が悪化すると、腸内で発生した毒素を分解するために大量のエンザイムが消費されるため、エンザイムの
体内保有が減少し、抗酸化能力そのものが低下してしまうからだ。
さらに腸は、善玉の腸内細菌により多くのエンザイムを作り出し、私たちの健康維持を助けてくれている大切
な常在菌が数多く住んでいる場所でもある。
その腸内の環境が悪化すると、常在菌も善玉菌優位から悪玉菌優位へと変化するため、生産されるエンザイムの
パワーが著しく低下してしまう。さらに、腸相の悪化はもう一つの理由で老化をさらに促す。
それは免疫機能の低下だ。腸は人体最大の免疫器官だ。腸は、体に害があるものが入ってくると、どんな臓器よ
りも素早く反応し、その情報を免疫システムに伝達し、それが腸内であれば下痢を起こさせ、毒素を体外へと
排出し、ほかの部分であれば、免疫細胞を送り、異物の排除にあたらせる。
ウイルスなど外部から侵入した異物から体を守ってくれるのが白血球、なかでもガン細胞すら食い殺してくれる
免疫細胞として知られるNK細胞(ナチュラル・キラー細胞)や、マクロファージ、T細胞、B細胞といった「リンパ球」は、
その60〜70%が、腸内に存在している。
つまり腸は、全身を網羅する免疫システムの司令塔の役目を担っているのだ。
・ 老化を進める食べ物の第一にあげられるのは、「酸化した食べ物」だ。酸化した食べ物は、体内でフリーラジ
カル(活性酸素)を大量に生み出し、細胞を傷つけるうえ、その解毒のために大量のエンザイムを消耗させてしまう。
気をつけてほしいのが、最初から酸化してしまっている食材だ。搾った油はその代表といえる。製造される段階で、
すでに酸化してしまっているので、使用を最小限にとどめてほしい食材だ。
次にあげられるのは、「動物食」だ。とくに「肉」は、老化を早める食べ物といえるだろう。肉食が多くなって日本
人の体格が立派になったのは事実だ。しかし、これには別の理由が関わっている。
それは、動物性タンパク質を多く摂ると成長スピードが速くなるということだ。つまり、肉を食べたこと自体で体
が大きくなったのではなく、たまたま成長期に動物性タンパク質を多く摂るようになったので、成長期に成長する
スピードが速くなり、結果的に体が大きくなったということだ。
しかし、成長スピードが速いというのは、必ずしもいいことではない。なぜなら、「成長スピードが速い」というこ
とは、ある一定の年齢を過ぎれば、「老化スピードが速い」ということになるからだ。
また、肉に含まれる脂肪は、人間の体温ではうまく溶けることができないため、血液をドロドロにしてしまうとい
うデメリットもある。牛や豚、鶏の体温は、人間より高い38.5〜40度だ。
彼らの脂肪は、そうした温度で最も安定するようになっているため、それより低い体温の人間の体内では、ベタっと
固まってしまうのだ。この脂のベタつきが血液をドロドロにしてしまうのだ。
血液の流れが悪いと、栄養が細胞の隅々にまで十分に行き渡らないため、細胞の新陳代謝を阻害することになり、老化を促進させてしまう。
・ 1977年にアメリカで発表された「マクガバン・レポート」には、人間にとって最も理想的な食事は、元禄時代
以前の日本の食事だと述べられている。元禄時代以前の日本食の主食は、玄米、つまり未精白のお米だ。
玄米はでんぷん質、糖質のほかにも、食物繊維やビタミン、ミネラル、そしてエンザイムも豊富に含んでいる。
こうした良質の炭水化物は、非常に効率よく消化吸収されるので、タンパク質や脂肪を消化吸収した際にできや
すい毒素を生みだす心配がない。
それに食物繊維が豊富なので、便秘を解消させ、老廃物や毒素が排出されやすくなる。さらに、白米では失われて
しまう胚芽の部分には「フィチン酸」という残留農薬の排泄を促す成分が含まれている。
・ でんぷん質を多く含む炭水化物は太りやすいので、ダイエットのためにはできるだけ炭水化物を抜いたほうが
いいという人がいるが、六ヶ月以上、炭水化物抜きの食事を続けていると腸相は確実に悪化していく。
・ 内臓脂肪が多くついている人の多くは、脂ののった肉や脂肪の多い乳製品を多量に摂っていることがわかった。
皮下脂肪型肥満で油ものが好きな人もいるが、そういう人はどちらかというと、植物由来の油を使ったものを多く摂っていた。
動物性の脂肪やタンパク質を多く摂っている人というのは、食事から摂れるエンザイムが少ないうえ、消化吸
収や体内で発生する毒素を分解するために大量のエンザイムを消費する。
そのため、ミラクル・エンザイムの保有量が、どうしても少なくなる。同時に、腸内環境の悪化は、炎症性の微生
物の増加を招き、腸の粘膜はその刺激を受けて、多くのヒスタミンや活性酸素が生成され、刺激に過敏なアレル
ギー状態を引き起こす。
つまり、動物性タンパク質、動物性脂肪の過剰摂取で全体的にかたく、内腔が狭く、長さも短く、そして過敏にな
っている腸を外的刺激から守るために、内臓脂肪がつくのではないかと考えられる。内臓脂肪がつくメカニズムは、まだわかっていない。
・ アルコールの摂り過ぎが、肝臓を「脂肪肝」に変えてしまうことはよく知られている。「脂肪肝」というのは、
肝臓に脂肪が蓄積された状態のことだ。
肝臓は、腸で吸収した栄養素をいったん蓄え、体が使いやすい形に作り替えて全身に送るという働きをしている
とても大切な臓器だ。たとえば、タンパク質は腸でアミノ酸に分解・吸収され肝臓に送られる。
肝臓はそのアミノ酸を、人間の体に合ったタンパク質に再合成して全身へと送り出す。同じように、腸で脂肪酸
に分解・吸収された脂肪は、肝臓でコレステロールやリン脂質、中性脂肪などに作り替えられてから全身に送られる。
こうした働きをするため、健康な肝臓でも、3〜5%の脂肪が絶えず存在している。しかし、肝臓の機能が低下した
り、食べ過ぎによって大量の栄養素が肝臓に流れ込む状態が続いたりすると、肝臓に脂肪が溜まっていく。
こうして肝臓に脂肪が溜まった状態が脂肪肝だ。一般的には、脂肪が肝臓の30%以上を占めるようになると脂肪肝
と診断される。
脂肪肝の原因には、このように肥満を原因とする「過栄養性」のほかに、アルコールの摂りすぎによる「アルコー
ル性」の脂肪肝がある。アルコールは腸でも吸収されるが、その20%はすでに胃で吸収される。
胃から肝臓に送られたアルコールは、いったん毒性の強いアセトアルデヒドという物質に分解される。人体に有害な
アセトアルデヒドは、さらにエンザイムの働きによって酢酸に分解され、最終的には水と炭酸ガスにまで分解され
、体外に排出される。
しかし、分解しきれなかったアルコールやアセトアルデヒドは、完全に分解されるまで何度も体中をめぐる。こうして
アルコールが体の中を巡っている状態が、「酔っぱらった」状態だ。
そして、アセトアルデヒドがなかなか分解できず体内に長く残ると、毒素によって吐き気や頭痛が生じる。これが「二日
酔い」の正体だ。
アルコールの分解にはいくつもの段階が必要だが、そのたびにエンザイムが消費されるので、大量のエンザイムが
消耗される。それだけではない。
分解の過程でたくさんの活性酸素が発生するので、それを解毒するためにもさらに多くのエンザイムが使われる。
このとき十分なエンザイムが体内にあれば、それほど問題はないが、アルコールの過剰摂取が続いている人などは、
もともとエンザイムが不足した状態にあるので、活性酸素による被害を防ぎきれなくなる。
その結果、肝臓の細胞が活性酸素により破壊され、肝臓に隙間ができてしまう。すると肝臓は、できてしまった空
間をふさぐために、もっとも手近な「脂肪」を用いる。
つまり、アルコール分解過程で発生する毒素による肝細胞破壊と、脂肪による損傷個所の補填、これを繰り返して
いった結果が、アルコール性脂肪肝なのだ。これと同じことは、他の薬物の長期大量摂取によっても起こる。
・ 内臓脂肪の多い患者には、まず真っ先にすべきこととして、動物食をできるだけ減らすよう指導している。どん
なに多くても肉は少量を月に1〜2回、魚は脂肪の質が違うので週に2回ぐらいなら食べても大丈夫だが、できるだ
けタンパク質は豆類などの植物由来のものから摂るように指導している。
そして次に、腸相を改善するために、玄米に雑穀を混ぜた穀物を主食に、野菜、海草、果物を副食として摂る食事
をするようにしてもらう。
このとき、血液やリンパ、胃腸など体内の流れをよくするためにも、十分な水も忘れずに飲んでもらうようにする。
この方法を実践すると、たんに内臓脂肪が減少するだけでなく、三ヶ月から半年ほどで、腸相は見違えるほどよくなる。
・ お酒は体にとっては百害あって一利なし、とくにお酒に弱い人は要注意だ。最初はお酒に弱かった人も、飲み
続けていると結構な量を飲めるようになる。
でもそれは飲み続けることで体が危機を感じ、その部分に解毒用のエンザイムを優先的に集めるようになった結果だ。
それに、お酒の分解ができるということは、それだけ大量のエンザイムを消費しているということでもあるので、
お酒が飲めるようになったと喜んでばかりはいられない。
特に女性は、エストロゲンという女性ホルモンがあるので、アルコール代謝に男性よりも時間がかかり、アルコー
ル中毒になりやすいので注意が必要だ。
・ もっとも優先的に水が供給されるのは、「脳」だ。脳は、85%もの水を含んでいる。次に水が優先されるの
は「肺」だ。次に「肝臓」「腎臓」といった内分泌系の臓器が続き、比較的後回しにされてしまうのが、筋肉や骨。
そして、最も後回しにされてしまうのが「皮膚」だ。老化の最初の兆候が、皮膚に表れるのもこのためだ。
・ 「水」と「水分」は別のものとして、考えることが必要だ。そして、体が必要としているのは、「水分」ではなく「水」だ。
・ 飲水療法を提唱したのは、アメリカを活動拠点としたイラン人医師バトマンゲリジ氏だ。彼は、人間の体に
とって「水」がどれほど重要なものであるか、医学的に研究し、現代人が苦しむほとんどの病気の原因は、
「体細胞の慢性的な水不足による代謝障害が原因だ」と主張した。
彼の著書はアメリカで大ベストセラーとなり、慢性的な病に苦しむ多くの人が、彼の飲水療法で救われたという。
・ ドライアイは目の問題だけではなく、体の中の水分不足と考えるべきだ。ドライアイになったら、コップ2〜
3杯の水を飲み、しばらく目を閉じる。そのほうが、目薬をさすよりもはるかに安全で有効な対処法だ。
でも、もっともよいのは、定期的に水を飲み、体全体につねに十分な水分が供給される状態を作っておくことだ。
・ 足がつるのは、ふくらはぎの筋肉の収縮がうまくいかず痙攣を起こすためだが、そもそも収縮がなぜうまく
いかなくなるのかというと、血中の水分量が減ることによってミネラルバランスが崩れるためだ。
・ 体液には、「細胞内液」と「細胞外液」の二種類がある。細胞内液というのは、細胞の中にある水分、細胞外液
というのは、細胞の外に存在している水分、具体的に言うと、血液やリンパ液、細胞と細胞の間に存在している細胞間液のことだ。
私たちの体は約60〜70%が水分だが、その内訳は、約40%が細胞内液、残りの20%は細胞外液として存在し
ている。
体に入ってくる水の量が不足したり、大量の水分が失われたりすると、最初に失われるのは血液やリンパ液
といった細胞外液だ。細胞外液が減少すると、体は細胞内液に水分を供出させ、血液の減少を食い止めようとする。
こうした細胞外液への水分供出によって、細胞内液は正常時の保水量の約65%まで落ち込む。細胞内液が減
少するということは、その細胞は正常な働きができなくなるということだ。
細胞内で作られるエンザイムの生成量が低下し、少ししかないエンザイムの活性度も低下する。エンザイムの量
と活性が失われるということは、酸化に対抗するエンザイムパワーが失われるということだ。
脱水が細胞の老化を促進するのは、水不足によって、エンザイムパワーが低下するからだ。だから、いつまで
も若々しくあるためには、体が脱水しないように、十分な水分補給するとともに、脱水を招く要因を排除する
ことがとても大切だ。
アルコールと喫煙は脱水を招く大きな原因だ。さらにカフェイン。カフェインには非常に強い利尿作用が
あるので、水分補給のつもりでカフェインの多いお茶やコーヒーを大量に飲むと、かえって深刻な脱水を招くことになる。
カフェインを多く含む飲み物は、一日に2、3杯以上飲まないようにしたほうが賢明だ。
・ 汗によって失われたミネラル分を補う最も良い方法は、水を飲む時に、良質の塩(コップ1〜2杯の水
に対し、指先にちょっと塩をつけてなめる)をいっしょに摂ることだ。
・ 私たちの体を、実年齢以上に老化させる原因は酸化だ。その酸化に対抗するもっとも強力な抗酸化物質が
SOD・カタラーゼ等のエンザイムだが、その抗酸化物質であるエンザイムを生成するには、体の細胞内と体の中
の常在菌、とくに腸内細菌が大きく関わっている。
よい食品を摂り、よい水を十分に摂ると、腸内環境がよくなり、細胞が潤うので、エンザイム・遺伝子(細胞)・
微生物(腸内細菌を含む)という三者の「トライアングル・コミュニケーション」がスムーズになる。
それは、たんにエンザイムの生産量が増えるだけでなく、質の高いエンザイムが作られる。
・ カフェインが脳に与えるダメージは脱水だけではない。カフェインは、細胞内の情報伝達において、二次
的な情報伝達物質としての役割を果たすエンザイム「PDE(ホスホジエステラーゼ)」の働きを阻害してしまう。
つまり、カフェインを多く含むものを摂ると、体内の情報伝達が阻害されてしまう危険があるのだ。しかも
このPDEは、体内の情報伝達の中でも、特に脳で行われる学習や記憶のプロセスに関与していることがわかっている。
事実、最近の実験では、カフェインの摂取が生体の視覚と記憶分子にダメージを与えることがわかって
いる。
飲水療法を提唱しているバトマンゲリジ医師も、アルツハイマー患者や学習障害児がカフェインの多い
飲み物を飲むことの危険性を強調している。
・ エンザイムが働くためには、ビタミン、ミネラルといったコエンザイム(補酵素)が必要不可欠だ。そうし
たものを細胞まで運んでくれるのは血液に代表される体液だ。
その体液がスムーズに流れないと、細胞の機能は著しく低下し、ひどいときには死滅してしまう。では、どう
すれば血行をよくすることができるのだろうか。最も効果的なのは、十分な量の「水」を飲むことだ。
・ 老化の象徴ともいえる「白髪」も、頭皮の血行不良が関係している。白髪は頭皮の毛根部分でメラノサイ
トを生みだす幹細胞が死滅することで生じるが、血行不良が幹細胞の死滅を引き起こしていた。
喫煙者に早期の白髪が現れる確率は、非喫煙者の四倍にも上る。
・ エンザイムパワーを低下させるもう一つの大きな要因は、体温の低下だ。エンザイムが最も活性化する温
度は、37〜40度の間。
私たちの体温は、普段は体温調節中枢によって一定に保たれているが、病気になると、この体温調節中枢か
ら発熱を促す発熱シグナルが出される。
これは、体温を高めることによってエンザイムの活性を促し、免疫力を上げようとしているのだ。体温が0.5
度下がると免疫力は35%も低下するといわれているが、これは体温の低下によってエンザイムの活性が失われるからだ。
最近の研究では、ガン細胞は体温が35度台のときに最も活性化することが報告されている。
『病気にならない生き方2 実践編』 新谷弘実 サンマーク出版 (2007)
エンザイムの消耗を防ぎ、かつエンザイム生成を活性化し、健康に生きていくための貴重な情報が満載。今回も目からウロコの情報が多数。お勧め。
・ 「エンザイム(酵素)」というのは、生物の細胞内で作られるタンパク質性の触媒の総称で、生命の維持・活動に欠かす
ことのできないものだ。植物の種が発芽し、成長するのにもエンザイムが働いているし、私たちが食べたものを消化吸収
するのはもちろん、手を動かしたり、ものごとを考えたりするのも、エンザイムの働きのおかげだ。
人間が生きるために必要不可欠なエンザイムは、五千種以上といわれている。一つのエンザイムは特定の一つの働きしか
しないという特性があるからだ。
・ 生命を支えているさまざまな「ボディ・エンザイム(体内酵素)」には、特定の場所で特定のエンザイムが大量に消費され
ると、他の部分で必要なエンザイムが不足する傾向が見られる。
この事実から、エンザイムというのは、何千種類ものものが個別に生成されるのではなく、原型となるエンザイムが先に作られ、
それが必要に応じて作り替えられ使われているのではないかと思う。この様々なボディ・エンザイムの原型となるエンザイムを
「ミラクル・エンザイム」と私は名づけた。
・ 最も多くのエンザイムを消費するのは「解毒」作用においてだ。そのため、解毒しなければならない要素が多い人ほどエンザ
イムの消耗が激しく、その結果、健康維持に必要なエンザイムが不足し、病気になりやすくなると考えられる。
だから、病気にならない食生活・生活習慣というのは、「体が解毒しなくてもいい食事」と「体が解毒しなければならない要素を
素早く排出する生活習慣」だということができる。
・ エンザイムの消耗を防ぐだけでは充分ではない。健康で長生きするためには、ミラクル・エンザイムを「増やし、活性化させる」ことが必要だ。
・ エンザイムは私たちの体の中で作られるが、その生成方法は二つある。一つは細胞内で生成、もう一つは体内の常在菌に
よる生成だ。まず細胞内でのエンザイムの生成をスムーズにするためには、その原料となる「エンザイムをたくさん含んだ生き
た食物」を摂ることが必要だ。そして、体内の常在菌による生成を増やすためには、腸内環境をよくすることが必要だ。
・ 動物食を常食していると、体は酸性に傾く。本来人間の体は、pH7.4という弱アルカリ性をしている。それが酸性に傾くと
、体は体内の骨や歯に含まれるカルシウムやマグネシウムといったミネラルを使って、pHバランスを元に戻そうとする。動物食
の多い人が骨粗しょう症になりやすいのはこのためだ。
また、動物食は食物繊維を含まないため便の量が減り、その少ない便を排出するために過度に蠕動運動を繰り返すため、腸の壁
の中の筋肉である輪状筋(腸をぐるっと取り巻いている筋肉)と縦走筋(縦に長く走っている筋肉)が肥厚し、腸がかたく短くなっていく。
かたくなり強く収縮すると腸内の圧力が高くなるため、憩室と呼ばれるポケット状のくぼみが左側の大腸にできやすくなる。
その憩室や厚くなったひだの間に便がたまり停滞すると、腸内に多量の毒素を生み出す。この毒素が腸内環境を悪玉菌優位に
変え、ポリープやガンといった深刻な病気を作り出していく。
さらに、動物食に含まれる脂は酸化しやすく、体内に大量のフリーラジカル(活性酸素)を作り出す。フリーラジカルは様々な
健康被害をもたらす。
・ 「遺伝」よりも、食生活・生活習慣の「継承」のほうが、病気の要因としてははるかに大きいと思われる。つまり、民族とし
ての食歴、その個人が属する家族の食歴が、発病率に大きく関わっているということだ。
・ アンチエイジングには危険なものがたくさんある。たとえば、美しい肌を取り戻す方法として、多くの女性の注目を集めて
いるケミカルピーリングは、肌の大切なバリア機能を壊し、かえって深刻な肌トラブルを招く危険性がある。私たちの皮膚とい
うのは、表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」という三層構造をしている。
そのなかで水分の蒸発を防ぐとともに、異物の侵入を防ぐという「バリア」の役目を果たしているのは、わずか20ミクロン(1ミク
ロンは千分の一ミリ)の厚さしかない、表皮の「角層」部分だ。角層はとても薄いので、爪でひっかいただけでもバリアは損なわれてしまう。
爪でひっかいた傷が赤く腫れたりするのは、バリアが壊れたところから雑菌が入り炎症を起こすからだ。この大切な「バリア」
である角層は、古くなった表皮が薄い膜のようになったもので、私たちが「垢」と呼んでいるものだ。皮膚に必要以上に強い刺
激を与え続けていると、炎症や色素沈着を起こしやすくなるので、必要以上に垢を落とすことは避けたほうがいい。
アカスリなどしなくても不要な角層は自然と剥がれ落ちるようになっている。ケミカルピーリングは、薬品を使い、角層はもち
ろん表皮までもはがして、強制的に表皮細胞の新陳代謝を促す。たしかに、施術後すぐは美しくなったように見えるが、それは
バリア機能も持たない未成熟な皮膚だ。
水分を保持することも、異物の侵入を防ぐ力も持たない。そんな未成熟な皮膚がいきなり外気にさらされるのだから、トラブル
が起きてもおかしくはない。紫外線などの刺激にも弱く、かえってシミのできやすい肌になってしまう。
もう一つ、アンチエイジングで危惧しているのは、ヒト成長ホルモンを投与する方法だ。成長ホルモンとは、骨や筋肉の形成、
新陳代謝などに関わる重要なホルモンだが、成人を過ぎた頃からその分泌量は減少していく。分泌量のピークは十代で、四十代
になると約半分、八十代ではピークの二十分の一にまで減少する。
成長ホルモンの減少は、体に様々な老化現象をもたらす。肌の張りがなくなるのも、運動能力が低下するのも、白髪が生えるの
も、性機能が低下するのも、成長ホルモンの減少から来ている。ヒト成長ホルモンを投与するアンチエイジング法を行うと様々
な変化が現れる。
脂肪分解作用が高まることによるダイエット効果、女性では肌の張りが回復するだけでなくバストアップも望める。そのほかに
も身長が伸びたり、発毛育毛効果も現れる。それほど大きな効果があるということは、それだけ大きな変化が体内で起きている
ということだ。
ヒト成長ホルモンの投与を続けている間は、見た目は若々しいかもしれないが、それによって遺伝子に仕組まれた細胞分裂の限
界数が変わるわけではない。さらに、現在使われている「ヒト成長ホルモン」というのは、遺伝子組み換え技術によって人工的に
作られたものだ。
その安全性は動物実験によって確認されたものであり、実際に人間に何十年も投与した結果が検討されたわけではない。私は、
本当に健康的な生活を送っていれば、無理にアンチエイジングを心がける必要はないと考えている。
・ よく欧米人の腸は、日本人の腸に比べて短いといわれる。そしてこうした違いは先天的なものであるかのような言われ方を
する。でも、それは間違いだ。彼らの腸がかたく短くなっていたのは、過剰な動物食摂取によって後天的に変化したものだ。
日本人の腸も、最近では動物食の増加に伴い、かたく短いものとなり、腸相が悪化するとともに、生活習慣病が急増の一途をたどっている。
・ 便秘をすると吹出物など肌荒れがひどくなるのは、腸内で発生した毒素が腸壁から吸収され、その毒素の溶け込んだ血液が
皮膚へと送られた結果だ。肌荒れは目に見える場所で起きるトラブルなので目立つが、同じようなことが、目に見えない体の中
のいたるところで起きていると考えなければいけない。
そして、全身に運ばれた毒素が細胞内の遺伝子を傷つけた場合、最悪のケースでは様々なガンの原因にもなりうる。腸相の悪化、
腸内環境の悪化は、たんに腸だけの問題ではない。腸に悪いことは全身にとっても悪いことなのだ。
・ 一つひとつの細胞が健康な状態を保つためには、すべての細胞に必要な栄養と酸素がきちんと行き渡り、代わりに老廃物と
二酸化炭素がきちんと排泄されることが必要だ。そして、そのためには、血液・リンパという体の中の体液がスムーズに流れる
ことが大切だ。
たばことお酒は最悪の生活習慣だ。喫煙や飲酒が習慣化すると、全身の毛細血管が収縮してしまうので、細胞に充分な酸素と栄
養を届けることができなくなり、同時に老廃物を排泄できなくなる。喫煙・飲酒習慣があり、肌が荒れている人、肌の色がくす
んだり黒っぽくなっている人は、すでに体が危険信号を出していると思った方がいい。
肌のくすみや荒れは、肌の細胞が酸欠状態を起こし、排泄しきれない老廃物や毒素が細胞にたまることによって生じているからだ。
目に見える皮膚にたばこや飲酒の弊害が現れている人は、胃や腸内の粘膜や毛細血管にも形態の異常や出血といった変化が生じている。
・ エンザイムを含んだ食物を食べても、その食物に含まれるエンザイムがそのまま吸収されて使われているわけではない。エン
ザイムはタンパク質の一種なので、アミノ酸にまで分解され、吸収されるからだ。エンザイムが分解されたアミノ酸と、そうでは
ないタンパク質が分解されたアミノ酸では「もっている情報」が違う。
つまり、エンザイムを分解したアミノ酸には「エンザイムの情報」が含まれている。エンザイムがバラバラに分解され、何種類もの
アミノ酸として吸収されたとしても、それらは同じ情報を共有しているのではないか。そのため、体内でエンザイムを生成しよう
とするとき、同じエンザイム情報を持つアミノ酸の方が再合成されやすいと考えられる。
だから、エンザイムの情報をもつアミノ酸を摂取するためには、エンザイムを多く含む食物を摂ることが大切だ。
・ エンザイムを多く含む食物とは、「生きている食物」ということだ。生命のあるところには、必ずエンザイムと遺伝子がある。だから、
野菜でも穀物でも、できるだけ生きているもの、肉や魚でもできるだけ新鮮なものを選ぶことが、エンザイムの多い食物を選ぶことにつながる。
・ 私たちの体の中で大量のエンザイムを生成しているのが腸内細菌だ。腸内細菌は、およそ三千種類ものエンザイムを作っ
ているといわれる。こうした有益なエンザイムを生み出す腸内細菌は、一般的に「善玉菌」といわれる。
しかし、「悪玉菌」といわれる腐敗作用の強い菌も、私たちの体に有害なものをいち早く排出するためには必要な菌だ。
だから大切なのは、腸内環境を整え、善玉菌と悪玉菌のバランスを整え、双方の菌がきちんと働ける環境を整えることだ。
・ 腸の働きは、体の司令塔ともいうべき「脳」の支配から独立している。その証拠に事故などで脳からの指令を伝達する脊髄
を損傷しても、脳死状態になっても、腸は正常に働き続ける。このように脳からの「独立性」をもつことから、腸は「第二の脳」
ともいわれている。
腸にはタンパク質や脂肪、でんぷん質など様々な成分の食べ物が同時に入ってくるが、腸はその成分を瞬時に見分け、消化吸収
に必要なエンザイムの種類と量を各臓器に伝達する。同時に、体にとって害があるものが入ってくれば、免疫システムに伝達し、
下痢を起こさせ毒素を体外へと排泄する。
こうした素早い見極めと対処は、腸自身がその場で考え、判断を下し、他の臓器や免疫システムに指令を出していることを示し
ている。アメリカの神経生物学者マイケル・D・ガーション医学博士は脳に存在している神経伝達物質「セロトニン」が腸にも存
在することを発見し、さらに体内の全セロトニンの95%が腸で作られていることを突き止めた。
・ 交感神経優位では血圧、気道、心拍などの動きが活発になるのに対し、胃腸だけは副交感神経優位のときに動きが活発になる。
私たちは食事をしておなかがいっぱいになると眠気を感じるが、これは消化を促進するために自律神経の副交感神経が優位に変わるからだ。
また、心臓や呼吸器などの交感神経優位のときに働きが活発になる臓器は、脳の支配下にあり、副交感神経優位のときに活発
になる腸は、脳ではなく、腸の支配下にある。
安保教授は、「交感神経優位のときは白血球の中の顆粒球が活発になり、副交感神経優位のときは同じ白血球でもリンパ球が活
発になる」ということを発見したが、リンパ球の60〜70%が腸内にあることも、リンパ球が副交感神経優位において活発になる
ことと考え合わせれば納得がいく。
・ 胃は強酸性だが、「腸」の内部は弱アルカリ性だ。この強酸性から弱アルカリ性への転換は、小腸の上部、十二指腸の中に膵
液が分泌されることにより行われる。胃から十二指腸に食べ物が流れ込んだ瞬間、強酸を中和するために強アルカリの膵液が流
れ込み、中和される。
これ以降腸内は弱アルカリ性となる。ここで膵液が不足し、うまく中和されないと、腸の粘膜が酸に侵され潰瘍が生じてしまう。
腸が弱アルカリ性なのは、腸で働く消化酵素は一定のアルカリ濃度で活性化するようになっているからだ。
体が酸性に傾くといろいろとトラブルが起きるのは、一つにはこの小腸の消化酵素がうまく働けなくなることもあるのだ。
・ 吸収は小腸の腸壁を埋め尽くす小さな突起「絨毛」部分で行われる。絨毛は高さ1ミリ程度の突起だ。その小さな突起が、
絨毯の毛のようにみっちりと腸壁を埋め尽くしている。さらに、その絨毛の表面には、「微絨毛」と呼ばれるさらに小さな突起がある。
吸収はこの小さな微絨毛を通して行われている。この絨毛と微絨毛によって小腸内部の表面積は約600倍に拡大される。微絨
毛には毛細血管とリンパ管が分布しており、ブドウ糖やアミノ酸は毛細血管から、脂肪酸・グリセリンはリンパ管から吸収され
、体中に送られていく。
腸内細菌はこうした腸内の絨毛と絨毛の隙間に棲息している。そして、消化に必要な酵素を出したり、ときには体によくないも
のを素早く排泄させるために腐敗を進めたりしている。
・ 皮膚にも鼻口腔内にも、膣にも胃腸にも、私たちの体の外界と接する部分にはすべて微生物が棲みついている。じつは、
これらの微生物達が、最前線での情報収集を行ってくれているのではないだろうか。
そして、その集めた情報を近くの細胞に送り、細胞からは血液などの「流れ」に乗って、免疫システムの中枢である「腸」に情報
が送られ、そこからまた全身に指示が送られていることで、健康が維持されていると、私は考えている。腸は栄養だけではなく
、免疫に関する情報の吸収と全身への再分配も行っているということだ。
つまり、遺伝子・エンザイム・微生物の間で交わされる「トライアングル・コミュニケーション」こそが、私たちの健康を司って
いる最も根幹の部分ではないかと考えられる。
・ トライアングル・コミュニケーションがスムーズに行われるためには、情報を運ぶ「体内の水の流れ」がよいことが絶対条件だ。
その水の流れとは、「血液・リンパ」「胃腸」「尿」「呼吸」の四つだ。呼吸によって取り込まれた酸素は、血液によって全身の細胞に運ば
れるので、ここでは水の流れと考える。これらの流れがよくなれば、トライアングル・コミュニケーションはスムーズに行われる。
・ 血液・リンパの流れをよくするために重要なのは、食事と水の飲み方だ。実際に、何をどのくらい食べるかによって、血液の
流れが大きく変わってくる。リンパというのは、血液を上水道にたとえるなら、下水道のようなものなので、血液の流れがよくな
れば、自然とリンパの流れもある程度よくなっていく。
しかし、血液の流れとリンパの流れの最も大きな違いは、血液が心臓というポンプで全身に送られているのに対し、リンパには心
臓のようなポンプの役目をするものがないということだ。リンパの流れを担っているのは、筋肉の伸縮だ。
よく長時間同じ姿勢でいると手足に「むくみ」が起きるが、これは「動かない=筋肉の伸縮がない」ため、リンパがうまく流れないからだ。
だから、適度な運動をすることが、リンパの流れをよくするためにはとても大切だ。食事とともに血液・リンパの流れを大きく左右す
るのが、水の質、そして摂取量と摂り方だ。
水はのどが渇いたときに飲めばそれでいいと思っている人が多いが、それは大きな間違いだ。のどが渇くというのは、体内の水分量
が足りないことを訴える緊急事態なので、のどが渇いてから飲むのでは実は遅いのだ。とくに高齢者は体内の水分保有量が少なくな
りがちなので、決まった時間に決まった量の水を飲むように心がけるなど、意識して水分を摂取することが大切だ。
胃腸の流れをよくするためにも、食事と水はとても重要だ。またよい水分の摂取と正しい食事は尿の流れをよくするものでもある。
尿の他にも汗や便として排泄される水分があることを考えると、毎日1.5〜2リットル程度の水分摂取は必要だ。
・ 胃腸の流れを整えるために忘れてはいけないのが、正しい呼吸と適度な休息・睡眠だ。呼吸は自律神経の支配下にある臓器に対
して、意識的に動きをコントロールできる唯一の方法だ。腹式呼吸を行い気道の収縮を図れば、交感神経優位の自律神経を副交感神
経優位(リラックス神経優位)に切り替えることができる。
だから、正しい呼吸は、どうしても交感神経優位になりやすい現代人にとって、胃腸の働きをよくし、免疫力をアップさせることが
できるとても有効な方法なのだ。
・ 四つの「水の流れ」のどれにも有効に働きかけるものが、笑いと幸福感だ。
・ 七つの健康法
1. 正しい食事―胃腸の流れをよくする。
2. よい水―全身の体液の流れをよくする。とくに、血液・リンパ・尿の流れをよくする。
3. 正しい排泄―胃腸、尿の流れをよくすることで、血液・リンパの流れもよくする。
4. 正しい呼吸―呼吸の流れをよくすることで、酸素を運ぶ血液の流れも整える。自律神経のバランスを正す。
5. 適度な運動―血液・リンパの流れと呼吸の流れをよくする。
6. 上手な休息・睡眠―気の流れ、胃腸の流れを整える。
7. 笑いと幸福感―気の流れをよくし、五つの流れすべてによい影響を与える。
・ よい食物の条件は二つある。一つは「ナチュラル」であること、そしてもう一つは「フレッシュ」であることだ。
・ おいしさの正体、命の正体は「エンザイム」ではないかと考えている。エンザイムは生命活動に不可欠な物質で、エンザイムの
ないところに「命」は存在しない。私たちは新鮮なものを食べると「おいしい」と感じるが、それは、食べ物の中にエンザイムが含まれているからだと思うのだ。
・ 私たちが通常「食品」と認識しているものの中には、エンザイムを含む「生きた食品」と、エンザイムをもたない「死んだ食品」が
ある。そして、フレッシュなものほどエンザイムは多く、酸化の進んだものほどエンザイムは少なくなる。
・ 人間の食事は、最低でも全食事量の85%以上を大地を由来とする植物食で摂れば、その残りは動物食を摂ってもいい。工場由来
の食品(人間が化学的に作り出した食品、つまり化学調味料や様々な食品添加物、精製塩や精製された砂糖、人口甘味料、それらのも
のが使われている加工食品)は、食べられるものであっても、命を養うことはできない。だから、工場由来の食品は何も食べない方がいい。
・ 穀物はすべての食べ物の中で最も効率よく、そして安定して「命」を摂取することができる。穀物の正しい食べ方は、「未精白穀物」
を食べることだ。米なら玄米、小麦粉なら全粒粉、そばもそばの実の芯だけを使った真っ白なものではなく、全粒そば粉を使ったものを選ぼう。
精白してしまうと穀物に豊富に含まれているはずの「命」が失われてしまうからだ。現在の栄養学では、米や麦などの主食とされる穀物
にリジンなどの必須アミノ酸が不足しているため、肉や乳製品を摂って補わなければならないといわれているが、米や麦を中心に、様
々な副穀物(雑穀類)を混ぜて摂れば、主食だけでも必須アミノ酸をすべて摂ることができる。
・ 穀物の主成分は、エネルギー源となる炭水化物だ。しかし、穀物に含まれているのはそれだけでなく、食物繊維やビタミン、ミネ
ラル、カルシウム、タンパク質、脂肪酸など、人間が必要とする栄養素のほとんどが備わっている。
もちろん「命」の根源ともいうべきエンザイムも豊富に含んでいる。しかしそれは、穀物がナチュラルな状態にある場合のことだ。
芽を出す力を失った精白穀物に命を養う力はない。
・ 米が本来もっているビタミンやミネラルの95%は、一番外側の表皮と胚芽の部分に集中している。そのため、精白された白米
を主食にしていると、エンザイムが働くために必要不可欠な補酵素(ビタミンとミネラル)が、どうしても不足しがちになる。
また、白米は栄養分に欠けるだけでなく、消化・吸収が速いので、血糖値(血中糖度)と中性脂肪値が上昇しやすく、糖尿病リスク
を増大させてしまうというデメリットもある(玄米であれば、血糖値の上昇はゆるやかなので、糖尿病リスクはずっと軽減される)。
さらに精白穀物には、未精白穀物と比べて、酸化が速く進むというデメリットがある。穀物は外側の表皮の部分が酸化を防いでい
るからだ(玄米も白米ほどではないにしても時間とともに酸化していくので、保存する時には真空パックにするなど、なるべく酸
素に触れないように工夫することが大切)。
小麦粉も真っ白な精白小麦粉ではなく、「全粒粉」を使うことをお勧めする。玄米を粉にした「リブレフラワー」も小麦粉と同じよう
に料理に使うことができる。ただし、全粒粉もリブレフラワーも、粉にしてある分、酸化が進みやすいので、なるべく新しいもの
を使い、封を切ったら早めに使い切るようにする。
・ 私は普段、玄米に「押し麦」「もちあわ」「もちきび」「アマランサス」「もちひえ」という五種類の副穀物を混ぜて炊いているが、
ただのあわ、きび、ひえではなく、もちあわ、もちきび、もちひえという「もち」のつく副穀物を混ぜることによって、炊き上が
った時にもちもちとした粘り気が出る。
玄米と副穀物の割合は五対一としている。これは、玄米の量が三合に対し、副穀物が大さじで5〜7杯程度となる。
・ おいしい玄米の炊き方
1. 洗う:お釜に玄米と好みの副穀物を入れ、よい水で1〜2回ほど、やさしく洗う。白米のようにとぐ必要はない。このとき洗
いすぎると、大切な胚芽がとれてしまうので、優しく汚れを落とす程度にすることがポイント。
2. 浸す:玄米炊き機能のついた炊飯器には、玄米用の目盛りがついているが、それよりも少し多めの水加減にする。そして、
最低でも30分、できれば二時間ぐらい浸しておく。このときの水も、よい水を使う。
3. 加える:炊く前に、ティースプーンに半分ぐらいの自然海塩を加える。これはごはんにほんのりと塩味がついて食べやすく
なるでけでなく、玄米成分をより引き出すのに役立つ。
・ 残った玄米ごはんは、一日ぐらいなら炊飯器で保温しておいても、最近の炊飯器は機密性がよく酸化しにくいので大丈夫。
一日で食べきれない場合は、一食分ずつラップや密閉容器に入れ、冷凍保存すると、鮮度を保つことができる。その場合、解凍
は電子レンジではなく、蒸し器で温めること。蒸した方が、安全なうえふっくらとおいしく食べることができるからだ。
・ 玄米をおいしく食べるために何よりも大切なのは「よく噛む」ことだ。よく噛んで食べることで唾液の分泌がよくなり、パロ
チンという若返りのホルモンも出る。消化吸収を助けるので、ボディ・エンザイムの浪費防止にも役立つ。
・ 発芽玄米は玄米よりちょっとだけ準備に時間がかかるが、食感が白米に近いうえ、玄米炊き機能のない炊飯器でも炊くことが
できるので、白米に慣れた人には、普通の玄米よりおいしく感じるだろう。また発芽玄米は、「ギャバ」という健康効果の高いアミ
ノ酸を多く含むことで注目されている健康食品でもある。
ギャバは、正式名称を「γ-アミノ酸」といい、人間や哺乳類の脳や脊髄に含まれるアミノ酸の一種だ。ギャバというのは神経伝達
物質のひとつで、鰹節などに多く含まれるうまみ成分でもある「グルタミン酸」が神経を興奮させる働きがあるのに対し、ギャバ
は神経の興奮を抑え、安定させる働きを持つ。
現代人の多くはストレスなどでバランスが興奮に傾きがちなので、ギャバを含んだ食品は、そうした症状の予防と緩和に効果がある。
発芽玄米に含まれるギャバの量は玄米の3〜5倍、発芽玄米のほうがギャバの含有量が多いのは、発芽する時にグルタミン酸からギャ
バが生成されるからだ。
最近はすでに発芽させた玄米を、それ以上発芽しないように処理した、すぐに炊ける発芽玄米も市販されているが、あまりお勧め
できない。なぜなら、どのような米を、どのような水を吸わせて発芽させているかわからないからだ。
・ 食べ物の中のエンザイムは、新鮮であればあるほど多く含まれ、「時間」が経てば経つほど少なくなる。そして、エンザイムが
完全に失われると、その食べ物は腐敗が始まり、健康を害す毒になってしまう。食べ物からエンザイムを奪うもう一つの要因は「熱」だ。
焼く、煮る、蒸す、炒める、揚げる等々、私たちは様々な方法で食べ物を加熱調理するが、この「加熱」こそが、エンザイムを壊す
大きな要因になっている。エンザイムの破壊が始まる温度は48度、熱が高くなるにつれ破壊は進み、115度に達すると、エンザイ
ムは完全に失われてしまう。
野菜も肉も魚も、新鮮なものを生で食べるのが、「エンザイムを摂取する」最善の方法だ。生で食べるもう一つのメリットは、熱に
弱い「水溶性ビタミン」を摂れることだ。ビタミンはエンザイムが働くためには欠かせないものだ。
つまり、「新鮮なものを生で食べる」ことは、自然の摂理に則った、ベストなエンザイム摂取方法だということだ。ただし、生で食
べるためには、注意しなければならないこともある。まず一つは「フレッシュ」なものを選ぶこと。生食する場合は、食べ物につい
ている菌もまた生きたまま体内に入ってくるので、新鮮なものを選ぶことが大切だ。
もう一つは「よく噛む」ことだ。生のものは野菜でも肉でも魚でも、火を通したものと比べるとそれ自体に酵素が含まれているので
消化はよくなる。それでも、50〜70回ぐらい噛むようにする。また生の食材、とくに魚には「アニサキス」のような虫が寄生してい
る場合があるので、その害を防ぐ意味でもしっかり噛むようにしよう。
・ エンザイムを最も多く保有している食べ物は「果物」だ。特にパパイヤ、パイナップル、イチゴ、キウイはエンザイムを大量に
含むフルーツだ。他にも完熟バナナは、熟すことにより、含まれる炭水化物の多くがグルコースに変化するため、通常のバナナと
は比較にならないほど多くの消化酵素をもつ食べ物となる。
通常の食物は胃から腸に届くまでに2〜4時間ほどかかるが、フルーツはわずか30分ほどで腸へ届く。これはフルーツ自身が消化酵
素をたくさん含んでいるためだが、大切な種が胃酸によって損なわれるのを防ぐためであるとも思われる。
フルーツはとても消化のよい食べ物だが、食後に摂ってしまうと、先に摂った消化に時間のかかる食べ物がまだ胃腸内にとどまっ
ているため、果物も胃の中にとどまる時間が長くなり、より効果的にエンザイムを体内に摂取できない。だからフルーツは、食事の
前やおなかがすいたときに食べるようにする。
最も理想的なのは朝食の30〜40分前に摂ることだ。長い時間食べ物の入ってこなかった朝の体は、最良のエネルギー源である良質
な糖分(果糖、ブドウ糖、ショ糖)を含むフルーツは理想的な食べ物だ。また、フルーツは食物繊維やビタミン、ミネラルも豊富な
うえ、抗酸化作用があることで近年注目を集めている「ファイトケミカル」も豊富に含んでいる。
・ 市販のフルーツジュースは、たとえ「果汁100%」と銘打ってあるものでも、エンザイム摂取にはつながらない。なぜなら多く
の場合、殺菌処理をするために「加熱」されているからだ。それでも、新鮮な果物から圧搾した果汁を容器に詰めただけのジュース
であれば、加熱処理は一度しか行われないので、まだ少しはエンザイムが残っている可能性がある。
しかし、「濃縮還元」タイプのジュースでは、エンザイムは完全に失われてしまっている。濃縮還元というのはたいていの場合、
圧搾果汁を煮て水分を飛ばし、そのペースト状に煮詰めたものに再び「水」を加えることでジュース状にした飲み物だからだ。
水分がなくなるまで煮詰める過程で、エンザイムとビタミンの大部分は完全に失われる。濃縮還元ジュースも、成分表示を見ると
ビタミンやミネラルが含まれている。しかし、それは、後から人工的に添加されたものだ。
・ 食べ物はできるだけ「全体を食べる」ことが大切だ。穀物であれば表皮や胚芽を含む未精白のもの、野菜は皮まですべて、果
物もできるかぎり皮ごと、魚は頭から骨まで「全部食べる」ということだ。こうした「全体食」を勧めるのは、食べ物を一つの命とし
て見た場合、それがもっともバランスの取れた状態にあるからだ。
たとえば、果物は皮をむくとすぐに酸化が始まり、変色してしまう。皮をむいたリンゴが茶色くなるのも表面が酸化するからだ。
しかし、皮がついている状態であれば、いくら空気に触れていてもリンゴはほとんど酸化しない。これは果物の皮の部分にたくさ
んの抗酸化物質が含まれているからだ。
野菜の場合も、ナスやニンジン、ジャガイモなど皮のある野菜は、やはり皮の部分に多くの抗酸化物質が集中している。だから、
果物や野菜は本来、できる限り皮をむかないで食べた方が体にはよいのだ。
・ 動物食においても「全体食」が望ましい。例えば魚の干物は、天日にさらし乾燥させているため、「酸化した食品」といえる。
酸化した食品は、体内でフリーラジカルを発生させるので、干物は基本的にはよい食品とはいえない。
しかし、これが小魚で、内臓も骨もすべて食べることができる場合には、必ずしも悪い食品にはならない。干した小魚は、よく
噛むことによって骨に含まれるカルシウムやマグネシウム、カリウムといった物質が一緒に摂れるので、酸化物質を消化の過
程で中和させることができるからだ。
また、よく噛み、唾と混ぜることによって食物に発生した酸化を中和してくれる。エビやカニも小さなものであれば、甲羅ごと
すべて食べることができる。貝は「キモ」と呼ばれる内臓の部分には、海のミネラルが豊富に詰まっているので残さず食べるようにしよう。
・ 「全体食」をする場合、とくに気をつけてほしいことは、「フレッシュ」なものを選ぶことはもちろんだが、そのなかでも「農薬
を使っていない食品を選ぶ」ということだ。農薬を使って栽培された作物には、どうしても農薬が残留する。そして、残留農薬
が体内に入ると、その解毒のために大量のエンザイムが消費される。
全体食をするとき、特に農薬に注意しなければならないのは、果物や野菜の皮の部分が、栄養素が豊富な部分であるとともに、
農薬がたまりやすい部分でもあるからだ。これは玄米にも当てはまる。
・ ハウス栽培で作られた農作物は、露地栽培のものと比べ、「ファイトケミカル」が少ない。ファイトケミカルというのは、
植物に含まれる色素や香りなど、これまでの栄養学では「栄養素」と認められていなかった機能性成分のことだ。
しかし近年、ファイトケミカルに高い抗酸化作用があることがわかると、一躍、免疫力を高め、さまざまな病気の予防に役立つ「
抗酸化栄養素」として注目を集めるようになった。赤ワインに含まれる「ポリフェノール」、スイカやトマトの赤い色のもととな
っている「リコピン」、大豆の「イソフラボン」、緑茶の「カテキン」、ゴマの「リグナン」も、すべてファイトケミカルだ。
現在見つかっているファイトケミカルは数千種類ほどだが、実際には数万種類あるのではないかといわれている。
・ ファイトケミカルの健康効果
1. 活性酸素の除去
2. 傷ついた細胞(遺伝子)の修復
3. ガン細胞の増殖防止(ガン予防)
4. 感染症に対する抵抗力の強化
5. 免疫力を高める
6. 記憶力、集中力の強化、アルツハイマーの予防
7. 老化防止
・ 植物には、強い紫外線を浴びてもやけどをしないように紫外線を吸収し無害なものに変える物質や、害虫に食べられないよ
うに虫の嫌う物質が生成される。その生成される物質がファイトケミカルだ。つまり、生成を誘発する刺激としての紫外線が少
なければ、ファイトケミカルの生成も充分には行われない。
だから、日光や風雨、害虫といった外的刺激を遮るビニールハウスで育った植物は、充分に刺激を受けた露地栽培の植物より
ファイトケミカルの量が少なくなってしまう。ハウス栽培かどうか見た目だけで野菜を区別することは難しいが、旬の野菜を
選ぶようにしていれば、自然とハウス栽培のものは避けることができる。
・ 塩が高血圧を誘発するというのは「精製塩」、いわゆる「食塩」を摂った場合であって、自然海塩を高温で焼いた還元作用の
ある塩では、血圧の上昇が起きない。海水から水分だけを蒸発させた自然海塩には、塩化ナトリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、ヨウ素といった海のミネラルが非常にバランスよく含まれている。
しかし、「精製塩」は、海水からほぼ塩化ナトリウムだけを取り出したものなので、その99%は純粋な化学物質である塩化ナトリ
ウムだ。ただし、自然海塩は長く空気にさらされていると成分が酸化して、塩酸や硫酸といった有害物質を生じることがあるの
で、できるだけ鮮度のよいものを選び、酸化しにくいよう密閉容器に入れ、なるべく早く使い切るようにする。
・ 現在欧米では、食品の成分表示において、トランス脂肪酸の含有量表示が義務付けられているうえ、ある一定量以上のトラン
ス脂肪酸を含む食品は販売が禁止されている。しかし日本では、トランス脂肪酸の害についてほとんど認知されておらず、表示義務もない。
トランス脂肪酸は自然界ではほとんど存在しない。問題視されているのは、人工的に作られたトランス脂肪酸だ。魚油や植物
の種などに含まれる不飽和脂肪酸のほとんどは、「シス脂肪酸」だ。シス脂肪酸は、人体に悪影響はないが、酸化しやすいという欠点がある。
一般的に売られている植物性のオイルのほとんどが、その製造過程においてトランス脂肪酸になってしまっている。現在市販
されているオイルの多くは、原材料にヘキサンという化学溶剤を入れ、煮溶かすことで油を抽出するというやり方で作られている。
この製造過程で不安定なシス脂肪酸は、安定した(酸化、つまり腐敗しにくい)トランス脂肪酸に姿を変える。トランス脂肪酸
が酸化しないのは、それ自体がすでに過酸化脂質と同じ構造になってしまっているからだ。過酸化脂質が体内に入れば、大量の
活性酸素が生み出され、膨大な量のエンザイムがその解毒に消耗される。
日本では、市販されているマーガリンやショートニングは完全なトランス脂肪酸だし、植物オイルのほとんどもそうだ。さらに
パンやお菓子類、サラダのドレッシングにもトランス脂肪酸が使われている。トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やすと
同時に、善玉コレステロールを低下させる。
最近では、トランス脂肪酸は、脳の血管にも悪影響を与え、アルツハイマー病やパーキンソン病などを誘発するという報告もなさ
れている。現在トランス脂肪酸のリスクが最も軽減されるオイルとされているのは、ヘキサンなどの水素添加溶剤を使用しない
方法で抽出された「キャノーラ油(菜種油)」「大豆油」、そして「オリーブオイル」だ。
バターはマーガリンほど有害ではないが、やはりトランス脂肪酸を含んでいるので、使用は極力避けたほうがいい。また、ビタミ
ンEの摂取がトランス脂肪酸の害を防ぐことがわかっている。
緑黄色野菜やゴマ、アーモンドやピーナッツなどナッツ類、豆類にはナチュラルな状態のビタミンEが豊富に含まれているので、
油ものを食べるときには、そうしたものを一緒に摂るようにすれば、トランス脂肪酸の害を大きく軽減させることができる。
・ 電子レンジで加熱した水を与えられた植物は、数日で枯れてしまう。つまり電子レンジで加熱されたものには、もう「命を
養う力」は失われていることを示すものだ。電子レンジに使われているマイクロウェーブとは、放射線の一種だ。
それに短時間で加熱できるのは、自然界ではありえない速度での振動が物質内部で生じているからだ。この自然界ではありえな
い状態に細胞や遺伝子が耐えられるという保証はない。現在、様々な国で電子レンジにかけられた食品の安全性が研究されてい
るが、まだはっきりとした結果は出ていない。
しかし、安全だという保証がないのも事実だ。現段階でいえるのは、電子レンジで加熱するとエンザイムは失われるということだ。
電子レンジを調理に使うのはお勧めできない。
・ 原料のサトウキビを搾って加熱しただけのものは「黒砂糖」。それをさらに結晶とみつ分に分離し、精製して結晶の純度を高め
たものを「精製糖」という。精製糖はさらに、「車糖」「ざらめ糖」「加工糖」に分かれる。ふだん使っている「上白糖(白砂糖)」や「三温
糖」は車糖に含まれる。
ざらめ糖には「グラニュー糖」や「白ざら」、加工糖には「角砂糖」や「氷砂糖」「粉砂糖」などが含まれる。高級和菓子に使われている
「和三盆糖」は、日本古来の製法で結晶とみつを分離させたもので、一般の精製糖には含まれない。
・ 白い砂糖を摂り過ぎると、体内のカルシウムは失われていく。なぜなら白砂糖が酸性の食品だからだ(黒砂糖は弱アルカリ性
食品)。人間の体内は、基本的に弱アルカリ性だ。そのため酸性の食品が大量に体内に入ると、中和するために体内のミネラル分が使われる。
このとき最も多く消費されるのが、カルシウムだ。白砂糖の場合、カルシウムがほとんど含まれていないので、必要なカルシウム
は体内の骨や歯を溶かして供給される。これが甘いものを摂ると虫歯になったり、骨が弱くなるメカニズムだ。
・ 人間の体内におけるカルシウムとリンのバランスは、一対一が理想だが、体内環境の中和にカルシウムが使われると、このバラ
ンスが大きく崩れる。人間の体の中には、体重の約2%のカルシウムがあるが、その99%は骨や歯の中にある。残りの1%が血液や
細胞内にあるが、それがほんの少し(0.01%)でも不足すると、人間はイライラしたり心の均衡を崩してしまうほどだ。
イライラしたときにカルシウムの豊富な小魚を食べるといいといわれるのは、このためだ。また、白砂糖は糖分の吸収がとても速
いので、血糖値が急激に上昇する。そのためインシュリンが大量に分泌され、ホメオスタシスの機能が充分でない子供などは低血糖
を引き起こしやすくなる。
そして低血糖が続くと、今度は血糖値を上昇させようとしてアドレナリンが放出される。アドレナリンは神経伝達物質の一つで、興奮
したときに大量に血液中に放出されるホルモンだ。エネルギー代謝を高めるなどよい効果もあるが、出過ぎると脳のコントロールが
きかなくなり、「キレる」原因となってしまう。
最近の子供たちは「キレやすい」といわれるが、その原因の一つは精製糖の過剰摂取にあると思われる。
・ 糖類は体内で分解されるときに、ビタミンB1を消費するが、白砂糖にはビタミンがほとんど含まれていない。そのため、ビタミン
Bの摂取量が少ないと欠乏症を起こし、過労やめまい、貧血、うつ、短気、記憶障害といった、さまざまなトラブルも招いてしまう。
・ 500ミリリットルのペットボトルのジュースや炭酸飲料一本に含まれる砂糖の量は約30グラムもある。これは、健康的な食事に
おける一日の砂糖の摂取量の目安とされている20グラムを上回る量だ。白砂糖に代わるものとしては、黒砂糖やハチミツ、天然のメー
プルシロップなどがお勧めだ。これらは天然のミネラルを多く含んだとてもよい食材だ。
・ よい発酵食品かどうかを見分けるポイントは二つある。一つは原材料が動物食か植物食かとうことだ。植物を原材料とする発酵
食品は、ほとんど体によいと考えることができる。大豆を原料とする味噌や醤油、納豆も豊富なエンザイムを含むよい食品だ。
微量成分を豊富に含むぬかを使っているぬか漬けは、微量成分の摂取につながる。ヨーグルトやチーズは牛乳を原材料としているの
で、週一、二回以上食べることはしない方がよい。動物食を原材料としていても塩辛やアンチョビなど魚介類であれば、摂りすぎなけ
れば、エンザイムの補充につながるので問題はない。
もう一つのポイントは、アルコールが含まれているかどうかだ。発酵によって作り出されたアルコールを含むものは、体の中でアル
コールを解毒しなければならないのでよい食品とはいえない。ちなみにお酢のように、製造過程でアルコール分が完全に分解されて
いるものは、摂ってもエンザイムを消耗することはない。
味噌や醤油を購入する場合、「減塩」表示のついているものは絶対にやめるべきだ。塩分を控えるということは、それだけ腐りやすくな
るということだ。そこで登場するのが「防腐剤」だ。減塩と名のつく商品のほとんどに「防腐剤」が使われている。
夏の暑いときに出しっぱなしにしておいてもカビないような味噌・醤油には、まず間違いなく防腐剤が入っている。本当によい塩を
使い、伝統的な手法で発酵させた味噌や醤油は、塩分が強くても決して高血圧を招くことはない。
・ 動物食は、全体の10〜15%(一日あたり100グラム)までに抑えれば、それほど心配は要らない。とはいえ、牛、豚、鶏などの「肉」
よりも「魚介類」で摂るほうがよい。高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満のような異常がある人は動物食としては魚介類を選ぶこと。
小魚や小エビはカルシウムなどのミネラルを豊富に含むとてもよい食品だ。また海藻類も毎日食べるようにする。カツオやマグロ
などの赤身の魚は、鉄分が豊富なので体によい反面、とても酸化しやすいので、できるだけ大きなブロックで購入し、刺身であれば
食べる直前にカットするようにする。
カットする際に、空気に触れていたまわりの部分を全て取り除くと、さらに安全な食品になる。イカ、タコ、カニ、エビ、貝に多く含
まれる「タウリン」というアミノ酸は、血液中のコレステロール値を低下させるよい成分だ。ただし、調理するときに小さめにカット
し、よく噛んで食べるようにする。
そのほか、青魚も、DHAやEPAといった良質の魚油である不飽和脂肪酸を多く含んでいるので、よい食べ物といえる。
・ よい食品を選ぶとともに、「規則正しい食習慣」を身につけることも、健康維持には大切なことだ。大切なのは、「きちんと空腹を
感じてから食事をする」ということだ。つまり、時間を決めて食事をすることではなく、胃腸をいつも決まった時間におなかがすく
ような健康な状態にしておくことだ。
胃腸が健康であれば、食後3〜4時間ほど経過すると食べたものが消化され、「おなかがすいた」と感じる。「おなかがすいた」という
感覚は、「健康のバロメーター」だ。朝目覚めたときに空腹を感じないという人は、ボディ・エンザイムがかなり不足していると思
ったほうがいい。
逆に、食べても食べても飢餓感があり、ついつい食べ過ぎてしまうという人も、やはりエンザイムが不足している。このような人た
ちにもっとも効果があるのは「よく噛む」ことだ。噛む目安としては、最低でも30〜50回。夕食は寝る五時間ぐらい前までに済ま
せることが必要だ。
寝るときに胃に食べ物が残っていると、寝ている間に逆流が起き、肺炎や睡眠時無呼吸症候群を招く恐れがある。また胃に食べ物が
残ったまま寝ると、胃がもたれ睡眠の質が悪くなり、体の疲れを取りきることができないので、慢性的な疲労を感じるようになる。
・ エンザイムを活性化させるには、まず「補酵素(コエンザイム)」の摂取が挙げられる。次に「体温」だ。エンザイムが活性化する
温度は、37〜40度ぐらいまでの間。病気になると熱が出るのは、エンザイムを活性化させて免疫力の強化を図るからだ。
体温が0.5度下がると、エンザイムの不活性により、免疫力が35%も低下する。つまり、平熱が低いということは恒常的に免疫力が
低下した状態にあるということだ。最近の研究では、低体温症の人のほうが、遺伝子の誤作動が多く、ガンにかかりやすいとい
う報告もなされている。
しかも、ガン細胞の活動は、体温が35度台のときに最も活発になる。低体温を改善する最も効果的な方法は、「正しい食事」と「上手
な休息・睡眠」と「適度な運動」だ。食事では、冷たい食品を食べ過ぎないこと。ネギやショウガなど体を温める野菜を摂ることも効果的。
また、冬場は、ぬるめのお風呂に長時間入り体を芯から温めたり、寝るときに湯たんぽを使うなどして体を冷やさない工夫が必要だ。
エンザイムを活性化させるもう一つのポイントは、「幸福感」を感じることだ。生きがいと喜びをもって日々生きている人は、エン
ザイムが活性化するので、あまりシリアスな病気にはならない。
・ 毒素は、栄養素とともに腸から体内に吸収され、肝臓に送られ、解毒されてから血液を通って腸、または腎臓へと進み排出され
るという仕組みになっている。ただし、あまりにも毒素の量が多くなると、どうしても分解できないものが体内に残ってしまう。
とくに「有害ミネラル」といわれる重金属類はエンザイムと結合しやすい特徴があるため、分解がしにくいうえ、エンザイムの働き
を阻害し他の毒素の解毒作業にまで悪影響を与える。
・ 一度体内に入ってしまうとなかなか排泄されない「有害ミネラル(水銀、鉛、カドミウム、砒素など)」の排出には、有害ミネラルを
挟み込んで体外へと出してくれる「キレート成分」を豊富に含む食品を摂ると効果的だ。タマネギ、ニンニク、ニラ、ショウガ、玄米、
副穀物、ブロッコリー、アスパラガスなどが代表的食品。
また、有毒物質と結合し無毒化する働きをもつ、セレンや亜鉛を含んだ食品もお勧めだ。高野豆腐、ゆば、ゴマ、緑黄色野菜、イワ
シ、イカ、アサリ、ホタテ、ナッツ類、納豆など。もう一つ、毎食必ず摂ってほしいのが「食物繊維」を含む食品だ。食物繊維は消化
されず、そのまま便として排出されるが、その際、そのネットのような構造が、腸壁にこびりついていた老廃物や毒素をからめ取ってくれる。
食物繊維の豊富な食品は、玄米、副穀物、ゴボウ、コンニャク、昆布、ひじき、わかめ、アボカド、大豆、納豆、枝豆、レンコンなど。
・ ぬるめのお湯で時間をかけて半身浴をすると、驚くほど大量の汗を出すことができる。汗をかくことはそれだけ毒素の排出に
つながる。このとき遠赤外線を出すセラミックを使ったお風呂や、遠赤外線低温サウナなどを使うと、さらに多くの有害物質を汗と
ともに排出することができる。
また、入浴で体を温めることは、血液・リンパの流れをよくするので、汗だけではなく尿や便の排泄も促し、そちらのほうでの排毒
にも効果がある。ただし、入浴剤にはたくさんの化学物質が含まれている場合が多いので体にはよくない。
・ 皮膚から入る毒素としては、シャンプーやリンス、ボディシャンプーなどに用いられている界面活性剤の危険が無視できない。
界面活性剤は、大切なバリアである角層部分を破壊し、皮膚から体内に毒素が入りやすい環境を作ってしまう。
・ ストレッチは、体のゆがみを整えることで肝臓の機能を改善する効果もあるので毎日の生活習慣に取り入れてほしい。
・ 毒素を排出する最大の出口は「便」だ。健康な人の場合、食べたものが消化・吸収され、残りカス、つまり「便」として排泄され
るまでにかかる時間は約24時間だ。
・ 便秘・停滞便による体内環境の汚染を防ぐ方法として、「コーヒー・エネマ(コーヒー浣腸)」がお勧め。コーヒー・エネマは、
肛門から専用器具を挿入し、大腸にコーヒー液を注入することによって停滞便や便とともに温存されている悪玉菌を取り除くというものだ。
毎日続けると腸内環境が見違えるほどよくなる、すばらしいデトックスの方法だ。洗浄するのは、大腸の中でも肛門に近い左側
の部分が主だ。この場所は停滞便がたまりやすく、悪玉菌の繁殖しやすい場所でもあるので、毎日エネマを行いきれいにしておく
ことで腸内での毒素の発生を防ぐとともに、肝臓で処理された毒素を素早く体外へ排出することができるようになる。
口から飲むとよくないコーヒーが、なぜ下から入れるといいのかというと、口からではコーヒーに含まれる殺菌成分が、腸の上部
に多くいる善玉菌の活動を阻害してしまうのに対し、エネマとして用いると、腸の中でも悪玉菌の多いところまでしか届かないの
で、善玉菌を殺すことなく悪玉菌だけを殺菌し、洗い流すことができる。
・ コーヒー・エネマを併用したエンザイム・セラピーは、アメリカではすでに、薬物を用いない画期的なガンの補助治療法と
して一般的にも利用されている。もちろん健康な人が行っても何の問題もない。それどころか毒素を体内から素早く排泄する習
慣がつくので、エンザイムの節約につながり、健康にとてもいい。
・ 病院によっては、機械で腸内に洗浄液を注入して腸内を洗う「腸内洗浄」を行っているところもあるが、この方法では洗浄液を
注入する際、腸内が高圧になるので、憩室に炎症がある場合などは、症状を悪化させたり、腸壁を損傷してしまう危険性もある。
また、機械を使うと何度も反復して腸内を洗うため、体内のミネラルを必要以上に排出してしまったり、小腸のほうまで洗ってし
まうと、栄養素の吸収を阻害する危険性もある。そのため、機械を使う「腸内洗浄」は、毎日行うことはできない。
その点、コーヒー・エネマは機械などで外圧を加えずに注入するので、腸を洗いすぎる心配はない。
・ 腹式呼吸は、副交感神経を刺激するので、その支配下にある免疫システムが活性化し、病気に対する抵抗力、免疫力を飛躍的に
向上させる。理想としては、一時間に4〜5回ぐらい、できるだけ空気のきれいな場所で、吸気は短めに、呼気は少しずつゆっくりと行う。
その際、必ず「鼻」で呼吸すること。鼻で呼吸をすると、鼻粘膜によって有害な病原菌の約50〜80%が除去される。また鼻呼吸では、
鼻腔内を通るあいだに空気は適度な加湿と温度調節がなされる。これによって気管の乾燥を防ぎ、ウイルスなどの繁殖を予防することができる。
さらに、肺は乾燥しすぎていたり、温度が低すぎる空気だとうまく粘膜になじまず酸素の吸収率が悪くなるが、鼻呼吸であれば、
加湿と同時に温度調節もなされるので、外気が冷たい季節でも、酸素の吸収率が低下することはない。こうした鼻呼吸のメリット
は、口呼吸ではすべて逆転する。
・ 適度な運動とは、心拍数では一分間に90〜100回ぐらいの、呼吸が乱れず、楽しく続けられ、体が軽く汗をかく程度に温まるよ
うな運動。ストレッチや散歩、軽い屈伸運動などがお勧め。
・ ボディ・エンザイムは、睡眠・休息時に増産される。充分睡眠が取れないときは、昼間1、2分〜20分程度のこまめな睡眠をと
ることが大切だ。特に昼食後の昼寝の習慣は身に付けてほしい。体力の回復につながるとともに、活動に使われていたエンザイム
の消耗が抑えられ、その分のエンザイムが消化・吸収に使われるので、消化・吸収がスムーズに行われるようになる。
・ エンザイム・セラピーを実行する場合は、最低でも120日(4ヶ月)は続けてほしい。人間の体の細胞はだいたい120日でそのほと
んどが入れ替わるからだ。細胞が入れ替わるまで、エンザイム・セラピーの効果は100%は現れない。それは古い細胞に、それまで
の食生活とそれまでの生活習慣が刻まれているからだ。
『病気にならない生き方』 新谷弘実 サンマーク出版 (2005)
しんや・ひろみ:1935年福岡県生まれ。順天堂大学医学部卒業後、渡米し、胃腸内視鏡学のパイオニアとして活躍。世界で初めて
、新谷式と呼ばれる大腸内視鏡の挿入法を考案し、開腹手術することなく大腸内視鏡によるポリープ切除に成功、医学界に大きく貢献する。
日米でおよそ30万例の胃腸内視鏡検査と9万例以上のポリープ切除術を行っている。この分野の世界的権威。現在、アルバート・アインシュ
タイン医科大学外科教授およびベス・イスラエル病院内視鏡部長のほか、前田病院(元赤坂胃腸科クリニック)、半蔵門胃腸クリニックの顧問
などを兼任。98年に刊行した『胃腸は語る』(弘文堂)はロング・ベストセラーとなり、いまなお売れ続けている。ホームページ http://www.drshinya.com
今までの常識をひっくり返す健康法が満載。健康に長生きしたい人には必読の書。お勧め。
・ 健康な人の胃腸は美しく、不健康な人の胃腸は美しくない。こうした胃腸内の状態を、私は「人相」になぞらえて、「胃相」「腸相」
と呼んでいる。胃相・腸相に最も大きな影響を与えるのは、食歴と生活習慣だ。
・ 「ミラクル・エンザイム」というのは私のつくった造語だが、人間の生命活動を担っている五千種以上の「ボディ・エンザイム」
(体内酵素)の原型となるエンザイムのことだ。「エンザイム(酵素)」というのは、生物の細胞内で作られるタンパク質性の触媒の総称。
物質の合成や分解、輸送、排出、解毒、エネルギー供給など、生命を維持するために必要な活動にはすべてエンザイムが関与している。
エンザイムがなければ、生物は生命を維持することはできない。
・ エンザイムの種類が多いのは、一つのエンザイムは一つの働きしかしないという特性を持っているからだ。たとえば唾液の中に含
まれる「アミラーゼ」という消化酵素は、炭水化物だけに反応する。その他の脂肪やタンパク質などの消化には、それぞれ別のエンザイムが働く。
・ エンザイムは日々の食物を材料に、必要なエンザイムを自分の細胞の中で生成している。しかし、どのように生成されているかはまだ明らかになっていない。
・ 「ミラクル・エンザイム」というのは、必要に応じて特定のエンザイムに作り変えられる以前の、どのようなエンザイムにも
なれる可能性を持った原型となるエンザイムだ。エンザイムというのは、五千種類のものが、それぞれ決まった数だけ作られるの
ではなく、原型となるエンザイムが先に作られ、それが必要に応じて作り替えられ、必要な場所で使われていると思われる。
というのは、大量のアルコールを飲み、肝臓でアルコール分解エンザイムが大量に使われると、胃腸で消化吸収に必要なエンザイ
ムが足りなくなるということがわかっている。
・ アメリカの酵素研究の第一人者であるエドワード・ハウエル博士は、生物がその一生のあいだに作ることができるエンザイムの
総量は決まっている、という説を述べている。その一定量のボディ・エンザイムを彼は「潜在酵素」と呼んでいる。そして、この潜
在酵素を使い切ったときが、その生命体の寿命のつきるときだというのだ。
・ ミラクル・エンザイムを補う食事をし、ミラクル・エンザイムを浪費しない生活習慣を身につけることが胃相・腸相をよくすることは、臨床に裏付けられた事実だ。
・ 以下の健康法は胃相・腸相を悪くする間違った健康法だ。
1. 腸のために毎日ヨーグルトを食べる
2. カルシウム不足にならないよう、毎日牛乳を飲む
3. 果物は太りやすいので控え、ビタミンはサプリメントでとる
4. 太りすぎないよう、ごはんやパンなど炭水化物はなるべく控える
5. 高タンパク低カロリーの食事を心掛ける
6. 水分はカテキンの豊富な日本茶でとるようにする
7. 水道水は残留塩素を抜くために、必ず一度沸騰させてから飲む
・ アメリカ人の大半は毎日たくさんの牛乳を飲むが、非常に多くの人が骨粗しょう症に悩まされている。お茶の先生など仕事で大量
のお茶を飲んでいる人には、胃ガンの前駆症状ともいえる萎縮性胃炎を起こしている人が少なくない。
・ 緑茶に含まれるカテキンには、殺菌効果や抗酸化作用がある。そのため日本茶をたくさん飲んでいれば長生きするとか、ガンの予防
につながるというストーリーが生まれた。しかし、そのカテキンはいくつか結合すると「タンニン」(「渋み」の成分)と呼ばれるものになる。
タンニンは非常に酸化しやすい性質を持っており、熱湯や空気に触れることによって、容易に「タンニン酸」に変化する。そしてタンニ
ン酸には、タンパクを凝固させる働きがある。ここからは私の仮説だが、こうしたお茶に含まれるタンニン酸が、胃粘膜に悪い影響を及
ぼし、胃相を悪くしているのだと考えられる。
2003年の9月には、日本癌学会において三重大学の川西教授らが、カテキンによりDNAが損傷するというレポートを発表している。
さらに現在市販されているお茶の多くは、その栽培過程で農薬が使われている。お茶が好きな人は、無農薬栽培の茶葉を使い、比較
的胃粘膜に負担がかからないように空腹時を避け、食後に飲む。そして一日二、三杯程度にとどめるようにしたほうがいい。
・ 「マクガバン・レポート」(アメリカの国家財政を圧迫するほどの巨額に膨れ上がった医療費の問題があり、医療費を削減するた
めに、1977年上院議員マクバガンが多くの病気の原因は間違った食生活にあると結論付けた)は、当時の食事の常識を真っ向から否定
し、理想的な食事と定義したのは、精白しない穀類を主食に、おかずは季節の野菜や海藻類、動物性タンパク質は小さな魚介類を少量といったものだ。
近年、日本食が健康食として世界的な注目を集めるようになったのは、実はこれがきっかけなのだ。
・ 動物性タンパクをたくさん食べると人間の成長は速くなる。しかし、それは「成長」はある年齢を超えた時点で「老化」と呼ばれ
る現象に変わるということだ。つまり、成長を速める動物食は、別の言い方をすれば、老化を速める食事ということになる。
・ 肉食が腸相を悪くする最大の理由は、食物繊維がなく、脂肪やコレステロールを大量に含んでいることにある。肉食を続けている
と、腸壁がどんどんかたく厚くなるが、これは食物繊維がないために便の量が極端に少なくなり、その少ない便を排出するために腸が
必要以上に蠕動しなければならなくなるからだ。
つまり、過剰な蠕動運動により腸壁の大部分を構成する筋肉が鍛えられて厚く大きくなってしまうのだ。こうして腸はかたく短くなっ
ていく。腸壁が厚くなると、内腔は狭くなっていく。かたく狭くなった腸の内圧は高くなるが、動物性タンパクに加えて脂肪も大量に
摂取して腸周辺の脂肪層が厚くなるので、さらに腸壁に圧力がかかる。
こうして腸内の圧力が高くなると、中から外に向かって粘膜が押し出されるという現象が起きる。この現象が「憩室」と呼ばれるポケ
ット状のくぼみを作り出す。こうなると、ただでさえ量の少ない便は腸の中を進むのが難しくなる。その結果、腸の中に長く停滞する
「停滞便(宿便)」がたまってくる。
その停滞便は腸壁にこびりつくようにたまるが、そこに憩室があれば、そのポケット状のくぼみに停滞便が入り込み、さらに排出され
にくくなる。憩室やひだの間にたまった停滞便は毒素を発生し、その部分の細胞に遺伝子変化を起こさせポリープを作り出す。そして
ポリープが成長し、ガン化していく。
・ 腸相の悪化は、大腸ガン、大腸ポリープ、憩室炎などさまざまな大腸の病気を起こすだけにとどまらない。実際には腸相の悪い人
の多くが子宮筋腫、高血圧、動脈硬化、心臓病、肥満、乳ガン、前立腺ガン、糖尿病などのいわゆる「生活習慣病」を発病している。
・ アメリカ人の胃は日本人より丈夫な理由
1. ビタミンAは、胃に限らず目や気管などあらゆる粘膜をプロテクトする働きを持っている。そうしたビタミンAを多く含んでいる
のは「油」だ。日本の食事も欧米化したとはいえ、油やバターなどの乳製品、卵など摂取量はアメリカ人にははるかに及ばない。こう
した食物は、体全体の健康を考えるとよくないのだが、粘膜のプロテクトという意味においては効果がある。
2. 「消化酵素」は、食物を分解し、体内に栄養素を吸収させる働きをするエンザイムのことだ。食べ物の消化吸収のよしあしは、
この消化酵素の量で決まる。消化酵素の分泌量が不十分だと、消化不良を起こし臓器に負担がかかってしまう。日本人の多くが、胃
粘膜の状態がそれほど悪くないのに、胃痛や胃もたれなどの症状を感じやすいのは、消化酵素の量がもともとアメリカ人よりも少ない
からだと考えられる。
・ 胃の調子が悪いと胃酸を抑える薬をすぐに服用することが、日本人の胃を悪化させるのに拍車をかけている。最近日本で人気の高
い「H2ブロッカー」や「ぷろとんポンプインヒビター(プロトンポンプ阻害剤)」配合の胃薬などは、胃酸の分泌を抑える働きが高い
ことを売りにしているが、胃酸を薬で抑えてしまうと、胃粘膜は萎縮してしまう(胃酸を分泌する「絨毛」という小さな突起が短くなる)。
胃粘膜の萎縮が進むと胃ガンへと発展していく(胃粘膜が薄くなるために炎症を起こしやすくなり、萎縮性胃炎へと移行する。胃酸の
分泌が少ないので、ピロリ菌や雑菌の温床となりやすく、ますます粘膜の炎症を悪化させ、最後には胃ガンを発生させてしまう)。
だから、胃もたれや胃痛を感じる人は、医師にきちんと自分の体調を伝え、症状にあわせたエンザイム・サプリメントを処方してもらうようにする。
・ 外部から侵入してくる膨大な数のばい菌を殺すために胃では強酸が出ている。体を守るために必要不可欠なその胃酸を抑えてし
まったら、胃をフリーパスしたばい菌が下痢やさまざまな病気を引き起こすだろう。さらに、胃酸の分泌が抑えられてしまうと、消
化酵素を活性化させるペプシンや塩酸が不足し、消化不良を起こしてしまう。
また十分な胃酸がないと鉄やカルシウム、マグネシウムなどのミネラルの吸収が阻害される。胃潰瘍や胃ガンの手術を受けた人は必
ず貧血を起こすが、それは胃を切除したことによって胃酸が分泌されなくなったためだ。さらに、胃酸を抑えてしまうと、腸の中の
細菌のバランスが崩れ、免疫力を低下させてしまう。
胃酸の分泌が不十分だと、消化酵素が活性化できず、食べ物は消化不良の状態のまま腸へと進む。そのため本来なら腸で消化吸収され
るはずの食べ物が、不消化物として腸内に残存してしまう。人間の腸内の温度は37度近く、これは真夏の暑さに匹敵する。当然のごと
く残存した食べ物は腐敗・異常発酵起きる。
これにより腸内では悪玉菌が異常繁殖し、免疫力が低下してしまう。そのようなところに、さらに胃で食い止められなかったばい菌が
入り込んでくるから、具合が悪くならない方が不思議だ。
・ 胸焼けは、食道に胃酸が逆流してくることで生じる。食道はアルカリ性になっているので、酸には弱い場所だ。そのため普段から
人間は、胃酸が上がってくると、無意識のうちにアルカリ性の唾を飲み込むことで、逆流してきた胃酸を洗い流している。
しかし、食べすぎや消化不良などによって、唾では洗い流しきれないほどの酸が上がってくると、食道に「びらん」というひっかき傷
のようなただれができてしまう。そこにさらに胃酸がくると、痛みや不快感を伴う「胸焼け」という症状が起きる。胃薬を飲むと胸焼
けがスーッとひいていく感じがするのは、逆流している胃酸が抑えられるからだ。
胸焼けを防ぐには、暴飲暴食とたばこ、アルコール、コーヒーなどを控えることだ。そしてもう一つ大切なのが、夕食は寝る四〜五時間
前には終え、寝るときには胃を空っぽの状態にしておくということだ。
・ 漢方薬であろうが、化学薬品であろうが、薬が体にとって毒であることにかわりはない。さらに、効果が早く表れる薬ほど毒性も強い。
・ エンザイムの量と活性度が健康状態に大きく影響する。人間の体内で働いているエンザイムは、五千種以上ある。エンザイムには
体内で作られるものと食物として外部から取るものの二種類ある。そして、体内で作られる酵素も、腸内細菌が作り出しているものが
三千種ある。
よい胃相・腸相の人たちに共通しているのは、エンザイムをたくさん含むフレッシュな食物を多くとっている。そしてこのことは、たん
に外部からエンザイムを取り入れるだけでなく、エンザイムを生み出してくれている腸内細菌が活発に働くような腸内環境を作るのにも役立っている。
・ いくらエンザイムを豊富にもった食べ物を食べても、そのエンザイムがそのままの形で吸収され、人間の体内で働くわけではない。
ほとんどの食物の酵素は、消化の過程で分解され、ペプチドやアミノ酸として腸から吸収されてしまう。臨床データでは、エンザイムの
豊富な食事をしている人は、ボディ・エンザイム(体内酵素)も豊富に有しているということをはっきり示している。
エンザイムの豊富な食事をすることによって、体内に「エンザイムの原型(ミラクル・エンザイム)」ができているのではないかというのが私の仮説だ。
・ 薬はどんなものであれ、体に害を及ぼす「毒」だという最大の理由は、ミラクル・エンザイムを大量に消耗させるからだ。さまざ
まな薬があるなかで、ミラクル・エンザイムにとって最悪なのが「抗ガン剤」だ。抗ガン剤は毒性の強い活性酸素(フリーラジカル)を
大量に作り出すことで、全身のガン細胞を殺している。
しかし活性酸素は、正常な細胞も殺している。しかしどんなときでも、人間の体というのは恒常性を保とうと働く。そのため毒性の強
い活性酸素が体内で大量に発生すると、体中のミラクル・エンザイムがそれを解毒するためのエンザイムに姿を変える。体は全力を尽
くして最も被害の大きい活性酸素の中和に取り組むのだ。
抗ガン剤によってミラクル・エンザイムを大量に消耗するため、若い人は多くのミラクル・エンザイムを保持しているから抗ガン剤治療
が成功する確率が高いが、高齢者はミラクル・エンザイムの量が減っているので、失敗する確率が高い。
・ 抗ガン剤の副作用としては、食欲不振や吐き気、脱毛などが有名だが、それらの症状は全て、大量のミラクル・エンザイムが解毒に
使われた結果、各所でエンザイムが不足して起きる症状だと考えられる。
・ 私は、胃の手術をした患者にも最初から普通食を提供する。普通食がよいのは「よくかむ(一口あたり70回かむ)」ことが必要だか
らだ。よくかむことは唾液の分泌を促す。唾液の中には消化エンザイムが含まれており、かむことによってエンザイムと食物がよく混
ざり合い、食物の分解がスムーズに進むので消化吸収が良くなるのだ。
しかし、お粥だと最初からどろどろしているので、ろくにかまずに飲み込んでしまう。そのため、やわらかいはずのお粥は、エンザイム
が十分に混ざっていないため消化が悪く、よくかんだ普通食の方が消化が良いという結果になる。
・ 牛乳ほど消化の悪い食物はない。牛乳に含まれるタンパク質の約八割を占める「カゼイン」は、胃に入るとすぐに固まってしまい、
消化がとても悪い。さらに、市販の牛乳はその成分がホモゲナイズ(均等化)されている。「ホモゲナイズ」というのは、搾乳した牛乳
の脂肪分を均等化させるために攪拌することをいう。
なぜホモゲナイズするのがいけないのかというと、攪拌するときに牛乳に空気が混じり、乳脂肪分が過酸化脂質になってしまうからだ。
過酸化脂質というのは「酸化がとても進んだ脂」という意味だ。わかりやすくいえば「錆びた脂」だ。これは活性酸素同様、体に非常に
悪い影響を及ぼす。
その錆びた脂を含んだ牛乳を、今度は100度以上の高温で殺菌する。エンザイムは熱に弱く、48度から115度の間で死滅する。つまり、市
販の牛乳というのは、大切なエンザイムを含まないだけでなく、脂肪分は酸化し、タンパク質も高温のため変質しているという、ある意
味で最悪の食物なのだ。その証拠に、市販の牛乳を子牛に飲ませると、その子牛は四、五日で死んでしまうそうだ。
・ アトピーや花粉症の急増の原因は、1960年代初めに始められた学校給食の牛乳にあると考えられる。過酸化脂質を多く含む牛乳は、
腸内環境を悪化させ悪玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを崩す。その結果、腸内には活性酸素、硫化水素、アンモニアなどの毒素が発生する。
こうした毒素がアレルギーを引き起こしていると思われる。さらに、牛乳は、子供が白血病や糖尿病など深刻な病気を発症する原因と
なっているという研究論文が幾つも出ている。
・ 牛乳の飲みすぎこそ骨粗しょう症を招く。人間の血中カルシウム濃度は、通常9〜10ミリグラム(100cc中)と一定している。とこ
ろが、牛乳を飲むと、血中カルシウム濃度は急激に上昇する。そのため一見すると、カルシウムが多く吸収されたように思いがちだが、
この「血中濃度の上昇」こそが悲劇をもたらす。
じつは急激にカルシウムの血中濃度が上がると、体は血中のカルシウム濃度を通常値に戻そうとして、血中余剰カルシウムを腎臓から
尿に排泄してしまうのだ。つまり、カルシウムを取るために飲んだ牛乳のカルシウムは、かえって体内のカルシウム量を減らしてしま
うという皮肉な結果を招くのだ。
牛乳を毎日たくさん飲んでいる世界四大酪農国であるアメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの各国で、股関節骨折と骨粗
しょう症が多いのはこのためだろう。
・ 小エビや小魚、海藻類は腸内で消化された後、体に必要なカルシウムをミネラル分を吸収するので、体の仕組みに即したよい食物といえる。
・ 人間の腸にはもともと乳酸菌がいる。こうしたもともといる菌を「常在菌」という。人間の体は、外から入ってくる菌やウイルス
に対するセキュリティシステムができあがっているので、たとえそれが体によい乳酸菌であったとしても、常在菌でないものは、このセ
キュリティシステムに引っかかり殺菌されてしまう。
・ 乳糖というのは乳製品に含まれる糖分のことだが、これを分解するエンザイム「ラクターゼ」は、年齢を経るごとに減少していく。
なぜなら「乳」というのは、赤ん坊が飲むものであって、大人が飲むべきものではないからだ。つまり、本来ラクターゼは大人には必要
ないエンザイムなのだ。
乳糖はヨーグルトの中にもたくさん含まれている。そのため、ヨーグルトを食べると、エンザイム不足から乳糖をきちんと消化しきれず
、その結果として消化不良を起こす(軽い下痢を起こす)。この軽い下痢によってそれまで腸内に停滞していた便が排出されたのを「乳酸
菌のおかげで便秘が治った」と勘違いしてしまっている。
ヨーグルトを常食していると、腸相は悪くなっていく。これは三十万例の臨床結果から自信を持って言える。
・ ガン患者の食歴を調べていくと、動物食(肉や魚、卵や牛乳など動物性の食物)をたくさんとっていたことがわかった。しかも、早い
年齢で発病している人ほど、早くから動物食(特に肉、乳製品)を多く、そしてひんぱんにとっていたことがわかった。
・ 女性なら乳ガン、男性なら前立腺ガンを発病した人の大腸に異常が発見される確率はとても高い。その結果を受けて、いまアメリカ
では、乳ガンや前立腺ガンを発病した人は大腸検査を受けるというのがだいぶ浸透してきている。
・ ガンはどこか一部だけが侵される「局所病」ではなく、体全体が侵される「全身病」だと考えられる。それが体のあちこちに転移した
ように見えるのは、全身に仕掛けられた爆弾が、時間差で次々と爆発していくからだろう。そう考えると、現在の原発病巣をリンパ腺や血
管まで含めて広範囲に切除するという、一般的な手術方法が本当に正しいのかどうか、という疑問が生じる。
ガンは、転移を見逃して原発病巣を切除してしまうと、転移部分のガンが急成長を始めるので危険だというのは当然のことだ。ただでさえ、
生命エネルギーの低下している肉体から、リンパ腺や血管まで含む臓器を大幅に取り除いてしまったら、体の免疫機能がより急激に低下す
るのは当たり前だからだ。
・ 私の臨床例では、大腸内周の半分から三分の二がガンに侵されていた人でも、原発病巣を取り除く手術の後、正しい食事と正しい食生活
を実践してもらい、抗ガン剤ではなく、「ミラクル・エンザイム」がより効率よく働けるようサプリメントを処方したところ、転移も再
発もなく健康を取り戻すことができている。
・ カロリーが足りていても、ビタミン、ミネラル、タンパク質、脂肪などの栄養が足りていても、エンザイムが含まれていなければ、
生物は命を養うことはできない。しかし、その大切なエンザイムは熱に弱く、48度から115度で死滅してしまう。にもかかわらずペット
フードは、缶詰にしてもドライフードにしても、必ず加工工程で加熱されている。
つまり、エンザイムはペットフードを作る過程でなくなってしまっているということだ。
・ エンザイムを多く含む食物を食べるためには、ミネラルをたくさん含んだ肥えた土地で、化学肥料や農薬を使わずに育てられたもの
を、収穫してすぐに食べるということだ。野菜でも果物でも肉でも魚でも、新鮮であれば新鮮であるほどエンザイムの量は多い。
・ 酸化した食物が体内に入ると、フリーラジカル、特に活性酸素を作り出す原因となる。フリーラジカルは、細胞内の遺伝子を壊し
、ガンの原因を作るなど、さまざまな健康被害をもたらす。フリーラジカルは、普通の酸素の数十倍ともいわれている強い酸化力(も
のを錆びさせる力)を持っているからだ。フリーラジカルは、酸化した食物だけでなく、酒やタバコでも作られる。
・ フリーラジカルは、体内に入り込んだウイルス、細菌、カビなどを退治して感染症を防ぐという、体にとって欠かせない働きもし
ている。ただ、それが一定量以上に増えてしまうと、正常な細胞の細胞膜やDNAを壊してしまう。
・ 私達の体には、フリーラジカルが増えすぎてしまった時のために、フリーラジカルを中和する働きを持つ抗酸化物質であるエンザ
イムが備わっている。その代表が「SOD(スーパー・オキシド・ディスムターゼ)」と呼ばれるエンザイムだ。ところがSODは、40
歳を過ぎると急激に減少してしまう。生活習慣病の発病が40歳を過ぎた頃から多くなるのは、このエンザイムが減少するためだと思われる。
・ SODが加齢によって減少し始めたとき、余分なフリーラジカルを中和してくれるのが「ミラクル・エンザイム」だ。ミラクル
・エンザイムが豊富にあれば、必要に応じてフリーラジカルを中和するエンザイムとして働いてくれるからだ。
・ 現在一般的に市販されているオイルの多くは「溶剤抽出法」といって、原材料にヘキサンという化学溶剤を入れドロドロにしたも
のを加熱し、油を溶け出させた上で、さらに高圧・高熱下で溶剤だけ蒸発させるというやり方で作られている。
この方法だとロスが少なく、加熱してあるので変質もしにくいが、この方法で抽出された油は「トランス脂肪酸」という体にとって非常
に悪い成分にかわってしまう。つまり、腐敗(酸敗)しない代わりに体に害を与える成分が含まれているということだ。
トランス脂肪酸は、自然界に存在しないもので、悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすほか、ガン、高血圧、心臓
疾患の原因になるなど、さまざまな健康被害をもたらすことが報告されている。そのため欧米諸国では、食物に含まれるトランス脂
肪酸の量に上限値を定め、それを超えるものは販売が禁止されている。しかし、日本ではこのような基準はまだ定められていない。
・ トランス脂肪酸を最も多く含んでいるのが「マーガリン」だ。マーガリンほど体に悪い油はない。もともと植物油というのは常温下
では液体となっている。これは植物油に不飽和脂肪酸が多く含まれるからだ。同じ油でも動物性の脂肪が常温で固体であるのは、飽和脂
肪酸を多く含んでいるからだ。
ところがマーガリンは植物油であるに関わらず固まっている。その理由は、水素を添加し、不飽和脂肪酸を飽和脂肪酸に人工的に変化さ
せているからだ。トランス脂肪酸と飽和脂肪酸を含んでいるマーガリンほど悪い油はない。
・ 市販のクッキーやスナック類、ファストフードのフライドポテトなどには多くのトランス脂肪酸を含む油「ショートニング」が使
われている。だから体に良くないのだ。
・ 「揚げる」という調理法が日本に伝わったのは安土桃山時代のことといわれる。日本人が日常的に「揚げ物」を食べるようになっ
たのは、江戸時代の後期に入ってからだ。つまり、日本人が「油もの」を食べるようになったのは、ここ150〜200年ほどのことなのだ。
これに対し、ギリシャ、イタリアなど地中海に近い国々は、古くからオリーブを栽培・多用していたため、オリーブオイルなど油を
使った料理を昔から食べていた。こうした食文化の違いは、遺伝子の中に「油を消化する」システムとして組み込まれていると考えられる。
油は膵臓で分解消化されるが、日本人の膵臓の機能は古くから油ものを食べてきた国の人と比べて弱いようだ。だから、天ぷらや揚げ
物はせいぜい月に一度くらいに抑えたほうがいい。食べる際は、衣を取ってできるだけ油を摂取しないようにするか、よく噛んで唾液
と混ぜることによって、トランス脂肪酸がある程度中和されるようにする。
揚げ物は、自分の体のエンザイムを消耗するものだということを忘れないように。また、調理してから時間の経った油もの(過酸化脂質
の塊のようなもの)は絶対に口にしないようにしよう。
・ 油の主成分である「脂肪酸」は、大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の二つに分類される。不飽和脂肪酸は、「善玉」の脂
肪酸で、心臓、循環器、脳、皮膚などの機能を保つために必要な栄養素だ。不飽和脂肪酸のなかには、人間の体では生成できないもの
があり、それは食物からとらなければならない。
それを「必須脂肪酸」という。「リノール酸」「リノレン酸」「アラキドン酸」などだ。不飽和脂肪酸はとても酸化しやすい性質を持
っている。たとえ圧搾して作ったオリーブオイルであったとしても、人工的に搾った油を飲むことは勧められない。不飽和脂肪酸をと
るなら、魚に含まれるものが最も安定している。
とくに、イワシやサバなどいわゆる「青魚」には、不飽和脂肪酸の中でも「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(エイコサペン
タエン酸)」といった良質な脂肪酸がたくさん含まれている。
・ 油はどのようなものであっても、空気に触れればすぐに酸化を始める。だから、できるだけ調理には油を使わないほうがいい。
・ 新谷食事健康法では、穀物と野菜中心の食事をし、肉、魚、乳製品、卵などの動物性の食物をなるべく少なく(全体の15%以下)するよう指導している。
・ タンパク質の必要量は、体重1kgあたり約1g。つまり、体重60kgの人なら、一日60gで十分ということだ。しかし実際には、
日本人のタンパク質の一日あたり摂取量は成人男子の平均で84.9g。これはアメリカ人の摂取量に匹敵する量だから、明らかな過剰摂取だ。
無駄なタンパク質は消化エンザイムによってアミノ酸に分解され、アミノ酸は肝臓でさらに分解されて血液に流れ込む。すると血液が
酸性に傾くので、それを中和するために骨や歯から多量のカルシウムが引き出される。そうしてカルシウムと酸化した血液が腎臓でろ
過され、余分なタンパク質は、体から水分とカルシウムを道連れに排出される。そして、この間にも大量のエンザイムが消耗される。
・ 人間の体温を基準にして、それよりも体温の高い動物の脂は悪く、体温の低い動物の油は良い。牛や豚や鳥の体温は、人間より
も高い38.5〜40度。鶏の体温はそれよりもさらに高い41.5度。こうした人間よりも高い体温の動物の脂は、その温度で最も安定した
状態にあるということだ。
つまり、それよりも体温の低い人間の体内に入ったときには、ベタッと固まってしまう。この油のベタつきが、血液をドロドロにして
しまう。一方魚は変温動物だから、通常の状態であれば、人間よりはるかに低い体温をしている。その脂が体温の高い人間の体内に
入ると、溶けてさらさらの液体になる。
魚がもつ脂が血液をサラサラにし、悪玉コレステロールを下げるといわれているのは、このためだ。だから、同じ動物性タンパク質で
も、「肉」でとるよりも「魚」でとったほうが、人間の体にははるかに良い。
・ 一般的に赤身の魚よりも白身の魚のほうが体に良いとされるのは、赤身の魚のほうが酸化するのが早いからだ。「鉄分」をたくさん
含んでいるからだ。だから、赤みを食べる際に気をつけたいのは、鮮度のよいものを選ぶということだ。
・ 必須アミノ酸を全て含んでいるのが「良質タンパク質」と称される動物性タンパク質だ。いまの栄養学が、動物性タンパク質を毎日
とりなさいというのはこのためだ。しかし、すべてではないが、植物性タンパク質にも多くの必須アミノ酸は含まれている。穀物と雑穀
類、豆類、野菜、キノコ類、果物、海藻にもアミノ酸は多く含まれている。海苔の37%はタンパク質だ。
・ 私は、玄米が酸素に触れないように真空パックしたものを購入し、封を切ったら十日ほどで食べきるようにしている。これは、お米
も空気に触れていると、時間とともに酸化するからだ。とくに、精製した白米は皮をむいているから、玄米よりもずっと早く酸化してしまう。
米は稲という植物の種だ。この種は実った状態では籾殻という殻に包まれている。この籾殻の部分を外したのが「玄米」、玄米から果皮、
種皮、糊粉層など「ぬか」と呼ばれる部分を取り除いたのが「胚芽米」、そこからさらに胚芽まで取り除き胚乳だけにしたものが「白米」だ。
白米は、米の最も大切な部分を捨ててしまった「死んだ食物」だ。玄米は生命力を秘めた「生きた食物」だ。精製されていない食物には、
体によい栄養素がぎっしり詰まっている。タンパク質、炭水化物、脂肪、食物繊維、そのほかにもビタミンB1やビタミンE、それに鉄や
リンなどのミネラルといった数多くの大事な微量栄養素がバランスよく入っている。
ミラクル・エンザイムのもととなるエンザイムもたくさん含まれている。白米は玄米と比べると、栄養素は玄米の四分の一ほどしかない。
「麦」の場合も同じで、小麦も精製すると、栄養素は激減する。パンやパスタを食べる時は、全粒小麦粉を使ったものを選ぶといいだろう。
・ 人間に最も適した食物バランスは
1. 植物食と動物食の割合は、85対15
2. 全体としては、穀物を50%、野菜や果物を35-40%、動物食は10-15%
3. 全体の50%を占める穀物は、精製していないものを選ぶ
4. 動物食は、できるだけ人間よりも体温の低い動物である魚でとるようにする
5. 食物はどれも精製していないフレッシュなものを、なるべく自然な形のままとるようにする
6. 牛乳・乳製品はできるだけとらない
7. マーガリンや揚げ物は避ける
8. よく噛んで小食を心掛ける
・ よく噛むことのメリットの最大のものは、ミラクル・エンザイムの節約だ。人間の体は、噛めば噛むほど唾液の分泌が活発
になるとともに、胃液や胆汁などともよく混ざり合って消化が助けられる(消化に消費されるエンザイムの量が減る)。
・ よく噛んだほうがダイエットにはいい。噛むとそれだけ食事に時間がかかるので、食べている間に血糖値が上がり、食欲が
抑制され、食べすぎを防ぐことができるからだ。
・ 噛むことのもう一つのメリットは、寄生虫を殺すことがあげられる。50-70回ぐらい噛むと、魚等の5ミリくらいの寄生虫でも口の中でかみ殺すことができる。
・ 小食を心掛けていると、食べたものがほとんどきれいに消化・吸収されるので、消化しきれない余分なものが腸内で毒素を
発生させることもなくなる。そのため解毒に使われるエンザイムも節約できる。
・ 子供が親と同じ病気を発症しやすいのは、遺伝子として病気の原因を受け継いだからではなく、病気の原因となった生活習慣
を受け継いだ結果だ。よい食材を選ぶ、よい水を選ぶ、規則正しい生活をする、薬は極力飲まない、そうした体によい習慣を受け
継げば、子供はそれほど苦労をせずに健康を維持し続けることができる。
・ たばこの害で深刻なのが、全身の毛細血管が収縮してしまうことだ。毛細血管が収縮してしまうと、水分が全身に行き渡らな
くなる。水分が行かないということは、水分とともに運ばれるはずの栄養素も行き渡らなければ、それと入れ替わりに排泄される
はずの老廃物も出て行かないということだ。
その結果、老廃物が溜まり、それが腐敗し毒素を生み出してしまう。お酒を毎日のように飲む人の血管も同様だ。
・ 酒もタバコも体内に大量のフリーラジカル(とくに活性酸素)を生み出してしまう。それを中和するのが、抗酸化物質であるS
ODやカタラーゼ、グルタチオン、ペルオキシターゼなどの抗酸化エンザイムだ。よくタバコを吸うとビタミンCが大量に破壊さ
れるというが、それはビタミンCが抗酸化物質のひとつだからだ。フリーラジカルの中和には大量の抗酸化エンザイムが消費される。
・ 小児喘息、睡眠時無呼吸症候群、心筋梗塞、心臓麻痺といった病気を予防するためには、胃を空にしてから寝る習慣を身につ
けることが大切だ(寝る前に胃にものが入っていると、横になることでその内容物がのどまであがってしまう。すると体は、気管に
その内容物が入らないように、気道を狭め、呼吸を止めてしまう)。
夜、どうしてもお腹がすいて耐えられないと言う人は、フレッシュでエンザイムをいっぱい含んだ果物を少し食べるようにすると
いいだろう。エンザイムを含んだ果物は非常に消化がよく、だいたい30-40分程度で胃から腸へ移動する。
・ よい水は、血液中のコレステロール値や中性脂肪を減らすのに効果がある。成人であれば、最低でも一日に1500〜2000cc、
高齢者でも最低1000cc飲むことをお勧めする。水の補給は日中、それも寝起きと食事の一時間前に行うのがよい。冬場は、冷た
い水を飲むと体が冷えてしまうので、少し温めた水をゆっくり飲むようにする。
・ 水は、血液の流れを良くし、新陳代謝を促進する。老廃物や毒素を排出し、腸内細菌やエンザイムの活性化を促す。ダイオキ
シンやさまざまな環境汚染物質、食品添加物や発癌物質なども、よい水は体外に排出してくれる。そのため、水をあまり飲まない
人は、病気にかかりやすくなる。
良い水を飲んでいると風邪をひきにくくなる。なぜなら、気管支や胃腸の粘膜など、ばい菌やウイルスが侵入しやすい場所がよい
水によって潤っていると、免疫細胞の働きが活発化し、ウイルスにとって侵入しにくい場所になるからだ。
・ 人間の体にとっては、水分は「水」でとることがとても大切だ。なぜなら、お茶、コーヒー、炭酸飲料、ビールなどの「水」
ではない飲料は、多飲すると血液中に水分を補うどころか、逆に脱水を起こす原因になってしまうからだ。これらの飲料に含まれ
る糖分やカフェイン、アルコール、添加物などは、細胞や血液から水分を奪い、血をドロドロにしてしまう。
・ 水に塩素を入れると、水の中で大量の活性酸素が発生する。その活性酸素によって、水道水に含まれる微生物が死んでしまう
ので、結果的に殺菌されたということになる。しかしこの殺菌法では、水中の微生物が死滅すると同時に、水そのものも酸化してしまうのだ。
・ ミネラルウォーターで注意したいのは、ペットボトルのまま長く置いておくと、還元力が次第に低下してしまうということだ。
よい水を毎日たくさん飲むためにも、また調理のためにも、還元作用のある浄水器をしようするといい。
・ 水を飲むことで痩せられる。なぜなら、交感神経が刺激され、エネルギー代謝が活発になり、消費カロリーが増すからだ。交感
神経が興奮するということは、アドレナリンが分泌されるということだ。アドレナリンは、脂肪組織の中にあるホルモン感受性リパ
ーゼを活性化させ、中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解し、蓄えられていた脂肪を燃焼しやすい形にする。
20度前後の冷水がカロリーの消費量を増すことができる。冷たい水を飲んだとき、体はさまざまな方法で、少しでも早く水を加熱し、
体温と同じレベルに持っていこうとするからだ。しかし、氷水のような水を飲むことはかえって逆効果だ。冷たすぎる水は、体を一
気に冷やしてしまうので、下痢や体調不良のもととなってしまうからだ。
・ 健康な人の平熱は36.5度前後で、これが一度下がると、新陳代謝は約50%落ち込む。さらにガン細胞が最も増殖しやすいのも、
体温が35度台のときだが、これはエンザイムの働きが鈍くなり免疫機能が低下するためだ。エンザイムは体温が高いほうが働きが活発になるからだ。
風邪など病気になったときに熱が出るのも、体が免疫機能を高めているのだ。
・ 余分な体重を落としたければ、まずエンザイムの多く含まれている食物を食べることが大切だ。本当にエンザイムがたくさん
含まれているものだけを食べていれば、体というのは自然に、その人にとって最も適した体重になってくるようにできている。
酸化した食物、加工してエンザイムの失われた食物を食べているから太ってしまうのだ。
・ 太っている人はお腹がすいているから食べるのではなく、ビタミンやミネラルといった微量栄養素やエンザイムを求める体の飢餓感
にせきたてられて食べているのだ。この飢餓感は、よい食物をとることによってしか打ち消すことはできない。
・ 微量栄養素というのは主にビタミンやミネラルだが、これらは「コエンザイム(補酵素)」といって、エンザイムが体内で十分に働くために必要不可欠な物質だ。
・ ひとくちあたり30〜50回かむように心がけるだけで、無理なく食事の量を減らすことができる。さらに夜遅くの食事を絶対に避
けること。夜寝るときに食べ物がまだ胃の中に残っていると、炭水化物でもタンパク質でもそのほとんどはインシュリンの働きで脂肪にかわってしまうからだ。
・ 便秘になると吹出物が出たりするのは、毒素が腸内で発生し、それを腸内から十分に排泄しきれなくなっているからだ。
・ 「コーヒー・エネマ(コーヒー浣腸)」は、コーヒーの入った水にミネラルや乳酸菌生成エキスなどを加え、腸を洗う方法だ。洗う
のは大腸の左側だけなので、一日に二回行っても、消化吸収を行う小腸の働きを阻害することはないので安心して行ってよい(大腸
の左側は便が停滞しやすいので少しでも早く体外に出してしまったほうがいい)。
浣腸を定期的に行っている人の腸のほうが腸の動きもよく、停滞便も宿便もないきれいな腸相をしている。それに対し便秘薬を常用し
ている人の腸は、それが化学薬品でも漢方薬でも自然のハーブ茶でも、腸壁が真っ黒に変色していくことがわかっている。そして薬を
飲めば飲むほど腸の動きは悪くなり、動かなくなっていく。そのため腸相がどんどん悪くなってしまう。
・ 著者のミラクル・エンザイムを消耗しない生活
1. 朝:起床六時、目覚めてすぐ手足の軽い運動。手足を軽く振った後は、一度ベッドから起き、窓を開けて新鮮な空気を深呼吸。これ
によって、肺の中にたまっていた汚れた空気を新鮮なものと入れ喚える。再度ベッドに戻り、仰向けの体勢で、手を左右交互に上げる、
足を交互に上げる。両手を上げる、両足を上げる、という軽い運動をする。
その後、ストレッチ柔軟体操をして、体の血の巡りやリンパ腺の流れを徐々に活発にさせる。十分に血が巡ったところでベッドから起き
上がり、今度は空手の突きを左右百回ずつ、そしてラジオ体操を五分行う。そして500〜750ccの20度くらいの温度のよい水をゆっくり
飲む。
水を飲んで二十分後、水が腸に移動した頃を見計らって、まずエンザイムを豊富に含んだフレッシュな果物を食べる。朝食を食べるのは、
その30〜40分後ぐらい。朝食の主食は、玄米に五〜七種類の雑穀を混ぜたものを食べる。おかずは温野菜と納豆と海苔、それにもどした
わかめを、ひと握りぐらい食べる。
2. 昼:十一時を過ぎると、まず500cc程度の水を飲む。それからまた三十分後ぐらいに、果物があれば食べる。果物はできるだけ
食事の三十分くらい前に食べた方がいい。エンザイムを豊富に含むフレッシュな果物は消化がよく、食前に食べると胃腸の働きを助け
る上、ある程度、血糖値を上げてくれるので、食べすぎを防ぐことができる。
またフルーツは食べたいだけ食べていい。食事の時も、なるべくサラダのような加熱調理をしていないものから食べると消化はよくな
る。昼食も基本的には玄米が主食。食後に、20〜30分程度の昼寝をする。
3. 夕:昼食後はなるべく間食をせず、四時半ぐらいになったら、また500ccの水を飲む。それから三十分後にフルーツを食べ、また
その30〜40分後に夕食をとる。夕食は新鮮な素材を調理したらすぐに、よく噛んで食べる。献立は朝食とそれほど変わらない。六時か
ら六時半ごろに夕食を終えてからは、五時間後に就寝するまで食べ物も水も口にしない。
のどが渇いたときには、寝る一時間ぐらい前までによい水を渇きが潤う程度(コップ一杯ぐらい)飲むが、夜遅くの水分摂取は避けたい。
・ お茶はローストしてあるので、酸化を防ぐためにきちんと密封保存しておくことが大切。なるべく少量ずつ密封し、開けたらすぐに飲みきるようにする。
・ 昼食の後に三十分程度の昼寝をするのを習慣としているが、このほかにも疲れを感じた時など、こまめに五分程度の仮眠をとること
を心掛けている。昼寝をする時に大切なのは、ラクな姿勢で休むということだ。
・ 睡眠薬は脳のエンザイムを多量に消耗させるので、早くボケたりアルツハイマーになりやすくなる。
・ 運動のしすぎは百害あって一利なし。理想的なのは、毎日、自分のペースで3〜4キロぐらいの距離を歩くことだ。それともう一つ
は、暇さえあれば、目をつぶって深呼吸をすることだ。運動のメリットのひとつに、肺の空気の流れをよくするということがあげられる。
空気の流れがよくなると、新鮮な空気が入ってくるので、新陳代謝が活発になり、血液やリンパ、胃腸の流れもよくなる。過度な運動
をしなくても、深呼吸を一日に数十回することによって、必要な酸素を十分に取り込むことができるようになる。
また深呼吸には、副交感神経を刺激し、精神状態を安定させ、免疫機能を高めるという効果もある。
・ セックスライフは本当は死ぬまで続くのが当たり前。ただ、あえて機能的なことをいえば、本当に健康な男性なら75歳までは毎日
「朝立ち」があって当たり前、健康な女性なら55歳まで規則正しい生理があって当たり前といえる。
・ セックスの一時間ぐらい前に500ccの水を飲むと、膀胱に水が溜まり、前立腺が刺激され、勃起力が格段に上がる。バイアグラは必要ない。
・ コーヒー、乳製品、肉食という組み合わせは乳腺症を招き、そのまま食生活を改善しないでいると、乳ガンを発病する可能性が高
くなる。乳ガンの予防には、食事を改めることとともに乳房を毎日五分間くらいマッサージすることがとても有効だ。
・ 人間の腸内には、約300種類、約100兆個の腸内細菌が住みついている。腸内細菌は、生命力の源である約3000種類のエンザイム
を作っている。腸内細菌には「善玉菌」と「悪玉菌」がある。善玉菌というのは、抗酸化エンザイムをもっている菌のこと。
彼らは腸内にフリーラジカルが発生すると、みずから死んで体内の抗酸化エンザイムを出し、フリーラジカルを中和させてくれる。腸内
には絨毛と呼ばれる小さな突起がびっしりあるが、その絨毛の突起の間には善玉菌である乳酸菌が入り込んでいる。
この絨毛の中には免疫システムにかかわる白血球やNK細胞(ナチュラル・キラー細胞)といったものが出てくるが、それらは、異種タン
パクや細菌、ウイルスやガン細胞などの異物と戦うときに大量のフリーラジカルを出す。乳酸菌はその後始末ともいうべきフリーラジカ
ルの除去に活躍してくれる。
善玉菌の不足など何らかの理由で中和されなかったフリーラジカルが、非常にデリケートな絨毛に炎症を起こさせ、破壊していったの
が潰瘍性大腸炎やクローン病ではないかと考えている。
一方、悪玉菌は、不消化物などを破壊・崩壊させるような働きをするので、一般的には有害菌だと考えられているが、不消化物を早く
体内から排出するために、異常発酵を起こし有毒なガスを出させて腸を刺激し、ガスや便の排泄を促していると考えることもできる。
だから、悪玉菌も必要だから体内に常在しているのだ。
・ 長い間穀物と野菜中心の食事を続けてきた日本人の腸は、体の大きさの割からすると、欧米人の約1.2倍もの長さを持っている。
腸が長い分、食べたものが排出されるまでの時間も長くなり、肉食が腸に与える影響も大きくなる。
・ ブロッコリーのカルシウム含有量は、アメリカでは100グラム中178ミリグラムなのに対し、日本のものは57ミリグラムしかない。
つまり、アメリカ人が肉食をしても日本人ほど悪影響を受けないのは、こうした豊かな土地(アメリカの土壌に含まれるカルシウム
やミネラル、ビタミンの量が、日本の土壌よりはるかに多い)で育った野菜を食べているため、酸性に傾きがちな体のpHバランスを
ある程度中和することができているからだ。
・ 害虫であれ益虫であれ、「虫」が作物にとまることによって増える栄養素がある。それは「キチンキトサン」だ。キチンキトサン
はカニやエビの殻に含まれているが、虫の体を覆っているかたい組織もキチンキトサンによって構成されている。
そして、虫が作物など植物の葉っぱにとまると、葉っぱから「キトナーゼ」や「キチナーゼ」というエンザイムが出て、昆虫の足先
や体からほんの少しのキチンキトサンを吸収して植物はみずからの栄養としている。こうして虫から植物に取り込まれた栄養素は、
その植物を食べた動物の生命維持に貢献している。
・ 紫外線は動植物に強いフリーラジカルを受けさせ酸化を促進させるので、植物はみずからの身を守るために抗酸化物質を体内に
大量に作り出す仕組みを備えている。それが植物に多く含まれるビタミンA・C・Eなどのビタミン類や、フラボノイド、イソフラ
ボン、カテキンなどのポリフェノールだ。
こうした抗酸化物質は植物が紫外線を受けた時に作り出される。しかし、ハウス栽培等でビニールなどで太陽光線を遮断してしまう
と、植物に降り注ぐ紫外線が減り、結果としてビタミンやポリフェノールなどの抗酸化物質の含有量が減ってしまう。私達は食べ物
からエネルギーをもらっているのだから、その食べ物自体にエネルギーがなければ、いくら食べても健康にはなれない。
・ 人は本当に幸せを感じていると、免疫機能が活性化することが、血液検査でわかっている。免疫機能を高めるのはミラクル・エ
ンザイムだから、幸せを感じている人にはミラクル・エンザイムの貯蔵量が十分にあるということもいえる。また、幸せを感じてい
る時というのは、神経系は副交感神経が優位になっているのでストレスが減る。
ストレスが経るとフリーラジカルの発生が抑えられるので、腸内バランスが善玉菌優位になっていく。そして、腸内環境がよくなると、
その良い状態が副交感神経を通して脳の視床下部に伝達され、その情報を大脳が受け取り、「ああ幸せだな」と再び実感するのだ。
『理想の家づくり』 スウェーデン住宅研究会 平凡社
(1998)
スウェーデンの家・日本の家という副題で、スウェーデンハウスの良さを紹介。
・
スウェーデンの義務教育は7歳からの九年間。最近、6歳から修学できるように、プリスクール1年間の制度ができた。一学年は二学期制で、秋学期(8月下旬―12月下旬)と春学期(1月上旬―6月上旬)に分かれる。通常、三年生から英語を習い始め、七年生で第二外国語を習い始める。フランス、ドイツ、スペイン語から選ぶ。
・ 高校は16―18歳の三年間で日本と同じ。公立学校が全体の98%。大学への進学率は30%。高校、大学も学費は無料。日本と違い、大学と職業の結びつきが強く、大学で得た資格が即職業資格として通用する。
・
スウェーデンでは1975年にバリアフリーの法律を整備し、すべての新築住宅は車椅子の使用が可能でなければ建設できなくなった。
・
今日のスウェーデンにおける、高齢者福祉の主な概念として、ノーマライゼーションの理念(高齢者や障害者も、健康な人と区別することなく扱われなければならない)から、生涯自らの家で暮らすことが望ましいと考えられている。
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構造的に丈夫で、性能が良く、コストがかからないのは、「田の字プラン」の立方体の家。1階と二階の壁の位置がそろうことによって、自重や外からの力を正確に基礎に伝えることができ、無駄な構造補強がなくなる。立方体は、同じ床面積の中で一番表面積が小さくなる。このことは、室内から外部への熱の出入りを小さくするばかりでなく、コストのかかる外装材の面積を減らすことにもなる。窓や玄関の表情を工夫することにより、変化のある外観を作ることもできる。
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平面は単純な四角形で、1階と二階の壁の位置がそろっていること、建物の隅には壁を設けること、大きな吹き抜けを設けないことが安全な住宅のポイント。
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関東以西での高気密高断熟に対して過剰品質であり、関東では中気密、中断熱でよいとしているメーカーもありますが、アルミサッシを使い、中途半端に断熱材を入れた場合、
表面結露や壁内結露が発生し構造体を腐らせる可能性が高いといえます。また外壁に通気層もとらずに外壁をモルタルで固めているので、割れ目から水がしみ込みさらに耐久
性を落としています。もし気密断熱を正確に行わないのであれば、むしろ断熱材は入れないほうがよいし、昔の家のように隙間風による自然換気で結露が起きないように心がけるべきだと思うのですが。
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スウェーデンでは、窓の面積が決められており、外周壁から五mまでの床面積の15%と、その内側にある床面積の3%の合計面積までとしています。これに対しては、窓の断熱性能により緩和処置があります。窓から逃げる熱が大きいために、窓を大きく取りたいなら断熱性のよい窓を使いなさいという考え方です。スウェーデンでは50年―100年もたった家が多く見受けられますが、ほとんどはリフォーム時にペアガラスやトリプルガラスに取り替えられています。
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日本の住宅でも窓から逃げる部屋の熱量は、全体の30%以上といわれています。したがって外壁の断熱性能を競うよりは、窓の断熱性能に注目するべきでしょう。アルミサッシのシングルガラスでは日本の気候にはそぐわないと思われます。
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次に屋根の部分の断熱効果を高めることが重要となります。夏季における壁と屋根からの輻射熱を極力防ぎたいという理由からです。現在の日本の家屋において、ニ階のクーラーの効きが悪い理由は、日射遮蔽と天井断熱がしっかりできていないからです。夜でもニ階は、焼け付いた屋根からの放射熱で暑苦しくなります。一、ニ階の温度差を無くすためにも重要な部分です。都市部では採光のために南や西に向けてトップライトを設けることがありますが、この日射量でも大きな負荷が生じます。
・ 日射遮蔽については、スウェーデン製のオーニング(開閉式キャンバス地の庇)が有効。もうひとつは外部用のロールブラインド。
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バリアフリーを広義に捉えると、次の三つの側面がある。
1.
快適性:快適に過ごすためには「温熱環境」「空気環境」「音環境」「視環境」の四つの室内環境が重要。
2. 耐久性:身体能力が低下しても住み替えなくてよい家づくりが求められる。
3. 安全性:特に段差をなくすよう設計する。
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輸入建材を使う上で最も気をつけなければならないのは防水性。日本の降雨量は外国より高いので、生産地で問題がなくても日本では漏水を起こすことがある。
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スウェーデンの窓は三層ガラスがー般的です。ガラスとガラスの間には乾燥空気を入れて結露を防いでいます。そして、窓枠に使われている良質の木は、アルミに比べて1800倍の断熱性能を持ち、窓自体の熱貫流率は1.6キロカロリー/u・
h・℃と、ほかに類を見ない高性能です。これは、一般のアルミサッシの3.5倍の断熱性能に当たります。住宅の断熱において最大の弱点は開口部にあり、木製サッシ三層ガラス窓は住宅の性能を著しく向上させることになるのです。したがって壁にいくら断熱材を多く入れても窓を大きくとれば建物としての断熱性能は低下しますが、スウェーデンの窓ではそのようなことはありません。最近、世界的にはペアガラスの中にアルゴンガスを封入したものが多くなりましたが、ガスが抜けることや、破損したときのことを考えるとスウェーデン式三層窓がよいだろう。
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防音性にも優れ、透過損失は35デシベルと防音サッシ並の性能を有する。
・ フローリング(木製の床材):むく材もありますが、スウェーデンで優れているのは合板の上に突板を貼ったものです。スウェーデンのハード・ウッド・フロァーは、独自の三層構造で突板の部分が4mmと厚く、表面には特殊樹脂コーティングが数回ほどこされ、入念に仕上げられています。また、独自の乾燥工程とあわせ、過酷な使用環境、すなわち「重歩行」、「床暖房」、「さまざまな汚れの発生」などに十分耐えることのできる商品に仕上がっています。
・
施工方法としては、フローティング工法をおすすめします。この工法はハード・ウッド・フロアーを下地床に全く固定せず、さねの接着のみを行います。これにより施工後は接着された部屋の広さと同等の1枚のハード・ウッド・フロァーが、下地床の上に置いてあるという状態になります。このフローティング工法のポイントは、壁の周辺に数mmの余裕を__、一枚の板が平滑度を保ちながら水平方向に伸縮(温湿度変化に対する呼吸)する許容スペースを取ることです。
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ペーパーバリアーとは、室内の湿気が外壁の中に入るのを防ぐために、壁の内側に貼るビニールシートです。日本ではまだ基準がないために、農業用の薄いものを使うことが多いのですが、スウェーデンでは建材用に開発された、厚さ0.2mmで耐久性の高いものを使用しています。見えなくなってしまう部分であるだけに耐久性の高い材料を使用することは大切ですが、スウェーデンやカナダの製品は日本製より優れています。
『自分さがし』 曽田 しょう子 太郎次郎社 (1992)
「心を凍らせる」わからなさと、「心をふくらます」わからなさ外から貼られるレッテルとしての、苦い「わからなさ」とそれとは反対に、自分から新しい世界とむすびつきたいときに生まれる「わからなさ」、まず、不思議なもの、とっても気になるものの存在に気付き、わからない事が次々と生まれ、心からその一つをわかりたいと思う。創造につながるわからなさ。
「いのち」はみずからが「わからなさ」を芯にして、まわりの様々なものと「ゆらぎ感覚」で遊びながら、自らを膨らませていくもの。言い換えると「わからなさ」は「いのちのいとなみ」と切り離せない。もし、人の心から「わからなさ」を完全に取り除く事が出来たら、「いのち」は機械とかわらないものになってしまう。完全に取り除けないから、「いのちびろい」できている。
かけがえのない「自分らしさの種」は、確かに自分の中に存在しているのに、それを封印したままきてしまった。だから、今、分厚い「わからなさ」の殻が「種」のまわりを取り巻いている。これは苦い思いです。時間をもとに戻す事は出来ません。でも、こうした事実に今気付いたという事は、どんなに素晴らしい事でしょう。
次に、私は、「自分らしさの種」を育てるのだ、とまず自分で思う。そして、心の窓をあけること。外からのいろんなメッセージや雰囲気を感じて心うごくものがあったら、それを心の中に呼びいれる事。すると、心の中に感覚の「ゆらぎ」が生まれる。
「自分らしさの種」を育てるとは「いい出会いのできる状態」に自分をおいておくこと。
私達は、種の存在を感じる必要があります。同時に、それを閉じこめる枠組みの存在を感知する必要があります。この枠組みの外側は、世の中を覆っている通念で出来ています。「わからない、ッていうなんて大人らしくない」これは、「らしくしなさい」という声です。その内側を丁寧に裏打ちしているのは、世の中の声にあわせて、自分で作った枠なのです。「もう若くないんだから」...。この丈夫な二重の枠組みを破って、「あなたらしさの種」に、あふれる光と水を与えれば「あなたらしさの種」の生命力が目を覚まします。「ゆらぐ」エネルギー、「わからない」ことを「わかっていこう」とするエネルギーが働きはじめます。
『五〇歳からの元気な脳のつくり方』 高田明和 角川oneテーマ21(2004)
内容はちょっとテーマから外れていた。あまり具体的な脳の作り方には触れておらず、うつ病とか糖尿病とか高齢者が気を
つけるべき健康論になってしまっている。いまひとつ。
・ 脳細胞の増加がもっとも顕著なのは、記憶の入り口である海馬だ。海馬の細胞は70歳を過ぎても増え、突起をどんどん伸ば
して成熟した神経細胞になる。この細胞の再生を促すにはどうすればよいかという研究が進められた。細胞を増やす第一の刺激は運動だ。運動をすると記憶の細胞が増える。
第二に挙げられるのは、刺激ある環境だ。楽しい刺激や遊び心は私たちの脳細胞を増やす。第三には訓練と勉強だ。頭を使うこと
は脳細胞を増やす。だから、年をとっても頭を使う努力を忘れてはならない。
・ 脳梗塞で右脳の運動野が傷害された場合、左の手足は動かなくなる。しかし、リハビリを続けると次第に左の手足が動くよう
になる。その時の脳を調べると、左脳の運動野が働いて、それが左の手足を動かしていることがわかる。このように脳が都合によ
り仕組みを変えてしまうことを「脳に可塑性がある」という。
・ 盲目の人は目が見えないので、後頭葉の視覚野は活動していない。ところが、盲目の人が指で点字に触って字を読んでいる時に
脳を調べると、後頭葉の視覚野が活動していることがわかった。視覚野に文字の像が入らないのに、視覚野が指からの刺激で活動しているのだ。
つまり、盲目の人は指先で見ているといえる。
・ 私たちが手話を見る時、後頭葉の視覚野が活動している。それは手話の像が網膜に映り、これが視神経で後頭葉の視覚野に
送られるからだ。ところが聴覚障害の人が手話を見ると、側頭葉(耳の奥)にある聴覚野が活動する。耳の聞こえない人は、手話を聞いているのだ。
・ 心を傷つけ、暗い感情を生むような考え方を「ゆがめられた考え方」という。このような考え方をすると、扁桃や帯状回が
刺激される。すると、視床下部からCRHというホルモンが出され、これが扁桃や海馬に働き、暗い気持ちにさせる。
さらに、CRHは直接海馬などの脳の働きを阻害し、CRH分泌のために副腎皮質から出されるコルチゾルも脳細胞を障害する。
その結果、脳細胞が死滅することになり、記憶が悪くなったり、判断を間違えたり、決定ができなくなったり、感情が暗くなる。
とくに前頭前野は、扁桃で生まれる感情が過度になることを抑えているので、前頭葉の細胞が死滅したり、その活動が抑えられる
ことによって、感情を正しく働かせることができなくなる。そのため、悲しみや、怒り、不安な気持ちが抑えられないのだ。
・ 鬱になるゆがめられた考え方
1. 白黒人間:あることに関してイエスかノー、成功か失敗、勝利か敗北しかない、というような考え方をすることは危険だ。
2. 単純化:何かに失敗すると「自分は何をやってもだめだ」と思うのが単純化。
3. 知的フィルター:うつの人は世の中や自分について、暗い面しか考えない。またうつの人は、何か良いことがあった時には「
それはまぐれだ」と考えて、あまり嬉しがらず、逆に嫌なことがあると、そのことをいつまでも考えている。
4. 結論を早まる:これには二つの問題がある。第一は“他人の心を推察する”こと。「他人がこのように“思っている”のでは
ないかと“思う”」。第二は予測癖だ。例えばあなたが異性の友達に電話したが、いなかったので連絡してくれるよう留守電を残した。
ところがその日に電話はなかった。あなたは「彼女は私を避けている」と考える。実際は、そうではないかもしれないのに。
5. 拡大化:たいてい自分の失敗について起こる考え方だ。あなたが何かの失敗をした時に、「これは上司や別の部署の人にまで
知られているだろう。もうこの会社での自分の将来はないのだ」と、出来事を拡大し続けること。
6. 感情の理由付け:例えば「自分には価値がない」という考え方は、根拠のないものである可能性がある。だから、ここから導
かれる感情にはやはり根拠がないといえる。実は「価値がない」という考え方は、論理的なものではなく、感情的なものだ。
その感情に理屈をつけると、「自分には価値がない」ということになるのだ。
7. mustの考え方:〜しなければならないという考え方。もしその考えに合わない結果になれば、あなたの考えは破綻をきたす。
8. ラベル化:うつの傾向のある人は、「自分はだめだ」「将来もうまくゆかない」などと自分をラベル化している。このよう
な人は他人についても「あの人は自分を嫌っている」などとラベル化し、さらにうつの感情を誘発する。
9. 自分の責任にする:
・ 糖尿病には二種類ある。一つは膵臓のインスリンを作るベータ細胞が障害され、インスリンが出なくなるもので、1型糖尿病
といわれている。この病気は若い頃に始まる。ところが、これは全糖尿病の5%ぐらいしかない。残りの95%は2型糖尿病と呼ばれ
るもので、インスリンが出ていても働きにくいために起こる。これは中高年にみられる。
・ ブドウ糖が細胞内に入る時、輸送体という通路を通る。この通路は、インスリンがないと開かない。インスリンが細胞膜(の受
容体)に結合すると、その指示により輸送体が膜に出現する。この通路を通ってブドウ糖が細胞内に入って利用され、エネルギーを生み出す。
・ 2型糖尿病の主な原因はストレスだ。ストレスにあうと細胞側に異常が起こり、インスリンが受容体に結合しても、輸送体が
膜の表面に現れなくなる。つまりブドウ糖が細胞内に入らなくなる。そのために血液中のブドウ糖が増え、これが尿に出る。
ストレスが長く続くとインスリンが働かなくなり、これが血糖値を高め、その結果、動脈硬化や血栓形成などの変化を起こす。
細胞はブドウ糖を使うことができないので脂肪を使うことになる。その結果、酸性の酢酸やアセトンなどができる。これが活性
酸素を作って細胞を障害する。これが糖尿病の本体だ。
・ やせすぎの人は小太りの人より死亡率が約2倍。
『40歳からの「バカになれる脳」の鍛え方』 高田明和 講談社+α新書 (2003)
1935年静岡県に生まれる。慶應義塾大学医学部を卒業,同大学院を修了。ニューヨーク州立大学助教授,浜松医科大学教授を経
て、同大学名誉教授となる。医学博士。専攻は生理学。日本生理学会、臨床血液学会などの評議員。89年、中国科学院より国
際凝固線溶シンポジウム特別賞を受賞。91年、ポーランドのビアリストク医科大学より名誉博士号を受ける。血液と生理学分
野で国際的な活躍をする一方、ユニークな科学エッセイで幅広い読者をももつ。
感情というしくみ、感情をコントロールする方法等が分かりやすく説明されており、非常に勉強になり、面白かった。
・ 考え方が感情を生み、それが行動に表れるというのが現在の脳生理学の考え方。従ってゆがめられた考え方によって根拠の
ない感情が生まれれば、私たちの人生は破滅に導かれる恐れがある。だから、感情を支配するものの考え方を検討し、もし自己を
強く主張すべきだという結論になれば、そのように行動することが大事。
感情が私たちを苦しめるときには、その感情を生んだ私たちの考えがゆがめられている可能性がある。
・ 大事なことは、感情はあなたの考え方が作り出しているので、それを変えたり、そのまま表現したりすることを決定するのは
、あなたしかいないということ。
・ 私たちは何らかの決断、決定をするときには、まず多くの可能性の中から「好き嫌い」つまり感情でいくつかを選び出しており
、そして、その後いくつかの可能性に絞られたときに今度は計算、分析など理性を用いて判断し、決断している。
・ 感情が抑えられている時、気分的にうつ状態な時には決断ができない。うつは「結論の出せない病気」といってもよい。うつが
治ってくると次第に感情が起こってきて、好き嫌いもはっきりしてくる。すると、今度は決断ができるようになる。
・ すべての感覚情報は扁桃体に入ってくる。そして扁桃体から視床下部に神経が送られる。
・ 扁桃体を除去すると、怒りや恐怖などを感じなくなる。
・ 怒りはしばしば恐怖から起こる。また怒りは対象に向かって攻撃を起こす。この攻撃性については二つに分類される。一つは
「略奪的攻撃」で、えさをとるために相手に攻撃をしかけ、その結果相手を倒そうとする行為。動物はあまり声を出さず、攻撃の
際には相手の首や頭を狙う。
この場合には交感神経の活動はあまり目立たない。もう一つは「情動的攻撃」で、動物はふーっという声を上げ、背中を丸め、歯を
剥き出しにする。動物は相手を脅す姿勢をとるか、逃げる姿勢をとる。このときには交感神経が激しく活性化される。
・ 大脳皮質を取り除いたネコやイヌは激しい怒りの態度や行動をとる。背中をそっと叩いただけで、激しく怒る姿勢を見せる
。このような、普通は怒りを示さない刺激で怒りを示すので、これを「偽の怒り」という。このような怒りの表情を示しても動物
は相手を攻撃しようとはしない。
じつは高齢者が怒りっぽくなるのはこの理由だ。大脳皮質の抑制がきかなくなるので、ちょっとしたことでも怒る。普通の人なら
怒らないようなことで突然怒りを爆発させるお年寄りがいるが、これは「偽の怒り」の一種だ。本人はそんなに怒っていなくても、
怒りとして表現する。
だから、それが過ぎると、本人はけろっとしていることがよくある。これは痴呆の症状の一つといってよい。この時に、お年寄り
をしかったり、遠ざけたりするのは逆効果で、痴呆を促進する。
・ 「偽の怒り」は視床下部に関係している。視床下部の前のほうと大脳皮質を取り除くと激しく怒りを表現する。さらに後部視床
下部を取り除くとこの怒りは収まる。つまり怒りと攻撃性には後部視床下部が大事だということが分かった。さらに、「情動的攻
撃」と「略奪的攻撃」は視床下部の中でも担当する位置が違うことが分かった。
・ 「情動的攻撃」を引き起こす、内側視床下部の刺激は中脳に送られて、中脳水道周囲核という部分を刺激する。ここには有名な
脳内麻薬を放出する神経が存在する。一方外側視床下部の刺激は中脳の腹側被蓋を刺激する。ここはドーパミン神経の細胞のある
ところでいわゆる快感を起こす場所とされる。
このことは怒りがある種の快感をともなうことの証明だ。私たちも言えないことを思い切って言ったりしたときに、一瞬の間「や
った」という喜びを感じる。つまり、怒りは大切なもので、これがなくならないようにすることが動物の生存に重要であることを
示している。このために怒りに喜びの感情を結びつけるように脳が出来上がっている。
・ サルの社会には必ず序列ができる。ボス的なサル、その二番手、さらにもっと下位の何でも言うことをきくサル、という序列
をつくる。そこでボスの扁桃体を取り除く。手術後仲間の中に戻すと、ボスは最下位の序列に下がってしまう。今まで二番手のサ
ルはおとなしくなった元ボスザルを恐れなくなり、トップの座を取ってしまう。
そこで今度は新しいトップのサルの扁桃体を取ると、このサルも最下位の仲間になってしまう。最下位のサルは何でも上のサル
の言いなりで、食べ物も皆が食べた後の残りをもらう。ここで注意すべきことは、今までのボスザルは手術により知能も低下し
ていないし、体力も減退していない大きなサルだということだ。
最初の序列はまず力のあるもの、さらに仲間をつくる能力の高いものが高い地位をとる。だから二番手はボスに戦いを挑むこと
ができない。ところが、手術後には、たとえ横綱の体格を持ち、今までと同じような知能を持っていても「おとなしく、戦いを好
まない」というだけで序列が下がり、しかもそのサルはこの屈辱を受け入れる。
このことは怒りや強い感情が私たちが社会で生きていくうえで欠かせないものであることをよく示している。
・ 怒りのような感情があるから、私たちは地位や立場を保てる。能力にはこの感情も含まれている。たとえ、知力、体力があって
も強い感情がなければ、私たちは能力を発揮できない。
・ セロトニンが少なくなると攻撃的な考えが強くなる。これが自分に向かったときには自殺となり、他者に向かったときには他
殺や傷害事件になる。
・ セロトニンは肉の成分のトリプトファンから作られる。脳内のセトロニンが減ってくると空腹になるが、同時に感情は不安
定になり、動物は獲物を求めて、危険な闘争をしかける。そして獲物を倒し、肉等を食べて満腹になると、満足感から精神的な安定
を得ることができる。
人間の場合にセロトニンが減ると気分は暗くなり、自信を失い、自己批判、自責の念にとらわれ、活動できなくなる。
・ 態度が自信に満ち、グループを支配する威厳を見せるボスザルを調べると脳内のセロトニンの量が多い。このようなボスザル
にセロトニンの合成を阻害するPCA(パラクロロフェニルアラニン)という薬を投与するとサルは行動に変化を見せる。相手に
対して威圧的な行動ができなくなる。
このような行動の変化は二番手のサルにボスになろうという挑戦の気構えを起こさせる。その結果ボスザルはボスの地位を奪わ
れる。つまり精神的安定、自信、気力というような要素もリーダーとして必要なのだ。
・ 怒りそのものは私たちの生存、よりよい生活条件を維持するために必要なものだ。第二は怒りを感じない、または弱い感情し
かない人間は他から見下される。第三には感情が抑えられている鬱の状態では、行動は破壊的になり、それが自己に向いたときは
自殺になり、外に向いたときには他殺や傷害事件になる。
・ あなたの感情はあなたが現象を見るときの考え方に完全に依存している。あなたはまず何が起きているか理解する。感情は
そこから生まれる。もしあなたの考え方が適当なものであれば、あなたの感情は正しく表出される。正しくというのはあなたを苦
しめないようにということ。
しかしもしあなたの考え方がゆがめられていて、それに基づいて現象を理解するなら、そこから生まれる感情も異常なものにな
る。
・ 9つのゆがめられた考え方のパターン
1. 白黒の考え:成功か失敗か決め付けて、中間の考え方をとらない
2. 一般化:うまくゆかない場合に、すべての悪い予想が実際に起こると考える
3. メンタル・フィルター:悪いことが起きたときにそれのみ考え、すべて否定的に考える
4. 結論を急ぐ(@相手の心を推測するA未来を予測する):誰かが自分などダメだと考えていると思ってしまう。毎日よくない
ことが起こると予測する、将来もダメになると予測する。
5. 拡大化と矮小化:物事を現実以上に重要視し決定的だと思う
6. 感情を正当化する:自分が感じていることは正しい感じ方だと思う
7. 「べき」の考え方:自分も他人もこのようにすべきと考える
8. ラベル化:「自分はダメだ」「あの人は他人の気持ちが理解できない」などと決めつける
9. 他人の行動を自分の責任にする:他人が自分の指導通りにしない時、言うようにしない時に自分がダメだと思う
・ ゆがめられた考え方を直すには、第一は自分の考えがどのようにゆがめられているか、さらにそれ以外の考え方はないかと
いうことを書き出してみる。人間は頭の中で考えているときには、自分の考えのゆがみについて気づいても、それを変えるとか、
別の考え方をするという気持ちにはならないのが普通。
ところが文字に書いたものを見ると非常に客観的に見え、自分で書いた言葉にもかかわらず、冷静に評価できる。
・ 例えば「自分はいつもダメな事ばかりする」という考えに対して、その考え方の分析をする(9つのどのパターンか分析する
)。この場合「拡大化と矮小化」のパターンがあたる。そしてその考え方に対する反論を書く。例えば「この前はよい提案だと言わ
れたではないか。いつもダメというわけではない」と書く。
・ このように悪い考えをすべて書き出すことは頭の中でいつまでも考えが堂々巡りすることをやめさせる効果がある。
・ あなたがゆがめられた考え方をし、その結果生まれた感情があなたを苦しめるときにその奥に潜んでいる隠れた欲求がある
。その隠れた欲求があなたの考えをゆがめている。隠れた欲求とは、あなたが価値をおいているもの。これを知ることが、なぜ
あなたがゆがめられた考え方をするのかを解き明かすカギになる。
・ 隠された欲求には大きく分けて四つある。
1. 認められたいという欲求
2. 愛されたいという欲求
3. 達成したいという欲求
4. 完全でありたいという欲求
・ 隠された欲求を見つけるには、まず思い切ってそのゆがめられた考え方を肯定してみる。肯定し続ける。するとその奥に潜ん
でいる欲求が顔を出してくる。もし自分の心に浮かんだ考えが正しいとしたら(ゆがめられていないとしたら)、それは自分にと
ってどういうことなのか、と問う。それがなぜ自分の心を傷つけるのかを考えてみる。
・ 例えばこのように問いつづける。「上司は自分の提案をなっていないと言った」―なっていないと言われたら、なぜ嫌なのか
。「それは上司は部下を評価することができるし、さらに人事などに自分のことをダメだと言うだろうから」―そうなるとなぜ困
るのだろうか。
「それはこの噂がすぐに会社に広まるだろうし、誰も自分の能力を高く評価してくれないだろうから。自分は会社を辞めさせられ
るかもしれない」―そうなるとなぜ困るのだろうか。「それは自分が価値がないことを証明することになるし、自分は非常に不幸
に感ずるだろうから」
この中に潜んでいる欲求は、@人に認められたい、A孤立したくないという気持ちだと分かる。
・ 認められたいと思う気持ちがあなたのゆがめられた考え方の奥にある。この考え方を変えるには
1. 「認められたい、そのためには相手の気持ちを害したくない。さらに向こうの言うことをできるだけかなえてあげたい」という
考えの利点と不利な点を列記する。そうすることであなたは新しい価値観を持つことができる。
2. 隠れた願望の奥に自分が本当に求めているものを知る。そして自分の願望は、実は認められたい、好かれたい願望であること
を再確認する。そしてこの願望に対する自分が思いつく限りの反論を書く。
・ 達成感は満足や幸福をもたらさない。達成感に幸福を求めればフラストレーションのみが残る。もっと達成したいからだ。
・ 「念起こる、これ病なり。継がざる、これ薬なり」と言って、念が起こるのはこれから心を傷つけるもとになるから、これは病
の最初だ。しかしこれを続けなければ、心を傷つけないので、続けない、つまり継がないのが薬だという。
・ 念を継がず、考えないでいる、あるいは別のことに心を向けていると、本来の心が輝いてきて、次第にゆがめられた考え方が
なくなり、感情も正しく表出される。
・ 今までの考え方に固執して、心を傷つけている場合には次のように自分に言い聞かせよう。「今までこのように考えてダメだ
ということは結論がついている。また同じことを考えれば、また堂々巡りになり、心は苦しくなり、結局うつになったり、イライラ
したりするのだ。だからもう一度同じ考え方をしても意味がないのだ」。
『40歳をすぎても記憶力は伸ばせる』 高田明和 講談社α新書 (2001)
1935年静岡県に生まれる。慶應義塾大学医学部を卒業,同大学院を修了。ニューヨーク州立大学助教授を経て,浜松医科大学教授。医学博士。専攻は生理学。
「“人の名前”がすぐ出ない!」に確実に効く本!!という帯のタイトルがよかった。思わず手にとって読んだが,記憶力を伸ばす脳の鍛錬法は本のちょっとで,ほとんどが記憶に関わる脳の話。でも,非常におもしろかった。
・ 短期記憶は脳の海馬に一時的に保存され,長期記憶は脳に広く蓄えられる。
・ 短期記憶は数秒から数分続く。
・ 短期記憶は数分で長期記憶になる。
・ 強いストレスに遭うと,海馬の神経細胞は死滅してしまう。
・ ストレスを受けた際に出される副腎皮質ホルモン(コルチソル)が多くなりすぎると海馬の神経細胞を死滅させる。(ストレスから逃れる,つまりストレスの原因となる事柄を忘れるために海馬の神経細胞を死滅させるのでは)
・ 海馬が損傷を受けても,体得の記憶は機能する。例えばスキーを習えば,習ったことを忘れてもちゃんと滑ることができる。それは体得の記憶は海馬を必要とせず,小脳が関係しているから。
・
海馬を衰えさせないためには、ストレスをためないことと脳細胞の活性化が大切。最近の研究では脳細胞は何歳になっても増えるということがわかってきた。つまり,頭の働きも記憶を増す努力を続けることで,向上させることができる。
・
ある種の脳梗塞の患者に興味深い症状が見られた。この人は何でも覚えているのに,小さい動物のことは思い出せない。思い出せないのは名前だけでなく,形,色,行動など一切思い出せない。しかし,大きい動物,ゾウやライオンのことは何でも思い出せる。
また別の患者は、台所用品だけを思い出せない。これらの例を見ると、私たちはものを覚える時にはまず無意識にそれがどのようなものかを分類し,適当な引出しに入れて保存するということがわかる。覚える時にその内容に自信がないと,すぐに忘れるという経験も,引出しにちゃんと入れないので,後で引出すことができない。これを応用して分類や引出しへの保存の仕方を工夫することで,記憶力を高めることができる。
・ 60―75歳の高齢者を散歩をするグループとストレッチをするグループに分けて六ヶ月それぞれの運動をしてもらった後、仕事の指示が急に変化した際にどの程度速く変化に対応できるかを実験した。結果は、ストレッチグループには変化がなかったが、散歩グループは20%速くなった。
つまり、散歩は前頭葉(ある作業から別の作業に変わる時に命令を出すところ。例えば、アクセルを踏んで車を運転していたところ、歩行者が現れたので、急にブレーキを踏むというようなこと)の機能を高めてくれることがわかった。
・
楽しい環境に置かれたラットの海馬の細胞は普通の環境に置かれたラットの海馬の細胞より多くなっていることがわかった。
・
運動をしたラットの海馬の細胞は飼育箱に入れただけのラットの海馬の細胞より多くなっていることがわかった。
・
ネズミは水が嫌いだ。そこでラットを水槽に落として泳がせた。すると十分運動したにもかかわらず、ラットの脳細胞は増えていなかった。つまり嫌々やった運動では脳細胞は増えない。運動も楽しくやるということが大事。
・
運動や楽しい環境に置かれることで増える神経細胞は記憶に関係する海馬の細胞であるということが大事。つまり記憶の細胞は、記憶以外の作業をすることでも刺激され、増加するということ。
・
有名人の写真を見てその人の名前をなかなか言えないことはあるが、その人名前を聞けば、どのような人かわかる。つまり、右脳から左脳を刺激するのは難しく、左脳から右脳を刺激するのは楽だということ。そこで記憶の訓練で大事なのはこの働きを促進すること。
・
記憶には入り口、それを維持する場所、出口がある。出口から出せないということと覚えていないということとはまったく別だと思うことが記憶の訓練術として大事。つまり「脳には蓄えられているのだ、ただ引出し方がうまくいかない」と思うこと。これで「自分はボケてきたのではないか」と悩んでいる人もずいぶん気が楽になる。
・
短期記憶として1回に海馬に入る数や言葉の長さには限界がある。数でいえばだいたい七つぐらい。これ以上長い数字を言われた場合、たいていの人は最初の数個と最後の数個を記憶しようとする。つまり短期記憶には限界があるが、脳は最初か最後を選んで覚えようとする。特に最初を選ぶ。
・
他人に何かを覚えてもらおうとしたら、長すぎる話はダメ。最初に話すことが大事。また最後の締めくくりも大事。
・
私たちの脳はなにかを見たり聞いたりしたときに、無意識のうちにその情報を分類し、適当な引出しに入れている。また無意識でも、どこの引出しに入れてよいか分からないものは記憶しにくい。例えば理解しにくいこと、あるいははっきり覚えなかったことはすぐ忘れてしまうが、それはどの引出しにも入れられなかったから。つまり覚えるためにははっきり特徴や内容を理解して覚えないといけない。
・
はっきり覚えなかったことは「一時的な引出し」に入れられる。これは当然忘れてしまう。ところが次に同じことを覚えようと思って、今度は十分理解して覚えたつもりなのに、時間が経つと案外思い出せないということがある。一度一時的な引出しに入れられた記憶は次からもやはりそこに入れられる。
だから、ものを覚えようと思ったら最初の時からよく理解し、うろ覚えでないようにして覚えることが大事。また何か似たようなものと関連付けて覚えると、その引出しに入れられるから、その関連付けられたものを思い出すと名前も出てくる。
・
右側は太郎の顔で、左側は次郎の顔の合成写真を作る。これを顔の真中についたてを置き、右目は太郎の顔、左目は次郎の顔を見るように設定する。(つまり、太郎の顔は右目で見るのでその像は左脳へ、次郎の顔は左目で見るのでその像は右脳へ入る)この合成写真を見せると九割の人が次郎を見たと言う。それも半分の次郎でなく、右側も次郎だという。
つまり顔の認識では右脳は左脳をしのぎ、脳全体を右脳の意見にしてしまう。ところが次に「見た顔の名前を言ってください」と質問してみる。そしてしばらく見せていると、太郎だという。つまり言葉が関係すると左脳の働きが支配的になる。このことは名前の引出しは左脳にあり、顔の引出しは右脳にあること、さらに両方は普通は別の引出しに入れられており、これを一緒にするには努力が必要だということを示している。
・
脳のしくみには、頻繁に使う神経の経路は情報が伝えられやすくなるという法則がある。これを長期増強という。刺激が加わる頻度が増すと、その刺激の通路がいつも開いているようになる。このことを利用して記憶力をよくする。
・
まずテレビなどで誰かの顔を見たらすぐに名前を言ってみる。言えない場合には、とにかく思い出そうと努力する。この時にただウンウンと思い出そうとするのでなく、ア、イ、ウ、エ、オの順に名前を思い浮かべてどこかの引出しに入っていないかと調べていったり、どんな意味の名前だったかを思い出していく。この記憶術で大事なのは諦めないということ。
・
顔から名前を思い出す努力は、脳の機能の本質的な部分をよくする試みである。
1. 脳の各部の連結を強固にし、情報の交換を迅速にする。
2.
引出しに入れやすいように、物事をよく理解しようとするようになる。
3.
引出しを正しく選んで入れるように、物事の分類を無意識のうちに効果的に行うようになる。
・
酒の飲みすぎは記憶力を低下させる。脳の働きは体内にアルコールがなくなっても長く影響を受ける。
・
脳の打撲は、後にアルツハイマー病を誘発したり、また海馬の萎縮を早めるような状況を作り出す。
・
人間の記憶はあやふやで、誰か信頼する人に「こうだったのだろう」と言われると、最初はそうではないと知っていても、その何回かの説得のうちに「もしかしたら言うとおりかもしれない」という気持ちになり、そのうちに「そのとおりだ」という意見に変わっていくことが確かめられている。
子供のときに実際に経験しないことを親や親戚の人があるように思わせた場合の記憶の変化を調べた事例がある。最初ありもしないことを言われた時はそんなことがあったと誰も信じないが、二回目になると18%の人がこれを信じるようになり、三回目には25%まで信じる人の率が増した。
・
私たちが何かを経験するとまず物語りの引出しに入れられるが、その次に思い出すとその時期の考え方や、体験などの影響を受け、次にしまう時には少し書き換えられている。同時に同じ引出しに入れられる別の経験によっても次第に書き換えられる。このように記憶は完全でなく、しかも本人の過去の体験、その時の心理状況、その後の生活環境により、思い出したり、思い出さなかったり、また違ったように思い出したりする。
・
脳梗塞になるのを防ぐような生活をすればアルツハイマー病になってもボケることが少ない。血管と血液の状態には注意して、動脈効果を防ぐ。
・
ビタミンEとセレニウムを毎日摂取することがアルツハイマー予防や進行を送らせる。ビタミンEは麦芽や大豆、緑黄野菜に多く含まれるが、脳の機能の改善には、食べ物からのみ摂るだけでは足りない。錠剤で摂取することが必要。
・ 多くのビタミンB類、ビタミンB1、B6、B12などは脳の機能の維持に必要。ビタミンB12の欠乏は意識の混乱を引き起こし、痴呆を促進する。ビタミンB1の欠乏は記憶力を損なう。
・
ミネラルで特に注目されているのはセレニウム。このミネラルは強い抗酸化物で、脳細胞の酸化を防ぎ、記憶の衰えを予防する。
・
セレニウムの血中の濃度は60歳代で若い時に比べて7%、75歳になると24%減少することが知られている。そのために毎日100マイクログラムのセレニウムの摂取が勧められている。
・
女性は男性に比べて病気になりにくい。それは主として女性ホルモンの影響。ところがアルツハイマー病は女性のほうが多い。また骨粗しょう症なども更年期の女性に多いので、これも女性ホルモン、エストロゲンの欠乏によると考えられている。
・
エストロゲンを摂取した女性はアルツハイマー病になりにくい。
・
エストロゲンは神経細胞の増殖を促進する。エストロゲンを加えると突起は伸び、シナプスの数は増える。
・
お茶や紅茶に含まれるカテキンは血管の機能をよくし、さらに抗がん作用もあるということで最近注目されている。カテキンには強い抗酸化作用がある。
・ ハーブにも多くの脳機能の亢進物質が含まれている。
・
最近注目されているのは、イチョウの葉の成分。イチョウの葉の抽出液にはアルツハイマー病を予防する作用があると報告されてから、大変注目を集めた。実際ヨーロッパではアルツハイマー病の治療薬として認可されている。
・
ウツ状態が長く続くと海馬の細胞を死滅させる。ウツ状態を改善し、やる気を起こさせる脳内物質はセロトニン。
・
セロトニンはトリプトファンというアミノ酸からできる。トリプトファンは必須アミノ酸といわれて、私たちの体で作ることができないから、食べ物から摂る必要がある。
・
トリプトファンが最も含まれているのは肉。赤身の肉が最も有効。
・
トリプトファンの別の機能としては食欲の調節がある。脳内のセロトニンの量が減ると空腹になり、多くなると満腹になる。同時に、脳内のセロトニンが減ると、ウツ状態になる場合もあるが、非常に凶暴になる場合もある。
・
ブドウ糖は記憶力の働きに重要な役割を果たしている。朝食でブドウ糖を摂取することが大事。
・
私たちが肉を摂ると、血中アミノ酸が増える。もちろんトリプトファンの量も増えるが、それ以外の、バリンやイソロイシンといったようなトリプトファンと同じくらい構造の大きなアミノ酸も増える。これらのアミノ酸はトリプトファンより先に脳内に取り込まれる。つまり肉を食べても、脳内にもトリプトファンが増えるとは限らない。ところがブドウ糖を一緒に食べると、インスリンが出る。このインスリンは脳内にトリプトファンが優先的に入る手助けをする。
・
肉を食べることは脳の健全化、ウツ状態を防ぐためには絶対に大事だが、同じに炭水化物をとることが必要。従って洋食で食後のデザートに甘いものが出るのは意味がある。
・
最近、記憶はレム睡眠の時に定着するのではないかという意見が出されるようになった。
・
レム睡眠の役割は脳内の記憶を整理することだと、クリック(DNAの二重螺旋の解明でノーベル賞受賞)は述べている。レム睡眠では脳内で情報のネットワークが取捨選択されて、情報が整理統合されるとクリックは考える。このうち不必要な情報を消去するのがレム睡眠の役割だという。
・ 記憶力を保ち、よくする九項目
1. 記憶力をよくする努力を続ける。
2. 頭の訓練を欠かさない:新しいことを覚えようとする。
3. 散歩などの運動は前頭葉の機能を高める。
4. 睡眠が短いと記憶力が落ちる。
5. 体の酸化を防ぐ食品を摂る。
6. 肉と甘いものと大豆で脳を鍛える。
7. タバコと酒は脳を鈍らせる。
8. 薬を安易に摂らない。
9. 心を傷つけない考え方をする。
『右脳開発セミナー』 高塚光 東急エージェンシー
(1995)
1.
まず、胸の辺りの胸腺(免疫の機能を司る)に利き手を当てる。
2.
反対の手は足の付け根のリンパ腺がある所にソフトタッチで置く。
3.
次に軽く目を閉じて、右脳をぼんやりと意識する。顔は正面を向けたま
ま、絶対に動かさない。
4.
閉じた目の視線は中心より右上の方にむけて、ゆっくりと呼吸する。
5. これを毎日3−5分行う。
『オーラル宝田メソッド』 宝田恭子 朝日新聞社 (2007)
「10年後もきれい!10歳きれい!」が副題。1956年生まれとはとても見えない若々しい歯医者の著者が実践してきた様々な顔面マッサ
ージ方法。全部をやるのは大変だが、簡単なのもあるのでやってみる価値はありそう。
『オーラルケアレシピ』 宝田恭子監修 コナミデジタルエンタテインメント (2007)
たからだ・きょうこ:歯科医師。宝田歯科院長。東京歯科大学卒業。患者の自然治癒力を高めるための歯科治療を
積極的に行う。日本アンチエイジング歯科学会理事、日本歯周病学会、国際口臭学界、メディカルアロマセラピー
研究会などに所属。
口臭、歯周病の予防対策、効果的な歯の磨き方、きれいな口元を手に入れるマッサージ法、口内パワーアップのため
の料理のレシピ、等々を紹介。歯の磨き方だけ参考になった。
『癒しの森』 田口ランディ ダイヤモンド社 (1997)
本名田口けい子、東京生まれ。広告代理店、編集プロダクションを経てフリーライターに。心理学、夢分析、マリンスポーツ、アウトドア関連の執筆活動を展開。
屋久島の素晴らしさがこれほど同時体験できる本はない。屋久島に行きたい。
・
屋久島の照葉樹林はアジア屈指と言われる。屋久島は隆起した花崗岩によってできている。1mにも満たない薄い表土を植物が根を張って支えている。
・ 栗生(クリオ)のダイビングポイントは屋久島で一番華やかで美しく、魚種も豊富。
・
初心者が屋久島の森を満喫する為には白谷雲水峡の原生林コースに行くべき。そして脇道を登って太鼓岩に登る。素晴らしい見晴らし。
・
太忠岳は屋久島の「ヤクスギランド」から約3時間30分登ったところにある山。この辺りは、屋久島でも最も美しい屋久杉の森のひとつ「荒川原生林」に包まれた静かな道。この山の頂上に聳え立つのが、高さ40mの天柱石と呼ばれる巨大な一枚岩。
・
横尾忠則いわく「自分らしくあれって、どんどん自分をつきつめて自分になって、そしてそれを表現していくと、その表現は神の言葉になる。」
・ 屋久島野外活動総合センター Ynac:
〒891−42鹿児島県熊毛郡上屋久町宮之浦2446
TEL&FAX 09974-2-0944
Email:ynac@mb.infoweb.or.jp
屋久島エコパックというツアーがある。
『「経皮毒」がまるごとわかる本』 竹内久米司/稲津教久 三笠書房 (2006)
竹内:1943年東京生まれ。薬学博士。創健フォーラム21代表。日本薬理学会学術評議員などを務める。製薬会社研究部長として、
向精神薬などの治療薬開発に従事する傍ら、認知症やガンを予防する生き方や、注意欠陥・多動障害など子ども達の脳に及ぼす
有害化学物質についての講演会や勉強会を各地で開催している。
稲津:1952年東京生まれ。東京薬科大学薬学部卒業。同大学院博士課程修了。薬剤師・薬学博士。現在は帝京平成看護短期大学
教授。米国生殖生理学会評議員、日本薬理学会学術評議員などを務める。有害化学物質が人体に引き起こす「継世代毒性」を憂慮し、研究を続けている。
「日用品の有害化学物質があなたの体をむしばんでいく」という強烈な副題が目を引いて、読んでみた。シャンプー、歯磨き剤、
合成洗剤、化粧品等にたくさんの有害化学物質が使われており、特に皮膚から毒が入ると、なかなか体から排出されないという。
購入の際には十分気をつけなければ。おすすめ。
・ 有害化学物質が皮膚(経皮)から吸収されて、健康に悪影響を及ぼすことを「経皮毒」と呼ぶ。
・ 皮膚は「表皮」と「真皮」「皮下組織」で構成されている。表皮部分の一番上、空気に触れている部分を角質層といい、10〜
15層からなる固いタンパク質のケラチンや、脂質の一種であるセラミドを含む細胞が積み重なっている。
角質層は、外部から異物の侵入を防ぐバリア機能の働きがある。表皮の下にある真皮はコラーゲン、皮下組織は脂肪組織からなり、
脂になじみやすい性質を持っている。
・ 角質層の下にある表皮には代謝酵素の存在が確認されており、肝臓と同じような代謝の働きをする可能性が指摘されている。
しかし、その働きは肝臓と比べると1%にも満たないことがわかっている。皮膚から入った毒は排出されにくいのだ。
・ 皮膚から吸収された化学物質は皮下組織に長くとどまり、時間をかけて体内に取り込まれていく。吸収して10日目には、経口
吸収では約90%が排出されるのに対し、経皮吸収では約10%程度しか排出されない。また、皮膚温度が高くなるほど、化学物質は
取り込まれやすくなるという特性がある。
皮膚温度が10度から37度に上昇することで、化学物質の吸収は約10倍になる。ということは、入浴時が一番危険だということになる。
・ 化粧品に保湿剤や乳化剤として添加されているプロピレングリコールや、台所用洗剤や洗濯洗剤、シャンプーなどに含まれる
ラウリル硫酸ナトリウム(合成界面活性剤)という物質は、泡がよく立つように添加されているのだが、角質細胞の細胞膜を破壊す
る作用がある。破壊された角質層は、あらゆる化学物質を通すようになる。
・ 洗剤やシャンプーを購入する際、「脂肪酸ナトリウム」や「脂肪酸カリウム」という自然に分解される界面活性剤を選べば、
自分自身も安全でしかも環境も汚さない。
・ 腕の内側を1としたときのからだの部位別吸収量の違い:性器42倍、あご13倍、ひたい6倍、わきの下3.6倍、あたま3.5倍、手のひら0.83倍、かかと0.14倍
・ プロビレングリコールは、分子が小さく、角質層に浸透しやすいという特徴がある。そのために、保湿効果や使用感が得ら
れやすく、効果が実感できているような錯覚に陥る。また、他の物質の浸透を助ける“運び屋”的役目も果たすため、シャンプ
ー、リンス、歯磨き剤、乳液、化粧水、ファンデーション、シェービングクリーム、ベビー用品、医薬品などさまざまな製品に
含まれている。
多くの日用品などに使用されているのは、プロビレングリコールが有害性が低く、安全な化学物質だと一般的に認められている
からだ。しかし、過敏症状を起こしたり、染色体異常、過剰摂取による赤血球の減少や内臓、脳への障害も懸念されている。プロ
ビレングリコールの成分表示はPGを略して書く場合がある。
・ 自然界には人間にとって毒になるものもたくさんあるが、毒素が体内に入ったとしても、肝臓という関所を通過することで90%以上の毒素は無害になる。
・ 蚊取り線香は、昔は除虫菊を使用していたが、現在は着色料、ピレスロイド系アレスリンが主体で天然成分はほとんど入っていない。
・ 口の中は角質層がなく粘膜でできているので、バリア機能がないぶん、化学物質が吸収されやすいところだ。歯磨き剤には、
たくさんの有害化学物質が含まれている。なかでもラウリル硫酸ナトリウム(成分表記はSLS)は、発泡剤として使用している
合成界面活性剤で、口の中の細胞膜を破壊してしまう。
また、味を感じる細胞である味蕾細胞までも破壊するため、味覚異常をきたすことさえある。
・ 歯磨き剤に含まれる有害化学物質
1. 薬用成分:モノフルオルリン酸ナトリウム=フッ素化合物で、たまりすぎるとフッ素中毒になり、脳障害の原因にもなり、
特に乳幼児、小学生では無気力になる傾向がある。
2. 湿潤剤:プロピレングリコール=消化管吸収によって心臓、腎臓、肺機能障害をおこす可能性がある。さらに、染色体異常、赤血球の異常も認められる。
3. 洗浄・発泡剤:ラウリル酸ナトリウム=陰イオン界面活性剤で、毛髪の発育障害、視力低下、白内障、他の化学物質の経皮吸収を促進させる。
4. 粘結剤:ポリアクリル酸ナトリウム=発がん性が報告されており、欧米では禁止されている。
5. 香味剤:サッカリンナトリウム=「全面禁止添加物」だったのが2001年から使用可能になった。染色体異常、子宮ガン、膀胱ガンなる恐れがある。
6. 保存料:パラベン=接触性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎を起こすことがある。さらに、消化管吸収により、むかつき、嘔吐、
アシドーシス、掻痒症、肝炎などを起こす可能性がある。
7. 着色剤:青色1号、黄色4号=多くのタール系色素には発ガン性がある。
・ 頭皮のフケ・かゆみをなくすために「ジンクピリチオン」を配合したシャンプーが出回っている。成分表記には「ZPT」
あるいは「M-Zpt」と書いてある。フケ・かゆみがでるのは、頭皮にいる常在菌などが原因だが、常在菌というのは皮膚に
とってはなくてはならない存在だ。
その菌をジンクピリチオンで根こそぎなくしてしまったら、頭皮は荒れた砂漠状態になってしまう。ジンクピリチオンというのは、
有機亜鉛化合物で工業用では塗料や殺菌剤、インクジェットプリンタ用インクの防カビ剤、家庭用品では台所用スポンジなどに抗菌
・抗カビ剤として使用されている。ジンクピリチオンの有毒性には、嘔吐、麻痺、胎児への影響などもあるといわれている。
・ 有害化学物質が体内に残留したまま妊娠・出産すると、生まれてくる子供に母親の持っていた有害化学物質が受け継がれる可能
性がある。さらに、孫、ひ孫へと何世代にもわたって有害化学物質が受け継がれていく可能性もある。これが、「継世代毒性」だ。
・ 台所用合成洗剤の有毒性をラットを使って実験している研究者はたくさんいる。いずれの研究でも皮膚障害を起こしたり、肝臓、
腎臓障害をおこして死亡したりと、同じような結果が得られている。これは、洗剤に含まれている化学物質のなかでも「直鎖アルキ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)」によるもので、中枢神経に作用したり、胎児への影響があったりという毒性が強いものだ。
さらに、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムは環境中に放出されると分解されにくい性質がある。したがって、河川にこの
ような物質が流れ込んでしまうと、自然環境に有益な微生物が死滅するだけでなく、海に流れ込むことでプランクトンなどが死んでしまう。
・ 現在の洗濯用合成洗剤には、合成界面活性剤がかならず配合されているだけでなく、汚れ落ちをカバーするために蛍光増白剤、
殺菌のために除菌剤などが使われている。ところが、元々有害な合成化学物質を使っていたところに、さらに有害な合成除菌剤、
合成蛍光増白剤を使用したのだから、危険性はかなり高くなった。
下着などは直接肌につけるものだから、汗などで下着に残っている有害物質が溶け出し、皮膚から吸収される可能性がある。皮膚炎
などをおこしている人は、その吸収量がさらに多くなるはずだ。
・ ジエタノールアミン(DEA)・トリエタノールアミン(TEA):クリームなどに使用されている乳化剤で、からだに取り込まれ
ると発がん性のあるニトロソアミンを生成すると言われている、とても危険な化学物質だ。花粉症、鼻炎、喘息などのアレルギー体
質がある場合は避けたほうがいい。
シャンプー、リンス、ヘアクリーム、クレンジングクリーム、ローション、ファンデーション、ほお紅、アイシャドー、マスカラなどに使用されている。
・ 塩化アルキルトリメチルアンモニウム:毛髪に柔軟性を与え、静電気防止のために使用している。界面活性剤で、副交
感神経に対する影響がある。内臓や血管などの壁を構成する筋肉を緊張させ、胃痙攣、悪寒、嘔吐、発汗などをひきおこす
ことがある。シャンプー、リンスなどに使用されている。
・ モノステアリン酸ソルビタン:ソルビン酸の一種で、食品の保存剤としても使用される。殺菌効果は食品のpH値に左右さ
れるため、中性からアルカリ性食品では効力が低くなる。食品から吸収される場合は、脂肪酸と同じ経路で代謝、排泄されるが
、化粧品など経皮吸収の場合、脂肪組織に蓄積されてしまう。
発がん性が報告されている。化粧水、クリーム、乳液、サンスクリーン、ヘアクリーム、ヘアトニックなどに使用。
・ プロピレングリコール:ほとんどの化粧品、洗剤に使用されていて、保湿効果、浸透作用、乳化作用のために利用されている。
経皮毒として作用し、接触性皮膚炎をおこすことがある。経口吸収すると腎臓障害をおこしたり、吸い込むことで中枢神経を抑制する働きをする。
いずれにせよ、アレルギー性物質であることに変わりない。歯磨き剤、化粧水、クリーム、乳液、リップクリーム、口紅、
ファンデーション、マスカラ、シャンプー、リンス、養毛剤、アフターシェーブローション、制汗剤、ウェットティッシュなどに使用。
・ グリセリン:保湿剤、湿潤剤として使用されるが、大量・長期使用で目、皮膚、呼吸器などの粘膜への刺激や、消化管
吸収により吐き気や腎障害をおこすことがある。さらにアレルゲンになることもある。化粧石鹸、乳液、クリーム、ローシ
ョン、歯磨き剤、シャンプー、リンス、リップクリーム、口紅、シェービングクリーム、アフターシェーブローションなどに使用。
・ 塩化ベンザルコニウム:手指の殺菌・消毒だけでなく、医療用具の消毒にも使われている。殺菌効果は、一般細菌や真菌
には有効だが、緑膿菌、結核菌、ウイルスには効果がない。目薬にも使用されているが、アレルギー性結膜炎を起こす可能性がある。
授乳中の母親の乳首を消毒する洗浄綿や、赤ちゃんのおしりを消毒するシートなどにも含まれているが、皮膚障害がたくさ
ん報告されている。シャンプー、リンス、石鹸、歯磨き剤、マウスウォッシュ、などに使用。
・ ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール:製品に含まれている油脂類の酸化を防ぐもの。ブチルヒドロ
キシトルエン(BHT)はバター、清涼飲料水、缶詰などにもよく使われているが、発がん性が疑われている。ブチルヒドロ
キシアニソールは、1982年に発がん性が認められたので食品への使用は禁止された。
それがまた使用できるようになった。化粧水、クリーム、乳液、シャンプー、リンス、歯磨き剤、石鹸、などに使用。
・ タール系色素:合成着色料のなかで、もっとも毒性が強い。発がん性が認められているのはもとより、アレルギーを起こし
やすくする。食品での使用は禁止されているほどの毒性があるが、口紅などの化粧品には使用が許可されている。口紅、化粧水、乳液、などに使用。
・ カドミウム:イタイイタイ病の原因物質。ファンデーション、アイシャドー、マスカラ、などに使用。
・ 2001年に薬事法が改正され、化粧品は使用している全ての成分は明記することが義務付けられた。しかし、医薬部外品は
化粧品の分類には入らないので、表示義務がない。したがって、薬効成分が配合されると「医薬部外品」と明記することがで
きるのだが、使用成分はラベルに表記する必要がなくなる。
・ パーマをかけるときには、二つの液剤を使用する。第一液には、還元剤としてチオグリコール酸、アルカリ化剤にアンモニ
ア水、モノエタノールアミンが含まれている。チオグリコール酸は、中枢神経系に刺激を与えるため痙攣を引き起こすことがある。
さらに粘膜への刺激が強く、口腔・咽頭粘膜のびらん、吐き気、嘔吐、腹部不快感、下痢などの原因にもなる。第二液には、
臭素酸ナトリウムや臭素酸カリウムなどの化学物質が配合されていて、中枢神経や腎臓に刺激性があり、麻痺、痙攣、陣機能
障害を引き起こすことがある。さらに、粘膜を刺激するため、溶血や聴力障害をおこす恐れもある。
・ ヘアカラーの中で、永久染毛剤は、アレルギー反応を起こす確率が最も高い。永久染毛剤は第一液と第二液に分かれていて、
第一液に使用されているパラフェニレンジアミンは、頭皮から吸収されて体内に蓄積される。
この蓄積量が一定量を超えると湿疹、紅斑、浮腫などのアレルギー反応が現れるようになるだけでなく、接触性皮膚炎や気管
支喘息、アナフィラキシーショック、発がん性なども報告されている。通常では、遅延型アレルギーといって、24〜48時間の
間に症状が現れる。そして、一度症状が出ると、次に同じものを使用すると必ず症状が出てくるようになる。
・ ダイオキシンを含めた有害化学物質は脂溶性なので、脂質でできている部位になじみやすい。そして、体内に取り込まれ
たときに最初に影響を受けるのが脳細胞だ。脳の60%は神経細胞膜という脂質でできており、他の臓器にはないほど脂質を多く含んでいるからだ。
・ 食物繊維はとくに排泄機能を高めてくれるので、積極的に取る事をおすすめする。食物繊維は第六の栄養素といわれ
るように、毒素の排泄機能を高めるだけでなく、大腸ガンの予防や食べ過ぎ、肥満予防にも効果的だ。
・ アワは特に老廃物を排泄させる働きがあるし、食べ過ぎや運動不足で老廃物が溜まっていて体調が優れないときに症状を改善してくれる。
・ 食物繊維の代表は野菜だが、野菜だけ食べていればいいかというとそうではない。何事もバランスが大切。
『おへそはなぜ一生消えないか』 武村政春 新潮新書 (2010)
たけむら・まさはる:1969年三重県生まれ。名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。東京理科大学大学院科
学教育研究科准教授。専門は分子生物学、生物教育、複製論。
『人体の謎を解く』が副題。人体の不思議な仕組みを紹介している。
・ 私たちの細胞の中では、一本の長いDNAは、いろんなタンパク質と一緒になって「染色体」というものを作っている。
DNAの「端」とは、言ってみればこの染色体の末端であって、その部分を「テロメア」という。
テロメアのDNAは、特殊な反復配列になっている。ヒトの場合、「TTAGGG」という六つの塩基配列が、何度も繰り返
して存在している。じつはこのテロメアDNAでは、複製が行われるたびに、末端部分からDNAが少しずつ短くなっていく
という現象が起こる。
これが老化の計画的な原因の一つであると考えられている。バクテリアのDNAは輪っかの構造になっているので、「端」が
ないので、そもそも短くなることがない。
・ 私たち多細胞生物の細胞分裂に、「有限」という特徴的な性質をもたらすために、テロメアDNAが複製されるたびに短く
なるよう仕向けられたのかもしれない。アメリカの細胞生物学者レオナード・ヘイフリックは、人体から取り出した繊維芽細胞
(コラーゲンなどを作る細胞)を培養すると、50回ほど分裂したところでそれ以上分裂できなくなってしまうという現象を発見した。
正常細胞にはその分裂回数に限界があるというこの現象は「ヘイフリック限界」と名付けた。このヘイフリック限界をもたらして
いる分子的基盤こそ、テロメアのDNAの短縮であると考えられている。
2007年、テロメアDNAがどのくらいまで短くなったら細胞が分裂できなくなるのか、その閾値を明らかにした論文が発表された。
それによると、「TTAGGG」がおよそ13回繰り返されていないと、テロメアDNAは正常さを保てないということがわかった。
6塩基の13回分、つまり78塩基以上ないとダメなのだ。この部分が77塩基より短くなると、染色体のテロメア同士が融合を始めて
しまい、その全体的な構造が異常になり、細胞が正常に分裂できなくなるらしい。
一方、私たちの体の中でも精子や卵を作る役割を持つ生殖細胞系列や、不死性を獲得したがん細胞などでは、テロメアが短くなら
ないように維持する働きがあるため、分裂限界というものが存在しない。体細胞のみに分裂限界が存在する。
・ T細胞の「T」は、胸腺(thymus)の頭文字から取られたものだ。すべての免疫細胞の祖先は「造血幹細胞」と呼ばれる骨髄中に存
在する細胞だが、この幹細胞から生じた細胞が胸腺へと移行する。
そして最終的に、決して「自己」を攻撃しないという胸腺での厳しい教育に耐え抜いて生き残るのは、全体の2%。この精鋭だけが、
T細胞として人体に送りだされていく。つまり胸腺は、T細胞という名の「防衛士官」を養成する、きわめて大切な免疫細胞の「士官学校」なのだ。
・ 胸腺は、幼児期におよそ30〜40グラムの大きさがあるのだが、10歳頃になるとすでに退縮を始め、胸腺の実質部分が脂肪組織
に置き換わっていく。70歳では3グラムていどになってしまう。
・ 赤血球は「赤い」細胞だ。赤い理由は、細胞が「ヘモグロビン」という赤い色素性タンパク質で充満しているからだ。ヘモグロ
ビンは、α、βという二種類の「グロビン」タンパク質の、二個ずつ計四個からなり、それぞれが鉄の原子をくっつけた化合物「ヘム」
を持つ複合タンパク質となっている。
ヘモグロビンは、この「ヘム」を介して酸素分子を結合させることができ、酸素と結合すると鮮やかな赤色を呈し、酸素を離すと暗赤色を呈する。
・ 赤血球の細胞の真ん中は窪んでいる。実はその部分に核があったのだ。赤血球が成熟する過程で核が抜け落ちたのだ(抜け落ち
た核はマクロファージが食べてしまう)。これは哺乳類に共通した現象だ。
哺乳類の特徴として、動脈血と静脈血が完全に分離されたままの状態で送り出すことができる四室からなる心臓を持つこと、ほぼ一
定した体温を常にキープし続けることがある。体温を、外気温と関係なく一定に保つためには、外界からの断熱効果と、高度な循環
システムの発達が欠かせなかったはずだ。
赤血球の脱核と、それによる小型化ならびに効率化は、そのために大きな助けとなったに違いない。というのも、脱核させることでで
きた空きスペースとなった部分は、赤血球の表面をぼこっと凹ませることでカバーできるし、そうすることで表面積が1.3倍に広がるた
め、ガス交換を行う赤血球にとっては好都合だった。
もうひとつ大きなメリットがある。高度な血液循環システムとはすなわち、全身にくまなく血液を行きわたらせるために、どれだけ
毛細血管が発達しているかということが大きなカギとなる。どんなに細い毛細血管でもすり抜けられる体の柔軟性が、赤血球には求められたのに違いない。
核を捨ててしまった方が、赤血球そのものの柔軟性が高まって、細い毛細血管の中も自由自在に入っていける。核を捨て去った赤血
球の細胞膜の内側には、スペクトリンと呼ばれる繊維状のタンパク質が縦横無尽に張り巡らされて、細胞膜の形を整えている。
つまり赤血球は、細胞膜が内側からしっかりと裏打ちされ、支えられていることで、どんなに細い毛細血管に入ってその細胞全体
がぐにょっと変形したとしても、すぐに元に戻ることができるのだ。
赤血球が脱核するメリットとしては、これらのほかにも、たとえば細胞のがん化が起こらなくなるということがある。赤血球は、
一日に10の11乗個、つまり1000億個も作られ続けているし、しかも酸素という、ややもすれば細胞を傷害する危険な分子と付き合
うことを最大の使命としている。
核があると、複製エラーによる突然変異の蓄積、活性酸素によるDNAの傷害など、がん化する危険度が通常の細胞よりも高くなる。
したがって、脱核することでその危険性を回避しているのではないか。
・ 受精しておよそ三週間経った頃は、私たちはまだお腹に大きな卵黄嚢をぶら下げた格好をしている。イメージとしては、内臓が
まだなく、卵黄嚢だけがあって、しかもまだ背中側しかできあがっていないため、腹部がむき出しの状態になっていると考えるとわかりやすい。
やがて、体の左右から、腹部を覆うように組織が出来上がっていき、卵黄嚢は小さくなり、受精してからおよそ四週間経った頃に、
ようやく左右の組織が真ん中で合わさって腹部らしきものが作られ、へその緒が形作られていく。
つまり、私たちの「お腹」を形作る皮膚や筋肉などは、地下鉄の電車のドアが閉まるように、左右の組織が真ん中で融合するように
して作られるのである。この真ん中の部分を「正中線」という。
ある解剖学の教授は、このお腹のでき方に、おへそが一生残る原因があるのではないかという。というのも、正中線にできた傷は、
他の部分にできた傷よりも治りにくいことが知られているからだ。
また鼻と口の間にある縦の溝、「割れアゴ」とも言うアゴの中央にある筋状のへこみ、妊娠中によく出る、おへその上下を縦に走る線
(妊娠線ではなく、妊娠性色素沈着というもの)、等々いろいろな所に正中線を発見できる。
じつはおへその他にも、正中線上にあって、一生ふさがらないまま残る「穴」がある。「舌盲孔」と呼ばれる穴だ。この穴は、
甲状腺という喉の前部にある内分泌器官が発生する時にできるものだ。
発生の最初、甲状腺は舌と甲状舌管とよばれる細い管でつながっていて、その管の、舌の表面における開口部が舌盲孔だ。甲状腺が
成熟すると、甲状舌管は消えてしまうが、なぜか開口部である舌盲孔は残ってしまうのだ。
『血液力』 千坂諭紀夫 幻冬舎 (2003)
1939年宮城県生まれ。自らの大病を克服した経験から、食事を通じて血液の質を高め、病気の治癒や体調の回復に役立てる「千
坂式食療法」を確立。以来、全国を回って賛同者を増やし、ともに食生活を見直すことで、病院の治療だけでは治らなかった難
病の人々を数多く救ってきた。
千坂式食療法は、現代人に共通する体質の悪化(体の冷えや免疫力の低下)を解決するのに役立つと、広く普及に尽力している。
『毎日の「食べ合わせ」で病気を治す血液ができる』が副題。巷でよいとされている食品が意外と体によくないことがわかりショ
ックを受けた。お薦め。
・ 千坂式食療法の出発点は、大きく分けて、食べ物の持つ「陰陽」「酸?(アルカリ)」という性質と、陰陽のエネルギーが宿る「
ミネラル」にある。
・ 陽の性質(陽性)の光は地中に浸透し、陰の性質(陰性)の光は地表で跳ね返って上に逃げていく。つまり植物の根を伸ばす力
は太陽がくれる陽性のエネルギーと密接に結びついている。逆に、茎や幹、葉を伸ばす力は、同じ太陽の光でも陰性のエネルギ
ーと密接に結びついている。
ただし、陽性のほうがいいとか陰性のほうがいいとかいうことはない。どちらかが欠けても、自然界の多くの生命、様々な現象
は成り立たないからだ。
・ 私たちは、たんぱく質、炭水化物、脂肪、ビタミン、食物繊維を、ミネラルと合わせて6大栄養素と呼んでいるが、ミネ
ラルを除いた5つの栄養素は、実は、ミネラルと光によって生まれたブドウ糖の、さらに二次的な産物だ。ここから、ミネラル
は植物が生命の素を作り出すために用意された物質なのだということがわかる。
・ 塩は"ミネラルの王様"だ。その理由はこうだ。大地のミネラルは、水に溶け、川となって海に注ぐ。そして、長い年月をか
けて、その海水は、太陽の光のもとで濃縮されていく。つまり、海水こそは大地のミネラルを蓄えた「ミネラルの宝庫」なのだ。
その海水からとれる天然の塩には、大地のあらゆるミネラルが含まれている。
・ 陰性のエネルギーは、次のような特徴と働きをもっている。
1. 中心から外へ逃げてゆく力である。
2. 拡散・破壊・分散・分解をつかさどる。
3. 体内で、物質や器官を伸ばす、ゆるめる、沈める、広げる、冷やす。
・ 陰性の食べ物には、以下のような特徴がある。
1. 地表から上空に向かって生長する。
2. 生長が早い。
3. 暖かい(暑い)気候の土地にできるか、暑い季節に採れる。
4. 膨らむ(実のなり方)。
5. やわらかい(ゆるんでいる)。
6. 軽い(密度が薄い)。
7. 水分が多い。
8. 食べると体を冷やす。
9. 新陳代謝にブレーキをかける。
・ 陽性のエネルギーには、次のような特徴と働きがある。
1. 外から中心に集まってくる力である。
2. 集中・濃縮・収縮をつかさどる。
3. 体内で、物質や器官を縮める、引き締める、浮き上がらせる、集める、温める。
・ 陽性の食べ物には、以下のような特徴がある。
1. 地表から地下に向かって生長する。
2. 生長が遅い。
3. 涼しい(寒い)気候の土地にできるか、寒い季節に採れる。
4. 地下に向かって伸びる(実のなり方)。
5. 硬い(締まっている)。
6. 重い(密度が濃い)。
7. 水分が少ない。
8. 食べると体を温める。
9. 新陳代謝を活発にする。
・ 私たちは、食べ物の酸・?を、血液を汚すか、きれいにするかという基準で分類している。つまり、「酸性」という言葉は、
血液を汚して体の機能を低下させる性質を、「?性」という言葉は、血液をきれいにして体を浄化する性質を指している。そこで
、一般の基準と区別するために、「アルカリ」というカタカナ表記ではなく「?」という漢字を当てている。ちなみに、これは中国
ではアルカリという意味で使われている文字だ。
・ 酸性の食べ物には、次のような特徴、性質がある。
1. 血液を汚す。
2. 血液の流れを悪くする。
3. 甘い(ただし、一部の甘みは?性)
4. 糖分が多い。
5. たんぱく質が多い。
6. 脂質が多い。
7. アクが弱い。
・ ?性の食べ物の特徴、性質
1. 血液をきれいにする。
2. 血液の流れをよくする。
3. 渋い、苦い。
4. 糖分が少ない。
5. たんぱく質が少ない。
6. 脂質が少ない。
7. アクが強い。
・ 食べ物に熱を加えると、性質が陽性寄りになる。つまり、葉野菜のように陰性の食べ物は、その陰性が弱まって中庸に近づ
く。また、もともと陽性エネルギーを蓄えている食べ物は、その陽性が強く表れてくる。
・ 生の根菜は陰性・?性なのに、煮込むと陽性に変化するのはなぜだろう。それは、熱を加えることで繊維がやわらかくなり、
消化吸収がよくなるからだ。つまり、太陽の陽性エネルギーによってつくられた食物繊維の消化がよくなり、繊維の中に蓄えら
れていた陽性エネルギーが吸収されやすくなるのだ。
とくに、梅干や長期熟成したみそ・醤油で味付けした根菜の煮物は、濃くきれいな血液をつくるのに役立つ。根菜と同じように
副食に適している食べ物は、海藻だ。なかでも、ワカメやノリのようなやわらかい海藻より、ヒジキなどのように硬い海藻がお
勧め。
これらの硬い海藻も、玄米や根菜とおなじようによく煮込んで吸収しやすい形に変えることで、陽性のエネルギーが強まるの
に加えて、ビタミンやミネラルの最高の補給源になる。
・ 料理をするときに「皮をむかない」、「アクを抜かない」、「なるべく切らない」という三点が重要なポイント。こうして全体を
丸ごと食べる(一物全体)のは、それだけバランスの取れた状態で食べ物を摂取するということにほかならない。また、一物全体
とは陰陽の合体した食べ物(生命あるもの)を、生命のあるままいただくということ。
それだけエネルギーの高い食べ方ということでもある。例えば、動植物を問わず、体の表面はもっとも陽性のエネルギーが高い
部分だ。この皮を捨てるのは、なんとももったいない話だ。
・ ゴボウを水にさらすと、あっという間に水が真っ黒になる。これがいわゆるアクだが、アクは野菜のミネラルが溶け出した
もので、酸性の毒を中和する強力なパワーをもっている。なるべく野菜はアクを抜かずに食べる。アクは野菜の中の、血液をき
れいにする成分だ。
・ 野菜や海藻は切れば切るほど素材の細胞は破壊されてしまう。食材の力をそのまま活かすには、なるべく生きたままの状態
で調理をしよう。
・ ただ煮るよりも、さらに効果的なのは、水分を飛ばして煮詰めるという方法だ。水分をしっかり飛ばすと、水に溶け出し
た成分が再び食べ物の中に封じ込められ、栄養の損失が少なくなるばかりか、保存にも役立つ。カルシウムなどのように水に
溶けにくく、吸収の悪いミネラルも、梅干などに含まれるクエン酸と一緒に煮ると、吸収がよくなる。
これは、クエン酸のキレート作用(分子の性質を変える働き)によって、ミネラルが水に溶けやすくなるためだ。梅干と一緒に食
材を煮ると、梅干の陽性、?性が、その食材に吸収されて、血液と体にとって、よりよい性質に変わる。その点も、梅干を調味
料に使う際のメリットだ。
・ 食べ物の性質は、基本的に@陰性X酸性、A陽性X酸性、B陰性X?性、C陽性X?性の四つの組み合わせのどれかに当て
はまる。
・ 陰性X酸性タイプ:陰性X酸性食品である砂糖入りの甘いお菓子や、添加物がたくさん含まれているような食品が好きな
人は、血液も陰性X酸性に偏っている。フルーツや乳製品、豆や小麦を摂り過ぎる傾向のある人、外食ばかりで食事に偏りのあ
る人も同様。陰性X酸性の血液の中では、血液細胞の数が減り、形も壊れて、その機能自体が低下している。
血管はゆるんで外側と内側に向かって壁が膨らみ、血液の流れが悪くなっている。ブドウ糖や脂質といった栄養分も血液中に多
すぎて、血管に汚れが溜まりやすくなっている。このタイプの人は、体温が低い冷え症タイプなので、冬の寒さや冷房は苦手だ
。胃腸が弱くて便秘しやすく、風邪もひきやすいのが特徴。花粉症、ぜんそくなどが気になるアレルギー体質の人に多いタイプ。
・ 陽性X酸性タイプ:肉、魚、卵など栄養的に高たんぱく、高脂肪の食事が好きな人。このタイプの血液は、血液中の細胞の
数は正常または過剰だ。しかし、陰性X酸性タイプの人と同様、形が壊れて働きが衰えている。血中たんぱくや血中脂質も多く
、血管の内側にそうした過剰な成分がたまって、血管の中の血液の通り道が狭まりやすいのも特徴。動脈硬化になりやすい。
このタイプの人は、一見たくましくて、ばりばりと行動力はあるが、一方でバテやすい。普段から病気に悩んでいるわけでは
なく、体力自慢の場合も多く、体については「おれは大丈夫」などという人が多いが、血液が汚れているので胆石、痛風、ある
いは胃腸の炎症などが急に襲ってくる可能性が低くない。汗っかきで、夏に弱いのが特徴。
・ 陰性X?性:このタイプの血液は、たんぱく質や脂肪が少なく、いわばきれいな状態だが、血液細胞の数が少なく、栄養分
を運ぶ力や、体の隅々から老廃物を運び去る力が不足している。血管はゆるんで、そのために血液の流れが悪くなっているケー
スが多く見られる。
このタイプの人は、血液がきれいなので、肩こりや腰痛などは起こりにくく、性格的にも穏やかな人が多いようだ。また、アレ
ルギー性の病気はあまり見られない。しかし、冷え症で、寒さには強くない。
・ 陽性X?性:このタイプの血液は、十分な血液細胞に満たされていて、免疫力も正常に機能している。血管は引き締まって
いて弾力性があり、内側にも汚れがない。血の巡りはスムーズ。このタイプの人は、病気に悩まされることのほとんどない健康
体といえる。血液はさらさらだが密度が濃い。
その結果、免疫力があり、寒暖の差や身のまわりのストレスなどにも強い、柔軟な体質になっている。このタイプの人は、食生
活には問題がないと考えていい。
・ 陰性X酸性体質の人の食事対策:体質の原因になっている甘いものやフルーツ、インスタント食品などを控える。そのうえ
で、よく煮た根菜や硬い海藻などを食べて、血液をきれいにする。
・ 陽性X酸性体質の人の食事対策:酸性に偏った血液バランスを中和することが主な目標になる。だから、?性の食品を意識
して摂るようにする。肉や魚を控える。そのうえで、陰性X?性の葉野菜、陽性X?性の根菜などをたくさん摂るように心がけ、
血液の浄化を促していこう。
陽性体質の人は、よく炊いた玄米を食べても大丈夫だから、主食には長時間炊いた玄米がお勧め。
・ 陰性X?性体質の人の食事対策:陰性の血液状態を緩和し、陽性にもっていくことが目標になる。徐々に主食を玄米に切り
替えていく。そして、副食にはなるべく時間をかけて煮込んだ根菜、硬い海藻、油を抜いたゴマなどを摂る。
・ 陰性X酸性の食品:薄く汚れた血液を造り、体を冷やす傾向をもっている。食品添加物や精白した砂糖、フルーツ、白米、
パン、ジャガイモ、サツマイモ、大豆、小豆、豆腐、麩、麺類、そば、トウモロコシ、片栗粉、木の実、五蘊(ニラ、ニンニク
、ネギ、ラッキョウ、タマネギ)、マーガリン、植物油、みりん、蜂蜜、アルコール、タバコなどが該当。
・ 陽性X酸性の食品:濃くて、汚れた血液を造る。バター・チーズ、肉類(牛肉・豚肉・鶏肉)、クジラ、大型魚類(マグロの
赤身・サバ・ブリ)、小型魚類(サンマ・アジ・ニシン・イワシ)、煮干、小魚(シラス・コウナゴ)、白身の魚(ヒラメ・カレイ
)、ウナギ、川魚類(コイ・マス・アユ)、エビ・カニ、クラゲ、タコ・イカ、貝類(アサリ・ハマグリ・カキ)、などが該当。
・ 陰性X?性の食品:薄くてきれいな血液をつくる。ホウレンソウ、ナス・ピーマン・トマト、カブ、カリフラワー、キュウ
リ、レタス、キャベツ、やわらかい海藻(ワカメ・フノリ)、山菜、キノコ、タケノコ、香辛料、コンニャク、ところ天、酢、
ユズ・スダチ、緑茶、紅茶、などが該当。
・ 陽性X?性の食品:濃くて、きれいな血液をつくる。みそ、醤油、梅干、ゴボウ・ダイコン・ニンジン・レンコン、自然薯
、タンポポ、中国茶、シジミ、ゴマ(長時間煮たもの)、などが該当。
・ 中庸の食品:吉野くず、玄米、塩、などが該当。
・ 更年期障害の原因は、血液中の陽性エネルギーの不足。卵巣の細胞で生成されるエストロゲン(女性ホルモン)は、陽性X?
性の食べ物によって働きが高まる。
・ 骨粗しょう症の原因は、陰性X酸性の食べ物への偏り。カルシウムの性質は?性だから、?性の食べ物が不足し、血液が酸性
に偏っていると、それを中和するために骨から溶け出てくる。これを防ぐには、まず、骨の密度を薄くする陰性X酸性の食べ物
を絶つこと、次に、体を修復する力を備えた陽性X?性食品を摂取すること。
カルシウムの補給には、玄米やゴマを食べるのが最善。
『心と脳の正体に迫る』 天外伺朗 瀬名秀明 PHP研究所 (2005)
心、意識、知性などといった、どちらかというとつかみどころのないものと、脳の働きの関係を抜本的に考え直そう、という
意図のもとに企画された。対談は、脳科学、神経生理学、哲学、量子力学、トランスパーソナル心理学など広範囲に及び、
また神秘体験、脳死体験、アブダクション(宇宙人による誘拐)など、SF的な話題も登場する。
話が多岐にわたってしまったため、深く掘り下げた議論ができなかったのが残念だが、興味ある話題が多々あった。
・ 早稲田大学理工学部三輪教授:富士山麓の原生林とか、熱海にある植物研究園の自然林とかでいろいろと実験してみた。
その結果わかってきたのが、自然林は生体電位の波形がよく似たものとか、波形の間に整合的な関係(位相関係)があるものが二
、三十本ぐらいずつでグループを作っているということ。
しかも、面白いことに、そのグループは同種の樹木だけでできているのではなく、時間の経過とともにグループの構成メンバー
も変わっていく。いつも同じグループにいるのは六割か七割ぐらいで、残りはあっちへいったりこっちにきたりしている。
それに対して、人工林の場合、ほとんどの樹木はワンパターンな生体電位の波形になる。その意味で、人工林の場合は相互作用が非常に弱いといえる。
・ かつて神経生理学者ベンジャミン・リベットらによって衝撃的な報告がなされた。人間は「何かをしよう」と思った瞬間
より300ミリ秒も早いうちから脳の活動を起こしているというのだ。この結果を素朴に受け止めれば、私たち人間は脳神経
が発火してしばらくしてからでないと自由意志を決定したとは感じられない。
つまり私たちの自由意志とは幻想であって、脳の発火現象を唯々諾々と受け入れているに過ぎない、ということになる。しかし
哲学者ダニエル・デネットはこのような考え方に異を唱える。リベットの研究結果は意志決定の作業が300ミリ秒の広がりを
もって分布しているということに過ぎない。
意志決定の瞬間や部位があると考えることこそが幻想で、人間の精神活動には時空間的な幅があるのだと考えれば、少しも不思議ではないというわけだ。
『幸福な人生の秘密』 天外伺朗 PHP研究所 (2000)
最近はアイボの生みの親としてマスコミで有名になったソニー常務の土井さんがD博士として登場し,ペンネーム天外伺朗がインタビューをすると言う形をとっている。今まで言ってきたことをソフトにわかりやすくまとめたもので目新しい内容はない。
・
私たちの身の回りで起きているいろいろな出来事というのは,本当はよいことでも悪いことでもない。
・ 身の回りで起きるとのほとんどが良いとに見えれば身,その人は幸福だし,逆に悪いことに見えれば,不幸だといえる。つまり,幸福か不幸か,ということは、外部の状況とほとんど無関係であり,100%その人の内面の状態を表している。
・ 幸福な人は物事をポジティブに考える、というのは,全く正しい。だからといって,物事をポジティブに捉えれば幸福になる,とはいえないのだ。
・ 物事がネガティブに見えている人が,理性でもって無理矢理ポジティブに見ようとすると,どうなるか。実は,そのことは,物事をネガティブに見ている自分自身を否定することにつながってしまう。人間は,自分自身を否定すると,実はもうひとつ重い鎧を着こんでしまうことがよくある。
・ そもそも,なぜ物事をネガティブに見えてしまうかというと,それまでに鎧をたくさん着こんでしまっているからに他ならない。したがって,少しずつ鎧を脱いでいけば,ひとりでに物事はポジティブに見えてくる。
・ ポジティブに考えなさいとか,自分を否定してはいけない,とかいうメッセージは,むしろ逆効果だ。人は命令され,言動を規制されると,むしろ鎧を着こむ方向に向ってしまう。つまり,癒しとか,幸福とか,涅槃とは逆の方向へ行ってしまうのだ。
・ 理性とか,論理的な思考を離れて,自然に鎧を脱いでいく、というのが望ましい。
・ あらゆる人のあらゆる人生は,「母親の胎内」より生まれ出て,多くの苦難を経験し,そして「宇宙(地球)の胎内」に帰っていく、至福の旅路である。人は,その旅の中で自分は宇宙そのものであることを発見していく。
・ 私たちの文明社会というのは,一人一人が「エゴから出た目的意識」を追求することが,社会全体の推進力となっている。ところが、それは「幸福」とは正反対の方向性をもっている。
・
「目的意識」を必死に追求するという「はしご」を登っている間は,たしかに「充実感」はあるのだが、「はしご」の先端は「幸福」にはかかっていない。「燃え尽き症候群」にならないためには、すぐ次の「はしご」をさがして、また必死で登らないといけない。
・ 人材というのは,魂の底に純粋なエンジンをもっており,出世とか金儲けに無関係にどんどん仕事を進めたいという欲望が人一倍強い。ともかく多少俗世からかけ離れた動機があるからこそ,物事の本質が見えるのだ。
・ <瞑想の注意事項>
1. やりすぎない(初心者は,朝夕1回ずつ,各30分以内がメド)
2. 終了の儀式を必ずやる
3. 食後1時間はやらない(瞑想時は代謝が不活発になるので消化が悪くなるから)
4. 神秘体験にこだわらない
『宇宙の神秘 誕生の科学』 天外伺朗 PHP研究所 (1999)
今回は誕生にまつわるトラウマが人生に大きな影響を与えるという話。
・
スタニスラフ・グロフは、分娩前後の無意識レベルを反映する「誕生と生のプロセス」を四つのパターンに分類。この四パターンは、人生のすべての局面において重大な意味を持ち、人間の体験にとって最も基本的な深層意識のプロセスをあらわしている。
・ BPMI:「母親との原初の融合」です。出産が始まる前の子宮内状態。母親と胎児は「共生
的」融合状態を形成している。子宮内で非常にハッピーに、ぬくぬくと育っている状態
です。
・ BPMU:「母親との括抗作用」、子宮ロが閉じたまま、強力な収縮が胎児を締めつける。要するに、どうして自分をいじめるのだろうと、胎児は理由が分からないまま突然いじめられる状態です。
・ BPMV:「母親との相助作用」、収縮は続いているのですが、子宮口が開いて産道に押し出されていく状態です。産道を通過する非常に困難で苦痛に満ちた推進プロセスが始まる。母親と胎児の共通目標はこの苦痛に満ちた状態に終止符を打つことにあります。
・ BPMW:いよいよ「母親からの分離」です。緊張と苦痛が徐々に高まり、産道通過の推進が終わって、突然、安らぎとリラクセーションが訪れる。
・
人生のいろいろな局面における自分の対応は、この四つのプロセスの間に獲得したものが出てくる。苦痛に満ちた出産のプロセスを経験すれば、自分の対応もそれに対処するような選択をするようになり、結果的に苦痛に満ちた人生を送りやすくなる。出産前後のプロセスが、その人の人生にいかに重大な影響を与えるか、ということを示している。
・ 伊藤真愚『胎教―天に則す胎教と育児の道』(柏樹社):天の仕組みから呼吸法に至るまでを「気の胎教」とし、天地交流の活動から日常行動に至るまでを「動(水)の胎教」とし、大地の仕組みから食事・身体についての正しい医学的基準を「食の胎教」とする、三つの宇宙観から構成されている素晴らしい胎教の本。伊藤さんは1998年他界。
・ 天外伺朗のホームページ
hittp//www.so-net.or.jp/TENGESHIRO-bed-dream.html
・
最初からトラウマレス・ベイビーを育てるための注意事項。
・ 妊娠期における注意:
1. ゆったりと、平和で、楽しい精神状態を保つ。
2. たえず、胎児に話しかけ、胎児の心に耳を傾ける。
3. 散歩、掃除など、運動を欠かさない。
4. 栄養に気をつける。
・ 周産期の九つの注意事項(ミシェル・オダンの主張点)
1.
すべてのプロセスを産婦の原初的、生理的、自発的な要求にゆだねる。(産婦には一切の指示、あるいは管理をしない。)
2.
自然分娩を大切にし、緊急時以外は医学的介入をしない。(陣痛促進剤、麻酔、笑気ガスの類は、本当にやむをえない場合のみにとどめる)
3.
陣痛が始まった後は、産婦の大脳新皮質が刺激されないように注意する。(部屋を暖かく、静かで、かつ薄暗くし、プライバシーを確保する。産婦が人に見られている、という意識を持たないように注意する。言語による激励や論理的思考をうながすような刺激を避ける。)
4.
体温ぐらいの水温の風呂を有効に利用する。(多くの場合、痛みがやわらぎ、リラックスすることにより、お産のプロセスが順調に進行するようになる。場合によっては、水中での出産もあり得る。ただし、温水によるお産プロセス促進効果は、一-ニ時間しか継続せず、その後はかえってブレーキになるので要注意。また、「水中で出産したい」というような目的意識はかえって安産の妨げになることがある。
5.
陣痛時や出産時の体位や動きや叫びは、産婦の自然な要求にまかせる。(ただし、通常の産院で行われているような仰臥位での出産は、胎児が産婦の大動脈を圧迫するので避けるべき(オダンによれば、自発的に仰臥位で産もうとする産婦はいないと言う)。
6.
出産後すぐに新生児を母親の胸に抱かせ、心音を聞かせる。
7.
もし何も問題が生じなかったら、胎盤が出るまで母子にー切の介入をしない(へその緒の切断は早すぎないよう注意。)
8.
出産後は、母親と新生児とのふたりだけの時間を大切にしてあげる。(父親も介入しない。その後も新生児が手を伸ばせば母親に触れられる距離で過ごす)
9.
初乳は必ず与える。その後もなるべ長期間母乳で育てる。
・
分娩の当日、私たちは産婦に、出産のプロセスに身を任せて、今まで学習してきたこと(文化的なイメージ、行動パターン)のすべてを忘れるようにすすめます。コントロールを放棄するわけです。産婦が「子どもの正しい産み方」を学習していなければいないだけ、出産は楽にすすみます。―ミシェル・オダン「バース・リボーン」
・ 出産後の二つのポイント
1.
出産後三カ月間は、母親は片時も赤ちゃんの側を離れない。(買い物に出るときも、昔ながらのねんねこでおぶって行くか、あるいは抱いて行くか、さもなければ、誰か他の人が買い物を代行する。要するに、赤ちゃんを置いて買い物に行ったりしない。)
2. 出産後三年間は、母親は育児に専念する。
・
ミシェル・オダン著の「プライマル・ヘルス」の訳者、大野明子さんは理学博士で地球科学の研究者だったが、自分が出産を経験して、「これは違う、何か根本的に間違っている」という強烈な思いから、一念発起して大学の医学部に入り直して産婦人科医師となり、現在、自然分娩とホーム・バース(自宅出産)を実践している。
『宇宙の根っこにつながる人びと』 天外伺朗 サンマーク出版
(1997)
・
アメリカ先住民は、今世紀に入ってから強行された同化策のもとで、自分たちの言葉を話すことすら禁じられ、伝統的な行事や儀式も一切取り上げられていました。
法律的に信教の自由が認められ、伝統的な儀式を執り行うことが許されるようになったのは、やっと1978年になってからでした。アメリカが自由の国だというのはとんでもない思い違いで、それまでは法律で禁止された古い儀式を行っ_りすると、最長三十年という重い刑を科せられて牢獄に放り込まれていたのです。子どもたちも親から切り離されて、キリス教系のミッションスクールに入れられ、先住民の言葉を少しでも使うと、鞭で打たれたり、石鹸でロの中を洗わされるといった極端な同化策のもとに置かれていました。
・
トラウマというのは、自分にトラウマを負わせた人を許さない限り消えることはありません。その相手を心から許すことによって、はじめてトラウマは解消するのです。
・
瀕死の地球を救う「虹の戦士たち」はどうかといえば、まだ眠っている戦士たちの目を覚ますという目的で、アメリカ先住民たちが20年ほど前から積極的に「セイクレッド・ラン」(聖なる走り)の活動を世界に展開し始めた。
・
「セイクレッド・ラン」がスタートしたのは、1977年にカナダのバンクーバーで開かれたアメリカ先住民の会議の結果です。このままでは地球環境は完全に破壊され、人間の住む場所はなくなるだろう。今こそ先住民族の伝統文化や知恵を世界に知らせることによって、アメリカをはじめとする先進文明国の人びとに、ライフスタイルの変換の必要性に気づいてもらおう。そうすることで地球の危機を救っていかなければならない。それが会議の結論でした。そこで、アメリカ先住民解放運動の代表的な指導者であるデニス・バンクスの提唱によってはじめられたのが「セイクレッド・ラン」です。
・
木村理真さんは、あめりかせんじゅうみんと一緒に十年間も「セイクレッド・ラン」として世界のあちこちを走り回った。そしてフィンドホーンにも滞在。
・
寺山心一翁さんの体が回復したもうーつの大きな要因に、食生活の改善があります。日本の伝統医学の研究者で、現代医学では助かる見込みがないとされる人びとのカウンセリングをしている大塚晃志郎さんの熱心なすすめで、玄米などの未精白穀物や野菜、海藻などを中心とする食生活を体質に合わせて徹底的にはじめたのです。食物に感謝しながら、よくかんで唾液と混ぜて食べる習慣をつけるようにという大塚さんのアドバイスを実行に移すことによって、寺山さんは気分が明るくなり、血液がしだいに浄化されていくのがわかるようになったといいます。
体力が少し回復したー九八六年から、長野県の穂高町に開設されたばかりの「穂高養生園」で、寺山さんは月に十日ぐらいを過ごすようになりました。
・
穂高養生園は、自然治癒力をもって病気を癒すことを目的とした、日本で最初のホリス
ティック・センターです。現代医学は、病気は外部からくるという考え方から、病原菌と闘うということを中心に発展してきたために、人間のもつ自然治癒力というものをいつのまにか忘れてしまいました。やたら病人を安静させ、高蛋白・高力ロリーの食事を与え、薬漬けにすることは、人間の体から自然治癒力を奪ってしまうことになります。そういう現代医学への疑問を基本にして開設されたのが穂高養生園です。
・
自然治癒力をつけるには、正しい食事、正しい運動、正しい精神状態を維持しなければ
なりません。ストレスの多い生活や間違った食生活が自然治癒力を低下させ、病気を生み出すのです。
・
マリオン・リーはフィンドホーンで、フラワーエッセンスを主体に個人のカウンセリングを行っている。フラワーエッセンスとは、花の持つエネルギーをある方法で水に転写したもので、それを体にとり入れると、その微細な波動が人体の閉じているチャクラに響き、心身が癒されていくというものです。植物の中で一番エネルギーが凝縮されているのが花の部分です。この花のエネルギーが人間の心の栄養となるのです。
・
マリオン・リーは、「あらゆる人の問題はこういう瞑想をやると解決できる」という話をし、次のような方法を述べてくれた。「まず目の前に椅子を二つ置いて、目をつぶって瞑想に入り、その椅子に、イメージの中でお父さんとお母さんに座ってもらってください。それからずうっと子供のころのことを記憶の中から手繰り寄せ、お父さんとお母さんから自分が受けた仕打ちの中で、とても悲しかったこと、苦しかったこと、つらかったことを思い出して、それを先ずお父さんとお母さんに話してごらんなさい。それを話した後で、そのことについて自分はもうお父さんとお母さんを許しているよと、嘘でもいいから言ってごらんなさい。そして、それを許しているよと言ったときに、お父さんやお母さんが何を言ってくれるか、ちょっと対話してごらんなさい」
・
マリオン・リーの方法は、ゲシュタルト・セラピーの方法論をもとに自分で編出したもの。つまり、両親とのセパレーション感覚がいろいろなトラウマの原因になっていて、それが大人になってからの精神的な問題に多大な影響を与えている。したがって両親とのセパレーション感覚から引き起こされたトラウマを癒すことによってあらゆる問題が解決できるということ。
・
筆者は、両親とのセパレーション感覚といっているのは、実は宇宙とのセパレーション感覚のことではないかと思っている。
・
マリオン・リーは言う「私は、許しが唯一の癒しだと思います。私たちは許しつづけなければなりません。私たちは、すすんで他人を、そして自分自身を許さなければなりません。生きている限り、私たちはつねに過去に起こったことを許しつづけなければならないのです」
・
マリオン・リーは言う「私たちは、気づかないうちに痛みを増やしています。痛みを感じないでもすむように、その感情を静めようとしているのですが、その代わり、体のどこかにその痛みが蓄積されていくのです。それがトラウマになります。」
・
大野明子さんは東京大学理学部の博士課程を卒業し、地球科学の研究者として活躍しているときに、初めての出産を経験。安産だったが、この産み方は間違っているという思いが強く残った。理想的な産み方ができる病院を作ろうと決心し、もう一度大学に入りなおし、産婦人科医になった。ミシェル・オダンの著書に出会い、あくまでも安全に、なおかつ自然な出産ができるように、自宅出産を中心にケアしている。1999年の4月より、大野さんは自然分娩のための理想的な産院、「お産の家・明日香医院(TEL03-3331-3001)」を東京の高井戸に開院。
・
一番最初に発生する原初的なトラウマ、つまり人間が誰でも最初に着てしまう鎧というのは、子宮からの追放によって生じるのであり、それをエデンの園からの追放というかたちで『旧約聖書』が象徴的に書いているとすれば、キリスト教でいう原罪というのは、そのときに発生する原初的なトラウマのことを指しているのではないでしょうか。
・
グロフの「ホロトロピック・セラピー」あるいは「ホロトロピック・ブレス・ワーク」をやると、いろいろな経験が出てきますが、これはすべて癒しの過程なのです。グロフは、それを誘導せず、出るにまかせたほうがいいといっています。その人にとって一番の癒すべきトラウマ、一番必要な経験が、最も正しい順番で出てくるので、一切成り行きに任せたほうがいいというわけです。
・ グロフは、その経験を大きく四つに分類しています。
1.「抽象的知覚体験」:いろいろな色や形が出て来たり、匂いを感じたり、音が聞こえたりするわけですが、これはあまり意味がないし、現実のトラウマとの対比もつきません。
2.「自伝的体験」:自分のこれまでの人生におけるいろいろなトラウマが出てきます。
3.「死と誕生の体験」:自伝的な体験をずっと続けていくと、自分が胎児だった頃の事を思いだし、それから子宮がしめつけられ、産道を通り、母子分離が起きて誕生するとプロセスを再体験するようになる。死の体験も出てきます。人間の深層心理の中では、誕生と死が非常に密接に結びついているようだとグロフは言っています。
4.「トランスパーソナルな体験」:自分自身が自分の肉体という範囲に収まらず、時間的にも空間的にもそれをはるかに超えた大きな存在になるという体験。
・
グロフが分類した四つの経験ですが、このなかでグロフは、三番目の誕生の体験をさらに四つに分類しています。一番目が母親の胎内にいる至福の体験。二番目が子宮が自分をしめつけている体験。要するに、これまで自分を愛していた母親が、何が何だかわからないうちに突如自分をいじめるという体験です。三番目が産道に押し出されていく苦難の体験。四番目が母親と分離するという体験です。
グロフは、胎児のその後の人生に起こるすべてのことが、この四つの体験にマップされる(対応する、投写される)といういい方をしています。たとえば、人生において精神が最も安定している状態は、一番目の胎内にいる至福の体験。誰かにいじめられるというのは、子宮にしめつけられる体験。何か苦難の道を歩いているというのは、産道を通る体験。孤独を感じエゴに悩むというのは、母親との分離の体験です。これをグロフは「凝縮体験系」(コンデンスト・エクペリエンス・システム)といっています。というのは、ある一つのトラウマがあると、そのトラウマによって別のトラウマが発生します。
・ スピリチュアル・エマージェンシー:SEN:FAX0424-89-1463 http://www.npcj.com/sen/
『意識学の夜明け』 天外伺朗 風雲舎 (1997)
天外さんの講演会、及び対談のエッセンスがこの本にうまく読み易くまとめられている。
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横澤和也:音楽大学を出て、オーケストラでフルートを吹いていたが、現在篠笛やいわぶえ石笛を中心に演奏活動をしている。アトランタ・オリンピックで日本のシンクロナイズド・スイミングの伴奏に彼の石笛の音が使われた。
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最も強力に気を放射し、最も気を敏感に感じるのが、手の掌の中心にある労宮というポイント。その左右の手の労宮を合わせるのが合掌。合掌すると体の中の気の流れが変わる。合掌と祈りとはどういう関係があるのかは不明。
・
胸の両乳首の中央に「だん中」というツボがある。ここは、気功法では「心気の宿る王城」と呼ばれ、精神的なストレスの影響が最も現れる場所。「胸がきゅんとなる」「胸がふさぐ」「胸がつかえる」「胸騒ぎがする」「胸がふくらむ」等。ストレス解消には、この「だん中」に左右の手の「労宮」を重ねるとよい。男は左の手を、女は右の手を下にすること。
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気功法では、左手は陰、右手は陽、男の体は陽、女は陰。なるべく陰陽が交互にくるようにする。
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気功法のコツはいかに体をゆるめるか。どこかに力が入っていると、そこで気の流れが止まってしまう。
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目を閉じ、だん中に両手を重ね、鼻からいっぱい息を吸って丹田にためる。吸い終わったらお尻をキュッと締める。次に、息をゆっくり吐きながら、その息が丹田から両腕を通ってだん中に入っていくのをイメージする。息を吸う時も吐く時も寝息と同じように音をたてる。これでストレス解消。
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瞑想法にはマントラを使う方法論が多いが、その効果の第一は呼気、吸気のタイミングをコントロールし易い。第二は、雑念が出ないようにする。第三は、音にはある種の生命が有り、発生することによりその生命が生み出され、その生命固有の作用を周囲に及ぼす。
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ガーテー・ガーテー・パラガーテー・パラサム・ガーテー・ボーディ・スヴァーハー
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マントラはだんだん心の中の声が発音不明瞭になってくるが構わない。最後はメロディーだけ思っていればよい。
・
目を閉じ、だん中に両手を重ねる。さっきは胸に息を吹き込むイメージをしたが、今度はマントラの音が両手を通じて胸に浸み透っていくイメージをする。意識は両手と胸に集中する。そして、体を揺すってゆるめ、両手を振って手と胸をゆるめ、両手を胸に重ね、大きくゆったりと三回深呼吸をする。後はマントラを唱え瞑想を続ける。瞑想を終わる時は、いきなり目を開けてはいけない。まづ、マントラを止めて、大きくゆったりと三回深呼吸する。目を閉じたまま、手を胸から外して合掌のポーズ。そして両手を強くこすり合わせる。さらに手の甲もこすり、ゆっくりと目を開ける。大きく伸びをして、体を揺すって終わり。瞑想中に霊界に入ってしまったらマントラに戻れば脱出できる。
・
最も強力で、最も直接的な「無意識との対話」は「瞑想」。人間は、「無意識」との対話を続けることにより、表層的な「意識」が少しずつ「無意識」に近づいていく。つまり、一般には大きく開いている「意識」と「無意識」との間のギャップが縮まってくる。最終的にそのギャップがなくなる状態を仏教では「悟り」という。
・
著者の仮説では、「時間や生死を超越したもう一人の自分」というのが「空としてのあの世」であり、その自分が「カルマ」のみをまとった状態が「バルド」、「カルマ」の上にさらに「肉体」をまとった状態が「この世」になる。
・
瞑想中に神や仏に会った時自分が悟りを開いたんだ、と勘違いして舞い上がってしまうと(魂の膨張(インフレーション))、精神分裂病になる危険性があるとユングはいう。
・
人間は生まれる時、カルマという下着を着け、肉体という着物を着る。カルマという下着を着ることによって、人間は「個」が発生する。
『ガンをつくる心治す心』 土橋重隆 主婦と生活社 (2006)
外科医、消化器内視鏡学会認定医、医学博士。1952年和歌山県生まれ。1978年和歌山県立医科大学卒業。1981年、西日本で最初
の食道静脈瘤内視鏡的栓塞療法を手がけ、その後2000例以上の食道静脈瘤症例に内視鏡的治療を施行する。
1991年、和歌山県で最初の腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行、その後8年間に750例以上の腹腔鏡下手術を行う。2000年、帯津三敬病院
にて終末医療を経験、現在は三多摩医療生協・国分寺診療所で外来診療を行っている。
多くのガン患者を外科手術で救ってきた著者が、それでもガンで死ぬ人が増え、再発したりするのは根本的な対処が間違っている
のではと考える。そして、副院長の職を辞し、帯津三敬病院で一医師としてがん患者に向き合い、質問をしていく。そしてガンの
原因は心のストレスであるという仮説に行き当たる。安保さんと同様の説だが、バリバリの外科医がこういったことを本にしたこ
とがビックリだ。おすすめ。
・ 医者からすると、診断と診療はまったく別のことだ。西洋医学の大半は診断学であって、医者の仕事の主眼は診断することだ。
治療することではない。その割合は診断が八割で、治療が二割といった程度だ。病名が決まれば、治療法はほぼ決まっている。
いま、患者の体に何が起きているのかがわかる診断こそが大切だと思っている。西洋医学の最も得意とするのは診断の分野だ。医者
の間でも診断力に優れている医者が高い評価を受け、診断の優劣が名医かどうかを評価する基準になっている。
・ 国立がんセンターでは、1997年に48万人だった新規のガン患者数が2015年には約二倍の90万人に増加し、2005年32万人だった
ガンによる死亡者数は、2015年には43万人に達すると予想している。現在、年間死亡者のうち三人に一人がガンで死亡している。
・ 医学の進歩で治療後の五年生存率が大幅に上昇しているといわれている。しかし、早期発見ということで、以前なら見つから
なかったガンが早期に発見され、早期に治療されているので、生存率が上昇したように見える。
・ 病気の中には、患者の生活史の結果として発症する病気もある。ガンもその一つである。こう考え、「あなたは、なぜガンに
なったと思いますか?」という質問に始まって、ガンと診断されるまで「どういう生き方をしてきたのか?」「どんな生活習慣が
あったのか?」「悩みは?」「心配事は?」などと患者に訊いてきた。
ガンになる原因がストレートに表現されていたわけではないが、答えの中に、日頃の生活や人間関係、悩み、心配事、欲求不満など、
心の深いところでガンと関係がありそうなものを含んだライフスタイルが見えてきた。
・ 右乳ガンの患者には日常生活における共通のストレスが、左乳ガンの患者には右乳ガンの患者とは全く異なった共通のストレス
があった。そればかりか、気質という点でも、両者は明らかに異なっていた。右乳ガンの患者は長年にわたって、家庭内の問題で強
いストレスを持っていた。
多くの場合、「男性との争い」によるストレスが長期間あった。大半の場合は夫に対する不平不満だった。右乳ガンの患者はとても
理論的かつ理性的な頭脳を持った人で、現実的に物事を考えて処理する傾向があった。これに対して、左乳ガン患者には、乳ガンと
診断される六ヶ月前から一年前に、肉体的にかなり負担をかけた時期があった。
ストレスを受けていた期間は右乳ガン患者に比べればそれほど長くない。左乳ガン患者は相手の気持ちを思いやる、心根の優しいタイ
プの人がほとんどだった。しかも、仕事ができる人だから、人の何倍もの仕事をしなければならないような状態に置かれてしまったようだ。
人がいいので頼まれて断れないという受身的状況の中で、肉体に過度の負担をかけてしまったのだ。
・ 心理的ストレスこそガンの原因の中で最も重要なものの一つであり、再発や転移の防止にも大きく関わっていると私は考えている。
・ 肺ガンの種類に関わらず、その多くは病気とりわけガンに対して、他のガン患者とは比較にならないほどの強い恐怖心を持っている。
・ 早期胃ガンの患者を診てわかったことは、多くの患者は胃ガンと診断される約一年ほど前に、自分らしくない仕事をしなけ
ればならない環境に置かれていたという共通点がある。しかし、早期胃ガンと診断されて治療を受ける時には、そうした仕事の
環境から離れているから、すでに心理的ストレスからは完全に解放されている。
早期胃ガンの外科的治療の成績がいいのは、患者は手術を受ける時点ではすでに心理的ストレスから解放されているのだから、当然なのだ。
・ 進行胃ガンの患者では、ストレスのピークは胃ガンと診断される約二年前にあった。進行胃ガンになるストレスは、左乳
ガンの場合とよく似ていた。仕事上で肉体的に過重労働になっていた。基本的に真面目な性格の人で、仕事がよくできるので、
何事にもつい頑張ってしまったり、あるいは無理矢理やらされて、気がついたときにはかなり心理的、肉体的ストレスがたまっ
ていたのだ。
また、胃ガンの患者には、仕事上の心理的ストレスというより、主に肉体的ストレスがたまっている、つまり、運動のし過ぎと
いう人も見受けられた。肉体に過度に負担をかける運動が趣味だったり、肉体を鍛え過ぎて、自分では気がつかないうちに肉体
的ストレスをためてしまったというケースも何例かあった。
・ ガンになる人は「がんこ」な人だといわれるが、がんこというより、「真面目で」しかも「頑張った」人だ。いい加減な人はガンになりにくいようだ。
・ S状結腸下部から肛門に近い直腸の間にガンが発生した患者が受けていた心理的ストレスは、金銭に関するストレスが多い
傾向があった。大腸ガン患者の心理的ストレスのピークは、ガンと診断される二年ほど前にあったようだ。
一方、S状結腸中部から上行結腸までに発生したガンでは、金銭との関係は認められなかった。この部位にできる大腸ガンは、
心理的ストレスよりもむしろ肉体的ストレスが関係しているように思われ、胃ガンとよく似たストレスを受けている傾向があった。
・ 膵頭部ガンと胆管ガンは鑑別するのがとても困難なことがある。いずれも閉塞性黄疸という状態を起こすガンなので、黄疸
があって、その原因がガンと考えられる場合、しばしば内視鏡的逆行性胆管膵菅造影という高度なテクニックが要求される検査
をして、どちらのガンであるかを鑑別する必要がある。
しかし、今の私は、患者と少し話をすれば、鑑別することができる。膵頭部ガンの患者はガンとわかっても最後まで弱音を吐くこ
となく、凛としている。自分の死を覚悟すると、死後に問題を残さないようにすべて仕事を片付け、最期を迎える。日頃、周囲か
らの信頼も厚く、人の世話もしっかりしてきた人だ。一方、胆管ガンの患者は本当に腰の低い、素直ないい人という印象だ。
・ 脳は、大脳皮質と脳幹と小脳からできている。脳幹とは脳の軸のようなもので、上から間脳、中脳、橋、延髄という名前がつ
いている。大脳皮質でつくられた心は、大脳皮質のすぐ下に位置している間脳に伝えられる。
この間脳には視床下部といって、内臓の働きを調節する自律神経やホルモンなどの中枢とされる大切な部分があり、大脳皮質の中
の古い皮質である大脳辺縁系と密接なつながりがある。つまり、心と体は視床下部と大脳辺縁系というルートでつながっている。
視床下部と新しい皮質である大脳新皮質とは直接つながりはなく、大脳辺縁系を介して視床下部とつながっている。体につながって
いるのは「本能的に感じる心」であり、「知的に考える心」は直接的にはつながっていないということができる。
・ 大脳生理学では、心と体を繋ぐルートである大脳辺縁系は、大脳皮質の大半を占める大脳新皮質の支配下にあるとされる。本
能的に感じる心(=大脳辺縁系)と知的に考える心(=大脳新皮質)で一つの心をつくるのだが、常識的に物事を判断する大脳新皮質
が本能的な大脳辺縁系を支配している構造だというのだ。
この二つの心が相反する状態(本音と建前ともいえる)になると、心にストレスが生じて、その刺激が視床下部に伝わる。視床下部
は循環器系、呼吸器系、消化器系などの機能を保つ自律神経の中枢であり、また、ストレスホルモンを分泌する副腎などの機能や
性機能を司る重要な中枢の一部にもなっているから、視床下部に伝わってきた刺激によって中枢機能が乱れて、体にさまざまな症
状や臓器の異常(病気)が発生することになる。
・ 進行ガンが治癒するパターンは、基本的に三つある。その一つに、ガンを発症させる、あるいはガンの原因となる“現実から離
れる”というパターンがある。普段の生活に原因があると考えるなら、その生活を根本から変えることだ。
仕事に原因があるなら、その仕事を変えるか、思い切ってその仕事を辞めてしまうなど、とにかくそれまで過してきた人生のレールと
はまったく別のレールに乗り換えてみることだ。二番目のパターンは、現実を忘れるということだ。現実を忘れている時には、体も心も癒されている。
何かのきっかけで、自分がガンであるという意識が頭から抜けている状態になったり、ガンに対する恐怖心や不安が自然に消えるこ
とがあれば、治癒につながる。そのきっかけは、この先の人生を大好きな趣味に打ち込んでみるとか、世の人々の役立つボランティ
アに全力投球するとか、自分が心底熱中できることに取り組んでみることだったりするのかもしれない。
三番目のパターンは、しっかりした人生観を持っていることだ。
・ もしガンになったら、どうしたらいいのだろう。誤解を恐れずに言えば、「まずはあきらめよう」、「治そう、助かろうと考え、
もがくのはやめよう」ということだ。とにかく一度心の中を無にしてみることがとても大切だ。ガンに対する恐怖心は、助からない
かもしれないと思う不安ばかりではない。
ガンに負けない、頑張ろうと思う気持ちも裏を返せば、ガンに対する恐怖心なのだ。治癒への第一歩は、まずはあきらめて恐怖心を
取り去ることによって踏み出すことができる。治療にどう取り組むかは、それからじっくり考えるのだ。
『洗脳力』 苫米地英人 アスコム (2010)
『あなたを変え、人を動かす「脳」と「心」の科学』が副題。
テーマが大分離れた話しが多く、あまり参考にならない。
・ 「自分とは単独で存在するものではなく、他者(他人)との関係によって存在するものである」。このように考えられれば、
「私が、私が」と自分のことばかり考えてもうまくいかないことがわかる。
他者との関係こそが自分を規定するのだとわかっていれば、自分がどうこうではなく、他者のことを考えて行動することができるようになる。
・ 幸せとか満足感というのは抽象度の高い感覚なので、「私」という殻に閉じこもった抽象度の低い状態のままでは、
なかなか感じることができない。人間の脳は、抽象思考を司る前頭前野が脳の真ん中にある脳幹を巻き込むような形で覆っている。
また、脳幹の中脳に位置するVTA領域のドーパミン細胞からは、前頭前野までドーパミン作動性の神経軸索が延びている。
脳幹は、生物が生命維持に必要な機能を司ったり、根源的な欲求に対する快楽を感じる部分だ。
根源的な欲求とは、食欲とか性欲といった根源的欲求などだ。これは抽象度が非常に低く、また、すぐに満たす
ことができて、満たされるととりあえず欲求は治まる。
だが、前頭前野が脳幹を巻き込み、ドーパミン軸索が脳幹から前頭前野まで延長されている構造のため、脳は前
頭前野で行う抽象思考によっても快楽を得ることができる。
原始的欲求はすぐに満たすことができてそれで終わりだが、抽象思考の快感は限りなく大きくすることができる。
「夢」や「幸せ」や「満足感」を抽象思考をすることで限りなく大きくできるわけだ。
「私」という殻を破ってもっと抽象度の高い思考で「幸せ」というものを考えることができれば、本当の幸せ、満足感に
近付くことができるはずだ。では、「私」よりも抽象度が高いものとはどんなものだろうか。
たとえば「夫婦」「家族」という概念は「私」よりも抽象度が高いといえる。でも、「親戚」、「近隣」、「町内」、
「都道府県」、「日本」、「アジア」、「世界」…という具合に抽象度をさらに高めることができる。
つまり、「私はどうすれば幸せになれるのだろうか」という問いの中の「私」の抽象度を上げていくと、
「世界の人たちはどうすれば幸せになれるのだろうか」となることがわかる。夢も抽象度を上げれば上げるほど、大きな夢になる。
・ 抽象度の高い夢は「私」という殻から抜け出し、たくさんの人の「夢」が叶い、多くの人が幸せになる
ことを望むものといえる。自分よりも他人の夢が叶うことを幸せと感じるようになる。
・ 過去とはその人の記憶の中にある、起こった出来事に対する現在の解釈だ。解釈だから、そこにはある一定
の評価が加わることになる。つまり、同じ出来事でも未来から見た評価によって過去はまったく違ったものになってしまうということだ。
・ 現在は未来における過去だから、現在の定義、解釈は未来が決めることになる。もし、未来において夢を
かなえ、幸福を手に入れることになると仮定すれば、今現在、どんなに不幸なように思えても、夢を叶えた
未来から見るとそれは不幸な体験ではなくなっているはずだ。
つまり、未来において夢を叶える人にとっては、現在がどんな状況であろうとも不幸なことではないのだ。夢を叶
えた瞬間、現在の出来事はすべて夢を叶えるための伏線であると解釈されるはずだから。
だから、現在の状況を不幸だと考えているあいだは、決して夢を叶えたり、幸福をつかんだりすることはできない。
いつまで経っても過去の出来事の解釈を変えることができないからだ。
逆に言えば、現状を最高だと考えられる人は未来において夢を叶え、幸福を手にしているも同然だ。つまり今の
自分を最高だと思える人だけが、未来において夢を叶えることができるのだ。
・ 本当にやりたいこと、なりたいものがあるなら、その大目標だけを見続ければよく、途中の通過点を意識する必
要はない。たとえば社長になりたいと思うのであれば社長になることだけを考えて、課長や部長や取締役になることを考えてはいけないのだ。
課長や部長や取締役は社長へ向かう単なる通過点なのだから、そこで達成感を得てしまうことはかえってマイナスとなってしまう。
・ 「本当はやりたくはないが、仕方がないので無理やりやるための方法」が世の「成功法則本」のからくりだ。
では、多くの人がそんなやり方を自信満々に嬉々として世に広め、それに接した者も喜んで取り入れて実践してい
るのは、いったいなぜなのだろうか。
これは「自己啓発」とか「自己実現」などの実践プログラムが、もともと奴隷や軍隊の兵士を養成するプログラムとして開発されているからだ。
・ 人間にはどうしても生命を維持するための欲求がいくつかある。食欲(生命維持)、性欲(種の保存)、
睡眠欲(脳の情報整理)はその代表的なものだ。
では、「お金が欲しい」「裕福な暮らしがしたい」という欲求はどこからくるのかというと、根源的に突き詰
めていくと、「食欲」に行き当たる。
つまり、「お金が欲しい=飢え死にすることを恐れる」という生命維持のための根源的、原始的、脳幹的欲求なのだ。
しかし、現代は生命維持のための原始的欲求を追う時代はすでに終わっている。つまり、お金持ちにならなければならない本質的な必要はないのだ。
・ 夢を叶えるためのいい方法は、ただイメージするだけではなく、共感覚を使うことだ。たとえば社長になると
いうイメージでは、社長の椅子をイメージするだけでなく、五感を使って、匂い、色、感触、味を感じることだ。
それを概念として認識する。その次は概念に強烈な快感のイメージを重ね合わせる。自身がこれまでに体験した最も気持ちの良い体験を重ね合わせる。
『残り97%の脳の使い方』 苫米地英人 フォレスト出版 (2008)
とまべち・ひでと:1959年東京都生まれ。脳機能学者・計算言語学者・分析哲学者・実業家。上智大学外国語学部英語学科卒業。
2年間の三菱地所勤務を経て、フルブライト留学生としてイエール大学大学院に留学。
その後、コンピュータ科学の分野で世界最高峰といわれるカーネギーメロン大学大学院に転入。計算言語学の博士号を取得。帰国後、
徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、通商産業省情報処理振興審議会委員等を歴任。
中国南開大学客座教授、全日本気功師会名誉会長。現在、株式会社ドクター苫米地ワークス代表、コグニティプリサーチラボ株式会
社CEO、角川春樹事務所顧問、米国公益法人The Better World Foundation日本代表。
『人生を思い通りにする!「脳と心」を洗う2つの方法』が副題。標題と目次は目を引く内容だが、中身は自分が行っているプロ
グラムの宣伝で、ほとんどまとまった説明はなし。読むだけ無駄。
・ 怖がらせること自体が、物理的現実世界の臨場感から切り離す技術だ。これを強く感じると、心の防衛本能が働き物理的現実
世界の臨場感が思いきり下がる。ということは、強烈なトランス状態だ。実は、トランス下においては必ずラポールが生まれる。
その深い変性意識を引き起こした相手にラポールが生まれる。だから、成功している占い師というのは「脅し屋」だ。脅しがうまいわけだ。
『眼の老化は「脳」で止められた!』 中川和宏 青春出版社 (2006)
1953年広島県生まれ。早稲田大学政経学部卒。米国医学博士。ビジョン・フィットネスセンター所長。ボルチモア視力眼科
アカデミー主任研究員。アメリカ視力眼科振興財団研究員。日本では視力低下の研究が遅れている現状から、アメリカの視
力眼科医が行っている視力回復トレーニング「ビジョン・セラピー」を日本で初めて紹介。
ヨガと潜在能力開発をベースに独自に研究、開発した視力回復法は、その即効性とともにマスコミで大きな話題を呼んでいる。
また、センター開設24年で2万人以上の眼のカウンセリングを行ってきた実績を持つ。
「老眼も近視も、今からでも回復する」が副題。アメリカ視力眼科の即効視力アップ法をわかりやすく解説。非常に参考になりそう。お勧め。
・ものを見ると、目から入った光が脳に伝わり、頭頂葉や側頭葉の協力を得て認識判断した後で前頭葉に映像されるルートと、
もう一つ、目から入った光が視床下部から脳下垂体を通じて松果体へ行き、その情報が前頭葉に投影されるルートがある。脳内視力は、後者のルートを指す。
すなわち、脳内視力の源泉というのは、間脳や大脳旧皮質といったところだ。そして、これは自律神経系やホルモン系
にかなりの影響を及ぼす。したがって、身体の調子に大きな影響を及ぼす。
・ 瞬間的にものを見て覚える時、脳は一瞬で大量の情報を処理することになる。この脳の処理能力を高めることによ
って、脳内視力をアップすることができる。ものを瞬時に見る(瞬間視という)というのは、ものを瞬間的に頭に入れて
いること。パッと見る習慣で脳が活性化され、視力アップに役立っている。
・ 焦点調節力アップ:老眼になると、眼のピントを合わせる調節力が衰える。実は、眼の焦点が合わなくなると、脳の
焦点も合わなくなる。目を通してピントがぼけた体験が繰り返されると、脳の中でもピントがボケてくるからだ。
・ スピード遠近法:近くの新聞と、遠くのカレンダーを交互に見ていく。壁のカレンダーから5mくらい離れたところに
椅子を置いて座る。手元から40〜50cm離して新聞を持つ。
1. 新聞を見て、次にカレンダーを見ることを繰り返す。最初はゆっくり、確実に、遠くと近く、それぞれをちゃんと両目のピントを合わせて見ることが大切。
2. 徐々にスピードアップしていく。最高の速度で遠くと近くを交互に見る。そのとき、新聞は数センチずつ徐々に距離
を縮めていく。近くはメガネをかけなければ見えない場合は、メガネをかけて練習する。これを繰り返す。それぞれ三分間、朝晩行う。
・ 呼吸近法:ゆっくり息を吐きながら見ると、焦点が合いやすくなる。朝晩、各三分間行うことで、徐々に距離が近づ
いてくることを感じ取れるはず。呼吸近法は自律神経を整え、リラックス効果で眼の筋肉の緊張を解く。
1. なるべく近くの見える距離に、新聞や雑誌や本の活字を置く。次に息を吸って、ゆっくり息を吐きながら、これを徐々に近づけていく。
2. 焦点がぼやけ始めたところでストップする。これを繰り返す。
・ イメージ近法:この方法は焦点を合わせる力とともに、焦点を維持し続ける力を強化していくことになる。朝晩、各三分間行う。
1. 近くの活字に焦点を三秒間合わせる。
2. 次に、三秒間、眼を閉じる。眼を閉じている間は、見ている活字に焦点を合わせ続ける。
3. パッと眼を開けた時に、焦点が合い続けているかどうかを確認する。
・ 眼球コントロール力アップ:加齢によって衰えがちな目の周りの筋肉、血管、神経を刺激し、新陳代謝を高めていく。
・ クロージング・オープニング:ギュッと眼を閉じて、パッと開く。開く時は必要以上に開く必要はない。5〜10回
繰り返す。このようにギュッと閉じてパッと見る動作を上下左右に行う。これを繰り返すことによって、視点移動がス
ムーズになる。さらに次のような効果もある。
1. 眼球のマッサージとなり、血流がよくなり、眼の周りがほかほかと温かくなってくる。
2. まばたきをすることで、ドライアイ予防になる。
3. 眼底を強化し、網膜剥離予防にもなる。
4. 眼筋のストレッチとなり、眼の疲れがとれる。
・ 丸・三角・四角:視野の拡大にも役立つ。
1. 左手で顔が動かないようあごを押さえ、右手を真上に伸ばす。そして、上から下までゆっくり大きな円を描き、
指先を両目でしっかり見ながら追いかける。頭は絶対に動かさない。
2. 三角も同じく、右手で上から大きな三角形を描き、指先を目で追いかける。
3. 四角も同じく、右手で上から大きな四角を描き、指先を目で追いかける。
4. 反対側の手も同様に、各二回行う。
・ まばたき法:各二回ずつ行う。この方法は、本来のまばたき機能を取り戻し、体内のリズムを回復する。ドライ
アイ予防にもなる。また、眼の周りの表情筋をバランスよく鍛え、左右の目の使い方のアンバランスを解消する。
1. 片目ずつ交互にまばたきする(右、左、右、左)
2. 次に二回ずつ交互にまばたきする(右、右、左、左)
3. 一回、二回ずつ、交互にまばたきする(右、左、右、右、左、右、左、左)
・ 動体視力アップ
・ スピードシフティング:朝晩一分間、最初はゆっくり、徐々にスピードアップすることで、だんだん目がスピード
についていけるようになることを実感できるはず。
1. 利き手の親指を目の前30cmの位置に立て、上下に素早く動かして指先を目で追いかける。このとき、顔はまっす
ぐ前に向けたまま動かさないようにするのがポイント。もう一方の手であごをおさえるといい。これを20回行う。
2. 同じように左右真横に素早く動かして、指先を目で追いかける。両目同時に動くように、最初はゆっくり確実に行う。これを20回行う。
3. 今度は、右上から左下へ20回、左上から右下へ20回。
・ 視点移動法:目の前に広がる景色のいろいろなところ(上下左右)を素早くシフトさせてピントを合わせる。初めはゆっくりする。
・ 左右二つの目で協力してものを見る機能を「両眼視機能」という。左右の視力が違うと、視力が急激に落ちてくる。
なぜなら、左右の目のバランスが悪くなり、片方の目しか使わないようになると、使わないほうの目の機能と脳の機能が
衰えてくる。逆に、使うほうの目と脳には負担がかかってくる。
・ 人は視力がいいほうの目でものを見がちだが、どちらの目をよく使っているかのチェックは簡単にできる。人差し指と
親指で丸を作り、目の前のターゲットを囲んで両目で見る。次に左右の目を交互に閉じて片目でターゲットを見る。ターゲ
ットが丸の中に見えたほうがよく使う目(利き目)となる。
・ 輻輳(ふくそう:目を寄せること)開散(目を開くこと)力アップ:輻輳力を鍛え、外眼筋の柔軟性を高める
・ 呼吸輻輳開散法:朝晩二回、三分間ずつ行う。
1. 腕を顔の正面30cm手前に伸ばして、親指(または人差し指)を立てる。指先を両目でしっかりピントを合わせて見つめることがポイント。
2. 息を吸いながら指を両目の間に近づけつつ、両目で指先を追っていく。これ以上近づけないところまで持っていく。この
とき、目が寄ったかどうか自分ではわかりにくいので、他の人にチェックしてもらうといいだろう。
3. 息を吐きながら、指をゆっくり離していく。これを繰り返す。
・ 上下左右輻輳開散法:呼吸輻輳開散法と同じ要領で、上下左右に指を動かして目で追いかける。朝晩二回、三分間ずつ行う。
1. 上から指を目に近づけていく。そして、ゆっくり息を吐きながら元へもどしていく。
2. 下から、同様に息を吸いながら指を目の前に持っていく。そして、息を吐きながら元へもどす。
3. 右から息を吸いながら指を目に近づけ、息を吐きながら元に戻す。
4. 左から息を吸いながら指を目に近づけ、息を吐きながら元に戻す。
・ 深視力アップ:距離感の強化法
・ 距離当て法:
1. 距離が目測で測れるかどうかを確認していく。自分のいる場所から、あるものまでの距離を素早く答える。
2. 実際にメジャーでその距離を測っていく。最初は距離が長めだったり、短めだったりする傾向があるが、次第に距離感が正確になっていく。
・ 推定距離当て法:
1. 部屋の中をぐるっと見渡す。カレンダー、本、机…どこに何があるかを確認して眼を閉じる。
2. さっきあったカレンダーや本に目標を定め、その位置で目をパッと開けて、それにピントを素早く合わせる。距離を推測して、それを確認していく。
・ 瞬間視力アップ:瞬間的にものを見るということは、瞬間的にものを覚えるということだ。記憶力とともに、一瞬で
大量の情報を脳が処理する力(脳内視力)が強化されていく。こうして脳を活性化していくと、発想力まで伸びてくる。
・ 信号瞬間視法:「黒」「グレー」「白」のパターンで書かれたカードをパッと見て、脳に焼き付けてから眼を閉じる。
そして「黒」「グレー」「白」の配列を答えていく。
・ 図形瞬間視法:九つのマスの中にいろいろな○△□が書いてある。これをパッと見て覚えて、自分で書いた九つのマス
にそれを埋めていく。それを随時行う。
・ 数字瞬間視法:三桁から十桁まで数字を上から書いたカードを作る。これを最初は一行ずつ、慣れるにしたがって二行ず
つ瞬間的に見て記憶し、答える。一瞬で覚えて、自分で言い当てる。これも随時行う。
・ 目と手の共同作業アップ:反射神経が鈍るのをストップさせ、その強化になる。年をとっていくと素早く反応することが
できづらくなる。それは、目から脳にかけての情報伝達および情報伝達スピードが遅くなるからだ。これが運動神経を鈍く感
じるような原因になる。この反射能力を強化していく。
・ あっち向いてホイ法:これは相手にある方向を示してもらいながら
1. 反対の方向
2. 90度右向き方向
3. 90度左向き方向を自分の首で示していく。
・ 周辺視力アップ:視野を広げる。
・ 片目首振り法:正面を向いて座り、左眼を閉じる。そして90度右に首をひねり、また元へ戻す。その時に右側の景色を覚
える。次に右眼を閉じ、左側に首をひねって、左側の景色を覚え、また元へ戻して眼を閉じる。両目を閉じた状態で頭の中で
先ほどの距離をまとめ、180度パノラマ状態で全景色を見ていく。周辺の情報を広く集めて頭でまとめる。随時行う。
・ コントラスト視力(明暗順応力)アップ:光に対する感度を上げる練習によって、明るいもの、暗いものに素早く順応でき、
かつコントラストにしっかり目が合わせられるようにする。
・ 目の日光浴:
1. 天気のよい日に外へ出て、眼を閉じたまま30秒間、日光にさらす。
2. 手のひらをおわんのようにして目を覆い、真っ暗にして30秒過す。これを1セットとして5セット繰り返す。
・ 懐中電灯法:
1. 懐中電灯を二つ用意する。一つは右目、もう一つは左目に当てる。やり方は、目の日光浴と同じで、眼を閉じたまま30秒間、明るく照らす。
2. 明かりをはずして、手をおわんのようにして目を多い、真っ暗にして30秒間行う(懐中電灯が一つしかない場合は、左右の目
を交互に行う)。これを1セットとして5セット繰り返す。
・ 老眼には@正常老眼、A近視老眼、B遠視老眼の三種類がある。近視から老眼になった人と、遠視から老眼になった人では、目の特徴と注意点は異なる。
1. 正常老眼:若い頃は1.0以上の正常視力があった人で、だいたい40歳を過ぎて老眼になった人。最も症状が軽いタイプ。
脳内視力トレーニングで眼筋の柔軟性を戻していけば、十分に老眼をストップさせたり、さらには三段階くらいは前の状態に戻せる可能性がある。
2. 遠視老眼:若い頃には視力がよくて、40歳を超してから老眼が入ってきた人。正常老眼と違うところは、急激に老眼
になる、というところだ。このタイプは、見えるギリギリのところからだんだん近づけて見ていく練習をすればいいわけだが、
最初は近くを見る抵抗感や恐怖心を取り除くことが大切だ。
まず、遠方を見ていって、「0.8、1.0、1.2…まで見えた」と脳に自信をつけさせる。次に眼を閉じて、頭の中でその見えていた
ものがだんだん近づいてきているとイメージする。このように、ちょっと脳を錯覚させた後、脳内視力トレーニングを加えて、
二〜三段階は以前の目に戻すことが可能だ。
3. 近視老眼:もともと近視で長年過してきたタイプ。脳に「ものが見えない」という意識が刷り込まれて数十年が経過したの
だから、脳内視力は低下し、目は疲弊して、眼底の変質も進んでいる。そこに老眼が加わったのだから大変だ。つらさが通常の
老眼に比べて二倍だ。実は近視そのものも老化現象だ。
老化には酸化現象が大きく関わってきている。体内で発生する活性酸素の問題だ。サビるということだ。その見地から考えても、
近視は老化現象だ。近視老眼は他の老眼に比べて緑内障や白内障などシリアスな目の病気になるケースが非常に多い。そこで血
流をよくするトレーニングや、血管を強化する食べ物によって、筋、神経、血管を強化していくことが大切だ。
・ 涙は主に水層と油層でできている。水分が蒸発しないよう表面を油分で覆っている。ドライアイの十数%は水分不足、残り
の80%以上は油分不足。水出し、油出し、まばたき強化。この三つのドライアイ対策を軸に、トレーニングをする。
・ 一点凝視法:涙腺を刺激することによって、涙腺の詰まりを取り、機能を高める。
1. 目を大きく開いて、一点をじっと見つめる。このとき、まばたきをしないようにする。すると、目がジーンとしみてくる。
2. まばたきがギリギリまで我慢ができなくなったら、五回から十回、大きくまばたきする。これを五回繰り返す。
・ あくび法:一点凝視法に続けて行う。顔をやや上に向けて、口を大きく開けて、息を少しずつ吸いながら、あくびのまねごと
をする。すると、自然にあくびができ、目から涙が出てくる。一点凝視法で詰まりが取れた涙腺に水を流し込む。涙の経路を作り
、水を通す。これを繰り返すことで涙のルートができ、リズム感が復活して、角膜が常に、上質の涙で覆われるようになる。
・ まつげの付け根マッサージ:涙の一番表面にある油膜は、まつげの付け根にあるマイボーム腺から生成されている。このマイ
ボーム腺を指で刺激することによって油分を分泌させる。眼を閉じ、両親指をこめかみに当て、人差し指の腹で上まぶたのまつげ
の付け根部分を優しく押さえる。あまり強くなりすぎないよう、ゆっくり10回押す。
・ 目頭つまみあげマッサージ:目から鼻に抜ける、涙の通り道である鼻涙腺を刺激する。目頭の付け根を人差し指と親指でつま
む。10回ずつ、ギューッとつまみ上げるようにマッサージする。
・ 目の溝マッサージ:目の周りの体液の循環をよくする。
1. 眼球の上の骨の真ん中の一番高い部分を、それぞれの親指の腹で探る。そこにくぼみがある。そのくぼみをそれぞれの親指の腹で軽く押す。
2. 眼球の下の骨の、真ん中あたりの一番下の部分を、両中指で探る。そこに溝がある。そこを中指と人差し指の腹を使って、
軽く刺激する。それぞれ10回ずつ行う。
・ 完全まばたき法:しっかりまばたきすることにより、眼球の表面=角膜に涙の膜を作ることができる。また上まぶたと
下まぶたの筋肉を鍛えることによって、まばたきが楽にできるようになる。さらに目のシワやクマなどにも効果がある。
1. あごを引いて顔を下に向け、両目は上を向ける。そのまま、ゆっくり、しっかりまばたきをする。(下まぶたの強化)
2. 今度は、あごを上にそらし、両目を下に向ける。そのまま、ゆっくり、しっかり、まばたきをする(上まぶたの強化)。これを10回ずつ繰り返す。
・ 緑内障とは、眼圧が高くなり、それによって視神経障害が起きてしまうこと。視野が欠けて、重度の場合は失明してしまう
危険な病気だ。目の中で血液の代わりとなって栄養を運ぶ「房水」の循環が悪くなると、眼圧が上がる。その結果、視神経乳
頭部のところで視神経が障害を受け、それに応じて視野が欠けていく。
これを予防するポイントは、目の周りの血流をよくすること。首こり・肩こりを取り除くことが一番。次に、光を利用しながら瞳孔の反応を刺激する。
・ 肩こり解消体操
1. 両肩を耳にくっつくくらい思いっきり上げる。数秒キープしたらさげる。
2. もう一度、肩を上げて、下げる。
3. 肩を真後ろへ引っ張る。両肩が後ろでくっつくような感じで胸をそらす。
4. 肩を真ん前へ。両肩が前でくっつくような感じにぐーっと倒し、力を抜いてストンと落とす。
5. もう一度肩を前へ。両肩が前でくっつくようにする。
6. 今度は肩を後ろへぐーっともっていったあと、力を抜いてストーンと落とす。
・ 首こり解消体操
1. 首を前に倒す。
2. 首を後ろに倒す。
3. 右耳が右肩にくっつくように首を右に倒す。
4. 左耳が左肩にくっつくように首を左に倒す。
5. 顔を右に向ける。
6. 顔を左に向ける。
7. 首を右回りにゆっくり回す。
8. 首を左回りにゆっくり回す。
・ 白内障は、代謝異常とも呼ばれ、水晶体の新陳代謝が悪くなり、老廃物が水晶体に溜まる病気。これも予防策は体内の
循環を促していくことだ。脳内視力トレーニングと肩こり・首こり解消体操が効果的。
・ 身の回りにある本や新聞を手にする。そして、それを見える距離まで離す。老眼がかなり進んでいる人は老眼鏡をかけて
行っても構わない。眼を閉じて、「見える!」と考えて、パッと目を開けてその新聞を見る。はっきり文字が見えているはずだ。
次に、それを10cm手前にする。文字がぼやけて見えているはずだ。眼を閉じて、「見える!」と考えて、パッと目を開けて
その新聞を見る。はっきりぐっと、はっきり焦点が合って見えるはずだ。これを10回繰り返す。これは、「潜在意識に見える
という暗示を入れて、その暗示効果が表れて近くのものが見えた」のだ。
見るということが、潜在意識のイメージを前頭葉に映像して見るのだから、潜在意識を変えていけば、見え方が変わっていく。
そこで、何かを見ようと思ったら、常に「見える」と心で唱えてから、焦点がピッタリ合うところより少し手前に置いて見る
。同様に、「私は老眼がストップする」「私の目は必ずよくなる」ことを強くイメージするのも効果的だ。例えば朝、目覚め
た時は絶好のチャンス。ぼんやりしている時ほど潜在意識の扉が開いている。潜在意識に情報をインプットすれば、それは必ず実現する。
・ 目の周りの血行を促進するシャワー術:まぶたを閉じて、温かいシャワーを、10秒間くらいまぶたに浴びせる。シャワー
の勢いは、あまり強くなりすぎないようにする。目の周囲が温まってきたら、次はシャワーの温度を下げて冷水にする。同じよ
うに冷たいシャワーを10秒間ぐらいまぶたに浴びる。
温水と冷水を交互にかけることによって、目と目の周囲の血行を促進し、房水の循環を活発にして目の老化予防になる。
・ コンピュータから目を守るヒント:まず、画面を見たまま顔を右に向けると、自動的に、目線は左を見ていることになる。
その後、ゆっくり、顔と眼球(目線)を正面に戻す。今度は顔を左に向ける。眼球は画面を見つめたままの姿勢を数秒間キープ。
その後、ゆっくり、顔と眼球を正面に戻す。次は顔を上に向ける。目線は、自動的に下になる。またゆっくり、顔と目線を元
に戻す。同じように目線はそのままで顔を下に向ける。あごをひくような形になる。目線は上を向くことになる。また正面に戻す。
このように顔や眼球を動かすことで、単調な刺激から逃れることができる。そして、眼球の周辺の筋肉のストレッチ効果もある。
・ 目を清潔に保つために洗浄液で洗いすぎたり、目薬をつけすぎたりすると、だんだん涙が出にくくなり、次第に感染症に
侵されやい目になって、いつも洗わなければ清潔に保てなくなる。
・ 甘い物や肉類、油脂類を過剰に摂取すると、身体に、ひいては眼に悪影響を及ぼす。
・ 「しっかりよく噛んで食べる」ことは、食べ物の消化だけでなく、視力にもいい。ガムを噛むのも効果的。ただし左右均等に噛むようにする。
・ ブルーベリーは目にいい。ブルーベリーの皮に含まれるアントシアニンと呼ばれる有効成分が、目の網膜の健康(網膜
剥離の予防)と視力回復に効果がある。アントシアニンは、目の網膜にあるロドプシンの再合成を促進して、疲れ目を改善し、視力を向上させる。
さらに抗酸化物質ポリフェノールの一種であるアントシアニンの特徴は、抗酸化作用が高いこと。
・ 「海のミルク」といわれるカキには、スタミナ源といわれるグリコーゲンや細胞を活性化させるアミノ酸やビタミン、
ミネラル類など数多くの栄養成分が含まれている。なかでも「タウリン」と「亜鉛」だ。タウリンは疲労回復だけでなく、
肝機能をアップさせ、視神経の疲れや水晶体の濁りを防ぐ効果もある。
また、亜鉛は体に欠かせない成分で、不足すると疲れやすくなったり、薄暗いところでものが見えにくくなる。細胞の新陳代謝を促し、疲れ目の解消を促す。
・ ナマコに含まれるコンドロイチン硫酸、豚足、軟骨、手羽先、煮こごり、牛すじ、フカヒレ、うなぎ、アンコウに含まれるコラーゲン、等も目にいい。
・ 眼の老化を止める生活10カ条
1. メガネに頼らない:頻度を少なくするか、度数の弱いメガネで適応できるように目を鍛える
2. よく眠る:
3. 適度に日光浴をする:太陽の中の紫外線には若返りを促進する作用のあるUV−Aが入っている。これを適度に浴びることが大切。
4. 正面でものを見る:片眼視傾向や乱視防止。
5. 呼吸をしっかりして酸素を供給する:目と脳は体の中に取り入れた酸素の四分の一を消費している。呼吸が浅いと酸素が十分に供給されないので、働きが落ちる。
6. 水分補給を欠かさない:
7. 目と脳を適度に使う:
8. 上を向いて歩く:視野が変わり、気持ちも変化する。また、首肩の筋肉の凝りも自然に取れていく。脳に対する血流が変化していく。
9. 色のあるものを着る、見る:目と脳に刺激を与える
10. 自己イメージを若々しく:脳内視力の中で自分のイメージを若々しく保つことが必要。常に若々しさを前頭葉に映像としてもち続けることが大切。
『英語の頭に変わる本』 中田憲三 中経出版 (2002)
玉川大学文学部外国語学科教授。英語音声、応用言語学、英語教育法・学習法専攻。「日本人の脳」(角田忠信著)との衝撃の出会い
を 契機として、脳の機能と言語習得の関係の研究に着手。国民病とも言われる日本人の「英語音痴」を解消する画期的な英語学習
法を 研究・開発。勤務校で発音体操(ラップ)とボサノバを使い英語を習得するユニークな授業を行っている。1996年に『リズム
パターンによる外国 語の習得法』で、1999年に『外国語音声学習法及びこの方法を用いた外国語教材』で特許申請。
非常にユニークな学習法だが、効果がありそう。
・ 日本語で9歳まで育った人は、日本語の母音は音節・子音と同様に、左脳で優位に処理されることが確かめられた。ところが、
西欧語で育った人は、西欧語の音節や子音は言葉の意味を分担する左脳が優位に働くが、母音だけはハッキリと右脳優位に分か
れる 。この違いは言葉の環境の違いによるもので、遺伝とは区別される。
・ 英語は左右の脳を使う複数言語と言えるが、日本語は左脳だけの単脳言語と言える。したがって、普通の日本人は右脳が得
意と する「リズム」に乗せて英語らしい会話をすることが難しい。
・ 英語のリズムパターンにピッタリのボサノバのリズムに合わせて、左右の手でリズムを取り、体全体を動かして大声で発声
練習 をする手法は、脳全体を働かせることになり、日本人にとって単脳言語の欠点を克服する意味で完ぺきなものだ。このリズ
ムパター ンの習得によって、聞き取りは飛躍的に改善されるだろう。
・ 最近、斎藤厚見氏は英語の発音に必要なすべての音は現実の日本語会話の中にあることを見つけた。「r」は春先の「る」、「
l」 は昼間の「る」というように、英語の発音はすべて日本語の発音記号に工夫をこらして置き換えられる。これと中田式英語術
を組み 合わせれば、9歳から正確な会話で無理なく、楽しく完ぺきな英語教育が可能になるだろう。
・ 日本語は周波数の低い言語で、英語は周波数の高い言語である。こうした特徴を生かして、「高周波を聞き取る」ことで英語
を聞 けるようにしようという勉強法もある。しかし、この方法は高周波を聞けるようにする意味では効果があるが、言葉を自由
に頭で 作るには少し不十分だと言える。
それに、高周波だけを聞くというのはとても耳障りなものだ。実際、高周波を多く含んだクラシック音楽を聞いても英語はできる
ようにならない。言語音としての高周波は楽器の高周波とは違う部分で脳が認識しているからだ。
・ 日本語は発音構造が簡単なため、本来右脳で発音を処理すべきものを左脳で処理することができてしまった。それに対して
、発音構造が複雑な言語は右脳で発音を処理するのだが、これは情報収集することが得意な右脳の働きのためなのだ。
・ 日本人の脳では、邦楽器音、自然音(風、雨、川、鳥や動物の鳴き声、人の泣き・笑い声)は左脳で聞き、西洋楽器音、機械音は右
脳で聞いている。外国人の脳はこれらの音をすべて右脳で聞いている。
・ 日本人が右脳を使って聞く西洋楽器音に着目し、日本人が右脳で聞くことができる音を利用することで、英語が頭にスムー
ズに入ることに著者は気づいた。そこで英語のリズムに似ているボサノバを英語のレッスンのBGMにした。
『頭脳革命』 中松義郎 WAVE出版 (1996)
・
頭をよくする呼吸法:「ハッハッハ」と声を出しながら息を吐く。これを必ず七回連続してやり、七回目は特に「ハアー」と伸ばして声を出し、肺の中の全ての空気を残らず吐き出す。この時、上体を一回目に息を吐く時からだんだん前に折り曲げ、七回目には45度から90度前にからだを倒す。同時に大きく口をあけて息を吐き出すが、とくに七回目は、舌を出来るだけ長く出す。こ
の七回やる動作を五回連続して行う。
・ 一日一食にすると100%の体内毒素が排出される。
・
大脳の神経細胞の六割の構造が次の脂肪で作られている。リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸とポリ不飽和脂肪酸である。メザシやイワシなどを丸ごと食べたり、ひじき、根昆布、岩ノリなどがよい。
・ 糖分と油を一緒に食べると、体脂肪が30%増大する。
・ 甘いものを食べたい時は、植物繊維(カボチャ、サツマイモ、寒天、ひじき、ゴマ)と一緒に食べるとよい。植物繊維が糖質を体の外へ搬出してくれる。
・
ミネラルのバランスの維持にはマグネシウムが効力あり。ピーナッツ、カボチャの種、アーモンド、クルミなどのナッツ類、ワカメ、ひじきなどの海草類。
・ 湯葉は体をアルカリ質にするのに非常に効果的。
・
「一スジ、二ピカ、三イキ」スジとは筋が通ること、理論のこと。ピカとは従来の延長線上にはないヒラメキを指し、イキとは社会で生きる、つまり実用性のことを示している。創造はこの三法則を全部兼ね備えていなければならない。
・
「ケチョウスピゾケピケアイキ」は創造、企画、発明のチェックポイント。「ケ」とは消す。先入観、すべての雑念、既成概念を消
し去ることが第一。「チョウ」とは調査。徹底的に調査をする。「ス」とは筋。論理が正しいかどうかチェックする。「ピ」とはピカ
、着想。「ゾ」は造。実際に作ってみる。「ケ」とは検査。出来上がったものは必ずもう一度検査、点検する。
「ピ」とはもう一度別角度からひらめかせる。「ケ」とは再び検査し確かめる。「ア」とはアセンブリー、組み上げる。「イキ」とは社
会に生きる、活かすこと。世のため、人のためになるかチェック。
・「社会六十年周期説」:通常の歴史は「政治の十五年」「経済の十五年」「文化の十五年」「混乱の十五年」を繰り返すと中松氏は唱える
。例:明治維新後の「政治の十五年」「経済の十五年」、大正の「文化の十五年」、昭和の満州事変から大東亜戦争終了までの「混乱
の十五年」、終戦による政治変革の「政治の十五年」、池田総理の「所得倍増計画」の「経済の十五年」、大平総理の「文化の十五年」
、そして現在の「混乱の十五年」。
『自分の体は自分で治せる』 中山栄基 風雲舎 (2002)
ミネラル研究家。長年の毒性研究から化学物質の猛威に気づき、それを帳消しにする「生物ミネラル」を、自然の野生植物群から
開発。1944年山梨県生まれ。67年、上智大学理工学部化学科卒業。厚生労働省日本バイオアッセイ研究センター(信頼性保証主官)
に勤務の後、退職。
東京女子医大公衆衛生化学教室、慶応大学医学部新薬化学研究所、北里大学医療衛生学部などで研究に従事。上智大学理工学部
応用化学大学院講師、学校法人篠原学園理事などを歴任。「還元健康法」を提唱しながら全国を講演し、この間の思索が後の「生物
ミネラル」開発へとつながった。
「合成化学物質はもう要らない」をスローガンに掲げ、医療機関を通じての重症患者への生物ミネラルの提供や、食の現場などで
、化学物質を排する運動に東奔西走している。現在、(株)やつか専務取締役。
「野生の還元力 生物ミネラルが体を元に戻す」が副題。毒物研究に従事していた著者が化学物質は危険であり、人間の体を蝕ん
でいることに危機を感じた。フリーとなり、健康な体になるための研究を始め、ミネラルバランスが重要であることを発見。体
を還元する、有効なミネラルは野生の植物から摂取できることを発見し、日本全国歩き回り、候補となる野生植物を採取し、と
うとう生物ミネラルの商品化にこぎつけた。この本はその軌跡であり、生物ミネラルのすばらしさ(末期癌にも効果あり)を紹介
している。おすすめ。
・ これまで著者達がやってきた化学物質の体に及ぼす有害作用のテストは、あくまでも単一の物質に対して行われるのが原則
で、二種類以上を摂取した場合の毒性試験はしていないし、実際どのような複数の物質を合わせてテストするか無限の可能性が
あって、現実的には不可能だ。
・ 食品中には、様々な合成添加物が含まれている。まず食品の製造や加工の過程で、多種の工業薬品が使用されている。生産工
程を終えて最終商品として食料品の売り場に並ぶ数多くの食品には、保存料、殺菌料、酸化防止剤、防カビ剤、着色剤、発色剤
、漂白剤、光沢剤、香料、甘味料、酸味料、調味料、苦味料、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、膨張剤など、いやというほど食品添
加物を数え上げることができる。
もちろん素材そのものに、農薬や化学肥料、除草剤が残留していると見るべきだし、また農産物を海外から輸入するために長期
貯蔵や遠距離輸送で害虫やカビが発生しないよう農薬等で処理する(ポストハーベスト)のも、大きな問題だ。
・ 医薬品は、漢方薬を除けばほぼ100%合成化学物質の塊と見ていいだろう。さらに口や鼻から、大気中の自動車や工場からの
排気ガスが呼吸器に吸い込まれ、体内に入る。
・ いま私たちは、化学物質という麻薬にどっぷり浸かり、にっちもさっちもいかない中毒状態に陥っているのではないか、そ
の中毒症状こそ現代病の根本的な原因ではないか、化学物質の毒性研究に取り組みつづけながらも、そういう疑念が著者の胸中
を大きく占めるようになった。
・ 著者は、「酸化」と「還元」を健康の物差しにできると確信した。そして、次のように結論付けた。
1. 体の酸化とは毒化であり、体がサビつくこと
2. 体の還元とは浄化であり、体のサビがとれること
・ 体に害がない安全な物質で還元力の強い物質を探し、それを体に入れてやれば、私たちは体の汚れを落とすことができる、
つまり細胞の浄化ができると著者は考えた。そうすれば病気も治り、若々しくて健康で、元気な体を保つことができるはずだ。さ
しずめ私たちが体に取り入れるものといえば、ひび摂取する食べ物からということになる。
そこで著者は、世の食品という食品を、酸化還元電位計(水の酸化力及び還元力を測定するテスター)で調べた。
・ 摂ってはいけないもののワースト・ワンは酸化力の高い食品だ。これには自然界に存在する食品(なし、りんご、もも、バナ
ナ、レモン、天然塩等)もあるが、多くは化学物質そのものや合成の食品添加物をふんだんに含んだ加工食品(紅茶、コーラ、清
酒、かぜ薬等)がそれだ。インスタント食品やレトルト食品などは、もってのほかだ。
・ 野生生物を生で食べるのが一番いい。植物の場合、生の汁に最も還元力があることは実証済みだ。やむを得ず火を使う場合は
100度以内で「煮込む」または「蒸す」のがいいだろう。100度以内で煮込んだり蒸すのは、水分を蒸発させないという配慮だ。茹で
て食べるのは、茹で汁のほうに還元力のある要素が移行しやすく、ちょっと考えものだ。
・ 食べるのを是非避けてほしいのは、外国から入ってくる農作物、果物類だ。日本に輸入される際にポストハーベストといっ
て、必ず害虫駆除やカビ防止のためにEDB(エチレンジブロマイド)や臭化メチルその他の危険な化学薬品を使っているとみた
ほうがよいだろう。
・ ミイラを作る手順として、まず死体を青酸カリの浴槽に浸け込む。青酸カリという還元剤で死体は腐敗せずに永遠に残るか
らだ。そしてミイラを棺に納める。よく墓泥棒が棺を開けた瞬間死んでしまうケースがあるのは、棺の中に充満している青酸ガス
を吸い込んだためだ。
青酸カリが青酸ガスに変化していたのだ。なぜ青酸カリで死ぬかといえば、それが体内に入ったときの酸素を奪う力が強いから
だ。つまり、強力な還元作用を有していることになる。それが強力であるがゆえに、細胞中の酸素を奪ってしまい、あっという
間に死に至るというわけだ。
ところが、青酸ガスとして吸い込む量が致死量を超えなければ、シアンの特性として分解が極めて早いためあとに残存しない。
・ 水や生物に化学物質が添加されたとたん、酸化力・還元力を表すORPの数値に大きな変化が生じる。ただし水道水を煮沸
するとORP値が変わる。煮沸前の塩素が入った状態ではきわめて酸化力が高いが、煮沸後の湯冷ましは塩素が熱によって蒸発
してしまうのでORP値は下がる。
また、生のアロエはORP値がマイナスで還元値が高いが、そのジュースになると、安息香酸ナトリウムやその他の化学物質が
安定剤として添加されるケースが少なくないので、そうなるとプラス300程度になってしまう。だから酸化力の高い化学物質(な
いしはそれを含んだ食品)を摂取しない方がよいという結論が導かれる。
・ 火を使わない大自然の野生の中にこそ真の還元環境があり、地球と人間を蘇生させるクスリがある。それも植物にこそ、生
きとし生けるものの体内を浄化し、生命エネルギーを活性化させる、すばらしい還元力が潜んでいる。
・ 著者は多種類の植物から個々に全ミネラルを抽出し、これを総合したミネラル混合物を作ってみた。そしてそのORP値を
測定したところ、マイナス300以上の高い還元力を得ることができた。この多種の植物から抽出して混合したミネラルを「生物ミ
ネラル」と命名した。
・ 地球上の元素分布については、地球そのものにしても、人間や動物あるいは植物といった生物体にしても、酸素、水素、炭
素、窒素の四元素で全体の九十数パーセントを占めているという。これらが体や食品中の炭水化物や脂質、たんぱく質などの有
機物を構成する主な元素だ。
それ以外の元素が、それぞれ微量ではあるものの重要な作用を及ぼす無機質(ミネラル)で、それは100種以上あるという。
・ 個々のミネラル分布は全く異なっており、地球ではケイ素とアルミニウムがほとんどを占めていて、人間ではカルシウム、
リン、カリウム、ナトリウムが、植物ではカルシウム、カリウム、ケイ素、リンが多くなっている。このことから人間は、地球
の大地が有するミネラルバランスを反映しているのではなく、限りなく植物のミネラルバランスを受けている、つまり植物から
多くのミネラルを得ていることが分かる。
・ 植物の水に溶けるミネラル分布は、人間の体液、すなわち細胞の内液および外液の分布と、かなりの共通点がある。私たち
は多種類の植物を摂取することによって、個々の植物それぞれバラバラのバランス分布のミネラル分を吸収しながらも、全体と
してほぼ共通したバランスになっている。
・ 著者は、個々のミネラルには興味がない。なぜなら私たちは、もともと単一の元素だけを取り出して体内に摂取する食習慣
はない。すべての元素が集合した分子状の物質を体内に摂り入れてきた。空気も水も野菜、果物、肉、魚もすべて混合分子状の物
質だ。
そういうわけで著者は、「カルシウムや鉄、亜鉛などが不足したから病気になった」などといわれても、本当にそうなのかなと思
ってしまう。人間の体はそんなに単純ではないはず。100種類以上のミネラルの多くを植物も人間も含有しているはずだが、体の
中で果たす役割がある程度わかっている元素はせいぜい30種余りで、残りの元素の役割は解明されていない。
・ 生命には、絶対に同じものはない。だから個々バラバラのミネラルバランスを持つ数十種類の植物それぞれから全ミネラル
を抽出し、これを総合したミネラル混合物「生物ミネラル」こそ、結果的に望ましいバランス物質だと考えている。そして、この
生物ミネラルから、さらに水に溶けるミネラルすなわち「水溶性の生物ミネラル」も併せて開発した。
・ 日本人の病気が年々増加し、それが複雑化しているのは、体の中のミネラルバランスが崩れてきたせいだと、著者は考えて
いる。その最大の元凶は化学物質が食生活に入り込んできたからだ。病気の原因は、毎日摂っている食品のミネラルバランスの崩
れだと考えていいだろう。
・ 日本は火山国で、土質に偏りが大きく、また火成岩の地層が多く、それを透過してくる地下水は、ミネラルの少ない軟水が
多くなる。さらに日本は降雨量が多く、土壌の中のミネラルが容易に流出しがちだ。このようにミネラルが少ない水を軟水といい
、日本の水はほとんどこの水だ。
その点、ヨーロッパやアメリカの水はミネラルがたくさん含まれており、硬水と呼ばれている。
・ 日本の戦後農業は、食糧増産のために、膨大な化学肥料や各種の農薬を投入してきた。その化学物質浸けになったことで土
壌は疲弊してしまい、それにともなって作物が、ただでさえ少ない各種のミネラルを吸収する力を弱めてしまった。例えば鉄分
をみると、ホウレンソウは50年前に比べ三分の一に減っている。
ニンジンは半分。その影響は家畜にも及び、ミネラルの少ない食肉を私たちは食べている。
・ 栄養補助食品(サプリメント)としてカルシウムとマグネシウムのバランスを考えたものとか、セレン、マグネシウム、亜鉛
、カルシウムなど単体のものが、アメリカをはじめとして、最近では日本でも、安価に出回っているが、ミネラルを多く摂るの
で一見よいことのように思えるが、実は一つのミネラルだけ摂取すると、体全体でみてミネラルバランスを崩すことになる。
またサプリメントのうち、いくつかの物は化学物質から合成されたミネラル化合物であって、体をよくするつもりが、逆に体内
に人工環境を作ってしまうことにもなる。つまり化学肥料で作った農作物と同じことが、特定のミネラルを入れることによって
私たちの体に起こるのだ。
・ 骨粗しょう症にしても、貧血にしても、糖尿病にしても、単一のミネラル不足からくるような単純な病気ではなく、実はそ
の根本原因は、自然界が作った体内の全体のミネラルバランスが崩れていることが背景にある。そこでミネラルバランスのとれ
た野生生物をしっかり摂取していれば、いずれも防げる病気だ。
・ 「生物ミネラル」の原料は、すべて野生の生物、ことに植物を素材にしている。イタドリ、クズ、ヨモギ、ドクダミ、ハコベ
、タンポポ、クレソン、ノゼリ、マコモ、スギナなどの野草、マツ、スギ、ヒノキ、ヒバ、イチョウ、ビワ、クヌギなどの樹木
葉、コンブ、ワカメ、アラメ、ホンダワラなどの海草(海藻)、そのほかシダ類、クマザサ、タケ、水苔、水草など、いずれも繁
殖力の旺盛な素材を選んでいる。
それらを総合したミネラルとして、野生の、じつにバラエティに富んだバランスと、たくましい生命エネルギーを得ることがで
きる。すなわち、地球上に存在するミネラルをたくさん含有することを念頭に置いて「生物ミネラル」が作られた。
・ 「生物ミネラル」には以下のような特性がある。
1. 大自然が育んだ生物のミネラルバランスそのものである
2. 体に適応したミネラルの分布を示している
3. 体をサビつかせる酸化を防止する高い還元力を持っている
4. 現代病を撃退する体づくりに有用な役割を果たしている
5. 合成化学物質の有害作用を抑制する力を持っている(抗がん剤や放射線の副作用を抑制する、強い細胞毒性を持つ化学物質
の有害性を抑制する)
6. 合成化学物質の効用の代替及び後押しをする(抗がん剤の薬理効果を高める作用がある、合成の食品添加物の代替作用があ
る、食品には0.01%程度の少量の添加で有効な作用をする)
7. 生命活動に大切な免疫活性能、体の防御機能を高める作用がある
8. 生物ミネラル液は大腸菌、MRSA、霊菌、白癬菌、緑膿菌、レジオネラ、サルモネラ菌、大腸菌O-157、腸炎ビブリオな
ど各種細菌への殺菌作用、抗菌作用がある
・ 著者は門脇みとせ社長とパートナーを組み、(株)やつかの仲間たちと「生物ミネラル」の商品化にこぎつけた。
・ 野生植物から誕生した「生物ミネラル」の特徴は、生物に適応した野生の還元エネルギーと、さらに自然界のミネラルバラン
スを備えていることだ。人工環境の中にどっぷり浸って、人工バランスに陥っている現代人の体に、この還元エネルギーとミネ
ラルバランスを注入することによって、自然界の野生バランスが徐々に復活して、自己治癒力が備わってくる。
・ 生物ミネラルを摂取することによって(自己免疫力が活性化するがゆえに触発されて)病巣・病状も悪あがきするように顕著
になるということがある。まるで薬の副作用のように思われるが、これは「好転反応(めんげん反応ともいう)」といって、漢方で
もよく見られる、つまりは本来の自然治癒力が還元力を発揮してサビ落としするときにともなう生体反応そのもので、治る前の
一時的な現象と考えられる。
・ 生物ミネラルを摂取していると、白血球、赤血球、ヘモグロビン、血小板など血液への悪影響の抑制が目立つ。特に白血球
の減少の抑制は顕著。これまでの例では白血病の改善事例が多数あることなどを見ても、白血球が強化されるのは間違いなさそ
う。
通常だと、体の防衛機構は白血球が行っているから、ガンになることじたい体の防衛力がガンの力に負けていることであり、そ
こに放射線や抗がん剤が加わったらとても耐えられないのは当然のこと。ところが生物ミネラルを摂取していると、放射線や抗
がん剤の副作用が現れず、免疫力も逆に上がり、末期がんの人でも半分くらいの人が病状がよくなっている。
・ 糖尿病や高脂血症にも生物ミネラルは劇的な効果を示している。
・ 食品加工、鮮度保持などのために、およそ350種類ほどの合成添加物がその使用を許可されている。しかし、許可されている
これらの合成添加物の中には、15%ほどのものが遺伝子を破壊するテスト、つまり細胞毒性試験で「陽性」という報告が出ている
。にもかかわらず「規定されている量以下なら添加してもよい」というのが法律の解釈だ。
・ 生物ミネラルは合成添加物の代わりになることが実験によって明らかになった。
1. 保存性の向上
2. 酸化防止、劣化したものの復元
3. 消毒剤やアルコールの臭気や劣化したいやな臭いの抑制
4. 殺菌・制菌
5. 本来の素材の特徴を引き出す
6. 素材成分の抽出
7. 柔軟性の向上、マイルド感、つなぎ作用
8. 遠赤外線作用
・ 「生物ミネラル」を薬局で最初に取り扱ったのは、東日本に30数店舗を誇り、250人の薬剤師を擁する薬日本堂(株)。
・ 薬日本堂(株):東京都港区高輪3-25-29 TEL:03-3280-2001 http://www.nihondo.co.jp/
・ トータルヘルスデザイン: http://www.th-d.co.jp/
・ 生物ミネラル製造会社:(株)やつか 島根県松江市西津田2-15-37
TEL:0852-26-8480 http://www.yatsuka.co.jp/
『麻ことのはなし』 中山康直 評言社 (2001)
「ヒーリングヘンプの詩と真実」が副題。神宮麻文化研究者。
1964年静岡県生まれ。幼少の頃より精神文化の影響を受け継いで育つ。87年、古代、神代の英知の重要性と麻の将来的な可能
性 に気づき調査、研究を開始する。93年、麻の歴史文化の調査、研究を通して古代の惑星システムである直感体験科学を確立す
る。
9 8年、循環型社会の構築に貢献するための機関として、縄文エネルギー研究所を設立、直感体験科学の研究と麻の産業的有効利
用に 基づくHemp製品の開発及び発明を行う。2001年現在、惑星間生態系ネットワークの意識進化の研究とそれに伴う地
球資源である麻の研究を中心に循環型調和社会実現 のため「ハートヘンプ」を実践していくプロジェクト活動も行っている。
栽培が禁止されている大麻に様々な有効利用法があることを教えてくれる。今まで誰も言っていなかった大麻の歴史、用途につい
て わかりやすく説明している。おすすめ。
・ 大麻は本来、「おおあさ」と呼ばれ、英語では「ヘンプ」といわれる雌雄異株のアサ科の一年草で、学名は「カンナビス・サティバ
・ リンネ」という。品種や環境によっても異なるが、丈は平均3メートルから最大5メートルぐらいになる。葉は、一、三、五、七、
九… 枚の奇数の小葉からなる掌状葉で、柄が長く、小葉の枚数は、生育段階で異なっている。
・ 大麻の種子は麻の実(おのみ)といい、たとえば、七味唐辛子の中の一味として、古来から食文化の中でも活躍してきた。
夏か ら秋にかけての時期に茎を刈り取り、繊維をとるために皮をはぐが、この皮を麻(オ)という。皮をはいで残った殻は麻殻(
おがら) といって、昔は懐炉灰の原料にした。また、お盆のとき、門火に麻殻を焚く風習は今でも残っている。
・ 日本に古くから自生していた麻は大麻と苧麻(ちょま)で、大麻は「オ」とか「ソ」といい、野生の苧麻のことをカラムシある
いは マオトと呼んでいた。植物学的には種類は違っていても繊維をとる植物ならば麻を総称している。
・ 麻と言われているものは非常に多いが、日本で麻といえば、古代日本の精神的文化と関係することからも大麻のことを指す
。昔 は、桑、漆、茶、楮および紅花、藍、大麻を四木三草といい、産業用としても主要な植物だった。
・ 大麻はヘンプ、マリファナ、カンナビス、ガンジャ、グラス、ウィード、サンタマリアなどと世界中でいろいろな呼び方
をさ れている。
・ 循環型植物である大麻が、どうして世界的に規制されたかといえば、1900年代の初頭に石油資源を中心に経済を発展さ
せよ うという政治的、経済優先的な考え方のなかで、大麻産業のような循環産業が石油化学産業を推進する時代の流れには不必
要だと理 解され、大麻をはじめとした多くの天然循環資源が衰退していったという歴史的な背景がある。
・ 現在、EU諸国をはじめとする諸外国では、ヘンプ産業を環境産業として確立され始め、あらゆる分野に活用されている。1
99 3年にはイギリス、94年オランダ、95年オーストリア、96年ドイツ、98年カナダが産業用としての大麻栽培を解禁し
ている。
・ 日本では、古来から大麻は神聖なものとして取り扱われ、その昔、天上より大麻の草木を伝って、神々、神仏が降臨したとされ
て いる。
・ 日本人は縄文時代以前の古代より、大麻を栽培し、生活に密着した植物として様々なものに活用してきた。
・ 大麻は罪穢れを祓う聖なる植物として、神事的なものに多く利用され、お札(神宮大麻)や御幣、神社の鈴縄、注連縄、巫女
の髪 紐、狩衣、お盆の迎え火など、いたるところで使われていた。また、大相撲の横綱の化粧まわし、下駄の鼻緒、凧揚げの糸や
弓弦、 花火の火薬などにも用いられ、日本の伝統文化の中でも、なくてはならないものだった。
それが、第二次世界大戦後にGHQの占領下において、1948年の大麻取締法の制定により、国内の栽培者が減少の一途をたど
り 、石油化学産業の台頭とあわせ、栃木県、岐阜県、長野県、群馬県、岩手県などのごく一部の伝統地域を除いて大麻産業が衰退し
、こう した一部の利用のみに限られている。
しかし、最近の衣料、化粧品としての輸入量は大きく拡大しており、原料の輸入が98年が38トンで、99年1―10月が累計
で 261トンであり、国内自給の声も高まってきている。
・ 大麻の茎からは、紙、繊維製品、建材、プラスチックなどが製造できる。たとえば、大麻紙の原料である大麻パルブは木材パル
プ と比較しても耐久性に優れ、同じ栽培面積から木材パルプの四倍の紙を生産できる。また、製造過程で必要な塩素漂白は、環境
に重 大なダメージを与えるが、大麻紙は汚染物質を出さないASAパルプ化法を確立している。
・ 1776年のアメリカ独立宣言の起草文は大麻紙に書かれているが、大麻紙は200年たっても劣化がほとんど見られな
いほ ど耐久性が極めて高く上質で、一年草であることから数十年の生育期間を持つ木材と比較しても有利であり、森林伐採を食
い止める ことにも貢献できる。
・ 大麻の茎の皮から取れる繊維は、糸、紐、布、紙など多方面に利用されている。紙と同様に繊維製品や布類としても様々な生活
用 品が製造できる。綿は繊維をとるための重要な作物だが、1993年には15万トン(世界の26%)もの農薬が使用された。綿の
場合 は、生育過程で何度も農薬を散布しなければならず、繊維から製品をつくる過程でも大量の化学薬品を必要とするが、大麻は
農薬や 化学肥料を使用しないでも生育するため、生産コストも安くなる。
さらに、大麻繊維は綿繊維より四倍の耐久性を持ち、単位面積あたり、綿の三倍から五倍の数量を生産できる。
・ 大麻の繊維は、石油化学繊維と比較して着心地も良く、着用したときに人体にやさしく、肌が敏感な体質の人にも適している